サンパウロが勝利!!リバプールの分析

2005年12月17日

SM進化論

1.なぜ読むか?

 秋山りすもびっくりのタイトルですが、変態の話をしようというわけじゃありません。
今日読んだ、上野千鶴子の『発情装置』の感想です。

 なんでいまさら、と思われるかもしれませんが、その「いまさら感」が1つの理由です。
最初の方で扱われている「ブルセラ」や「援助交際」なんて懐かしい響きじゃないですか。
こんなのがまだホットな話題だった、今や昔の90年代。宮台とか何してるんだろ?
順位を確認

 でも、ネタのためだけに読むにはマトモ過ぎる本だし、長い。
実はもう1つ狙いがあって、社会生物学な思考法を身につけるためです。
と言っても分かりにくいので、どういうことかを書いておきます。

 学問に王道なし、とよく言いますが、それでも効率のいい方法はあるもんです。
皆さんも受験勉強や資格試験をした時のことを思い出してみてください。
まずは基本をしっかり憶えて、応用問題を解いて力をつけていく。
やっぱり、これがスタンダードな方法な事は間違いないでしょう。

 社会生物学が批判の対象にするのは「標準的社会科学モデル」。
単純に言ってしまえば、「文化決定論」というところでしょうか。
そして、上野千鶴子と言えば、まさにSMの主流も主流。
社会生物学が一番実績のあるジェンダーというところの王様(女王様?)。
ジェンダーとか言ってるやつは十中八九、脳性疾患に悩まされているわけですが、
その中では比較的まともで頭がいい、と考えられています。

 そんな上野千鶴子の文章なら、批判するに足るものだろうというわけです。
論理が明晰であればあるほど、批判するのも簡単ですから。
というのが、いまさら上野千鶴子の本を読む動機ということです。

2.SMと2つの進化論

 SMですが、2つの進化論に挟撃に合っている様に思われます。
1つはそのものずばりの生物学。もう1つは経済学(近代経済学)です。

 経済学が進化論?もちろん進化経済学とかの話をしたいわけじゃありません。
最近の近代経済学ではそういう側面がほとんど無視される傾向にありますが、
ハイエクとかスミスに遡るまでも無く、経済学は「淘汰の学問」でした。
っていうか、そもそも「適者生存」みたいなのは経済学からの輸出品でして。

 で、生物学とSMが仲が悪いのは簡単に理解できますが、
経済学はちょっと分かりづらいかもしれません。経済学って社会科学じゃなかったっけ?

 経済学は社会学なんかとは全く異なる道を歩んでいます。
SMが多くの場合、「文化」というものを重視するのに対し、
経済学は「とにかく金」です。儲けたモンの勝ち。文化もくそもない。
このへんが「市場主義」とか言われて評判の悪いところでしょう。

 たとえば、この本でも最初の方でブルセラの話をする時に、上野千鶴子は

性産業のなかではビジネスの経営者はしばしば(以上に)男であり、かつ消費者も男です。
売買春をふくむ性産業、誤解を受けているようですが、
「女が自分の性を男に売る」ビジネスではなく「男が男に女の性を売る」ビジネスです。p6

と、真にジェンダーの社会学者らしい分析を行ってくれています。
経済学的に見れば、経営者が男だろうが女だろうが関係ありません。
男が経営者なのは、男の方が経営能力があるからに過ぎません。

 この例に限らず、社会学者は経済絡みに非常にナイーブです。
文化に拘泥するあまり、経済と言う世界共通のロジックが見えていないようです。

 もちろん、経済学者も文化が見えていないじゃないかと言えばその通りなんですが、
経済学はその構成上、文化を無視できるような仕組みになっています。
というか、そもそもそういうものは議論の対象にしていない、というところです。

 馬鹿なことを言うことと、己の無知を悟り知らないことは話さないこと。
世間では後者の方が賢いと考えられていますが、せこい自己保身とも思えます。
まあ、ここはどうでもいいところなので、話を進めます。

3.男社会?

 生物学的な観点から見る前に、1つ指摘しておきたいことがあります。
この本でも出てくる「男(オヤジ)社会」というキーワードについてです。

 多くの女性は「男社会」の被害者だ

ちょっと朝日新聞でもかじれば誰でも言えてしまう言葉です。
しかし、このジェンダー社会学の宗家が言ってることも基本的には同じです。

 「男社会」というのが正しいのかどうかなんて分かりませんし、
そもそも何をもって「男社会」というのかもよく分かりません。
国会議員とか企業の幹部に女性が少ないことが「男社会」なんでしょうか?
まあ、そもそも男女の性差を考えない標準社会科学ではそうなるのかもしれません。

 「男社会」かどうかはいいとして、問題は「男が悪いのか」ということです。
上野千鶴子も実に巧妙に、「男社会」=「男」という論理を展開しています。
男社会の問題を指摘した直後、ブルセラオヤジのキモさに話を持っていく。
この流れを素直に追っていけば、男がとにかく悪いという気がしてきます。

 他にも、性と人格の関係について男女間で非対称性がある話がでてきます。
男はいくらセックスをしてもいいが、女がすると「汚れる」というやつです。
で、性と人格がどういう関係にあるべきかという話をする際に、上野千鶴子はこう言います。

性と人格の一致vs性と人格の分離の対立は、どちらもあまりに厳格に、
つまりそれを考えついた男が定義したように、考えられています。(p29)

はたして、こういうことを考えているのは男だけなのでしょうか?
女は、この様な通念の生産と再生産に全く関与していないのでしょうか?

 これは明らかにMicromotives と Macrobehavior の混同です。
社会現象としての「悪しき男社会」が「悪い個々の男」のせいだ、というのは
とても分かりやすくて一般受けしそうですが、誤ったロジックです。

 囚人のジレンマなんてのを考えてみれば、簡単に分かることです。
ジレンマに囚われた哀れな囚人は、2人とも望まない状態に陥ってしまいます。
ここでは個々人が悪いわけではなく、言ってみれば「社会(文化)が悪い」わけです。
つまり、原理的には「男が望まない男社会」なんてのもありえるわけで。
しかも社会学では「望む」ということ自体が社会によって作られるわけです。
そうなってくると、例え男がそれを望んだとしても男が悪いんでしょうか?

 ただ、まあ、この辺は上野千鶴子も分かってやってるような気もします。
この本が厳密に学術的なものじゃないこともあって、読者を意識してるんでしょう。

4.社会生物学から見てみよう

 で、本題ですが、やっぱり上野もSMだなあ、という感じです。
特にそれを感じるのが、男の性欲についての話をするときです。
確かに、いわゆるフェチが気持ち悪いのは同感なんですが、

ほんものの女体に欲望する男性がフェティッシュで無い、ということにはなりません。
女性の身体というものがすでに性的欲望の記号となっている男性は、
どんな女のハダカを見ても相手かまわず発情します。
なんてフェティッシュなことでしょう。
私の敬愛するゲイの理論家、伏見憲明さんのことばを借りれば、
女と見れば発情できる異性愛の男は、女体という「制度」と寝ている、のです(p8)

 社会生物学的に考えれば、「女と見れば発情できる」のは適応的なわけです。
逆に相手をえり好みしてるオスは、自然淘汰されてしまったことでしょう。
それはフェティッシュでもなんでもない、唯の動物として普通の行動です。
男が寝るのは「制度」ではなく「遺伝子」なわけです(不正確な言い方ですが)。

 また、この文章の背景には、セックスは特定の相手とするもの、という前提があります。
しかし、これこそ彼女らの言う「近代」とか「恋愛テクノロジー」じゃないでしょうか?
これだけ「近代」を批判している彼女が、それに囚われているのはおかしな話です。
ただこれも、生物学的な基礎を理解していないことが原因になっているわけです。

 また、性的な経験が多い女性にスティグマが発生するのも、
特に「男社会」だからというわけではなく、男の適応的な行動です。
誰と寝るか分からない女が奥さんでは、子供が自分の子だという確信が持てません。
当然、普通の男性はこういう女性を結婚相手として考えないでしょう。

 このように、社会生物学的なものを抑えられていないので、
フェティッシュとか記号とかいうやつが、やたらと膨張している感じです。
そのせいで、本当に社会学がやるべきメディアの分析がイマイチになってます。

5.男女平等社会の作り方

 真に男女平等といえる社会はどうやれば作れるのでしょうか?
生物学を前提にすれば、どんなに文明化されても男女平等にはなりません。
男女間で一生の間に作れる子供の数が異なれば、男女の行動は違ってきます。

 例えば、社会に出て出世するということを考えて見ましょう。
オスにとってはこれはやりがいのある仕事でしょう。
金を稼いで、愛人を作って、やたらと子供を残す。適応的な行動です。

 逆に女性は社会に出て出世することはいいことでしょうか?
女性が残せる子供の数には限界がありますし、金を稼いで偉くなっても子供は増えません。
逆に若いときに出産を犠牲にして仕事するなんて、非適応もいいとこです。
若いうちに稼いでくる男を捕まえて、家事に専念するほうがよっぽど適応的。

 適応的ってのは強い制限で、どんなに男女を「文明化」しても、
長期的には「文明化」された男女は淘汰されてしまうわけです。

 しかし、テクノロジーはそんな生物学的な制限も乗り越えます。それは

試験管ベイビー!!


 子作りを100%試験管で済ませましょう。
そうすれば、子作りにおける男女の非対称性はなくなります。
社会に出て金を稼ぐメリットも男女で全く同じになるわけです。
能力のある女性はガンガン稼いで、ガンガン試験管で子供を作る。

 こうなってくると、おそらく性器が不必要になるかもしれません。
まあ、科学が進化して人間が生きていくのは難しくない世の中ですが、
それでも生殖システムを維持することは、コストのかかることです。
いらないものはどんどん削って、卵子と精子を作る部分だけが残るかもしれません。

 テクノロジーが進めば、卵子と精子を作ることすら不必要になるでしょう。
子作りの相手に相応しい遺伝子は、スパコンが考えてくれるでしょう。
どっかの宗教団体も結婚相手を教祖(実はコンピューター)が決めるそうですが、
そんなことより遺伝子情報があるだけ、よっぽど素晴らしいわけです。

 こんな風に話を進めてくると、だんだんナチの香がしてきました。
しかしこの流れを止める者は、真の男女平等社会の敵です!!
ジェンダーの教祖様には、是非ともこう主張してもらいたいところです。

 ちなみに、SMってのは標準社会科学モデルを略したものです。
Standard Social Science Model、略してSSSM、もっと略してSM。


meitei2005 at 05:33│Comments(2)TrackBack(1)

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1. パッパカッぁあれあれ  [ ぷぷりぷりモンブラン ]   2005年12月17日 05:43
ペタンコ小人チャンこれはいかがなもんですかいのぉパカッぁ

この記事へのコメント

1. Posted by サガミ   2005年12月20日 20:14
HP探検隊のサガミです。
サガミのブログも見に来てくださいね。
最近見つけたHPを紹介します!

「よめろぐ」http://yome-log.jp/ha

お嫁さん専用のブログみたいです。
姑さんや旦那さんの悪口を言ったり・・
普段聞けないお嫁さんのホンネが覗けて面白いですよ!
人に言えないことがたくさんあるお嫁さんは、ぜひ参加してみては?


次はこちら!

「大人のブログ」http://oto-log.jp/ha

その名のとおり大人の為のブログです。
18歳未満の方は見ちゃいけないようなので、ご注意を!!
大人の方のエッチな体験談などがいっぱいです!
他では言えない大人の話をしたい方にはオススメです!
14. Posted by DSiLL 対応マジコン   2013年07月10日 19:33
LISArodriguez

 【本田雅和】東京電力福島第一原発事故に伴う避難指示区域を放射線量に応じて見直す区域再編が唯一済んでいない福島県川俣町の古川道郎町長は7日、政府の再編案の受け入れを決めた。政府は今月末にも正式決定し、再編を完了。避難者の帰還を促す取り組みを進める。<br>
<br>
 政府案では、計画的避難区域となっている川俣町南東部の山木屋地区の大半を、早期に住民の帰還をめざす避難指示解除準備区域、一部を数年で帰還をめざす居住制限区域にする。<br>
<br>
 古川町長は先月末から7日まで同地区全域の住民を対象に説明会を開き、再編に住民の大半の同意が得られたと判断。今月後半に町議会に報告する。その後、政府が再編を決める。<br>
<br>
 再編されれば同地区で公共施設などの整備が本格化する。古川町長は避難指示解除準備区域について、2015年度末を避難指示解除の当面の目標とする。<br>
<br>
 避難指示区域では、同県田村市都路(みやこじ)地区で国の直轄除染がひとまず終わり、避難指示解除に向けた準備が進む。一方で、再編後も除染が進まず、住民の帰還のめどが立っていない地域が多い。<br>
<br>
     ◇<br>
<br>
 〈避難指示区域の再編〉 国は11年4月、福島県の11市町村で、警戒区域(原発から20キロ圏)、その外側で年間放射線量が20ミリシーベルトを超える計画的避難区域などの避難指示区域を設定。11年末、放射線量に応じて(1)12年3月から数えて5年以上戻れない帰還困難区域(2)数年で帰還をめざす居住制限区域(3)早期帰還をめざす避難指示解除準備区域への再編を決めた。住民の同意を得るのが遅れた川俣町を除く10市町村は5月末までに再編した。</p>
</div>


<p class="ynDetailAuthor">朝日新聞社</p>



http://www.r4r4ijapan.com/DSi%7B47%7DDSiLL-%E5%AF%BE%E5%BF%9C%E3%83%9E%E3%82%B8%E3%82%B3%E3%83%B3/

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