2009年06月12日

苦戦に見る岡田ジャパンの可能性

WCアジア最終予選、ウズベキスタン対日本(0−1)、日本対カタール(1−1)


・日本のスタメン(ウズベキスタン戦)

岡崎
大久保、憲剛、俊輔
遠藤、長谷部
長友、トゥーリオ、中澤、駒野
楢崎

・日本のスタメン(カタール戦)

玉田
岡崎、憲剛、俊輔
阿部、橋本
今野、トゥーリオ、中澤、内田
楢崎


◆悪コンディションの原因とは

 この2試合で興味深かったのは、選手のコンディションが非常に悪かったことだ。
テクニックを期待される俊輔・憲剛にはミスが目立ち、
チーム全体も前半途中からペースを落として攻められる時間が長かった。
もちろん、岡田ジャパンの戦術がショボいから疲労の蓄積も早いのだと言う事もできるが、
そもそもそれ以前の基本的なプレーでミスが多かった。
俊輔・長谷部、強いて言うならACL参加の遠藤・憲剛に疲労はありえるが、
その他の選手の動きまで悪かったことの説明は難しい。

 これがカタール戦だけの現象であれば理解できる。
中3日、中央アジアからの移動、WC出場を決めた気の緩み。
しかしウズベキスタン戦については事情は全く異なる。
まだWC出場を決めておらず、その前のベルギー戦から中5日あって、
しかも相手が弱かったとはいえベルギー戦のコンディションは良かった。

 常識的に考えれば全く理解できないコンディションの低下だ。
普通に説明しようとすると、コンディショニングの失敗か、
チーム内で風邪かインフルエンザの流行ぐらいしか考えにくいが、
病気という話は聞いていないし、今更コンディショニングの失敗もあるまい。

 1つの説明として、岡田ジャパンは特定の中心選手に依存する部分が大きく、
その選手が疲れてしまうと全く機能しなくなる、という可能性はある。
名前の出た俊輔・遠藤・憲剛・長谷部が疲れたり出場できないとチームは機能せず、
他の選手もまるでシーズンを終えた時期のような動きしかできない。

 しかし、もう少しポジティブに考えると全く違う見方もできる。
つまり、これだけコンディションが悪いということは、
試合の間の練習を相当ハードにしたのではないか、ということだ。
そういえば、アジア杯においてオシムも試合の前後に相当練習をしていた
そして、そこでオシム・ジャパンの基礎が築かれ、
カメルーン戦・スイス戦・エジプト戦の勝利につながって行った。
ほぼWC出場を決めている岡田監督すれば、
アジア相手の試合なんざは練習にすらならないから、
それなら練習を必死でやって連携を上げたい、と。


◆選手起用と戦術

 そう考えると、不可解な選手交代も理解できる。
ウズベク戦では相手に押し込まれた後半に憲剛と本田を交代。
運動量もスピードもない本田は中盤の守備にもカウンターにも役に立たない。
普通だったら阿部・橋本・今野を投入して運動量を増やすべきだ。
そんなことは岡田監督は百も承知で、選手に過剰な負荷をかけたのだろう。
カタール戦の松井や本田の起用も似たような線だ。

 また、特にカタール戦でのサイドの守備戦術のなさも同様だろう。
カタール戦では右に俊輔、左に岡崎、トップに玉田、トップ下に憲剛だった。
まず俊輔のサイドの守備は甘くなりやすいが、
それ以上にFWがサイドを守れるわけもない。
日本は左サイドを崩され、ボランチが引きずり出され、そこからピンチを作っていた。
勝たなくてはならないカタールがSBも積極的に来るのも当然で、
そこをケアしなかったのは常識的に考えると理解できない。
この点についてはhumeさんの議論が詳しい

 これも「敢えて」の無策だと考えられる。
強豪相手だと攻撃力のあるSBが控えていることが多い。
岡田監督は攻撃を優先させたいのだが、そうするとサイドの守備が難しくなる。
その場合にはボランチがサイドのケアをできなければならないし、
中央はアーリークロスを跳ね返さなくてはならないし、
多少押し込まれてしまってもそれを跳ね返さなくてはならない。
「世界ベスト4」を目指すのだから、カタール相手に、
しかも疲労を抱えていてもこれくらいはできて当然だろう。


◆全ては強豪との試合で明らかに

 こうした修行の成果は今後の強豪との試合で明らかになるのだろう。
次の豪国戦は俊輔・大久保・長谷部・遠藤・本田が帯同せず手抜きモードだが
9月にはオランダ・ガーナとの試合があるし
10月には、俊輔絡みの金儲けという悪い噂もあるが、
欧州予選グループ9でオランダに続き2位になっているスコットランド戦もある
ポルトガルから親善試合のオファーを受けたという話もある

 こうした試合で内容のある試合をできれば、
この2試合の悪評を払拭することができるだろう。

 そこで全く見込みのないサッカーを見させられたらどうか。
それは、ジーコの時には発揮されなかった
日本サッカー界のリスク管理能力が問われるのだろう。

meitei2005 at 00:27│Comments(8)TrackBack(0)岡田ジャパン 

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この記事へのコメント

1. Posted by ペン太郎   2009年06月12日 05:14
 なるほど。最大限いい方向に考えるとそういった考えも出来ますね。
 私も一つ気になってたんですが、カタール戦の時に阿部が迷いっぱなしだったのがなぜなのかって事なんですけど、単純にチーム戦術が無いからメンバー変わるとどうしていいか分からなくなるのかな〜っと思ったんですが、脳に負荷をかけたと言うことも考えられる… う〜んヨーロッパ遠征で答えが出るまで判断できませんね。
2. Posted by 酩酊   2009年06月12日 07:15
まぁ、自分は岡田ジャパンに関しては既に「判断」してるんですけどね(笑)

常識的に考えたら阿部の問題もチーム戦術や選手起用の問題でしょうね。
阿部・橋本の組み合わせは遠藤・長谷部に比べたら組み立てで劣る。
しかも左SBが今野で、この点でもポゼス能力は落ちている。
だったら憲剛・俊輔に組み立てを手伝わせて阿部・橋本の飛び出し能力を生かすとか、
そもそも細かいつなぎは捨ててロングボールを増やすとか、対策はいくらでもできる。
ただ、そういった気配は全くありませんでしたね。

途中から憲剛が下がってきて組み立てを助けたり、
トゥーリオがやたらとロングボールを蹴ったり、自主的な対策は見られましたが。
前者は阿部と松井の交代で事後追認されましたが、
後者は玉田・岡崎の前線ではなかなか厳しいわけで…

もっと言えば特定の個人への依存と、バックアップメンバーの不足でしょうか。
「コンセプト重視」ならこういった問題は生じないはずなんですが…
特定の人しか理解できないコンセプト、というのはありえますけど…








3. Posted by メッシよりテベス   2009年06月12日 09:22
5 切り口がおもしろかったです…協会にリスク管理能力などないし、岡田さんは本当に無能なんだと思います。ありがとうございます。

そもそもヤレ個人技だの組織だのと単純な二元論でしか語られないこの国のサッカーは4年前と比べて成長しているとは思えないです。
4. Posted by 酩酊   2009年06月12日 10:32
まあ、ほとんど仰るとおりだと思います…

岡田さんも無能というほど酷くはないと思いますが。
もちろん、基準をどこにするかの問題になるわけですけど。
ただ現状では「世界ベスト4」はもちろん、
GL突破すら相当難しそうなのは間違いないんですよね。








5. Posted by ポチ   2009年06月12日 11:21
5 酩酊さんはともかく、
ド素人に「戦術が無い・無能」と言われる程か?とは思いますがw


アウェイオランダは楽しみですが、ライン上げて来てくれる準強豪相手にはそこそこ良い試合しそうなのがまた悩みどころですね。
仮に大敗しても監督交代しそうに無いですし協会は。

ジーコよりはマシ!!という合言葉で私は我慢して2010年乗り越えますよwww
6. Posted by 酩酊   2009年06月12日 11:39
そうですね、「ジーコよりはマシ」というのは
いろんな意味で正しい評価だと思います(笑)

「世界ベスト4」も岡田監督が言ってるだけで誰も本気で相手にしてないので、
オランダ・ポルトガル相手に大敗しても問題にはならないでしょう。
あれだけ駄目なのが明らかだった前回ですら、
WC出場を決めた監督を解任することはなかったわけで…

オランダはやたらとランキングが高いんですが、
そこまでいいチームだとは思えないんですよね。
攻撃陣にタレントがいるから爆勝する可能性もあるんですけど、
仰るとおりでラインを上げてくるし、その割りにDFにスピードはないし、
攻め合いになったらうっかり1点ぐらいは取れそうなんですよね。
今回のWC欧州予選も相手にかなりめぐまれてますし。
これがアルゼンチンとか嫌らしいチームならきっちり完勝してくれそうですが。

ただ、ロベン対策をどうするかという点だけは見物ですが。
また俊輔が守備に奔走とか、どうしょうもないことにならなければいいんですけど…







7. Posted by ポチ   2009年06月12日 15:11
5
二回目すみません。
後藤健生さんのブログに
>>パススピードやクロスの精度。そして、そこに飛び込むパターンの確立などの練習が行われた。目前のワールドカップ予選とは違って、1年後のワールドカップ本大会へ向けての練習が行われていた。

とあるので、(公式戦直前なのに(笑))オシムさん同様に相当ハードな練習をしてる可能性があります。



ロッベン対策はロッベン2号山田直輝君が覚醒して対処してくれますよw
8. Posted by 酩酊   2009年06月12日 21:51
確かに後藤さんもそんなことを書いてましたよね。
面白いのは練習と結果が全くアベコベだってとこですかね。

練習では日本がポゼスして押し込むことを前提にして、
その上でいかに崩すかということをやっている。

一方の現実では、前に出てきた相手に対して
俊輔や憲剛のパスと内田や岡崎のスピードを生かしたカウンターで得点。
もちろん憲剛・俊輔・遠藤と岡崎・玉田・大久保・内田・長友とくれば、
ロングカウンターが決まりやすいってのは分かるんですが。

果たして岡田監督の頭の中では整合性がとれているのかどうか…
それとも整合性とかはどうでもいいのか…
彼の言ってた「コンセプト」は上記の役割分担サッカーと真逆のような気が…










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