不動産コンサルタントのつぶやき

名南財産コンサルタンツ 不動産事業部 公式ブログ

2019年08月

7月19日付のブログでお伝えした通り、研修旅行でニューヨークに行ってきました。
旅行中いくつかの気づきがあり、その中の1つの気づきです。

ニューヨークに30年以上在住の日本人と方とお話ししたとき、不動産投資について
意見を求められました。
ニューヨークでは、不動産投資のセミナーが数多く開催されているらしく、
その内容は、以前、日本で開催されていた“サラリーマン大家さん”を目指す方が
参加するセミナーと似ているような印象を受けました。
ただし、大家さんになって不動産賃貸を行うのはなく、コンドミニアム(分譲マンション)を
購入、リフォームやリノベーションを実施した後、転売するものでした。
その方の話では、10でコンドミニアムを購入、10でリフォームやリノベーションを実施、
そして30で転売するのが理想的なパターンとのことでした。
10年程前、リーマン・ショックの引き金となったサブプライムローン問題が起こった国で、
私には、かなりリスクが高いと思われる投資を不動産の素人が検討していることに、
大変驚きました(少し呆れました)。
しかし、その方が不動産投資を検討するようになった経緯等を聞き、考えが変わりました。

真面目に働いても、多くの人は、ニューヨークで豊かな生活は送れない。

知人等の中に、不動産投資で利益を得て、少し豊かな生活を送っている人がいる。

融資形式は、ノンリコースローン(非遡及型融資)であり、仮に不動産投資が
失敗したとしても、投資不動産を失う以外の損失が少ない。

金利は高いが、ノンリコースローンのため、貸し手は運命共同体のようなものであり、
物件の善し悪しを判断してくれる(融資承諾となれば優良物件と判断できる)。

通常、日本における不動産投資向け融資はリコースローンであり、不動産投資に
失敗すると、投資不動産を失うだけでなく、融資を受けた方のその他の財産、
場合によっては連帯保証人の方も財産を失うことになります。
つまり、不動産投資の失敗により、多くの方の人生が大きく狂ってしまい、
その損失が大きい場合、自ら死を選択される人があらわれることもあります。

日本でも不動産投資向け融資の主流がノンリコースローンになれば、
金融機関の融資審査に秩序が生まれ、不動産投資がより身近で、健全な資産運用の
一つになるような気がします。

住宅を検討する際に、こだわりのポイントして
「日当たりの良さ」を挙げる方は多いのではないでしょうか。

一戸建てであれば「土地に対する接道の向き」、
分譲マンションであれば「開口部」が、日当たりの良さを決める
ポイントになると思います。

「日当たりの良さ」を重視することを統計的に調査した結果について、
客観的な傾向を分析した統計等は見つかりませんでしたが、
お客様からのご要望や一般的なご要望として多く聞かれるポイントだと思います。

「日当たりが良い」というと、やはり「南向き」が一番良いと思われるかもしれませんが、
最近の日本の気候を鑑みるといわゆる「南向きが一番」といった意見も変わってくるのかなと
最近感じます。

前職の経験で、全国の住宅の販売状況を見る機会がありましたが、
一概に「南向きが一番人気」とは言い切れないこともあります。

何が影響するかといえば、「その場所の気候」が大きく影響します。

例えば冬の気候が寒いエリアに行くと、「西向き」が好まれます。
日照時間も長く、冬に暖かいという理由からですし、
逆に気候が暖かいエリアに行くと、「東向き」のほうが人気です。

東海エリアは人気の順番をつけると
①南向き  ②東向き  ③西向き  ④北向き
と、東と西で言えば東のほうが人気がある傾向です。

気候が違えば、求められる住宅の向きも異なってきます。
温暖化が進み、夏の猛暑が続いている昨今の状況を考えると、
今後、今と同じように「南向き」が一番人気の状態が続くのか、
気になるところです。
(不動産の価値にもつながってくると思います。)

みなさんは「土地の憲法」といわれる法律があることをご存知でしょうか?

その法律を「土地基本法」といいます。同法が制定されたのは平成元年です。そのころといえば、バブル経済の絶頂期にあり、実需に基づかない土地の投機的取引が地価の異常な高騰を招き、社会問題化していました。このような社会・経済情勢を背景に制定されたのが土地基本法だったのです。同法第一条に規定されている目的を見てみましょう。

(目的)

第一条 この法律は、土地についての基本理念を定め、並びに国、地方公共団体、事業者及び国民の土地についての基本理念に係る責務を明らかにするとともに、土地に関する施策の基本となる事項を定めることにより、適正な土地利用の確保を図りつつ正常な需給関係と適正な地価の形成を図るための土地対策を総合的に推進し、もって国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。

 
 土地についての基本理念として、公共の福祉優先、適正な利用や計画に従った使用ということが定められているとともに「土地は、投機的取引の対象とされてはならない」という投機的取引の抑制に関する事項が定められています。これらの理念やこれに係る各主体の責務などが定められていることが「土地の憲法」といわれている所以だと思われます。

しかし、バブル経済崩壊後の失われた20年とも30年ともいわれる時代を経て、我が国は人口減少時代に突入しています。人口が減れば当然土地に対する需要も減少していくことになり、需要のある土地とない土地がより明確に区別されるようになっています。需要のない土地については“負動産”などといわれ、相続登記が行わず所有者が不明になる所有者不明土地問題など新たな社会問題が発生しています。

このように社会的・経済的な背景が変化するなか、バブル期に制定された土地基本法はやや時代にマッチしなくなっています。そこで国土交通省は平成元年制定時以来の土地基本法改正の方向性を取りまとめ公表しています。取りまとめのポイントは以下の通りです。

  • 所有者が土地の利用・管理について第一次的な責務を負うこと
  • 所有者による土地の利用・管理が困難な場合に近隣住民、地域コミュニティ等が行う利用・管理には公益性があり、そのために所有権は制限され得ること
  • 国、地方公共団体は、利用・管理の促進策やその法的障害の解消のための施策を講じるべきであること

国土交通省は今後、本とりまとめ等を踏まえて更に検討を深め、人口減少社会に対応して土地政策を再構築し、2020 年までの土地基本法等の改正に向けて取り組んでいく、としています。

本家?の日本国憲法については、改正する・しないで意見の隔たりが依然として根深いですが、「土地の憲法」である土地基本法は変化した社会・経済情勢を反映し令和時代初頭に改正されるというのは歓迎すべきことであると考えますが、みなさんはどう思われますか。

   国土交通省の報道発表資料 「平成元年制定時以来の土地基本法改正の方向性を公表します―国土審議会土地政策分科会特別部会とりまとめの公表―」

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