不動産コンサルタントのつぶやき

名南財産コンサルタンツ 不動産事業部 公式ブログ

カテゴリ: 法令

昨日、全国都道府県を対象にした緊急事態宣言が発令されました。
ウィルスの感染を防ぐためには人の接触を避けることが一番であることを考えれば、
そもそも一部の都市だけ緊急事態宣言をしてもあまり効果はなかったと感じますし、
個人的には全国を対象にしたこの宣言は良かったのではないかと考えます。
(そもそも遅かったとは私も感じています。)
少しでも早くこの事態が収束するように、自分ができることを日々するしかないと
考えます。

不動産取引も、この宣言を受けて取引自体が少なくなっていますが、その中でも
様々な影響が出ています。

・不動産取引の停滞(先行きが全く不透明な状態での不動産取引に対する心配)
・各種登記事務の長期化(法務局が交代制による出勤の為、実働が半分程度の人員。)
・宅建協会等の窓口業務の一時休止

不動産業界に限った影響ではありませんが、大きく影響が出ています。
今はこういった影響を懸念する前に、拡大防止が一番だとは思いますが、
やはり経済活動への影響に直結していますので、心配にならざるを得ません。
一刻も早い沈静化に向けて、自分にできることを社会の一員として協力したいと思います。

賃貸マンション等の収益不動産の売却をお手伝いする際に、駐車場法に基づく
駐車場(「駐車場の附置義務」)台数が確保できていない、いわゆる遵法性が満
たされていない不動産をお見受けすることがあります。

駐車場の附置義務とは、駐車場法に基づき各自治体が条例によって定めるもの
で、一定の地区内において一定規模以上の建築物を新築する際は、一定の台数
を設けることが義務づけられた駐車場のことです。
この制度が制定された背景として、日本の高度経済成長にともない自動車保有
台数が増加し、歩行者が安心して歩ける空間の確保や道路交通を円滑にすると
いったこと等があげられます。


一般的に賃貸マンション等の収益不動産では、より採算性が見込める住宅戸
数を一戸でも多く確保し、極力駐車場台数を抑えるように計画されることがあり
ます。ただし、附置義務駐車場は建築確認の中でも審査され基準を満たしてい
なければ建築確認はおりず、当然検査済証も発行されませんのでどの建築物
も竣工当初は駐車場の附置義務台数は確保されています。


では、附置義務の台数が確保されなくなってしまうかというと、そもそも駐車
場は建築物の敷地内に設置することが原則となりすが、諸条件を満たしていれ
ば、敷地外駐車場(「隔地駐車場」)で必要台数が確保できていると判断されま
す。
その結果、収益性の高い都市部等においては、敷地外で駐車場台数を確保し
賃貸マンション等を建築する所有者がある一定数存在します。
また、当該建築物と敷地外の駐車場が同一所有者とは限らないため、敷地外
の駐車場が第三者の所有地である場合、土地所有者の都合で賃貸借契約等
が解除され、意図しないところで違法状態となってしまうことがあります。
また、賃貸マンション等の入居者の駐車場利用がなく一定期間空きが続いて
いる場合、不動産所有者側から賃貸借契約等を解除してしまうことも少なくあ
りません。
検査済証が発行された後は、各自治体への駐車場台数への報告義務等がな
いため、不動産所有者の駐車場の附置義務精度への意識が低く、また認識も
薄らいでいるためから発生するものと思われます。


人口の減少や利用者ニーズの変化を背景に自動車保有台数の伸びが鈍化し
ており、本来駐車場不足による問題を解決するために制定された駐車場の附
置義務が、逆に駐車場が過剰に整備されすぎているのではないか等の問題
提起もあり、自治体によっては制度の見直しに対する取組みもなされています。

ただ、駐車場の附置義務台数が足りず違法状態をなっている不動産の売却は、
遵法性を満たしていないことを理由に購入検討自体見合わせたり、また値引き
交渉が入ったりと売却活動が難航し長期化する可能性が高くなります。


不動産の売却を検討される際は、駐車場の附置義務に限らずご所有する不動
産が違法状態になっていないか等を専門家に相談・確認のうえ、売却活動され
ることをお勧めします。

建築物を建築する際には、様々な法律や条例があり、
それらの規定を順守する必要があります。
その中で、大きく関わってくる法律は、都市計画法と建築基準法になります。

この法律では、全体の都市計画があり、その都市計画を進めるための
土地利用に対する制限、また建築物の決まりなどを定めています。
例えば駅前は高層建築物を建てやすく、住宅街には低層住宅しか建築できないようにするなど、
全体の都市計画が全ての基本になっています。
近年では、オリンピックを見据えて、ビジネスホテルを建築しやすくするための
容積率緩和措置などがあります。

最近、物件調査のため、古い建物が建築された当時の法律を調べることがありました。
ちょうど戦後すぐに建築された建物でしたが、調べてみると現在の法律より厳しい
規制が課されていました。(当時は建築基準法はなく、改正前の建築基準法と
市街地建築物法という法律が根拠となっています。)
現在の規定 建ぺい率:60% 容積率:200%
建築当時(昭和21年) 建ぺい率:規制なし 容積率:60%

建築当時は戦後まもなくで、戦前の規制がそのまま適用されている状況でした。
容積率60%ということは、建物を建築できる面積が非常に少なくなります。
言い換えれば、高い建物が建築しずらく、敷地内に空地が多くなります。
また、この規制は全て道路を基準として、「道路境界から○○mまで」という規制があります。

気になって調べてみると、戦前の都市計画の基本的な考え方は、
「建物が燃え広がらなく、また消火活動がしやすい街にする。」というものです。
この考え方に沿って考えると、道路沿線上の敷地に空地を確保し、
消火活動をしやすくするための街づくりを志向していたことが考えられます。
(昭和17年からより規制が厳しくなっており、空襲対策としての側面も大きいと考えます。)

こういった都市計画法や建築基準法の経緯を見ることも面白いかもしれません。

2019年度の宅地建物取引士試験の合格発表が、2019年12月4日に行われました。
宅地建物取引士の資格は受験資格の制限が無く、誰でも受験できることや、不動産業界
以外の業種でも役に立つこともあり、毎年約20万人が受験する国家資格です。

今年の合格点は35点以上となっており、合格率は17.0%でした。

実施年度 合格点
2019年  35点以上
2018年  37点以上
2017年  35点以上
2016年  35点以上   
2015年  31点以上  

この宅地建物取引士の試験で出題される項目は下記のようなものがあります。
①民法
②法令上の制限
③税制
④宅建業法
⑤その他土地建物に関する知識

主に不動産取引に関する知識(宅建業法)や、取引に付随する民法の知識、都市計画法や
建築基準法等、法令上の制限の知識等、不動産取引の専門家として必要な知識が問われる
試験です。

不動産の仕事に携わる方には必要な資格だと思いますが、そうでない方にとっても取得
していて良い資格だと思います。来年の試験はまだ先ですが、ご興味のある方は一度、
試験内容を調べられてみてはいかがでしょうか。
(本年も大変お世話になりました。来年も一年、宜しくお願い致します。)

先日、お客様のご依頼で中区の建物の解体のため
現地で解体業者様と打ち合わせをしました。

その際に、「アスベストが建材に含まれていたら、解体費用が
大幅に上がるので、調査をした方が良い」とアドバイスいただきました。
(調査費用はざっくり5万円程度で、現地で鉄骨等の建材を削り、
 成分を調査すれば1週間程度で分かるとのことでした。)

「アスベスト」という名前を聞かれたことがあるかとは思いますが、
実際にいつごろまで利用されていたのか、またどういった箇所に利用されていたか
ご存知でしょうか。

アスベストは、建物では主に断熱材や防火材として利用され、
例えば鉄骨造の鉄骨への吹付断熱材、また屋根等に防火材として
含まれていたりします。
特に鉄骨造の建物では、鉄骨に吹き付けされていることが多く、
築年数が古い建物の場合、利用されている可能性が高いと考えられます。
(アスベスト利用の全面禁止は平成18年9月1日以降からですが、
 段階的に規制されているため、利用の度合いは築年数によって変わります。)

こういったアスベストが含まれた建物を解体する場合、解体時に飛散防止の措置を
取る必要があることから、解体費用が高額になってきます。
また、名古屋市内では、中区、西区、中村区においては特に飛散防止に対しての
指導が他の区よりも厳しく、飛散防止措置の費用が高額になる傾向があるようです。

築年数の古い建物を解体する際には、事前にアスベストの利用調査を実施し、
飛散防止費用を十分見込む必要があると感じます。


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