不動産コンサルタントのつぶやき

名南財産コンサルタンツ 不動産事業部 公式ブログ

2017年11月

長引く低金利(マイナス金利政策)により利ざやが縮小し、経費節減による収益力の強化が、
銀行の重要な経営課題となってきたようで、10月以降、メガバンク等に関する気になるニュースが
相次いでいます。

みずほ銀行
〇AIなどを使った効率化で業務量を減らし、2026年度末までにグループの従業員を
  約1万9000人減らす計画。
〇店舗の統廃合で2017年末時点の約500拠点から2024年度末までに約100拠点を減らす計画。
〇一部地方(東北・中国・九州など)で、住宅ローンの新規融資業務の撤退を検討。

三菱東京UFJ銀行
〇2023年度までに従業員が約6000人減る見込み。
  (大量採用時代の退職者増加と新規採用抑制による自然減)

三菱UFJ信託銀行
〇2018年4月に住宅ローンの新規融資業務から撤退。
  (4月以降は三菱東京UFJ銀行の住宅ローンを代理店として取り扱う)

収益力強化のため、今後、金利競争は少なくなり、地域によって店舗の取扱業務に
違いが生じてくるような気がします。
そうなると、貸出金利は上昇し、更に地方については、融資を受けること自体が困難となる
恐れがあり、不動産価格への影響が懸念されます。

最近のメガバンク等の動きは、流石の日本銀行も気になるのか、黒田総裁が金融緩和の
副作用について言及する場面が増えてきたようです。

何れにしても、今後、貸出金利は少し上昇しそうな感じです。


前々回、登記簿の建物の「種類」について記載させていただきました。
そこで今回は、土地の「地目」について調べてみたいと思います。

まず、土地の「地目」とは、土地の種類のことです。

土地には様々な種類があり、田や畑、駐車場や山、住宅用地などがあります。

登記簿の土地の「地目」については、不動産登記規則により下記のように
定められています。

不動産登記規則第99条(地目)
  地目は、土地の主な用途により、田、畑、宅地、学校用地、鉄道用地、塩田、鉱泉地、池沼、山林、牧場、原野、墓地、境内地、運河用地、水道用地、用悪水路、ため池、堤、井溝、保安林、公衆用道路、公園及び雑種地に区分して定めるものとする。

土地の「地目」は、上記23種類の中から定めるとされており、これ以外の地目はないことになります。
前回調べた建物の「種類」は用途に応じてある程度自由に定めることもできますので、
土地の建物についてはここに違いがあります。
(土地の場合、畑や田などに該当しない場合は、全て「雑種地」として定められます。
 分かりやすく言い換えると「その他」に該当するような地目ですので、建物と違い
 自由な種類を定める必要性がないと言えます。)

上記の23種類の用途をご覧いただくと分かるように、地目を見ればどのような
土地なのかが一見して判断できるようになっています。
唯一、「雑種地」はその他扱いなので、現地を見てみないと確認できませんが、
一般的には「駐車場」であることが多いようです。

不動産の取引の現場においては、「宅地」や「雑種地」、「田」や「畑」が多くの割合を占めますが
(私はこの4種類以外の土地の取引は経験がありません。)、それ以外にも地目の種類がありますので、
珍しい地目の登記簿を見られた場合、どのような用途の土地か、調べてみるのも面白いかもしれません。


text_wifi 明日から3日間、台湾に「研修旅行」に出かけることになっています。それに先立ち、以前の海外旅行で利用したWi-Fiレンタル会社で海外用のWi-Fiルーターのレンタルを申し込みました。料金は約3,000円だったのですが、この手のルーターの1日あたりの料金は1,000円程度という認識だったので、まあこんなもんか、と思っていました。

 ところが一緒に研修旅行に行く人から「Wi-Fiのレンタル代が800円だった」という話を聞き、思わず「えっ!?」となってしまいました。私は俄かにその話を信じることができず、「それって1日分の料金じゃないの?」と聞き返したのですが、申し込み画面を見せてもらったところ、3日分の料金が本当に800円でした。

 仕組みは簡単で、誰でも知っている価格比較サイトを経由してWi-Fiレンタル会社のウェブサイトに入るだけで上記の割引料金が適用される、ということだけだったのです。

 私は、なんだかとても損をした気分になるとともに怒りがこみあげてきました。なぜ同じ機器を借りるのに値段がこんなに違うのだ、と。

 激情に駆られるまま、レンタル会社のフリーダイヤルに電話をしました。結論としては、その価格比較サイトから重複して申し込むことにより最初にした申し込みはキャンセル料なしで解約できることになり、私の怒りはスルスルと収まることになりました。

 そこで思い出したのが、昔、売れ残ったマンションを値引きして販売したデベロッパーに対し、売り出し直後に値引きなしで買った住人たちが「値引きして売るのは不当だ!」として裁判を起こした話です。個人的な考えとしては、不動産価格なんてものは時価なんだから高値掴みした人がなに言ってんだ、くらいに思っていたのですが、今回の件で、その人たちの気持ちが少しわかった気がしました。まあ、こちらは約2,000円、裁判を起こした人たちはおそらく数百万から千万単位の話しなので桁が違うといえば違うのですが。

 思うに、認めたくないような自分の失敗や判断ミスについて客観的な数値を語られた上で指摘されることはなかなか腹の立つことです(特に私のような人間ができていない者にとってはなおさらなのですが)。

 バブルのころに土地を購入された方に対し、現在の地価水準を説明すると「そんなことはない!」とお怒りになられる方がたまにいらっしゃいます。当方としては、客観的な資料を呈示しているのになぜわかっていただけないのだろうと思うこともあるのですが、わかっていないのではなく、わかりたくないのかもしれません。

 今回のWi-Fiのレンタル代の一件、ものの値段とは難しいものだとあらためて認識させられました。

一般財団法人 国土計画協会の所有者不明土地問題研究会(以下「問題研究会」とします。)が、10月26日に、所有者不明の土地が今後どれだけ広がるか、また、その面積の将来推計と経済損失について公表しました。

この公表は、各紙の新聞やニュースなどで取り上げられましたので、知っている方も多いかと思います。

私が衝撃を受けたのは、“経済的損失が約6兆円(2017~2040年の累計)”になるということです。

普段より、空き地や、取引する土地の隣接地について登記簿を取得することが多くあります。登記簿には所有者の記載があるため、取引に関連する連絡をしたいときや、不動産を購入いただく方に隣接地の方をお知らせするためです。

しかし、登記簿に記載されている所有者は実際の所有者と異なることが多くあります。登記は第三者への対抗要件になりますので、売買の場合はほとんど登記をするのに、相続では登記をされない場合があります。それは、登記に強制力はないため、各々の判断で行われているからです。

なお、相続登記をしないまま相続を繰り返すと、所有者がネズミ算的に拡大し、全員と連絡を取ること、意見をまとめることが困難になります。このことも問題研究会は指摘しています。

このように、普段より、登記簿の所有者と真の所有者が異なる登記簿を数多く見るため、この公表の題目を見たときに、所有者が不明(分からない)の不動産は多いだろうというのは推測はできたものの、経済的損失までは思いつきませんでした。

経済的損失の項目と経済的損失は下記のとおり公表されました。
①探索コスト             約500億円
②手続きコスト           算出不可
③機会損失             約22,000億円
④災害発生時の潜在コスト    算出不可
⑤管理コスト             算出不可
⑥管理不行き届きによるコスト  約36,000億円
⑦税の滞納             約600億円    合計約6兆円

この中で、多くを占めるのが、機会損失と管理不行き届きによるコストです。

機会損失では、所有者不明の土地所有者と連絡が取れず、用地取得が遅れ、予定通りに事業が行われなかった場合などを想定しています。

管理不行き届きによるコストは、主に農地や森林などを想定しています。農地や森林が手入れさてていれば、農地では、洪水防止、土砂崩壊防止等、森林では、二酸化炭素吸収、表面浸食防止、洪水緩和等の機能が発揮されないことを想定しています。

問題研究会のアンケートによると、今後の相続でも30%近くの方が相続登記をされず、所有者不明土地は、ますます増加するようです。

バブル期と異なり、不動産神話は崩れ、不動産の価格は右肩上がりとはいきません。そのため、不動産に関する関心が薄くなったからか、相続しても利用しないこと、価値が低いということが、相続登記をしない理由かもしれません。

しかし、現状のように、登記を各々に任せていると今後も、登記簿の所有者と真の所有者が異なるなどの所有者不明土地が増え、経済的損失が減少することはありません。

公共事業の用地取得をする場合など、取得用地の所有者が登記簿の所有者と異なり、真の所有者と連絡がつかない場合は、失踪宣告の制度のように官報等で公表し、ある一定の期間が経過した場合には、対象地は国庫に帰属するなど、制度変更が必要だと感じました。

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