寒中見舞い申し上げます西野監督を解任すべきか

2007年01月23日

阿部の移籍について

 とうとう阿部の移籍が正式に決定したようです。
機を逸した感もありますが、あれこれ雑感を。

◆ソシエダの思い出

 千葉サイドの考え方は既にタカクさんがまとめてくれている。
3年以上にわたるオシム・サイクルが終焉したということだ。
坂本の移籍も同じラインの話である。

 来期の千葉のサッカーはどうなるだろうか。
阿部と坂本の移籍は千葉のサッカーの質を大きく変えると思う。
なぜなら阿部と坂本、そして羽生は特別な役割を負っていたからだ。

 流動的な攻撃を身上とする千葉だが、
最も難しいのは流動的な攻撃それ自体ではない。
確かに運動量や技術の多彩さを要求されるのだが、
連携プレーは練習や実践で積み重ねることができる。

 むしろ難しいのは攻守の切り替え。
バランスを崩して攻めるということは諸刃の剣で、
ボールを奪われた瞬間が非常に危ない。
そのリスクを如何に顕在化させないかが肝要だ。
その為には全体のバランスを把握してポジショニングし、
運動量を惜しまず時間を稼ぐことができ、
あわよくばボールを奪って再カウンターの起点になる選手が複数いる。
それが上記の3人だったわけだ。

 それでは彼らがいなくなるとどうなるか。
簡単に言えばカウンターの餌食になってしまう。
これまでも不安定な戦いをしてきた千葉だが、
それ以上に安定感というのは失われてしまうだろう。

 こうなると、来期の千葉に希望を抱くことは難しい。
ナビスコ連覇という快挙を成したものの、
もう1つ上のレベルの結果が出せなかったものかと悔やまれる。
05シーズンにはガンバと勝ち点差1の4位に終わったわけだが、
あの時こそ最大のチャンスだったのだ。

 ここまで書いてきて、私はふとあるチームを思い出した。
レアルことレアル・ソシエダードである。
ソシエダは02-03シーズンにリーグ2位になり、
次期にはCLでグループリーグ突破をしたものの、その後は散々。
マドリーがCLで敗退しなければ、と悔やんでも後の祭りだ。
今でこそ覚えている人も多いものの、歴史に埋没するのだろう。

 それに比べればナビスコで連覇した千葉は、
まだ救いがあるということなのだろうか?

◆阿部の考え方

 彼個人の給料があまり上がらない(4800万から6000万へ)ため、
金勘定というのは重要ではないと思う。
(浦和の他の選手に気を使って裏金があるかもしれないが)

 やはりACLが2年確保されているというのが大きいのだろう。
イビツァがいなくなったこともあると思う。

◆バイエルン的行動様式

 唯でさえ選手が過剰気味な浦和で阿部をどう使うか。
ボランチは鈴木、長谷部がいるためファースト・オプションにはしづらい。
DFも坪井が怪我がちということもあるし、
引いて守ってくる相手にはDFからの良質なフィードが必須とはいえ、
トゥーリオ、坪井、堀の内、ネネ、細貝と選手は多い。

 私は、むしろ右サイドで使われる可能性が高いのではないかと思っている。
各ポジションに日本代表クラスを揃える浦和で唯一物足りないのが右サイド。
対面に攻撃的な選手がいることが多いこともあって、
守備を考えて平川で納得していた部分はあった。
しかし来期は左サイドからの攻撃の多様性が落ちる可能性が高く、
逆に右からのバリエーションも増やしておきたいところ。

 これは/スラントさんが指摘したことだが、
右サイドのスペースを使いたがるポンテと
上下動を頑張るいわゆる「サイドの選手」とは相性が悪い。
阿部なら右サイドのやや低い位置からゲームを組み立てつつ、
状況に応じて中に入って攻守に貢献することができる。

 と、戦術的な部分を考えてみたわけだが、
浦和の最大の狙いはそこにはないような気がする。
確かに阿部は3つのポジションをこなせる器用な選手で、
補強としても悪い話ではない。
だが、千葉の弱体化も大きな狙いではないだろうか。

 浦和は千葉を苦手としている。
06年はナビスコモードの千葉に勝って1勝1敗としたものの、
05年はリーグでは1分1敗、ナビスコでも1分1敗で敗れている。
浦和は基本的に個々人の能力の高さで勝負するチームのため、
千葉のように数的有利を作ることに長けたチームとは相性が悪い。

 国内リーグのライバルチームから選手を引き抜き、
補強と相手の弱体化を同時に計るのは
いかにもビッグ・クラブらしい行動だ。
これからはこういったことが当たり前になっていくのだろう。

meitei2005 at 01:48│Comments(8)TrackBack(0) Jリーグ07 

トラックバックURL

この記事へのコメント

1. Posted by タカク   2007年01月23日 20:12
お、デザイン変わりましたね。
千葉はまた再構築ですね。よりカウンター志向が強くなるんでしょうねえ。まあ、おそらく獲るであろう二人の中盤外人にもよるんでしょうけど。
しかし、浦和=バイエルンってのは盲点でした。まんまですな。
2. Posted by 酩酊   2007年01月24日 14:59
ちょっと内容を整理したので、
ついでにデザインも変えてみました。

今回の話は、06年の千葉のサッカーを継続するなら、という話なので
カウンター色が強くなる可能性もありますね。
イビツァも最初の方はそういうチームでしたし、
人材的にも適正がある気もします。
3. Posted by 酩酊   2007年11月01日 19:00
阿部の件については、全くその通りだと思います。
彼の守備の特徴は「広範囲に動く相手を捕まえておける」という点なので、
ばっちりゾーンで守る守備戦術とは相性が良くないかもしれません。

浦和の守備は面白いテーマですね。
基本的には守備能力が高い選手が揃っている、ということなのでしょうが。
数的優位、ホーム・アウェイという点で言うならば、
「守る人数は基本的に7人である」という点が重要かと。
FW2人とポンテは基本的に頭数に入っていない。
なので相手が6人以下で攻めて来る際には問題ないのですが、
7人目が攻め込んでくると数が合わなくなります。
4−4−2を前提にすると7人目とはSBになります。
ACLのアウェイで苦しんだのはこの点が大きかったと思います。

これも攻めてる間は生じない問題ですが、
今季に関してはコンディションの問題が大きかったと思います。
ビッグクラブらしく選手の使い回しができないと、
来期は流石に厳しくなってくるのではないでしょうか。






4. Posted by iwan   2007年11月16日 22:28
デ・ペドロとか懐かしい

浦和でも阿部の価値がじわりじわりですね。
実績重視でチームを劣化させないための補強という意味ではバイエルン的でビッグクラブらしい補強ですね。

若い選手に攻撃的でポリヴァレントなサッカーをさせるやり方はいいですね。
攻撃も守備もでき献身的でプレーエリアも広い有能な選手に「成長」します。
ある程度完成してくれば、美しくそれなりの結果も出せるでしょう。
アーセナルなんかがお手本ですね。

できないかもしれない「優勝」だけを目指すより健全で楽しいでしょう。
5. Posted by 酩酊   2007年11月16日 23:02
じわりというより、阿部がいなかったら今季の浦和はどうなっていたのやら。
もちろん千葉時代からいい選手ではあったんですが、
今年のクラブと代表での国際(主にアジア)経験で、
また一回り大きくなった気がします。
浦和自体もそうですが、アジアの中では抜けてきたかなと思います。
タイプ的に欧州に呼ばれる感じではないかもしれませんが。







6. Posted by iwan   2007年11月18日 13:18
>浦和は・・・数的有利を作ることに長けたチームとは相性が悪い
浦和は守備で数的有利を作ることでさらに強くなりましたね。チームを維持するには来期以降も点の取れる選手を確保し続けなくてはいけません。
バルサとはやらないほうがいいでしょう・・・3トップで人数を掛けてきて個も上手です

>タイプ的に欧州に呼ばれる感じではないかもしれませんが
ゾーンDFでポジションに縛り付けて置いたら活きないタイプですね。
7. Posted by iwan   2007年11月18日 18:57
阿部の成功理由の一つにチームの守備戦術が代表や千葉と余り変わらないというのがあるかもしれません。
ゾーンといってもラインより対人要素が強いという。

せっかく個の力に頼った守りをするならもっと攻撃的にいってもらいたいところですが、これだけ攻撃力があって結果も求められるとなるとそうは行かないのでしょう。
相手にあわせた守備をするから相手が攻撃にでてくるとカウンターしかなくなって、逆にホームではよい試合ができるのでしょう。

阿部の成長はマンマークが守備力を向上させること、浦和のタイトルは日本の守備力が成長したことの証といえるかもしれません。

浦和にはもっと攻撃的なサッカーをしてもらいたいしそれができるチームだとおもいます。
8. Posted by 酩酊   2007年11月18日 19:37
阿部の件については、全くその通りだと思います。
彼の守備の特徴は「広範囲に動く相手を捕まえておける」という点なので、
ばっちりゾーンで守る守備戦術とは相性が良くないかもしれません。

浦和の守備は面白いテーマですね。
基本的には守備能力が高い選手が揃っている、ということなのでしょうが。
数的優位、ホーム・アウェイという点で言うならば、
「守る人数は基本的に7人である」という点が重要かと。
FW2人とポンテは基本的に頭数に入っていない。
なので相手が6人以下で攻めて来る際には問題ないのですが、
7人目が攻め込んでくると数が合わなくなります。
4−4−2を前提にすると7人目とはSBになります。
ACLのアウェイで苦しんだのはこの点が大きかったと思います。

これも攻めてる間は生じない問題ですが、
今季に関してはコンディションの問題が大きかったと思います。
ビッグクラブらしく選手の使い回しができないと、
来期は流石に厳しくなってくるのではないでしょうか。






コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
寒中見舞い申し上げます西野監督を解任すべきか