苦しくない胃カメラを受けましょう
胃内視鏡検査(胃カメラ)はつらい検査であると、皆さん思われていませんか? 全く何でもない楽な検査とは言いませんが、例えば10年前に比べればかなり楽になりました。
胃内視鏡検査を殆ど何も感じないで受ける方法として「麻酔を使って眠って検査を受ける」があります。これは正確には、鎮静剤でボーッとした状態(鎮静下)で検査するものです。楽そうに聞こえますが、実は結構大変。鎮静剤は標準的な量では十分に効かない人も多いし、中には興奮状態になってしまう場合もあります。そのため、標準的な量より多めに使ったり、最近では本来手術用に使う強力な薬剤を使う施設もあります。それでも、効果不十分ならば押さえつけて検査する、でも患者さんは記憶が無いから楽だったと思ってしまう。これは大変危険です。また多量の薬剤を使ったり、手術用麻酔剤を使うのも勿論危険。ご高齢の方では心臓の動きが低下することもあります。10年くらい前は私も鎮静剤を使っていたので怖い思いも何度かしました。
で、鼻からの内視鏡。これはそのような危険なく、それ程つらくなく検査ができます。でも、検査する医師が上手でなければ痛い。痛くない検査のコツは、まず左右の鼻を見て、広い方からゆっくりと周囲の壁(の様の見える粘膜)に触れないように喉の奥までファイバースコープを進め、食道の入り口まで来たら、右方向にゆっくり滑らすようにファイバーを動かすと自然に食道に入ります。そうすれば、もうこちらのもの。辛いところは過ぎました。
こう書くと簡単そうですが、微妙な抵抗感は口では表現できず手の感覚で覚えるものです。いくら本を読んでも習得できません。だから、この秘密を書いても大丈夫なのです。
皆さんはこれを読まれてもまだ疑問はあるでしょう。どうか、こちらに疑問をお聞きください。検査を十分に理解して受けて頂くことが最も大切です。無理やり押さえつけての検査なんてとんでもありません。