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タグ:相続人

民法では、胎児は、相続については、既に生まれたものとみなされます。
ただし、胎児が死産で生まれたときは、相続人として扱われません。

胎児がいる場合、実際に出生するまでの期間は相続資格はまだありませんが、
出生することにより生じた権利能力が、相続開始の時に遡って認められることになります。

(1)胎児と他の相続人の申告期限の違い
 相続税の申告期限は、相続の開始のあったことを知った日の翌日から10ヶ月以内と
規定されています。しかし、胎児は相続の開始を知ることができないことは明らかです。
 この場合、法定代理人がその胎児の生まれたことを知った日を相続の開始のあった
ことを知った日とすることと規定されています。つまり、出生日の翌日から10ヶ月以内に
法定代理人が相続税の申告をすることになります。
 こうした規定から、胎児以外の相続人がいる場合には、胎児と他の相続人とでは、
申告期限が異なることになります。

(2)胎児がいる場合の相続税の申告
 胎児がいる場合には、2通りの申告方法が考えられます。
 
 ①胎児の出生を待ってから申告を行う方法
 ②胎児の出生を待たずに胎児以外の相続人で申告を行う方法

  なんらかの事情で②の方法をとる場合には、胎児がいないものとして、
 相続税の計算をすることになります。
  この申告後に胎児が出生した場合には、胎児以外の相続人は、過大な
 相続税額を申告していることになります。
  このため、胎児が出生したことを知った日の翌日から4ヶ月以内に、更正の
 請求を行うことになります。


(民法886)
(相基通27-4⑥)
(相基通11の2-3)

相続人から除外される原因には、相続人の欠格事由と推定相続人の廃除があります。

(1)相続人の欠格事由
  相続人に該当する者であっても、下記の事由に該当すると、法律上当然に相続権を
 失うことになります。

 ①被相続人あるいは先順位・同順位の相続人を故意に死亡させ、あるいは死亡させ
   ようとした場合
 ②被相続人が殺害されたことを知ったにも関わらず告発・告訴をしなかった場合
 ③相続に関する遺言をすること、または撤回、取り消し、変更を妨げた場合
 ④相続に関する遺言をすること、または撤回、取り消し、変更を強要した場合
 ⑤被相続人の遺言を偽造、変造、破棄、または隠匿した場合

  相続欠格が生じた場合、欠格者に直系卑属がいる場合には、その者が代襲相続人
 となります。


(2)推定相続人の排除
  被相続人の生前に、被相続人の意思で推定相続人の相続権を奪うことができます。
 この場合、欠格のように相続権を当然に失わせるものではなく、被相続人の申請または、
 遺言により、家庭裁判所の審判又は調停という手続きが必要になります。

  相続欠格と同様に、排除された相続人の直系卑属がいる場合には、その者が代襲
 相続人となります。


(民法891)
(民法892)

民法でいう養子縁組には「普通養子縁組」と「特別養子縁組」の二つの制度があります。

(1)普通養子縁組
 普通養子縁組をした場合、養子は縁組の日から養親の嫡出子の身分を取得します。
 このことから養親と養子は相互に相続権があることとなり、養子と養親の血族との間にも
 法定血族としての親族関係が発生します。

 普通養子縁組の場合は、養子と実親の間の親子関係は存続したままとなるため、
 養子は実親と養親の二組の親を持つこととなります。

 この制度を利用するためには、養親が成年に達していること、養親が養子より尊属又は
 年長者であることなどの条件があります。

(2)特別養子縁組
 特別養子縁組をした場合、上記と同様に養親の嫡出子の身分を取得しますが、特殊事
 情にある子の保護育成を図る制度のため、次のような特色があります。

  ・養親となる者は原則配偶者のある者でなければならない。
  ・特別養子は原則、養親となる者の家庭裁判所への縁組請求時に6歳未満でなければ
   ならない。
  ・特別養子をするには、実親の監護が著しく困難である等特別の事情がある場合で、
   子の利益のために特に必要がある場合に限られる。
  ・縁組の成立には、原則として実親の同意が必要である。
  ・特別養子縁組では、離縁は原則として許されない。

 また普通養子縁組との大きな違いとして、特別養子縁組の場合は、実親・親族との法律上
 の関係を終了し、養親のみと親子関係を持つことがあげられます。


(民法792)
(民法793)
(民法809)
(民法817) 

代襲相続とは、本来相続人となるべき者が被相続人の死亡以前に死亡等をした場合、
その者に代わってその者の直系卑属等が相続人となる制度です。

代襲事由には、本来の相続人が死亡している場合以外に、本来の相続人が相続欠格
事由に該当している場合や、排除の確定により相続権を失った場合が含まれます。
ただし、相続の放棄をした場合は、代襲相続は発生しません。

(1)子の代襲相続及び再代襲
 被相続人の子が上記代襲事由に該当する場合は、その者(子)の子(被相続人の孫)が
 その者を代襲して相続人となります。
 この場合に、その者の子(被相続人の孫)も相続開始以前に死亡している場合には、
 さらに次の代(被相続人の曾孫)が代襲相続人となります。(再代襲)

(2)兄弟姉妹の代襲相続
 被相続人の兄弟姉妹が相続人となる場合に、そのいずれかの者が上記代襲事由に
 該当している場合は、その者の子(被相続人の甥姪)が代襲相続人となります。
 兄弟姉妹の場合には、再代襲制度の適用はありません。)


(民法887②、③)
(民法889②)

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