2010年03月

2010年03月10日

上手な手術・検査とは

あの先生は器用で手術が上手いとか、検査が上手いとか言いますね。天性の才能が無いと手術や検査は上手くなれないのでしょうか?
外科志望の医学生から「外科医は器用でないとなれませんか?」とよく質問を受けます。外科の教授達は「字が普通に書ければ大丈夫。後は努力。」と答えていました。
私の恩師で食道外科の大家である鶴丸昌彦先生は、器用に要領良く手術を行うというより、じっくりと一切の手抜きなく神経を張り巡らせた手術をなさいます。食道の手術は消化器外科の中でも特に難しく、長時間に及びます。8時間以上に及ぶ手術を最初から最後まで緊張感を持って行うのは、当然とはいえハードです。それがほぼ毎日ですから、超人的ともいえるでしょう。鶴丸先生が名外科医であるのは、生来の器用さよりもこの素晴らしい精神力が理由だと思います。その精神力の源は癌を治そうという情熱です。そして、優れた手術のためにいろいろ工夫をされ、技術を磨くべく大変な努力を怠りません。
先生の手術をはじめとする診療を見ていると、生まれついての天分ではなく、日々の努力が重要であるという当たり前の事実を強く認識します。
自分で手術や検査の上手さを誇る先生もTVでよくお見かけしますが、本当のスーパードクターは違います。
私は手術をすることはもうありませんが、鶴丸先生を見習って、毎日の内視鏡の検査は緊張感を持って、患者さんにやさしく楽にと心がけています。


当院について
渡辺医院
胃腸科/内科/皮膚科/消化器科
当院では風邪から高血圧、高脂血症(高コレステロール血症)、糖尿病までの一般内科診療はもちろんですが、特に消化器病(胃腸の病気)の診療に力を入れています
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