2012年06月

2012年06月13日

オーストラリア対日本

WCアジア最終予選第3戦、1−1


・日本のスタメン

前田
香川、本田、岡崎
遠藤、長谷部
長友、今野、吉田、内田
川島

・豪国のスタメン

ケーヒル4、アレックス20
マッカイ17、バレリ16、ブレッシアーノ23、ウィルクシャー8
カーニー11、オグネノブスキ6、ニール2、ノース13
シュウォーツァー1

・アジア杯決勝時

ケーヒル4、キューウェル10
マッカイ17、ジェディナック15、バレリ16、ホルマン14
カーニー3、オグネノブスキ6、ニール2、ウィルクシャー8
シュウォーツァー1


◆簡単な感想

結果だけ考えれば勝ち点7は十分。
上位2チームに入ればいい戦いで、
ホームで2連勝、最大のライバルとアウェイで引き分け。
日本はイラクとまだ試合を行っていないが、
ホームとはいえ日本が快勝した2チームと引き分けており、
これらのチームよりもはるかに強いということはないだろう。
特別なことが起こらない限りWCには出場できそうだ。

この試合ではアジアの審判も荒れたピッチもあった。
しかし、前者に関してはWC本番で起こるとは考えにくい。
後者に関しては主催国がブラジルなので若干の不安はあるが、
ブラジルでラグビーが流行っているという話は聞かないので一安心。
豪国は荒れたピッチなら日本のパスワークを殺せて有利になると考えたのだろうが、
自国の体が大きいベテラン選手に負担をかけてしまい、
負傷者を生む遠因にもなったと思う。

むしろ最初の2連勝で雰囲気が緩みそうだったところで、
豪国に適切に日本の弱点を指摘されたのは長期的には幸いだった。


・CBの脆弱性

まず最大の課題はCBの脆弱さで、これはアジア杯で既に明らかになっていた。
どんなに中盤の守備を整備しても、ここがやられたら守れない。
日本がこの形から失点しなかったのは運が良かっただけだ。
吉田は欠場していたが、仮に彼が出ていても大差なかっただろう。

確かにケーヒルはワールドクラスの身体能力の持ち主だが、
WCというのはその「ワールドクラス」が揃っている。
ズラタン以外にも、とにかく高くて強いFWがいる国は多い。
そこにロングボールを放り込まれて負けたのでは、ジーコと同じになってしまう。

単純に考えたら高さ・強さのあるCBを入れるべきだ。
空中戦勝率を考えたらトゥーリオや岩政あたりが妥当。
五輪代表を見てもCBが最大のウィークポイントで、
このポジションに経験が必要であることを考えると、
急に無名の新人が救世主になってくれるとは考えにくい。
ザックはラインを高くするためにスピードのないDFは呼ばないようだが(*)
空中戦でやられて直接ゴール前を攻められては高いラインも意味がない。

仮にトゥーリオや岩政がスピードがなくて高いラインが危険なのであれば、
現在のやり方を変えてある程度ラインを下げるしかない。
あるいは、GKにもっと守備範囲の広いスピードのある選手を起用するか、
スピードのあるSBの攻撃参加を自重させて広い範囲をカバーさせる。
後者だとSBの運動量が非常に多くなってしまうが、
長友は化け物だし右SBは代えが効く。

この試合では負傷・退場劇でそうはならなかったが、
日本がリードした展開で終盤を迎えていたら、
豪国は最後にケネディあたりを投入してきた可能性が高い。
そうなったときに、クローザーとしてのCBがいないのもおかしい。


(*)高橋秀人の有料サイトで次のような記事があったそうだ(未確認)
   今野が次のように語っていたらしい。
    ザックは物言いが面白い。俺もザックから
    「ディフェンスラインを下げて守るならおまえじゃなくてトゥーリオを使う」
    と言われた

http://blog.livedoor.jp/meitei2005/archives/51819834.html
http://blog.livedoor.jp/meitei2005/archives/51644278.html


・前田

試合中何度かカウンターのチャンスを迎えた日本だが、
そこから素早くシュートまで持ち込む場面は皆無だった。
前田は好調でボールを上手く収めるが相手を抜いてシュートに持ち込めない。
また、DFを振り切ってラストパスを受けることもできない。

カウンター以外でも引いて守る相手に点がとれそうな雰囲気がない。
マーカーを振り切る瞬間的なスピードや、高さ・強さが欠如している。

ただ、カウンターに関しては李や森本の復帰である程度解決する。


・長谷部

この試合では何度がピンチにつながるパスミスをしてしまった。
以前からパスミスが多く、ボールロストの原因になっている。
広範囲の守備力とキャプテンシーがあるから外されていないが、
そろそろ細貝・高橋との切り替えも念頭に置いておいた方が良い。


・香川

得点やアシストでは香川は代表ではあまり活躍できていないように見える。
この点についてはポジションや本田との役割分担などが話題に上がる。
しかし、アジアの対戦相手が引いてくることが多い、
あるいは人数をかけて攻めてこないのでカウンターを取りづらい、
という単純な理由が最も重要なのではないかと思う。

香川がドルトムントで活躍した場面を思い出すと、
カウンターや速攻で決定的なプレーをしていることが多い。
これは(1)一般的にこれらのプレーがチャンスになりやすいこと、
(2)香川のスピードを生かしやすい、という2つの要素がある。

(1)に関しては世界中のサッカーチームに共通することで、
押し込んだ状態からパスとドリブルで相手陣を崩せるのはバルサくらい。
他の得点パターンとしてはセットプレーがあるが、
直接FKを蹴らず高さもない香川はこのパターンでの得点はほとんどない。
また、引いた相手にはサイドをえぐってのクロスや、
サイドチェンジでマークをずらしてのクロスが有効だが、
やはり高さのない香川はこのパターンでも得点しづらい。

逆に言うと相手が前に出てきてくれれば決定的なプレーもできる。
韓国戦の2点目やアゼルバイジャン戦のゴールはカウンターからだった。
ただし、前田をFWに起用すると前線の守備力が落ちるのと、
カウンターから直接ゴールに行く可能性が下がるので、
こうしたプレーから香川がチャンスを迎える可能性は下がる。

しかし、得点が取れていないから活躍していないわけではない。
決定的なプレーの前のところで、彼の俊敏性は生かされているし、
スピードと運動量でサイドの守備にも貢献できる。
本人は得点を取りたいのだろうが、
もう少し監督が諭すべきではないかと思う。


・本田

しかし、それではなぜ本田が点が取れているのか、という疑問も残る。
本田のPK以外の直近の4ゴールを振り返ってみると、全てワンタッチのシュートだ。
これも常識的なことで、相手が密集しているゴール前では、
何度もボールタッチする時間的な余裕は与えられない。
世界的にもカウンター以外では1タッチか2タッチのシュートがほとんどで、
それ以上のボールタッチでゴールを決めるのはメッシぐらいだろう。
香川もドルトムントでゴール前の密集で点を取っている場面があるが、
ほとんどはワンタッチシュートである。

1タッチ2タッチでゴールを決めるには、
適切なポジションに移動して適切なパスが来るのを待つしかない。
ヘディングが上手いわけでもない本田が点を取れたのは、
めぐり合わせが良かったのと、ゴール前での動きが良かったから。
ヨルダン戦の2点はどちらもフリーランニングが良かった。

そういう意味では、ゴール前に入っていく動きが足りなかった、
という香川の反省ももっともなことに思える。
もちろんフリーランニングにもスキル(適切な判断)が必要だが、
コンディションも良くないとボールがないところで動くのは難しい。


◆メモ

35分。ボール支配率、53対47(豪対日本)

meitei2005 at 15:08|PermalinkComments(2)TrackBack(0) ザック・ジャパン 

2012年06月11日

日本対ヨルダン

W杯アジア最終予選第2戦、6−0

・日本のスタメン

前田
香川、本田、岡崎
遠藤、長谷部
長友、今野、吉田、内田
川島


◆簡単な感想

これだけの大差がついた最大の原因はヨルダンにあったと思う。
アジア杯の時は4−1−4−1にして4−2−3−1の日本とマッチアップを明確にし、
遠藤や長谷部にもCHが対応してフリーにさせていなかった。
しかし、この試合では4−4−2にしてきたのだが、
FWの守備意識が低くて遠藤と長谷部が自由にボールを持てる。
前半5分に岡崎がDF裏に抜け出して遠藤の浮きパスを受け、
オーバーヘッドをした場面があったが、
中途半端にラインを上げて遠藤を空ければ幾らでもパスを通されてしまう。

それにしても遠藤は絶好調だった。
2点目の本田へのアシストも凄かったが、
GKがCKの時に大きく飛び出してくるのを見て直接ゴールを狙ったキックが
全て完璧でGKはギリギリではじき出していた。

こうなると、アジア杯の時よりコンディションの良い日本は圧倒的に有利。
香川は特にパスでミスが多く不安定だったが、
それ以外の選手が機能していたので楽勝だった。


◆オーストラリア戦

日本が快勝したオマーンに引き分けたように、豪国にかつての強さはない。
コンディションも中東から引き返した豪国は有利ではない。
日本は先制できてしまえば勝てる可能性はかなりある。

豪国は初戦のオマーン戦でアウェイとはいえ引き分けてしまった。
普通に考えたら日本戦はホームということもあり是非とも勝ちたい試合だ。
本来ならば積極的に前に出てプレッシャーをかけ、
高い位置でボールを奪って日本を押し込みたいところ。
しかし、あの監督が明確な戦術を与えられるかは微妙だ。
なんとなく普通に入るもののホームの歓声を受けて前に出てくる、
というような感じになるのではないかと思う。
前田がさほどスピードがないのが辛いが、
アゼルバイジャン戦で見せたようなカウンターを狙いたい。

不安なのは香川の調子と全体的なコンディション。
おそらく香川がスタメンから外れることはないと思うが、
早めに見切れるかどうかが重要になってくる。
また現在の運動量を多用するプレースタイルでは途中で息切れしている。
引き分け以上の状態なら宮市や清武でカウンターを狙えるが、
リードされた状態だと苦しいのは何度も書いた通り。
その他にも前田の代えがハーフナーしかいないのも辛い。
同点でいくとだらだらと引き分けてしまったり、
終盤のパワープレーでやられてしまう可能性もあると思う。

meitei2005 at 19:40|PermalinkComments(0)TrackBack(0) ザック・ジャパン 

2012年06月04日

日本対オマーン

W杯アジア最終予選第1戦、3−0.

特に印象もないので簡単に。


・日本のスタメン

前田
香川、本田、岡崎
遠藤、長谷部
長友、今野、吉田、内田
川島


◆簡単な感想

冷静に考えてみれば日本代表選手の大半が海外組になっており、
この時期はシーズンの疲れが出てしまうのは仕方ない。
結果は完勝だし、シュート数・コーナー数・ボール支配率でも圧倒したが、
何人かの選手が言っていたように少し動きが悪かったと思う。
特に後半の途中からは省エネモード&負傷回避で相手にボールを支配された。

逆に言うとそれだけのハンデがあっても、
3−0になってしまうほどの実力差はあった。
最初の2点はオフサイドを取られてもおかしくなかったが、
他にも決定機やPK見逃しもあったし、こんなものだろう。
また、オマーンの準備や狙いが甘かったことも幸いした。

また、前大会・前々大会の最終予選時の監督と比べ、
現在の監督の方が能力が高いことも安心要素ではある。
試合直前にゆるんでいる選手がいると思えばカツを入れ、
戦術面でも細かい指示を出している。
(それが逆効果になることもあるのだが)

(1)相手GKのキックは全部、長谷部が競れ
(2)長友がクロスを上げたら本田はファーサイドに詰めろ
(3)相手の右サイドバックが弱点。左サイドから攻撃しろ
(4)香川がカットインしたら前田と岡崎はゴール前に入れ

次戦もコンディションは心配だが、
幸いヨルダンも同じ日にヨルダンで試合をして引き分けている。
移動も考えたらコンディション面でも不利ではない。
不安要素は前に書いた同点やリードされた時のオプションの少なさと、
代表では落ち着きを無くしがちな香川のメンタルぐらいか。


◆ポイント

36分。内田が軽いプレーで突破される。

46分。内田がスローインで寄ってきた岡崎にスロワーを後退する素振りから、
岡崎がターンしてマーカーの裏をとりそこにスローイン。CKゲット。

49分。本田からのバックパスを受けた遠藤が右を向いて右でフリーの内田へパス、
と見せかけてDF裏に浮きパスを通して岡崎を走らせるがゴールラインを割る。


◆内田のパス

・成功

8分、岡崎への縦パス
13分、カットからカウンターでDF裏に抜け出した香川に浮きパス。
通って香川がゴールするが、オフサイド。
35分、おそらく寄せてきた相手の股を通して長谷部にパスを通す。

・失敗

10分、岡崎への斜めパス、強すぎてトラップが縦に流れる
20分、カットからカウンターの流れで縦にドリブルしながら左前方の本田にパス、
しかし不必要にバウンドしずれたためカットされる。
54分、斜め前の前田にパスを出すがDF側にボールがずれてカットされる。

・微妙

12分、岡崎への斜めパスが寄せられてカットされる。岡崎のミスか。
16分、中盤でのカットから岡崎へ縦パスをDFの間に通すが、
サイドに流れようとした岡崎の後ろに出してしまい岡崎がバランスを崩す。

meitei2005 at 15:26|PermalinkComments(0)TrackBack(0) ザック・ジャパン 

2012年06月03日

日本代表の懸念

試合直前に日本代表の懸念をまとめておく。

課題は0−0や0−1になりスペースを消された時の攻撃オプションの少なさ。
現状では、ハーフナーを前線に入れる、清武を投入する、の2つしかない。
スペースを消された状態では宮市は活きないだろうし、
腰を痛めた森本がどれだけ使えるか計算できない。
3枚目は宮市を使うしかないのだろうが、やはりOHが足りないと思う。
また、そもそもハーフナーがどれだけ機能するかも分からない。

meitei2005 at 17:56|PermalinkComments(0)TrackBack(0) ザック・ジャパン