2010年12月

2010年12月10日

5-0

FCバルセロナ対レアル・マドリード


・バルサのスタメン

ビジャ、メッシ、ペドロ
イニエスタ、ブスケツ、シャビ
アビダル、プジョル、ピケ、アウベス
バルデス

・マドリーのスタメン

ベンゼマ
ディマリア、エジル、ロナウド
アロンソ、ケディラ
マルセロ、カルバーリョ、ペペ、ラモス
カシージャス


◆概要

モウリーニョの就任と最近のマドリーの好調ぶりを見て、
そろそろバルサも危ないのでは、と話していたのだが、
イザ蓋を開けてみると5−0という結果に。
この会話でマルセロの守備が改善したという話も出たのだが、
そこを切り刻まれたことといい、なんともはや・・・

内容結果ともにバルサの完勝だったわけだが、マドリーの条件も悪かった。
もともとカカ、ガゴがいない上にイグアインの負傷で駒不足。
ただ、この点に関してはスタメンの選び方にも問題があって、
最初から攻撃的な選手を出したため控えに攻撃力がある選手が少なくなってしまった。
また、雨でスリッピーなピッチはパスワーク重視のバルサは大歓迎だが、
カウンターを狙うマドリーはロングボールを使いづらくなっていた。

マドリーには運もなかった。
先制点はマルセロの足に当たったボールがシャビの前に上手くこぼれた。
2点目のビジャのクロスもラモスやカシージャスに当たっていた。
3点目はオフサイドでもおかしくはなかったし、
ロナウドがPKをもらい損ねた場面もあった。
しかし、運があっても結果が引っくり返ったかと言われると・・・
マドリーにはチャンス自体がほとんどなく、ロナウドのFK2本とロング1本、
PKになりそうな場面と幾つかのCKぐらいだろうか。

エジルはバルサの早いプレスにぽろぽろボールを失い、
ベンゼマは何をやっているのか不明で、
アロンソやペペはバルサの選手に振り回され続けた。
一方のバルサは、バルデスが不安定だったことと、
ボヤンが浮いてたこと以外はほぼ完璧だった。


◆バルサの戦術

イニエスタ・シャビ・ブスケツの3人を起用したバルサの作戦は明確だった。
それは、中盤を圧倒的に支配してマドリーに何もさせないこと。

まずビジャとペドロは大きくサイドに広がり、相手のゾーンを横に広げる。
トップに入るメッシは下がってきてボールに触ることが多いが、
こうなるとマドリーの2人のCBは誰もマークしていない状態になってしまう。
もちろん最も重要なスペースのため、そこを恒常的に空けることはできない。
このため中盤ではバルサの方が人数が多くなり、ポゼスが容易になっていた。

マドリーはDFラインを高くして対抗するのだが、ボールを奪えない。
高い位置をとるアウベスにディマリアがマークをして下がるため、
特にシャビがプレーする中盤右サイドに隙が出来る。
逆サイドではロナウドが守備をサボるため、ケディラの横、
いわゆるバイタル脇がスカスカでイニエスタがやりたい放題。
プジョルを空けてピケをマークするのがバルサ対策のパターンだが、
ベンゼマの守備理解・意識が低いのか、戦術が徹底されていないのか、
右サイドに開いたピケが余裕を持って縦パスを打ち込んでいた。

1点目も狙い通りの展開から。
シャビと中央やや右よりのスペースに下がってきたメッシがパス交換。
メッシは中に入りながら斜め前にパスを出す。
CFの位置に入っていたペドロは下がってきてパスを受ける振りをしてスルー、
中央左よりのバイタル脇でフリーのイニエスタにパスが通る。
ラモスはサイドに開いたビジャのマークで動けず、
ペドロに当たりに前に出たペペのイニエスタへの対応は遅れる。
スルーして素早くペペの裏に走りこんだペドロをマークするため、
カルバーリョがやや右よりに動くとマルセロとの間にスペースができ、
最初にメッシとパス交換していたシャビが走りこんでくる。
後はイニエスタが速くて精確なグラウンダーをタイミングよく斜めに入れ、
マルセロのカバーも間に合わずにシャビがゴールを決める。

この後にも、バイタル脇のスペースでパスを受けたイニエスタが、
ペペを外してケディラもターンで外してラストパスを出す場面。

2点目も右から左への展開。
シャビのロングパスを受けたビジャがPA内でラモスと勝負して、
クロスに逆サイドのペドロがゴール前まで走ってきてゴール。

2点を取られてから、マドリーはロナウドとディマリアの位置を入れ替える。
アウベスをきちんと見ることをやめて、より攻撃的に出てくる。
するとバルサはCBの左右を入れ替え、プジョルが右CBに。
バルサが怖いのはSBの裏にロナウドが侵入してきてCBと勝負すること。
ロナウドの大きな切り替えしに対応できるプジョルを当てる作戦で、
この試合ではロナウドがプジョルを抜きさる場面は皆無だった。

ロナウドが来るとアウベスも攻撃参加が自重気味に。
しかし、バルサから見て右サイドのスペースは大きくなるため、
メッシが右WGの位置からドリブルで勝負を仕掛け始める。
相手をするのがマルセロでは歯が立たず、アロンソがカバーせざるをえない。
前半の最後の方はロナウドとディマリアの位置が戻るが、
そうするとバルサのCBもまた位置を入れ替えていた。

モウリーニョは後半からエジルとラスを入れ替え、
中盤の守備を強化を図るが、ほとんど機能しない。
SHが戻れなくなり、サイドにスペースが出来ると、
バルサ必殺のメッシのWGプレーから2得点。
ここから30分以上マドリーには辛い時間が続き、
最後には若造のジェフレンにまでゴールを奪われてしまった。


◆モウリーニョの謎の采配

上で見たように、バルサの戦術は周到に用意されたものだったが、
その分だけモウリーニョの不用意さが目立った。
ラインを上げることは、ビジャと周囲とのフィットが不十分なことから、
リスクが少ないと踏んだ上での判断だった可能性もある。
しかし、前半からイニエスタのマークが不十分だったり謎も残る。
また、攻撃的な選手を起用して控えが薄くなったのも不可解だ。

単純に、最近の好調をうけて慢心していた可能性もある。
あるいは、今後CLの決勝・準決勝で当たる可能性が高いバルサを相手に、
手の内を見せなかったと深読みすることもできるかもしれない。

いずれにせよ、次の試合はベルナベウでのリーガ首位決戦か、
CLでの上の方での戦いになるわけで、彼が凡戦を繰り返す可能性は低い。
おそらくラインを下げてサイドに蓋をしてくると思うが、
どういう試合になるか楽しみだ。

meitei2005 at 18:19|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 欧州10-11