不動産コンサルタントのつぶやき

名南財産コンサルタンツ 不動産事業部 公式ブログ

2017年10月

お客様から借入金の返済期間について相談を受けることがあります。
以前は、短期間で返済したいという方が多かったのですが、
最近では、低金利の影響を受け、長期間での返済を希望される方も増えてきました。
正直なところ、万人にとって最も良いと言える期間はないと思います。
言い換えれば、対象物件や各人の諸事情等によって最も良い(適した)返済期間は、
違ってくるということです。
個人的には、建物の税務上の耐用年数を考慮したうえで、ご自身に適した返済期間を
検討されることをおすすめします。

返済年数が建物の耐用年数よりかなり短い場合、元金返済額が減価償却費を大幅に上回り、
実感する以上に所得が高く(税負担が重く)なり、お金があまり残らない(場合によってはマイナス)
状況に陥る恐れがあります。
一方、返済年数が建物の耐用年数よりかなり長い場合、上記の状況に陥る恐れはありませんが、
建物の老朽化により収益力が低下し、後半の返済が厳しくなる恐れがあります。
また、返済が終わらない間に、大規模修繕費等の新たな借入金が加わる恐れもあります。
そうなると、返済期間は、耐用年数と同期間が良いと思われるかもしれませんが、
構造によって、耐用年数が大きく異なるため、木造の様に耐用年数での返済が厳しい場合や
鉄筋コンクリート造の様に耐用年数での返済が認められない(借入できない)場合があります。
ちなみに、住宅(共同住宅も含む)の耐用年数は下記の通りです。

 鉄骨鉄筋コンクリート造 47年
 鉄筋コンクリート造     47年
 れんが造            38年 
 金属造(骨格材の肉厚4㎜超)        34年
  〃 (    〃    3mm超から4mm以下) 27年
    〃 (   〃     3mm以下)                   19年
 木造                22年  
 木造モルタル造      20年

 (中古資産の耐用年数/簡便法)
 ①法定耐用年数の全部を経過した資産
  法定耐用年数×20/100
 ②法定耐用年数の一部を経過した資産
  (法定耐用年数ー経過年数)×経過年数×20/100
 ※年数は暦に従って計算し、1年に満たない端数が生じたときは切捨てます。

なお、金属造(鉄骨造)の肉厚による耐用年数の違いに目をつけ、耐用年数19年の賃貸アパートが
商品ラインナップに含まれている大手ハウスメーカーもあります。
※肉厚3mm以下でも3mm超と遜色ない強度が確保できていれば、返済期間を25〜30年にすることにより、
 当初の資金収支はかなり良くなります。
また、鉄筋コンクリート造の場合、新築で47年返済とすることはほぼ不可能といえますが、
築後25年の中古物件であれば、耐用年数と同じ27年返済で借入できることもあります。
その場合、完済時は築後52年となるため、矛盾を感じる方がいらっしゃると思いますが、
矛盾を感じるならば、金融機関が貸してくれるからといって、返済期間をあまり長くしないことを
おすすめします。
なぜなら、それは貴方に適した返済期間ではないからです。


Q.土地を売るために売買契約を締結していましたが、手付金放棄により契約が解除され、
 手付金を受領しました。この手付金に対して税金はかかるのでしょうか。

A.手付金放棄や契約違反による解除に伴い、手付金や違約金を受領することがあります。
 その場合、所得としては「一時所得」として取り扱われます。
 
 一時所得の場合の計算方法は下記のとおりです。

 収入金額-収入を得るために支出した金額-特別控除額(最高50万円)=一時所得の金額

 この計算で算出された一時所得の2分の1をほかの所得と合計して総所得金額を求め、
 納める税額を計算します。

 手付金放棄や契約違反による解除の場合、売買契約書に貼る収入印紙代や仲介した不動産業者へ
 支払う仲介手数料は「収入を得るために支出した金額」として計算できます。

 下記の例で計算してみると、
 受領した違約金 200万円
 印紙代       1万円
 仲介手数料    60万円

 200万円 - (1万円 + 60万円) - 50万円(特別控除額) = 89万円
 ここで算出された一時所得89万円の2分の1、44.5万円をほかの所得と合計することになります。

 普段の生活の中で、不動産の売買契約解除に伴い手付金や違約金を受け取ることは少ないと思いますが、
 受領された場合税金がかかる可能性がありますので、その場合には税務署にご確認いただくことを
 お勧めいたします。


名古屋の中心部、栄にある百貨店「丸栄」の親会社である興和は、同百貨店を閉店して建物を解体し、2020年をめどに新しい商業施設を開く方針であるとの報道がなされました。名古屋の主要な百貨店である松坂屋、名鉄百貨店、丸栄、三越、タカシマヤの頭文字からとった「4M1T」の一角が消滅することになり、地元では驚きをもって受け止められたようです。

報道によると、現在の丸栄と広小路通を挟んで北側の「ニューサカエビル」や「栄町ビル(名古屋国際ホテル)」が存する街区を一体開発する方針であるものの、一部地権者と折り合いがついていないため、丸栄のある街区を先行して再開発するとのことです。東京・赤坂にある「東京ミッドタウン」のような複合型商業施設をイメージしており事業費が2,000億円規模の巨大プロジェクトとなる見通しとのことです。

ところで、この再開発を行う興和という会社ですが、一般的には「コルゲンコーワ」や「キャベジンコーワ」、最近では「バンテリン」に代表されるカエルのマスコット(ケロちゃんコロちゃん)で有名な薬品会社というイメージが強いですが、実はそれだけではなく、観光スポットの展望台に置いてあるような双眼鏡を作っていたり総合商社としての機能を有していたりと様々な事業を展開している企業です。本社を置く名古屋では丸栄を始め、名古屋観光ホテルの親会社であり、ウェスティンナゴヤキャッスルなどを運営するナゴヤキャッスルの筆頭株主であるなど地元経済界において極めて重要な地位を占めています。

,000億円という事業費ですが、名古屋ではJRセントラルタワーズや今後行われる名鉄・近鉄名古屋駅の再開発の事業費に匹敵する規模であり、東京と比べても六本木ヒルズの総事業費約2,700億円には及ばないものの東京都庁の建築費約1,600億円(当時)を上回っており、地方都市である名古屋においては如何に規模が大きいかということがわかります。

非上場企業であり長期的な視点で再開発に取り組める興和といえども連結売上高約3,500億円の同社にとって単独で2,000億円規模の投資は無理があることから他社と組んで事業を行うことになるのでしょうが、三菱地所や三井不動産、日本郵政など東京資本の存在感も目立つ名駅地区に対して、今のところ東京資本の進出があまり見られない栄地区で興和がどのような資本を引き入れるかについても注目が集まりそうです。

さて、興和がお手本にしようとしている「東京ミッドタウン」ですが、三井不動産が防衛庁跡地で手掛けた再開発プロジェクトで今から10年前の2007年に開業しました。オフィスビルやホテル(ザ・リッツ・カールトン東京)、高級サービスアパートメント、美術館(サントリー美術館)などで構成される複合施設であり、敷地面積だけで約68,900㎡という規模を誇ります。一方、地図上の概測になりますが、栄の方は、現丸栄の敷地部分が約5,000㎡、ニューサカエビルや栄町ビルのある街区が約6,500㎡(興和の所有になっていない安藤証券の敷地も含む)であり、両街区を合わせても約11,500㎡であり、敷地規模の面では東京ミッドタウンには遠く及びません。同じく三井不動産が日比谷で手掛けている「東京ミッドタウン日比谷」(2018年3月開業予定)の敷地規模が約10,700㎡ですので規模としてはこちらの方が近くなります。ただし、栄は街区が2つに分かれていることから、大阪・中之島の「中之島フェスティバルタワー」のようなツインタワーになる可能性が高いのではないでしょうか。

ただし、順調に再開発が進んでいくのかという点については、個人的には少し懸念しています。まず、栄地区においては同時期に中日ビルの解体・再開発も予定されています。規模としては丸栄の再開発に近い規模になるものと思われますが、栄地区が両再開発による店舗面積の増加をすんなりと吸収できるのかという点です。また、地区間競争という点では、金山地区の台頭というのも栄地区にとっては脅威になります。金山地区では、日本特殊陶業市民会館やアスナル金山の再開発が控えており、セントレアや自動車産業の拠点である西三河地区へのアクセスの良さから今後、金山地区のポテンシャルが上昇し、栄地区の相対的地位がさらに低下してしまう可能性もないとはいえません。当然、2020年以降、東京オリンピックという一大イベントが終了した後どうなるかわかならいマクロ経済の影響もそのまま受けるでしょう。果たしてどうなっていくのでしょうか。

なお、名古屋ですが、都市の経済規模の割にはラグジュアリーホテルが少なすぎると思っている方は多いのではないでしょうか。丸栄や中日ビルの再開発や名鉄・近鉄名古屋駅の再開発で建つビルにリッツ・カールトンやペニンシュラといった外資系のラグジュアリーホテルは進出するのでしょうか。また、東京や大阪と比べると名古屋には美術館や音楽ホールといった文化的な施設が少ないと思われるので再開発によってこれらの施設が名古屋にも増えることを期待したいと思います。


関連記事 「栄の今後…

フラット35は、全期間金利固定の商品として、すっかり定着した商品になっています。

しかし、民間金融機関にも全期間金利固定型や20~30年の長期金利固定型の商品はあり、
フラット35とほとんど金利は変わりません。むしろ、フラット35に比べ金利の低い商品もあります。

また、フラット35で、以前必要だった、団信(団体信用生命保険)に関する費用も、
平成29年10月1日からは、金利一体型として不要になったため、
民間金融機関の住宅ローンとの違いはほとんどなくなりました。

では、フラット35と民間金融機関の違いはなんでしょうか?

それは、“団信”がキーワードになります。

団信の違いといっても、3大疾病、8大疾病などの保障の範囲を言っているのではありません。

私が考える、フラット35の一番の特徴は、団信に加入しなくても利用できる点にあります。

民間金融機関の住宅ローンは団信に加入することが条件となります。持病などがあれば、住宅ローンを利用することはできません。

しかし、一概には言えませんが、そもそも生命保険で、家賃(住宅ローン支払い分)をカバーしている人であれば、団信に加入しなくても良いわけです。

団信に加入しなければ、金利もその分低くなります。自分に何かあったときに家族が無事に生活できるように保険をかけておけばよいのです。自分に何かあったときに家族が裕福になるまで保障をつけることは必要ありません。

団信に加入できない方にとって、フラット35は心強い味方になってくれるはずです。













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