2008年01月15日
ガンバにおけるダイレクト志向とテクニカル志向
家長の移籍に関するあささんの文章は参考になる。
特に詳しく触れていなかったプレースタイルに関する議論が含まれている。
要約すると、クラブとしてのガンバは「テクニカル志向」、
別の言い方をすれば「華麗」な選手を育成しているのだが、
西野監督は「ダイレクト志向」で「律儀」な選手を好む。
この2つの異質なものの融合がガンバの特徴である、と。
まず、クラブと西野監督に方向性の違いがあることは抑えておこう。
ユース出身の選手を見れば、ガンバが「テクニカル志向」なことは分かる。
家長が象徴的な存在であることは間違いない。
ただ、2つの路線が融合されているか、というとかなり疑問だ。
外部の人間からすると「華麗」を排除することが今のガンバの成功の原因だと思える。
それは家長がガンバで出場機会を得られなくなったことだけではない。
ユースの強さが有名なガンバだが、スタメンを見るとユース上がりは3人だけだし、
その3人でも橋本はもとより二川も「律儀」なタイプ。
ガンバ的なファンタジーは左サイドに押し込められていると言えるだろう。
(あくまで周りが夢見ているだけで、安田の本質は「律儀」にあるのかもしれないが)
もちろん、特に橋本は献身的なプレースタイルの割りにテクニックがあり、
そういう意味では「上手い選手を更に鍛え上げた」と言えなくもない。
二川も日本にありがちなトップ下のテクニックだけに秀でたタイプではない。
2人はガンバの融合の象徴ではないだろうか。
しかし、そうだとするなら、これはハッピーエンドではない。
なぜなら二川と橋本はチームのMVPであるにもかかわらず、
むしろMVPだからこそ、ガンバの成功と限界の象徴なのである。
また「律儀」なタイプしか生き残っていないことは必然的な結果だと思える。
現代のサッカーはテクニカルな選手にとって肩身が狭い。
普通のチームはせいぜい1人、どんなに多くても2人が限界。
そんな中でテクニカルな選手を育成しても、
彼らがプロで活躍する可能性が低いことは自明だ(*)
だが、逆に言えば1人ならテクニカルな選手が生き残ることはできる。
しかしその1人がいない点こそ、西野=ガンバの限界だと言えるだろう(**)
それが西野監督の戦術の幅の問題なのか、
それとも良い選手を用意できないクラブの問題なのかは難しいところなのだが。
(*)無論、育成段階の順序と言うこともある。
若いうちはテクニックを重視して、
ある程度の年齢になってからフィジカル・運動量を鍛える。
しかし、プロに必要な身体能力が備わるかどうかにも天性のものが大きい。
誰もが筋トレすればプロ並みの筋力がつくわけではない。
また筋力がついても関節など他の部分がその力に耐えられる保証もないし、
心肺機能がついてくるかどうかも分からない。
技術やフィジカルがあり将来を嘱望されながら怪我に泣く選手が多いが、
彼らは運の無さと同時に、その他の部分が足りなかったのだと言える。
(**)安田もポジションからいって「律儀」さが求められるし、
そういった方向性に成長していくことになると思う。
現状でも若さが目立って、彼を起用する収支はプラスではない。
◆補:ユース出身について
ガンバはユース出身者が3人だけだと書いたが、これは微妙な数字。
外国人枠3人を使っているので、フィールドに限れば7分の3。
また、大黒のように旅立ってしまった選手もいるし、
今の現役世代は今ほどユースが主流ではなかったこともある。
控えだったらユース上がりもいっぱいいるわけで。
もちろん、将来彼らがスタメンになる保証は全く無いが。
これについては別のところで書いておきたい。
特に詳しく触れていなかったプレースタイルに関する議論が含まれている。
要約すると、クラブとしてのガンバは「テクニカル志向」、
別の言い方をすれば「華麗」な選手を育成しているのだが、
西野監督は「ダイレクト志向」で「律儀」な選手を好む。
この2つの異質なものの融合がガンバの特徴である、と。
まず、クラブと西野監督に方向性の違いがあることは抑えておこう。
ユース出身の選手を見れば、ガンバが「テクニカル志向」なことは分かる。
家長が象徴的な存在であることは間違いない。
ただ、2つの路線が融合されているか、というとかなり疑問だ。
外部の人間からすると「華麗」を排除することが今のガンバの成功の原因だと思える。
それは家長がガンバで出場機会を得られなくなったことだけではない。
ユースの強さが有名なガンバだが、スタメンを見るとユース上がりは3人だけだし、
その3人でも橋本はもとより二川も「律儀」なタイプ。
ガンバ的なファンタジーは左サイドに押し込められていると言えるだろう。
(あくまで周りが夢見ているだけで、安田の本質は「律儀」にあるのかもしれないが)
もちろん、特に橋本は献身的なプレースタイルの割りにテクニックがあり、
そういう意味では「上手い選手を更に鍛え上げた」と言えなくもない。
二川も日本にありがちなトップ下のテクニックだけに秀でたタイプではない。
2人はガンバの融合の象徴ではないだろうか。
しかし、そうだとするなら、これはハッピーエンドではない。
なぜなら二川と橋本はチームのMVPであるにもかかわらず、
むしろMVPだからこそ、ガンバの成功と限界の象徴なのである。
また「律儀」なタイプしか生き残っていないことは必然的な結果だと思える。
現代のサッカーはテクニカルな選手にとって肩身が狭い。
普通のチームはせいぜい1人、どんなに多くても2人が限界。
そんな中でテクニカルな選手を育成しても、
彼らがプロで活躍する可能性が低いことは自明だ(*)
だが、逆に言えば1人ならテクニカルな選手が生き残ることはできる。
しかしその1人がいない点こそ、西野=ガンバの限界だと言えるだろう(**)
それが西野監督の戦術の幅の問題なのか、
それとも良い選手を用意できないクラブの問題なのかは難しいところなのだが。
(*)無論、育成段階の順序と言うこともある。
若いうちはテクニックを重視して、
ある程度の年齢になってからフィジカル・運動量を鍛える。
しかし、プロに必要な身体能力が備わるかどうかにも天性のものが大きい。
誰もが筋トレすればプロ並みの筋力がつくわけではない。
また筋力がついても関節など他の部分がその力に耐えられる保証もないし、
心肺機能がついてくるかどうかも分からない。
技術やフィジカルがあり将来を嘱望されながら怪我に泣く選手が多いが、
彼らは運の無さと同時に、その他の部分が足りなかったのだと言える。
(**)安田もポジションからいって「律儀」さが求められるし、
そういった方向性に成長していくことになると思う。
現状でも若さが目立って、彼を起用する収支はプラスではない。
◆補:ユース出身について
ガンバはユース出身者が3人だけだと書いたが、これは微妙な数字。
外国人枠3人を使っているので、フィールドに限れば7分の3。
また、大黒のように旅立ってしまった選手もいるし、
今の現役世代は今ほどユースが主流ではなかったこともある。
控えだったらユース上がりもいっぱいいるわけで。
もちろん、将来彼らがスタメンになる保証は全く無いが。
これについては別のところで書いておきたい。
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この記事へのコメント
1. Posted by アト 2008年01月16日 00:22
どうも。前のエントリーでは僕が「レッズの人」(そうなのか?)としては言い難いところを補足して下さってありがとうございます。(笑)
あささんのエントリーの内容はなるほどと思いましたが、ただ僕ら外野的には、ああいう内部事情や構造よりも、見えているものを現象的に追った方が論がブレなくていいんじゃないかなとも思います。
というのは西野さんが”JFA”的であろうとなからろうと、就任以来ガンバで広い意味での「攻撃的な」「パス志向の」チームを作って来たのは事実であって、成分はなんであれ結果出来上がって現に存在するそれを見て僕らは「ガンバの」サッカーとして認識して、それに今回問題となっている「均一性」という特徴を見出しているわけですよね。多分少し、距離感の違う話なんだと思うんですよ。
あささんのエントリーの内容はなるほどと思いましたが、ただ僕ら外野的には、ああいう内部事情や構造よりも、見えているものを現象的に追った方が論がブレなくていいんじゃないかなとも思います。
というのは西野さんが”JFA”的であろうとなからろうと、就任以来ガンバで広い意味での「攻撃的な」「パス志向の」チームを作って来たのは事実であって、成分はなんであれ結果出来上がって現に存在するそれを見て僕らは「ガンバの」サッカーとして認識して、それに今回問題となっている「均一性」という特徴を見出しているわけですよね。多分少し、距離感の違う話なんだと思うんですよ。
2. Posted by アト 2008年01月16日 00:25
ちなみに家長に関しては、五輪チームでも見られる家長個人の不足の問題と、あささんのエントリーにもある過去の選手たちの例でも見られるような、西野さんの運用と人格の硬さ(”方向性”ではなく)の問題かなと、そっちの方に力点を置いて僕は見ています。
簡単に言えば程度問題、つまり”テクニカル志向”だからというより、過ぎるからハジかれるということですが。
簡単に言えば程度問題、つまり”テクニカル志向”だからというより、過ぎるからハジかれるということですが。
3. Posted by 酩酊 2008年01月16日 15:30
どうもです。
コメントのおかげで論点が見やすくなりましたが、
そのせいでレトリックがバレた感じもあります(笑)
確かに前回のように「ガンバはその均一性が今や限界なんじゃないか」
みたいなのは、ちょっと言いにくいことですよね。
その言いにくいことを敢えて言うのがこのサイトの趣旨なわけですが。
「距離感が違う」というのはまさに仰る通りで、
前回は外野から、今回はやや内部に立ち入って(つもりになって)書いてます。
二川や橋本についても「そうだとするなら」という形で書いてますし
あささんの話に乗っかりつつ、結論だけは同じになる、という感じで。
コメントのおかげで論点が見やすくなりましたが、
そのせいでレトリックがバレた感じもあります(笑)
確かに前回のように「ガンバはその均一性が今や限界なんじゃないか」
みたいなのは、ちょっと言いにくいことですよね。
その言いにくいことを敢えて言うのがこのサイトの趣旨なわけですが。
「距離感が違う」というのはまさに仰る通りで、
前回は外野から、今回はやや内部に立ち入って(つもりになって)書いてます。
二川や橋本についても「そうだとするなら」という形で書いてますし
あささんの話に乗っかりつつ、結論だけは同じになる、という感じで。