不動産コンサルタントのつぶやき

名南財産コンサルタンツ 不動産事業部 公式ブログ

2015年04月

前回から、賃料形成のメカニズムをご説明していますが、今回は、「賃料の特性」について触れてみたいと思います。

“賃料の遅行性”とは?

賃料の特性として“賃料の遅行性”という性質がまず挙げられます。これは、地価や景気の変動に対して賃料は遅れて変動するという性質をいい、“賃料の粘着性”とか“賃料の保守性”ともいわれます。

それでは、なぜ“賃料の遅行性”が生じるのでしょう。前回、「元本と果実の相関関係」についてご説明しましたが、元本たる不動産価格は、バブル時の地価推移をみてもわかるように、将来の価値予測をも織り込んで大きく変動します。一方、賃料は、貸主と借主が合意して一旦賃貸借契約を結ぶと一定期間は賃料の改定が行われないため、元本価値の変動に対して遅れがちになるのです。

また、別の賃料の特性として、不動産の用途により賃料水準の変動幅(賃料の弾力性)が異なるという性質を有しています。例えば、オフィスビルは景気への感応度が高く、好況時と不況時では賃料水準が比較的大きく変動しますが、賃貸住宅はオフィスビルほど景気への感応度は高くはありません。

不動産投資を検討されている方は、こういった賃料の特性を理解されておかれることが必要であると思われます。

次回は、「新規賃料」と「継続賃料」の違いについてご説明したいと思います。

広いバルコニーや専用庭のある中古マンションの販売広告の中には、その広さや使い勝手をアピールするため、バーベキューができることを掲載しているものもありますが、本当にバーベキューをすることが可能なのか疑問に思います。

バルコニーや専用庭は、専用使用権により、普段は付随している部屋の住人が自由に使用できますが、実際にはマンションの共用部分に該当しています。共用部分は、マンションの住人が利用できることになっています。住人が利用できる例では、災害時に避難経路として利用することなどが考えられます。

共用部分の利用方法は、マンションのルールブックである管理規約に規定されています。バルコニーや専用庭でバーベキューをすることは、騒音や煙等により、他の住人に迷惑をかける恐れがあり、直接的に管理規約で禁止されていたり、間接的にも火の取扱の制限として禁止事項に該当している可能性があります。また、管理規約に規定が無かったとしても、管理組合で禁止行為にしていることもあります。

広告でバルコニーや専用庭でバーベキューができると記載されていても、本当にバーベキューができるかどうかは確認が必要です。

3月18日、平成27年地価公示が発表されました。その結果については、各種メディアが取り上げており、
既にご承知の方が多いかと思いますので、少し違った角度から見てみました。

国土交通省が公表している結果の中に、都道府県庁所在地の住宅地「平均」価格という資料があり、
そのトップ5は以下の通りです。

1.東京23区 518,600円/㎡(約1,714,380円/坪)
2.大阪市   233,300円/㎡(   約771,240円/坪)
3.横浜市   217,800円/㎡(   約720,000円/坪)
4.京都市   194,400円/㎡(   約642,645円/坪)
5.さいたま市 178,200円/㎡(   約589,091円/坪)

住宅地であっても、1位の東京23区は、2位の大阪市の2倍以上の価格であり、都市力の違いを実感します。
残る1つの三大都市である名古屋で働くものとしては、今年も名古屋市(6位 168,300円)がトップ5に
入れなかったことが、非常に残念です。
しかし、さいたま市との価格差は、少し縮まりましたので、来年以降に期待したいと思います。
※一般財団法人森記念財団都市戦略研究所の2014年世界の都市総合力ランキングにて、
  東京は4位(2011年4位)、大阪は26位(2011年15位)となっております。

一方の47位については、驚きまではないものの、個人的には想定外の結果でした。
名称は記載しませんが、47位の市の平均価格は31,100円/㎡(約102,810円/坪)であり、名古屋市で
不動産仲介業務を行うものとしては、47位の市で同業務を行う厳しさを、余計なお世話だとわかりつつ
想像してしまいます。

通常、不動産仲介手数料は、不動産価格に連動するため、47位の市の土地売買仲介にて、名古屋市の
土地売買仲介と同程度の報酬を得るためには、5倍程度の件数を取り扱う必要があるものと推測されます。

その他、土地価格の影響を受ける業種としては、不動産賃貸業が思い浮かびます。
恐らく、各種不動産賃貸については、供給過剰で賃料水準が低く、建物建築を前提とした不動産賃貸は、
成立し辛くなっているものと思われます。
(相続対策で賃貸建物を建築するニーズもそれほど期待できないでしょう。)
そうなると、建物建築を生業とする建設業は、厳しくなってくるでしょう。
建設業は、裾野が広いと業界の一つと言われていますので、土地価格の低迷は、地域経済に大きな影響を
与えているのかもしれません。

土地価格が安いから地域経済が低迷するのか、それとも地域経済が低迷しているから土地価格が安いのか、
どちらが正しいのかよくわかりませんが、どちらも間違いではない様な気がします。

何れにしても土地価格は、地域経済の状況を表す重要な指標の一つであると思います。

 前回から引き続き、名古屋市の格安中古マンションの実態を調べてみたいと思います。

 前回までは「築年数」及び「間取り・専有面積」の傾向をご紹介しましたが、今回は「駅からの距離」を
調べてみました。

 調査対象は、前回と同じく不動産業者間の物件情報データベースである「レインズ」を利用しました。
500万円未満の販売価格の物件情報(2月2日時点で登録されている販売中物件)を集め、
そのデータを分析してみました。

駅からの距離を見てみると、

  徒歩5分未満          25%
  5分以上10分未満       40%
  10分以上20分未満      31%
  20分以上               4%

となっています。

また、行政区ごとの割合も見てみます。

  中区   20% 
  緑区   14% 
  名東区 12% 
  東区   11% 
  千種区 10% 
  昭和区 7% 
  天白区 7% 
  守山区 5% 
  中村区 5% 
  北区   2% 
  南区   2% 
  中川区 2% 
  瑞穂区 1% 
  港区     1%
 

 中区や東区、千種区といった市内中心部や、緑区や名東区といった住宅地もあり、
とくに偏った傾向はありませんが、「格安」というと郊外のイメージがある中で市内中心地で駅まで
徒歩10分圏内の物件も多くある状況です。

 今までの傾向をまとめてみると、名古屋市内の格安物件のイメージは下記のようになると思います。

 ①築年数がある程度経過しており、
 ②ワンルームといったコンパクトな間取りで
 ③駅10分未満と利便性もよく
 ④中区や東区、千種区といった立地

 となります。

 特集の中では「永住思考ではなく、家賃を支払うより安くなるから、とりあえず購入する」といった
ニーズがあると紹介されていましたが、そのニーズに照らし合わせると名古屋市内でも条件に
合致している物件があると考えることができます。

 その際に、物件の立地が駅に近ければ、将来的に転売や賃貸の選択肢も広がります。
特にこれからの人口減少時代においては、その立地に魅力があるのか、ニーズがあるのか、
よく吟味して選ぶ必要があります。それらを考慮に入れたとしても、検討できる物件は多くある
と思います。

 もちろん分譲マンションの場合、築年数が古い場合、大規模修繕があることも見越した計画が
必要ですが、今までのような「永住思考」の物件以外の選択肢として、こういった「格安マンション」と
呼ばれる物件も増えてくるのではないかと感じています。

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