不動産コンサルタントのつぶやき

名南財産コンサルタンツ 不動産事業部 公式ブログ

2019年01月

 先日、当ブログにて埼玉県深谷市にて、「マイナス入札」が実施されることを
記載させていただきました。

 昨年12月26日に入札結果が発表されており、「入札があるのか」、「あった場合成立する
落札価格はいくらなのか」非常に関心をもって結果を確認しました。

 結果としては、
 〇二社が入札に参加
 〇結果、マイナス795万円で深谷市内の食品加工会社が落札。
  (予定価格はマイナス1340万6000円)
 〇用途は住宅に限定されており、3人家族6世帯分の分譲住宅が建築される予定
  →深谷市の試算によると、10年間で約1700万円の税収が見込める」とのこと。
 となったようです。

 深谷市の発表によると、マイナス入札が成立したのは初めてとのことであり、
確かに私もこういった形の入札が成立したことは聞いたことがありません。

 考え方としては、土地の評価額<建物の解体費用であるため、解体費用を行政が負担してでも
売却しようとの考え方です。確かに入札が成立し、住民が増えれば固定資産税等の税収も増加し、
また古い建物を除却でき、かつ街も新しくなり活気も増えることにもなるため、様々なメリットがある
今回の結果は非常に良い方向だったのではないかと思います。

 他にも老朽化した公共施設等で、同様の手法が広がるかもしれません。今回は住宅に限定して
入札が実施されましたが、入札対象の不動産によっては商業施設や工場等に限定するなど、
長期的な計画に絡めて活用幅が広いのではないかと感じています。
 次に続く「マイナス入札」があるのか、関心を持ってみていきたいと思います。

名古屋市が昨年9月に公表した「都市ブランドイメージ調査」によると、全国主要8都市中「もっとも魅力に欠ける都市」に名古屋市が2回連続で選ばれました。この調査によると名古屋市を魅力的に感じると答えた人が3.5%であるのに対して、魅力に欠けると答えた人の割合が31.9%と調査対象となった8都市の中で最も魅力に乏しい都市とみられています。

それでは、名古屋はなぜここまで魅力がない街と思われているのでしょうか。思い当たるところとしては、さしたる観光資源がない、人々が閉鎖的で井の中の蛙的な人が多い、というところでしょうが、個人的には街並みが平板でつまらないということも名古屋を魅力がない街にしている一因だと考えています。特に街中に水辺やウォーターフロントがないという点が致命的であるように思われます。今回の調査で「行ってみたい」都市で最上位となった札幌も街中に水辺がありませんが、札幌の場合は観光都市というブランドイメージが確固たるものになっているのでさしたる問題にならないのかもしれません。2位以下の都市についてみると2位の京都は四条河原町あたりの鴨川や木屋町通りと高瀬川といった景観がパッと浮かびますし、3位の横浜はみなとみらいの岸壁と横浜ランドマークタワーを始めとした超高層ビル群、4位の東京区部はレインボーブリッジやお台場、5位の神戸は海に浮かぶ人工都市であるポートアイランドや六甲アイランド、6位の福岡は中州あたりの川辺の屋台、7位の大阪は道頓堀と派手なネオン看板や川辺に建つ中央公会堂など、いずれの都市も水辺とともにある都市景観というものが人々のイメージに刻み込まれているのではないでしょうか。

一方、名古屋にはこれといって水辺の景観が思い浮かびません。一応、街の真ん中を堀川という川が流れていますが、水量の関係でどぶ川の状態であり、そりゃ街のど真ん中をどぶ川が流れているような街に魅力なんてあるわけがないよな、となってしまいます。

そんな水辺に乏しい名古屋ですが、個人的に注目しているのが中川運河です。中川運河は名古屋港と旧国鉄の笹島貨物駅との水上輸送路として昭和初期に完成し昭和30年代頃まで頻繁に船が行き来していたそうです。その笹島貨物駅は既になく、現在では「ささしまライブ24」としてホテルや事務所が入る超高層ビルや大学、放送局や大型賃貸マンションなどが建ち並ぶ複合的な街に生まれ変わっています。このささしまライブ24の南側に中川運河の堀止があり、名古屋には珍しい親水空間となっています。現在は区画整理中で殺風景な空間ですが、都心部にある親水空間ということでこれを活かさない手はないと思います。

既に名古屋市が「中川運河再生計画」を策定し、ゾーニングにより各ゾーンの特性を踏まえた街づくりを進めることになっており、この堀止から南側の長良橋、東側の堀川との松重閘門までは「にぎわいゾーン」として位置づけられており、「ささしまライブ24 地区の開発と連携し、緑地・プロムナードの設置や、沿岸用地へのカフェ、レストラン等にぎわい施設の誘導、水上交通の運航などを展開して、運河の魅力と回遊性を高めるとともに、運河の歴史や文化・芸術を楽しむ市民活動の継続的な実施を通じ、都心地域に集まる人びとが訪れたくなるような『港と文化を感じる都心のオアシス』の形成」をめざすとしています。また、堀止の東側の市有地について、民間事業者のノウハウやアイディアを活用しようとサウンディング型の市場調査が実施されています。

名古屋市の市有地である「栄広場」について隣接地の所有者である大丸松坂屋グループと共同で再開発事業者を募るなど、名古屋市も民間事業者と共同で事業を行い街の魅力を高めていこうという姿勢が鮮明になっています。名古屋では貴重な親水空間である中川運河での取り組みは、果たして名古屋の魅力向上に資することになるのでしょうか。

◆ 参考URL

       名古屋市:平成30年度都市ブランド・イメージ調査を実施しました
        名古屋市:中川運河について

        名古屋市:中川運河堀止東側市有地の活用に係るサウンディング型市場調査について

あけましておめでとうございます。
当社も本日より本年の営業がスタートしました。

本年は、平成が終わり新年号になることや、消費税率の引き上げなど変化の年となります。
本年度もいろいろな出来事について感じたことなどを本ブログで伝えたいと思います。


さて、昨年末に財務省より、平成31年度税制改正大綱が公表されました。
不動産に関する税制も変化がありそうです。
https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/index.html


税制改正大綱の中で、私が関心を持ったのが、2年前に創設され、大きなインパクトがあった“空家の3,000万円特別控除”です。空家の3,000万円特別控除は、要件が緩和され、利用しやすくなるようですので、今回は、その点について記載したいと思います。


空家の3,000万円特別控除を簡単に説明すると、被相続人が亡くなって誰も住まなくなった空家を相続し、
その空家を売却した場合、譲渡所得に対し3,000万円の特別控除が利用できるというものです。

制度については、国税庁ホームページをご参照ください。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3306.htm


本制度は、空家を相続する方にとってはメリットのある制度なのですが、利用しづらい規定もありました。


それは、制度を利用する要件の中で、被相続人は、自身が亡くなるまで自分の家に住み続ける(生活の拠点にする)必要がある点です。

しかし、一人で自宅に亡くなるまで住み続けることは、介護等の問題もあり難しく、実際には老人ホームなどの施設で生活される方もいらっしゃいます。


現在の本制度では、老人ホームなどの施設に入居したことが原因で、自宅が空家になった場合は、本制度を利用することができませんでした。

しかし、今回の税制改正大綱では、下記の要件を満たせば、本制度が利用できると記載されています。


①被相続人が介護保険法に規定する要介護認定等を受け、かつ、相続の直前まで老人ホーム等に入所をしていたこと。
②被相続人が老人ホーム等に入所をした時から相続の開始の直前まで、その家屋について、その者による一定の使用がなされ、かつ、 事業の用、貸付けの用又はその者以外の者の居住の用に供されていたことがないこと。

今回の税制改正は実態に合わせた改正であり、本制度がより利用しやすくなると思います。
また、本制度の利用期限が2019年12月31日から4年間延長されるようです。
空家を相続される可能性のある方は、本制度を確認されてはいかがでしょうか。

※本税制改正は、国会で成立・公布され、4月から施行の予定です。

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