2017年09月

2017年09月02日

日本対オーストラリア

ロシアWC最終予選、2−0。

・日本のスタメン

乾14、大迫15、浅野18
井手口2、長谷部17、山口16
長友5、吉田22、昌子3、酒井宏樹19
川島1


・豪国のスタメン

クルーズ10(ボーフム)
トロイージ14(イタリア系)、ロギッチ23(セルティック)
スミス3(ボーンマス)、ルオンゴ21(QPR)、アーバイン22(ハル)、レッキー7(ヘルタ)
スピラノビッチ6(杭州緑城)、セインズベリー20(江蘇蘇寧)、ミリガン5C(元千葉)
ライアン1

控え:ユーリッチ9(スイス)アミニ15(スイス)ライト(ブリストル)
   ガースバック(ローゼンボリ)マクガワン(河南建業)デゲネク(横浜)
   マクラーレン(ダルムシュタット)フェレイラ(ポルトガル)

ミル・ジェディナク(アストンヴィラ)は相変わらず負傷中。
ベンチが1人少ないという謎。


◆簡単な感想

・前提条件

前回の日本戦でのできや、自力がほぼなくなったことを考えると、
選手選考の時点ではサウジがUAEに勝つ可能性が高かった。
最終節に豪国がタイに勝つことを前提とすると、
日本は2分けではだめで、どちらかには勝たないといけない。
逆にいうとこの試合に引き分けでもサウジには勝たなくてはならず、
引き分けが負けにほぼ等しいという状況だった。
これが選手選考に反映されている。

豪国にとっては、いずれにせよこの試合は引き分けで良かった。
サウジがUAEに勝ち、この試合に引き分け、最終戦のタイに勝てば、
勝ち点は豪国20、サウジ19、日本18。
サウジと日本のどちらが勝っても引き分けても豪国はWCに行ける。

実際には29日にサウジがUAEに逆転負けを食らい、
日本はこの試合に負けても引き分けても、最終サウジ戦で引き分け以上で、
WC出場が決まるという微妙な状況になっていた。
(最終節に豪国がタイに勝つのが前提)

逆に豪国の立場から考えると、
この試合で負けてしまうと勝ち点でサウジに並び、得失点差は負け。
最終戦のタイ戦は勝つ可能性がかなり高いが、
消化試合になった日本がどれだけ真面目にやってくれるか分からないし、
得点を多くとらなければならないことはプレッシャーにもなる。
もちろんこの試合に勝てればよいのだが、
引き分けでも、次のタイ戦に勝ちさいすればWC出場。


・作戦

しかし、現実は面白いもので、
引き分けでも負けでもあまり変わらない日本が守備を固め、
引き分けでも良い豪国がボールを支配する展開になった。
これは単純に、豪国が近年のプレースタイルに忠実だったことと、
それを見越した日本がその対策をしてきた、ということだと思う。

そこで日本の対策を見てみよう。
まず、3人の守備能力の高いMFを起用して、
バイタルにスペースを空けないようにする。
サイドも守備ができるSHを起用して固める。
豪国が自陣低い位置で組み立てると連動して前に出て、
そこを突破されると素早く帰陣して4−1−4−1を作る。

攻撃ではとりあえず大迫に入れ、スピードのあるSHと、
運動量のある井手口・山口がそれをサポートする。
MFは場合によってはFWを追い越して攻撃するし、
そこでボールを奪われると、すぐに守備に切り替えプレスをかける。
両サイドは個人で勝負できるし、手間取れば体力のあるSBがサポート。
長谷部はいつもの「安全保障」を請け負う。

4−1−4−1は3月のUAE戦で採用している。
この試合はアウェイとはいえ相手が良くなかったことを忘れてはならないが、
CHで起用された今野が得点を挙げるなど、悪くはなかった。
UAE戦もボール支配率では相手を下回ったが、
シュート数では相手を上回り、この試合と同様の結果が出ている。
http://blog.livedoor.jp/meitei2005/archives/52194496.html


・選手起用

乾・浅野・井手口の起用がサプライズだと言われている。
しかし、上の作戦を考えれば至極妥当な選手起用だった。

これまで原口の謎の大活躍があったものの、
乾は起用が少ないのがおかしいぐらいだったし、
原口がチームで出番が減っていることを考えると、
守備力が計算できる乾の起用は当然の策。

同じ理屈で右SHも守備力が前提。
スピードがなく運動量の落ちた本田はだめで、
武藤もあまり調子が上がっていない。
久保もヘントと同様に調子が上がっていないようで、
それならドイツで試合に出ている浅野、となったのだろう。
特にカウンターが多い展開になるなら、
浅野の足技のなさが響くことはないだろう。

上で書いたようにUAE戦で4−1−4−1を採用していた。
CHの今野は良かったものの、香川は守備力のなさを露呈し、
アンカーの山口は危ないところでファウルを犯すなど、イマイチだった。
そこでコンディションも微妙な香川を下げるのも当然で、
山口を前目にして彼の運動量を生かし、長谷部が全体の制御。
井手口のところは柴崎とどちらか迷うところだが、
最近代表ご無沙汰の柴崎より、
直近のイラク戦で出ている井手口の方が良いと考えたのだろう。

逆に4−2−3−1だと香川をトップ下にするしかないが、
コンディションが微妙な上に波が多い。
控えの小林祐希もまだ海のものとも山のものともつかないし、
久保の調子がイマイチなのもすでに書いた通り。

しかし、4−1−4−1にしても、
選手層の薄さという問題は残ってしまった。
これは「前提条件」のところで書いたように、
この試合とサウジ戦のどちらかには勝たなければならないと想定されたため、
攻撃的なオプションとなる選手を多く招集したからだ。
そのため、CHの控えで計算できる選手がいなくなってしまった。
酒井高徳と長友が両サイドができて、槙野もSBができることを考えると、
今野か遠藤航を呼んでおくべきだったかもしれない。
(酒井高徳のCHは緊急手段だと考えられているのだと思う)


・試合展開

ハリルの計算通りの試合だったと思う。
支配率は38−62だが、シュートは15−4、CKは8−3。
明らかに日本の方が効率よく攻撃ができていた。
実際に点が取れるかどうかは運の要素がかなりあるが、
幸い攻撃オプションならかなりある。

豪国は日本に引いてスペースを消されると、攻撃にならなかった。
1トップのクルーズは動いてボールを引き出すのだが、
2列目が連動して動かないため、クルーズが完全に孤立。

後半20分ぐらいから流石に日本の前線のプレスが弱まり、
それに合わせるようにユーリッチ・ケーヒルを次々に投入。
楔が入るようになり、日本に危ない場面もあったが、
乾と原口を交替させ左サイドの守備を補強したところで、
カウンターから井手口の見事なシュートがさく裂。
あとは守備固めと時間のために残りの前線も交替させ、
万全の形で日本が勝利を収めた。

日本はもう少し早い段階で選手を変えることもできた。
しかし、引き分けでも良い豪国に対して、日本は引き分けの価値がないので、
同点に追いつかれた時点で勝ち越すパターンを用意しておかなければならない。
あるいは、1−0で最後に豪国にパワープレーをされた場合に、
槙野を入れて守備を強化するパターンも考えられた。
先ほど書いたようにCHの控えで計算できる選手がいないことを考えると、
交替策も仕方がなかったことのように思われる。

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meitei2005 at 16:21|PermalinkComments(0) ハリルホジッチ・ジャパン