不動産コンサルタントのつぶやき

名南財産コンサルタンツ 不動産事業部 公式ブログ

カテゴリ: 小田

日々の業務の中で、賃貸不動産の売却の相談を受けることがあります。
売却を検討される主な事由は、以下のとおりです。

○賃料下落・空室増加により収入が減少する一方で修繕費等の支出は増加するため
○退去後のリフォーム費用が高額であり未実施の貸室が増加しているため
○不動産賃貸を引継いてくれる子供がいないため
○夫婦二人ともがしっかりしているうちに売却したい
○売却により借入金を完済して楽になりたい

それぞれの事由は異なりますが、建物新築時からの経過年数とともに、
不動産賃貸は年々厳しくなるという事実については一致していると考えています。
しかし、年々厳しくなる一方で、毎月の賃料収入があるため、売却の決断を
先送りしているケースは少なくありません。
特に最近では、新型コロナウィルスの感染拡大の影響による不動産価格の下落が
報じられていますので、先送りの傾向が強くなっています。

しかし、個人的には、逆の現象が起こっていると感じています。
売却時期の先送りにより、賃貸不動産の売物件数が減少している一方で、
同じく新型コロナウィルス感染拡大の影響により、金余りが生じており、
その行き場を失った資金が不動産市場に流れて来ている。
そして、賃貸不動産がその主な投資先となっている。
結果として、賃貸不動産の価格に下落の兆候は見られず、寧ろ、売出開始から
成約までの期間は短くなっている。
加えて言うと、“2020年から2021年前半が売り時であった”と数年後に
語られるようになると勝手に予想しています。

私の意見の真偽のほどは分かりませんが、偽りであったとしても、
売出のみで売却しなければ損はしませんので、上記に共感できる部分があれば、
まずは一歩踏み出し、売出を開始してみてください。
当然ではありますが、弊社は、喜んで売却のお手伝いをさせていただきます。

本日(7月17日)、不動産取引時において、水害ハザードマップにおける対象物件の所在地を
事前に説明することを義務付けることとする宅地建物取引業法施行規則の一部を改正する命令が
公布されました(施行日:8月28日)。

九州地方・中部地方など日本各地で発生している令和2年7月豪雨等、近年、大規模水災害の頻発
により甚大な被害が生じており、水害リスクに係る情報が不動産購入の意思決定を行う上で、
重要な要素の1つとなりつつあります。よって、法改正により、不動産売買契約の締結前に行う
重要事項説明の項目に、水害ハザードマップにおける対象物件の所在地の説明が追加されました。

弊社では、数年前から、市町村のホームページに掲載されているハザードマップを重要事項説明書の
添付資料に加え、対象物件の所在地を説明してきました。ちなみに、弊社がある名古屋市内の不動産
の場合、浸水実績図及び洪水・内水ハザードマップに加え、地震と津波のハザードマップを添付し、
その所在地を説明しています。

一般的に、重要事項説明は、契約条件が合意した後に行いますので、実際には、不動産探しを
始める初期段階で、ハザードマップについて説明し、対象エリアを検討していただく必要があります。
※初期段階での明確な義務化が困難なため、重要事項説明項目への追加になったと解釈しています。

上記は非常に良い事でありますが、現在、水害リスクの高いエリアにお住まいの方にとっては、
更に選択肢が狭まれることになるかもしれません。
現実は残酷だと思えてきました。

国土交通省HP
https://www.mlit.go.jp/report/press/totikensangyo16_hh_000205.html

名古屋市浸水実績図
http://www.city.nagoya.jp/ryokuseidoboku/page/0000021585.html

名古屋市防災マップ
http://www.city.nagoya.jp/kurashi/category/405-5-8-0-0-0-0-0-0-0.html


昨日、家賃支援給付金を含む2020年度第2次補正予算が成立しました。
家賃支援給付金は、新型コロナウィルス感染症の拡大を契機とした自粛要請等によって、
売上の急減に直面する事業者の事業継続を下支えするため、固定費の中で大きな負担と
なっている地代・家賃の負担を軽減することを目的として、テナント事業者に対して支給されます。

【給付対象者】
中堅企業・中小企業・小規模事業者・個人事業者等であって、5月~12月において
以下のいずれかに該当する者に、給付金を支給。
①いずれかの1ヶ月の売上高が前年同月比で50%以上減少
②連続する3ヶ月の売上高が前年同期比で30%以上減少

【給付額】
申請時の直近の支払家賃(月額)に基づき算出される給付額(月額)の6倍(6ヶ月分)を支給。

○法人の場合
 支払家賃75万円までの部分は2/3支給
 75万円を超える部分は1/3支給
 1ヶ月分の給付の上限は100万円であり、支払家賃225万円以上は一律100万円。
 (6ヶ月分では600万円が給付の上限額)
○個人事業者の場合
 支払家賃37.5万円までの部分は2/3支給
 37.5万円を超える部分は1/3支給
 1ヶ月分の給付の上限は50万円であり、支払家賃112.5万円以上は一律50万円。
  (6ヶ月分では300万円が給付の上限額)

ちなみに、給付対象者の中で、規模が最も大きいのは中堅企業ですが、資本金で分類すると
1億円以上10億円未満(他にも分類基準があります)と言われており、上場企業を除くと
かなりの事業者が対象になるものと考えられます。

個人的に気になるには、売上減少を判断する期間です。繰り返しになりますが、
新型コロナウィルス感染症の拡大を契機とした自粛要請等によって売上の急減に直面する
事業者の事業継続を下支えする目的であれば、3月以降の売上減少で判断すべきです。
もし、3月以降の売上減少で判断することになっていれば、現時点でより多くの事業者が、
給付対象要件を充たしていたものと考えられます。
なぜ、緊急事態宣言が解除された5月からの売上高で判断するのか疑問が残ります。
何かしらの理由があるとすれば、給付申請の集中を避け、影響がより大きい事業者から
給付金支給を行っていくためであると考えていますが、それによって、廃業等に追い込まれる
事業者が出てくる恐れがあります。やはり、本来であれば、大量の給付申請に対応できる
体制を整えるべきであったと考えています。


最近多い相談というか、最近の相談のほぼ全ては賃料減額についてです。
そして、その相談者のほぼ全てが貸主様です。

賃料減額の相談というと店舗を想像されると思いますが微妙に違います。
では、何かというと土地の賃料(地代)減額の相談です。
一言で土地の賃料といっても様々です。
店舗敷地、店舗の駐車場、コインパーク、事業所の専用駐車場 等。
相談を聞いていますと、借主様の厳しい状況が目に浮かぶものもあれば、
申出があった減額の程度が如何にも大きいと感じるものもあります。

当該地について、借入金が無い相談者からは、
“減額に応じた方が良いか? 応じる場合、どの程度減額すれば良いのか?”
について意見を求められることが多いです。
一方、借入金がある相談者からは、
“減額に応じる必要があるか? 応じた場合、国から何らかの支援が受けられるか?”
について意見を求められることが多いです。
両者からの相談は、似て非なるものであると考えています。
借主様に様々な事情があるように、貸主様にも様々な事情があるのです。
そして、貸主様にとっても、借主様と同様に苦しい時期なのです。

現在、貸主様への新たな支援策が検討されていますが、私が把握している限り、
現時点の支援策は、下記の3つだと思います。
(勉強不足の場合は、申し訳ありません。)

① 税・社会保険料の納税猶予
② 固定資産税・都市計画税の減免
  ※2020年2~10月の任意の3ヶ月の売上が30%以上50%未満減少した場合
    → 2021年度の固定資産税・都市計画税を1/2に軽減  
   2020年2~10月の任意の3ヶ月の売上が50%以上減少した場合
    → 2021年度の固定資産税・都市計画税を全額免除
③ 免除による損害の額の損金算入

相談者が期待している国からの支援は、直接的な負担減(税金でいえば、
所得控除ではなく、税額控除のようなもの)であり、それに該当するのは、
②のみだと思われます。
しかし、②についても、その売上は、それぞれの不動産毎ではなく、
事業全体で判断されるものと解釈できます。
もし、前記の解釈が正しい場合、複数の不動産を賃貸されている方は、
全ての不動産の賃料について、減額を実施しないと②の要件を充たすことが
できない恐れがあります。
よって、“25%ではなく30%減額した方が良い”などといった意見は言えないのです。
正直なところ、非常に悩ましいです。

※緊急事態宣言延長に伴い、弊社のテレワークも延長となりました。

先週、ホテル運営の株式会社ファーストキャビンが破産を申請しました。
ファーストキャビンは、飛行機のファーストクラスをイメージした
新しいコンパクトホテルを標榜し、空港近隣・都心・観光地等でデザイン性が高く、
ラグジュアリーなカプセルホテルを運営しています。
以前のカプセルホテルは、利用者の殆どが男性でしたが、ファーストキャビンは、
男性と女性のエリアを分けるなどして、女性客も取り込み、カプセルホテルの
イメージを一新しました。
ファーストキャビンは、好立地でありながら、リーズナブルな宿泊料金を実現し、
人気を博していましたが、その後、同様のカプセルホテルや民泊の出現により
競争が激化し、インバウンド消費が盛り上がっていた中でも、業績は苦戦していたようです。
そのような中、新型コロナウイルスの感染拡大で業績が急激に悪化し、
この度の破産申請になったようです。
破産申請に伴い、営業を終了するのは、直営施設の5店舗(築地・京橋・京都河原町三条・
京都嵐山・柏の葉)であり、フランチャイズ契約の店舗(HPで確認したところ19店舗)は、
各オーナーが判断するようです。
ちなみに、弊社の近くに、ファーストキャビンTKP名古屋駅(現在は休業中のようです)が
ありますが、確かオーナーは、貸会議室運営で国内最大手である株式会社ティーケーピーであり、
本業とのシナジー効果が期待できるような気がしますので、新型コロナウィルスの感染拡大が
収束した後には、是非とも運営を再開してもらいたいと考えております。
なお、インバウンド消費の代名格ともいえるホテルとドラッグストアは、
高額賃料を支払い、競うように新規出店していましたので、今後が心配です。
※ドラッグストアは、都心店舗がかなり苦戦している一方で、郊外店舗は売上を伸ばしており、
 都心店舗の閉店はあるかもしれませんが、倒産はないような気がしています。

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