不動産コンサルタントのつぶやき

名南財産コンサルタンツ 不動産事業部 公式ブログ

2019年09月

皆さんご承知のとおり、10月1日から消費税率が10%へ引き上げされます。
不動産価格は“不動産の表示に関する公正競争規約”により、税込表示と決められています。
通常、モノの価格は、税抜と税込の2種類が表示してある場合が多いですが、
不動産売買では、宅建業者(不動産業者)以外が売主の場合、税抜価格を明確に決めず、
税込価格のみを決定するケースが多いといえます。
税込のみの価格決定について、違和感を感じる方が多いと思いますが、
個人的には、下記事項等が影響しているような気がしています。

①売出価格から価格交渉があるケースが多い。
②消費税が課税されるのは、建物価格のみである(土地価格には課税されない)。
③土地価格と建物価格を好き勝手に決めることができない。
 ※土地価格と建物価格の割合によって、税負担等が変わってくるため、 租税回避と判断される恐れがあり、 
   何らかの基準等に基づいてそれぞれの価格を決めるケースが殆どです。
      中古物件については、特に気を付ける必要があり、固定資産税評価額の按分によって、
      それぞれの価格を決めるケースが多いといえます。

つまり、事前に税抜価格を決めておいても、価格交渉により値下げすると、再度、
それぞれの価格を決め直す必要が生じてくるのです。
また、価格交渉は税込価格で行うため、事前に税抜価格を決めておくと、端数調整等、
かえってそれぞれの価格決定に手間がかかるケースも生じるような気がします。

前置きが長くなってしまいましたが、売出中の段階で、建物価格を決めていない物件が多いため、
消費税率増税分をどのように価格転嫁するのか悩ましいところであり、10月1日以降も価格据置の
物件が結構あるような気がしています。
10月1日以降、消費税課税対象となる不動産価格に注目してみたいと思います。

 先日、ニュースで「賃貸住宅の仲介手数料は原則0.5ケ月の判決」という記事が掲載されていました。

 その内容とは、賃貸住宅を借りた際に、賃料1ケ月分の仲介手数料を支払った借主(入居者)が「本来支払うべき仲介手数料は、原則賃料の0.5ケ月分である」として仲介業者に手数料の一部返還を求めたもので、これに対して東京地裁は借主の請求をみとめました。

 賃貸住宅の仲介手数料は、貸主(大家)から賃料0.5ケ月分、借主(入居者)から賃料0.5ケ月分の上限1ケ月分と宅地建物取引業法で定められています。ただし、貸主(大家)または借主(入居者)から賃料1ケ月分をもらうことの承諾が得られていれば賃料1ケ月分の仲介手数料を受け取ることは可能ですが、これはあくまでも貸主(大家)および借主(入居者)双方からの受領できる合計額は1ケ月分までとなります。

 賃貸住宅の仲介手数料の原則が0.5ケ月だということは借主(入居者)にあまり認知されていないのが現状で、また、仲介業界の取引慣行として仲介依頼が成立する前に事前説明をおこなわないまま1ケ月分の手数料を請求する仲介業者も数多く存在します。重複しますが、仲介業者が予め仲介手数料は1ケ月分と借主(入居者)に伝え承諾が得られたうえで契約さえすれば何の問題も発生しません。

 今回の判決は、情報量等が少ない借主(入居者)にとって仲介手数料のルールに変化が起こり得る意義あるものですが、これまで仲介業者が借主(入居者)から受領していた手数料を1ケ月分から0.5ケ月分に変更することは自社の売上に直結し即効性は考えにくいため、今後の動向に注目していきたいと思います。

先日、お客様のご依頼で中区の建物の解体のため
現地で解体業者様と打ち合わせをしました。

その際に、「アスベストが建材に含まれていたら、解体費用が
大幅に上がるので、調査をした方が良い」とアドバイスいただきました。
(調査費用はざっくり5万円程度で、現地で鉄骨等の建材を削り、
 成分を調査すれば1週間程度で分かるとのことでした。)

「アスベスト」という名前を聞かれたことがあるかとは思いますが、
実際にいつごろまで利用されていたのか、またどういった箇所に利用されていたか
ご存知でしょうか。

アスベストは、建物では主に断熱材や防火材として利用され、
例えば鉄骨造の鉄骨への吹付断熱材、また屋根等に防火材として
含まれていたりします。
特に鉄骨造の建物では、鉄骨に吹き付けされていることが多く、
築年数が古い建物の場合、利用されている可能性が高いと考えられます。
(アスベスト利用の全面禁止は平成18年9月1日以降からですが、
 段階的に規制されているため、利用の度合いは築年数によって変わります。)

こういったアスベストが含まれた建物を解体する場合、解体時に飛散防止の措置を
取る必要があることから、解体費用が高額になってきます。
また、名古屋市内では、中区、西区、中村区においては特に飛散防止に対しての
指導が他の区よりも厳しく、飛散防止措置の費用が高額になる傾向があるようです。

築年数の古い建物を解体する際には、事前にアスベストの利用調査を実施し、
飛散防止費用を十分見込む必要があると感じます。


たまたま車で通りかかったところに「富士見台」という地名がありました。名古屋市千種区の高台にある場所です。地名の通り富士山は見えるのでしょうか?通りがかりの人に聞くわけにもいかないのでネットで調べてみました。

Wikipediaによると千種区の富士見台の地名の由来として「富士山が見えることを望んでつけられたという説と、実際に冬晴れの日には遠望できたことによるという説がある」とされていますが、他のサイトで調べると、猿投山や奥三河の山々に視界を阻まれどうやら見ることはできないようです。

名古屋市内には中区にも「富士見町」という地名があります。江戸時代・化政期の浮世絵師葛飾北斎の「富嶽三十六景」のうち「尾州不二見原」に描かれている場所とされています。ただ、この場所からも富士山を望むことはできず、この浮世絵に描かれているのは南アルプスの聖岳とされているとのことです。

どうも名古屋市内から富士山を見るためには1,000mくらいの高さが必要とのことです。河村たかし名古屋市長がいつぞやの市長選で「1000メートルタワー」の構想をぶち上げていましたが、もし建設されれば名古屋市内から富士山を望むことができるようになるかもしれません。ただ、建設される可能性は限りなくゼロに近いと思われますが…。

ちなみにセントレアから飛行機に乗ると名古屋市内上空からでも富士山をよく見ることができます。写真は小牧市に差し掛かったあたりからですが、上空から見ると日本は意外と狭いことを実感します。

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土地の取引を行う上で、土壌汚染調査を行う機会が増えてきました。

土壌汚染対策法(以下「土対法」といいます。)には、26種類の汚染物質が指定されていますが、土壌汚染の疑いのある土地に関し、実際には、毎回26種類すべての汚染物質の調査を行うことはしません。

土対法や、各自治体の条例等により、調査する汚染物質が決まっているからです。

また、土対法や各自治体の条例等で、土壌調査は、有害物質使用特定施設(以下「特定施設」といいます。)の廃止時や、3,000㎡以上の土地の形質の変更をするときなどを契機に行うことになっています。なお、土壌調査を行う際は、最初に、地歴の調査を行い、そもそも汚染物質を利用した経緯がなければ調査しなくてもよいことになっています。

しかし、土壌汚染がクローズアップされてから、法律で土壌汚染調査を求められていなくても、不動産売買で土壌汚染調査を行うことが増えてきました。これを自主調査と言います。

私は、自主調査の場合でも、汚染物質は絞った方が良いと感じています。それは、土対法の汚染物質の基準量というのは、過去に汚染物質を取扱していなくても、自然に汚染され、実際は基準量を超えることがあるからです。

土壌汚染調査を行い、汚染物質が見つかれば、自然由来の汚染物質であれ、汚染されているという記録は永久に残ることになります。

今回、私は、ある特定施設の廃止に伴う土地の取引を行いました。この特定施設は、地主が土地を貸してその上に特定施設が作られていました。地主は、特定施設として土地を貸す前に、土対法に規定されている26種類全ての汚染物質の調査をしていました。

その調査で、ヒ素とフッ素が土対法の基準を若干上回って発見されていました。それは自然由来レベルです。現場は海に近く、海水の影響等が考えられました。今回、特定施設の廃止に伴い、土対法により汚染物質の調査が行われたのですが、賃借人は、地下浸透を防ぐ施設にしており、汚染物質の漏れについての記録も作成していたため、特定施設が扱っていた物質に関して調査命令を受けませんでした。

しかし、過去の調査により、ヒ素とフッ素が確認されているため、地主が所有している土地の一部が、特定施設で扱っていた有害物質とは関係ない、砒素とフッ素に汚染されている土壌と判断され、形質変更時要届出区域に指定されることになりました。形質変更時要届出区域にある土壌は、実際には汚染されていなくても、汚染土として取り扱うことになり、処理費用など高額になりますので、取り扱いが大変になります。

今回の場合では、特定施設を建築するための土地として貸し出す前に、26種類の全ての汚染物質の調査を行うのではなく、地歴調査を行ったうえで、特定施設で取り扱う汚染物質の調査だけに絞っていれば、形質変更時要届出区域には指定されていなかったと思います。

このように、汚染物質の取り扱いなどしていなくても、海水の影響などを受け、自然に汚染されることがあり、その記録が、不動産の売買に影響を与えることがあります。むやみに土壌を調査するのではなく、土壌調査をする際は、物質を限定するなど対策が必要です。





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