2009年04月

2009年04月21日

好対照

J6節、アルビレックス新潟対サンフレッチェ広島、3−3


◆新潟の3つの構造的欠陥

 GKの負傷と交代したGKのミスからの失点という
逆境を跳ね除けアウェイで同点に追いついた広島。
その要因は新潟の3つの構造的欠陥を突いたからだった。

(1)ジウトンの守備
(2)DFの前のスペースを埋めるのが本間1人
(3)交代策が乏しく後半に息切れする

 1つ目に付いてはミキッチとマッチアップになったのが新潟にとっては不運。
逆に右から攻められたおかげで助かったのが横浜戦
2つ目が露骨に表れたのが2失点目の柏木のゴールで、
佐藤をケアしてDFが下がると、その前のスペースがぽっかりと空いた。
3つ目だが、新潟はまともな交代要員が弔靴いない。
特にリードをした後は守備に難のあるジウトンを下げたいし、
負担の大きい中盤も変えたいところだが、替えが効かない。

 ただ、あまり有効な交代策がないという点では広島も同じで、
同点に追いついてから20分はあったのに、勝ち越すことはできなかった。



◆身長体重

 この試合を見ていて気になったのが、選手の体格の違い。
新潟と広島を比べてみると、新潟の選手がやたらとデカく見える。
まあオレンジという膨張色のユニを着ているからかもしれないので、
一応選手の身長と体重をオフィシャル・サイトの数字から確認してみた。

 結果、フィールド・プレーヤーの平均で、
新潟は広島より4cm弱大きく、3kg弱重いことが分かった。
このあたりは両チームのスタイルの印象と非常にマッチしている。
セットプレーの強さと前線のパワーが特徴の新潟、
ほぼ全員がテクニックがあり細かい動きとパスワークで試合を支配する広島。
特に広島の前線の佐藤・柏木・高柳と新潟のCBの永田・千代反田を比べると、
身長で10cm、体重で10kg以上の差があり、特に違いが目立つ。

 また広島は選手の体格の均質性(分散の小ささ)も目立つ。
ほとんどの選手が身長175cm、体重70kg前後に集中していて、
敢えて違いを探すと佐藤がやや小さく、ストヤノフがやや大きく、槙野が大きくて重い程度。
このあたりも「全員MF」的なイメージと整合的。
(ただミキッチははっきりと「サイドアタッカー」)
一方の新潟はCBとFWがゴツクてMFとSBが普通。
但しジウトンは大きくセットプレーで得点も取っている。

 確認はしていないが、おそらく新潟がJ最大・最重量級で広島が最小・最軽量級だろう。
(ひょっとしたらCBの高さがない神戸が最小かもしれないが)
体格の面で対照的な2チームは、
それぞれJリーグにおける編成の極端な例を示していて(*)、
その強さと弱さがはっきり出たこの試合は非常に興味深いものだった。

(*)もう1つのパターンとして、少し前(テセがいない時期)の川崎のような、
   前にスピードがあって後ろが大きいものもある。


・新潟

ペドロ:182cm、74kg
大島:184cm、78kg
矢野:185cm、76kg
松下:174cm、70kg
本間:172cm、65kg
マルシオ:173cm、67kg
ジウトン:184cm、74kg
永田:184cm、80kg
千代反田:183cm、80kg
内田:175cm、68kg
北野:186cm、80kg

フィールド・プレーヤーの平均:179.6cm、73.2kg


・広島

佐藤:170cm、68kg
柏木:175cm、68kg
高柳:174cm、67kg
服部:175cm、67kg
青山:173cm、72kg
森崎和:177cm、72kg
ミキッチ:177cm、66kg
槙野:182cm、77kg
ストヤノフ:182cm、74kg
森脇:177cm、74kg
佐藤:183cm、73kg

フィールド・プレーヤーの平均:175.9cm、70.5kg

meitei2005 at 22:47|PermalinkComments(2)TrackBack(0) Jリーグ09 | 戦術論(サッカー)

2009年04月10日

どえらいものを見てしまった

CL準々決勝1st、FCバルセロナ対FCバイエルン、4−0


・バルサのスタメン

アンリ、エトー、メシ
イニエスタ、トゥレ、チャビ
フジョル、ピケ、マルケス、アウベス
バルデス

・バイエルンのスタメン

トニ
リベリー、ゼ・ロベルト、シュバインシュタイガー、アルティントップ
ファン・ボメル
レル、ブレノ、デミチェリス、オッド
ブット


◆次元が違う

 この試合に関しては戦術とかの分析は必要ないでしょう。
大人と子供、というか、別の競技をしてるんじゃないか、というか。
天下一武道会で悟空が着てた重り入りの服を着てるとか。

 もちろん理屈が介在する余地がないわけじゃない。
バイエルンは4−1−4−1にして、左SBも守備を考えてレルを起用。
もともと引いて守る気でカンプノウに乗り込んできていた。
だから押し込まれること自体は想定通りなのだが、
引いてスペースを埋めているはずなのに、易々と中に進入されてしまう。

 もちろん試合を決めたのはメシ、エトー、アンリのプレーだが、
それ以上に両者の差を感じたのがイニエスタのドリブルとピケのキックだった。
スーパーなアタッカーという意味ではバイエルンにもリベリーがいる。
しかし、決してスピードがあるわけではないイニエスタの、
くねくね進むドリブルに対してバイエルンの選手は全く対応できなかった。
またCBのピケが効き足ではない左足での素晴らしいサイドチェンジを見せていて、
このあたりにチームの余裕とスケール感の違いも感じられた。

 バイエルンには運もなかった。
前半立ち上がり早々に2失点してしまったことで、
ポゼスが得意なバルサが楽な展開に。
ブットの負傷など試合が止まることもあって、
バルサが攻め疲れるという感じにもならなかった。
またCB2人とクローゼが欠場するなどフル・メンバーでもなかった。

 そもそも個々人で見てもバイエルンは見劣りがする。
バルサを追われたファン・ボメルやミランを追われたオッド。
アルティントップもゼ・ロベルトもやや昔の名前。
見劣りしないのはリベリーぐらいだろうか。

 バイエルンはチームとしても調子が悪く、
直前のボルフスブルク戦でも1−5と大敗している。
リーグでは26戦して14勝6分6敗、勝ち点48の4位。
失点が36と多いあたりに問題があることが伺える。

 とはいえ、腐ってもバイエルン。
それがここまで一方的にやられてしまうとは。
4点目のアンリのゴールそっちのけで倒れたメシを気にするバルサ。
前半の4点でお腹一杯になって後半を丸々流すバルサ。
試合の最後はイエローの消費を行ったマルケス。
4−0で済んで良かったというのが正直なところだ。


◆チェルシーに期待
 
 ここまで大差のついた試合を見てしまうと、
バルサが負ける姿というのが想像しにくくなってしまう。
しかし、次のチェルシーはバルサ・ストッパーとしては最適だろう。
選手層もそうだが、なによりヒディングが指揮を執っているからだ。

 近年、バルサとチェルシーは名勝負を演じてきた。
ライカールト・モウリーニョ時代に2戦して1勝1敗の五分。
04−05シーズンでは1回戦から激突し、
初戦にバルサが2−1と勝利したものの、
2戦目にチェルシーが4−2と大逆転を見せた。
05−06シーズンでも、またもや1回戦で再選となり、
今度は初戦のアウェイで2−1と勝利したバルサが勝ち上がり、
そのままベンフィカ、ミラン、アーセナルを下して優勝している。

 唯一、チェルシーが勝利を収めたのが04−05シーズンの第2戦。
その試合ではバルサの弱点を突いたチェルシーの速攻が面白いように決まっている
両チームともややメンバーの変更が見られるものの、
特にチェルシーはヒディングが就任し戦術に変更が加えられたことで、
バルサの弱点とチェルシーの強みは当時とよく似た状況にある。

 今季のバルサの弱点については蹴球計画さんがまとめてくれているが
それは(1)プジョルを空ける(2)アウベスの裏(3)ロングボール、の3つ。
チェルシーにはドログバがいるからロングボールを使えるし、
スピードがあるサイド・アタッカーや長い距離を走れる選手も多いのでアウベスの裏も狙える。
戦術家のヒディングがここを狙ってこないわけがないだろう。

 逆に、ヒディング=チェルシーですらバルサをとめられず、
このままバルサが易々とCLを制覇してしまうとしたら、
近年のスペインの好成績とあいまって、
近年のフィジカル重視のサッカー界に新しい流れが起きるかもしれない。

meitei2005 at 16:52|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 欧州08-09 

2009年04月06日

どうして横浜は勝てないのか

J4節、アルビレックス新潟対横浜F・マリノス、2−1


・新潟のスタメン

ペドロ、大島、矢野
マルシオ、松下
本間
ジウトン、永田、千代反田、松尾
北野


・横浜のスタメン

坂田、渡邉
狩野
田中、小椋、兵藤、丁
中澤、松田、栗原
榎本


◆機能しない横浜の遅攻

 今シーズン、ナビスコ含め3分3敗と全く勝てない横浜。
08年では43得点32失点で9位、
07年では53得点35失点で7位、
06年では49得点43失点で9位と
例年の傾向では守備は堅いものの点が取れないことが中位に燻る原因となっている。
今季はここまで6試合で6得点と相変わらずの数字となっている。

 得点の中身を細かく見ると、より分かりやすい。
栗原2得点、中澤1得点、その全てが狩野のアシストとセットプレー頼み。
課題のFWの補強が行われなかったことで、容易に想像できた結果だ。

 攻撃面では特に遅攻のビルドアップに問題を抱えている。
最近、小椋が大分マシになったとはいえ、ボランチの組み立てが良くない。
狩野が元気なうちは下がってきてパスを配ってくれるが、
彼が疲れた途端にDFからパスを入れるところがほとんどなくなってしまう。
こうなると、中澤と松田が回しながら、タイミングを見て左WBの田中にいれるしかない。

 横浜のビルドアップのもう1つの特徴は、栗原がほとんど参加しないこと。
これは08年の天皇杯準決勝の大阪戦でも書いたことだが
横浜の攻撃は左偏重になってしまう傾向がある。
田中隼磨が名古屋に移籍した後には丁や清水を起用していて、
もちろん彼ら自身の問題もあるのかもしれないが、
やはりその背後の栗原の問題が大きい。
その栗原はビルドアップへの参加を諦めたのかサイドに開いていることが多いが、
中澤や松田から見事なサイドチェンジが来るのは期待薄だ。

 これは、新潟サイドからすると僥倖以外の何者でもない。
新潟の守備の最大の弱点はジウトン・ペドロの左サイドで、
こちらサイドからほとんど攻められなかったのは本当にラッキーだった。
また、そうでなくても攻撃サイドが偏ると守る方からすると予想しやすくなる。


◆守備も崩壊

 しかし、中位止まりとはいえ、少なくとも横浜の守備は堅かったはずだ。
ところが今季は6試合で10失点、J4試合で9失点と散々な結果に。
もちろん攻撃力のある広島・柏、好調の新潟とやったことも大きいのだが、
それにしてもこの失点数はいただけない。

 メンバーの面子を見ると、なぜこんなに失点が増えるのか不思議だろう。
3バックは中澤、松田、栗原と守備能力だけなら日本代表クラスの3人が並ぶし、
ボランチの兵藤と小椋はよく走るし、左WBの田中も能力が高い。
右WBが穴といえば穴だが、そこから崩された場面が特別多いわけでもない。

 1つの原因は遅攻が機能しないことで相手が攻める時間が増え、疲労が蓄積すること。
あるいは運動量を上げることでしか試合のペースを握れないから。
柏戦でも清水戦でも新潟戦でも、前半までは押し気味に試合をやれていても、
後半からペースが落ちてしまっている。

 またチームの方針が定まっていない部分もある。
選手の能力からしたら守ってカウンター、セットプレー頼みしかないが、
その割にはFWの守備戦術がイマイチだし、
ビルドアップの際の栗原のポジショニングもリスクが大きい。
そこを割り切ってできるかどうかが復調の鍵になるだろう。

 その点、新潟は「割り切り」の部分が上手くいっている。
能力の高いFWが3人いるのだから、彼らの能力を最大限生かす。
大島が強いのだからロングボールをどんどん入れ、
矢野はとにかく右サイドで頑張って、ペドロは一発狙い。
ジウトンの守備には目をつぶってその攻撃力に賭け、
穴は永田と本間と松下でカバー。
初戦のFC東京戦やこの試合でも試合内容では必ずしも勝てていないが、
セットプレーやFW、マルシオ、ジウトンの個人能力を当てにして、
上手くいかないときでもきちんと我慢ができている。


meitei2005 at 19:33|PermalinkComments(0)TrackBack(0) Jリーグ09 

2009年04月03日

大宮アルディージャ対ヴィッセル神戸

J3節、1−1



・大宮のスタメン

藤田、市川
橋本、新井、金沢、藤本
波戸、マト、富田、塚本
江角

・神戸のスタメン

須藤、吉田
ボッティ
田中、松岡、金
大屋、北本、宮本、石櫃
榎本


◆興味深い一戦

 万年中位のイメージが強い神戸と大宮の対戦。
しかも神戸はマルセル、アラン・バイーアが出場できず、ガナハも怪我上がり。
一方の大宮もデニス・マルケスもラフリッチも不出場。
これだけ国産割合が高く地味な面子はJ1では珍しい。

 しかし、そんな地味な面子だからこそ逆に興味深いという面もある。
前線に力のある外国人選手がいないメンバーで、どう攻撃を組み立てるか。
そこに監督の戦術や志向、腕の良し悪しに関する情報が現れるかもしれない。
そもそも両チームは今年に新監督を迎えていて、その興味もある。


◆3ボランチ

 もう1つのポイントとして神戸の新布陣がある。
神戸は新監督のカイオ・ジュニオールになってから3ボランチを採用している。
松岡を底にして金とバイーア(この試合では田中)をその前に置く布陣だ。

 4バックを採用するチームが増えてきたことで、
4−1−2−x系のシステムを採用するチームも見られるようになってきた。
今年に限っても以下のようなチームが存在する。

(1)新潟:本間が底、マルシオと松下が前
(2)京都:安藤(シジクレイ)底、佐藤と角田が前
(3)湘南:田村が底、寺川と坂本が前

 この他にも谷口・菊池・中村を併用する際の川崎や、
千葉がスポット的に近い陣形になることもある。
昨年までだと2トップの下にディエゴを置いたときの東京Vや、
林が底、倉貫・石原を前に置いた甲府あたりだろうか。
FC東京も4−4−2と表記されることが多いが、
去年の後半戦においてカボレを左WGに近いプレーをさせ、
石川(または鈴木)を右に置くパターンは4−1−2−3に近い構成だった。

 3ボランチを採用するとサイドの守備が脆弱になると言われていて、
この点は蹴球計画さんが繰り返し書いている
このシステムがJリーグという舞台でどういう機能性を見せるかに注目したい。


◆得点経過

 大宮と神戸の地味な顔ぶれを見ても、なかなかゴールの予感はしてこない。
セットプレーかカウンターぐらいかな、と思っていたら、
案の定、カウンターとセットプレーから1点ずつゴールを奪った。

 まず後半15分の神戸のゴール。
自陣左サイドの深いところで田中が藤本からボールをカット。
ドリブルで新井を引き付け、中でフリーになった鈴木(後半からボッティと交代)へ。
そのまま左サイドのスペースを駆け上がり、中央の吉田へ横パス。
ペナのすぐ外で波戸と1対1をし、中に切り替えして左足でシュート。
これはきれいにカーブをかけてゴール左サイドへ流し込んだ。
吉田の左足を完全に空けていた波戸もだが、
ペナのすぐ外で仕掛ける吉田を無視してゴール前を固めたマトの判断も疑問。
日本人選手のシュート力を甘く見すぎたか。

 後半39分の大宮のゴールは右CKを石原がダイビングヘッド。
マークについていた金が完全に振り切られていた。
この日の金はミスもあり、やや精彩を欠いていたようだ。

 大宮は後半30分あたりからリスクをかけて前に出て神戸を押し込んでいた。
もちろん神戸の運動量が落ちたこともあったのだが、
失点するまでが消極的だったことも否めない。
もちろんリスクを恐れてのことだろうが、
リスクを避けるあまりリスクをとる能力も磨かれずに終わっている。
この問題をクリアしたオシム時代の千葉が
スター選手不在でも強かった要因はここにある。


◆狙われたSB裏のスペース

 それでは神戸の3ボランチはどうだったのだろうか。
メンバーが揃わないという問題はあるにせよ、
神戸の新システムはあまり機能しそうな気配はない。

 この試合の特に前半では、SBの裏のスペースを狙われることが多かった。
神戸の守備は3ボランチのためサイドのゾーンを埋めることが難しく、
必然的にマークの意識の強い守備戦術になっている。
そして4−4−2の大宮のSHに対してはSBが対応している。
このためSBがDFラインから前に出ることが多くなり、
その裏のスペースに大宮のFWに走りこまれ、そこにパスが通ることが多くなった。

 今のやり方を続ける限り、この問題は続く可能性が高い。
SBの裏にパスを通されるパターンとしては下の3つが最も多かった。

(1)ボランチから
(2)マトからのロングキック
(3)藤本からの縦パス

相手のボランチは本来プレッシャーをかけやすいはずのところなので、
この点は戦術を突き詰めることによって解決可能だ。
しかし、フィード力のあるCBからのロングパスや、
俊敏なSHがプレスを外して入れてくる縦パスは防ぎづらい。
この他にも相手のSBのキックが正確だと、
そこから神戸SBの裏へのパスは脅威になる。

 また神戸のCBの能力が高くないことも問題を深刻にしている。
この試合の大宮はFWの能力が低かったため問題が顕在化していないが、
もしサイドのスペースで宮本が強力FWと1対1をするとなれば悪夢でしかない。
また大宮のSHやCHがゴール前に入っていくことが少なかったため、
サイドを多少崩されても大ピンチになる場面は少なかったが、
こうしたパターンがある相手でも苦戦する可能性は高い。

 一方、通常のサイドチェンジに対しては神戸の守備は強固だった。
これは田中・金というSHの機動力・運動量が多く守備範囲が広いことが大きい。
もちろん、大宮のSBの攻撃力が低いこともある。

 こうした3ボランチのサイド崩しについてスペインとの比較で書くと、
SHやSBの攻撃力を生かすパターンよりもFWとの連携が多いのがJリーグの特徴だと思う。
Jリーグは4バックへの移行の日が浅く、また身体的特徴の問題もあって、
あまりサイドの強力なアタッカーというのは多くはないかもしれない。


◆機能しない攻撃

 多少サイドを崩されたとしても、
その分攻撃が機能すれば元が取れるというもの。
しかし、この点でも神戸は失敗している。

 それは単純にトップ下に起用されたボッティの不調・力不足。
サイドに流れてパスを受けたり、バイタルでパスを受けようとするが、
本来ボランチで後ろから組み立てることが秀でた選手なので、
こういったプレーはあまり得意にしていないようだ。
本来ならば若手の馬場を使う予定のようだが、どれだけ機能するかは未知数。
少なくともサイドの突破とクロスのある鈴木を入れた後半はマシになっていたが、
それなら最初から4−4−2にした方が問題が少ない。

 神戸はこの他にも古賀や朴などサイドアタッカーが多い。
現状のシステムでは彼らを生かすことは難しいだろう。

 身長187、体重85とイメージとしてはワシントンに近いマルセウが復帰すれば、
彼を1トップにしてその下に朴、バイーア、古賀、吉田、鈴木、馬場ら
アタッカー陣を2人おく4−3−2−1を採用できる。
初戦の京都戦の選手起用からしてもこれが本命だろうが、
マルセルの代役が須藤では厳しいのは間違いない。
もしこのシステムを続けるのだとしたら、
ガナハがどれだけやれるのかによって、
チームの攻撃の安定度が変わってくるのではないかと思う。


◆その他

 神戸の榎本(面長の方)のキックの上手さが目を引いた。
一方の大宮の江角はキャッチミスやキックミスから大ピンチを作っていた。

 神戸は右SBの石櫃からの攻撃が機能していない。
一時は代表に呼ばれるほどの選手なのだが、
この試合ではクロス・フィードがことごとく失敗していた。

 Jリーグ初スタメンの田中は運動量が多く活躍。
出場停止があけたのだが、バイーアが帰ってきたらどうするのだろうか。

 宮本の身体能力の低さも目立っていた。
ヘディングを空振りしたり、簡単に裏を取られたり。
空中戦はさほど高くもない北本にほとんど任せきりだが、
これでは北本の負担が増えるばかりだ。
しかも得意なはずのフィードもあまり上手くいっていない
(これは神戸のFWの問題もある)
カバーリングとライン制御だけではつらいものがある。

 大分では若手の新井がいい動きを見せていた。
特にヨミがいいのかボール奪取の場面が多い。
もう1つ芸があればチームの中心選手になれるので精進してほしい。

meitei2005 at 20:54|PermalinkComments(0)TrackBack(0) Jリーグ09 

2009年04月01日

鹿島アントラーズ対浦和レッズ

J1節、鹿島アントラーズ対浦和レッズ、2−0


・鹿島のスタメン

マルキーニョス、興梠
ダニーロ、本山、青木、野沢
新井場、伊野波、岩政、内田
曽ケ端

・浦和のスタメン

田中、高原
原口、鈴木、阿部、ポンテ
平川、トゥーリオ、坪井、細貝
都築


◆さて問題です

マルキーニョス v.s. 高原

ダニーロ v.s. 原口

本山 v.s. 阿部

新井場 v.s. 平川

内田 v.s. 細貝


 どちらがポゼッションに向いていて、どちらがカウンターが得意でしょうか。


◆答え

 ポゼッションでは明らかに鹿島。
全てのv.s.においてパス・ドリブルなどの攻撃スキルで上回っている。

 カウンターについては難しいところ。
マルキーニョスとSBについては鹿島が上だが、
スピードに劣るダニーロのところは微妙。
本山対阿部は、阿部のボール奪取能力を考えると互角か。


◆カウンター2発で終了

 もちろん上の話は若干単純化し過ぎている部分もある。
CBのフィード能力ではトゥーリオと伊野波のどちらが上か、とか、
ポンテ対野沢だったら、ポンテの方がスキルがある、など。
あと同じ4−4−2でもSBの役割の違いなど相違点もある。

 しかし、鹿島の方が技術水準で上なのは間違いない。
しかもその鹿島の方がカウンター狙いで、
浦和がポゼッションすれば、どうなるかは火を見るより明らかだ。
この試合の2ゴールはどちらも浦和のセットプレーからのカウンターだったが、
鹿島は浦和のボランチにプレスをかけてショートカウンターを狙う場面も多かった。

 鹿島のアタッカー陣はスピードに能力が偏っているので、
引かれて守られてしまうと案外苦戦することが多い(3節広島戦など)
しかし、これだけスペースを与えてもらえれば好き勝手にやれてしまう。

 浦和はシュート・CKの数で上回ったが、決定的なチャンスは少なかった。
この試合の構成だと原口に得点能力が求められるが、
若手に試合を決めるプレーを要求するのは厳しいところ。

 浦和はチームの構築中なので、敢えてチャレンジしたのだと思う。
ただ、あれだけ客を集めていて金のあるチームが、
選手補強が不活発で10代の選手を使わなければいけない状況なのはなんとも。
去年の選手補強が大失敗だったのは間違いないが、
細貝を右SBに使わなければいけない現状は厳しいものがある。


meitei2005 at 16:31|PermalinkComments(4)TrackBack(0) Jリーグ09