欧州09-10

2010年05月11日

09-10プレミアを振り返る

今季のプレミアはチェルシーの優勝に終わったわけだが、
その展開は、多くの人と同じく、ほぼ予想通りだった
予想違いがあるとすれば、リバプールが早々に優勝争いから脱落したことか。

優勝争いのレベルは多少下がると思っていたが、勝ち点86はそこそこ。
02−03からの優勝勝ち点は83、90、95、91、89、87、90。
二番手集団のレベルが上がりビッグ4のレベルがやや下がったものの、
その分CLで早々に敗退したためにコンディションは整えやすかったようだ。

CLのベスト4にプレミア勢が入らなかったのは02−03以来のこと。
リバプールやアーセナルのマグレと勢いの勝ち上がりがあったとはいえ、
近年は自力をつけて上位を独占することが多かっただけに、
この結果はリーグ間の力関係の転換点だと解釈されてもおかしくない。
実際、マンUとリバプールの弱体化の一因はマドリー。
これでジェラードの移籍でも実現しようものなら、本当にリバプールは終わる。

また、近年の金融危機の影響やプレミア内部での力関係の変化も大きい。
リバプールやマンUのオーナーは金欠で選手の補強がままならない一方、
マンC・トッテナムあたりは金をつぎ込み、後者はCL出場権を得ている。
マンCはマンUからテベス、アーセナルからアデバヨルとトゥレを獲得。
トッテナムの選手補強は直接ビッグ4と関係していないが、
彼らの財政力の向上はビッグ4が容易に補強することを妨げている。

今季は総ゴール数1053、1試合平均2.77と非常に多くのゴールが生まれた。
去年のゴール数942から12%も得点が増えたことになる。
リバプール(−16)ハル(−5)ストークとポーツマス(−4)ビラ(−2)以外、
特に上位5チームとベントが加入したサンダーランドは大幅に得点を増やした。
逆に言うと、少々得点を増やしても順位を上げることは難しいシーズンだった。

以下では主要なチームについて纏めておく。


チェルシー(優勝、27勝5分6敗、勝ち点86、103得点32失点)

今季、最も注目していたチェルシーが優勝した。
事前の予想ではマンUとほぼ互角の戦いをするだろうと思っていたし、
実際勝ち点差1というのは運の範囲という気もするが、妥当な結果だろう。
(得失点差でリードは「一歩半」だったわけだが)

インテルには敗れたものの、アンチェロッティの仕事は素晴らしかった。
ベテランが多くコンディション調整が難しい上に負傷者が続出したが、
厚い選手層を生かしてローテーションとシステム変更でなんとか乗り切っている。
下位相手のバカ勝ちが多かったのは減点要素だが、103得点はプレミア新記録。
モウリーニョ以来守備的なサッカーを志向してきたチームだが、
アンチェロッティはその潜在能力を解放したと言えるだろう。
(本来であればスコラリがそれを担うはずだったのだろうが・・・)
失点32もプレミア2位で、まあまあの結果。

ビッグ4対決での6戦全勝も新記録。
一方、マンCにはダブルを食らい、エバートンには1分1敗。
その他の二番手グループのビラ・トテナムにもアウェイで負けているが、
このあたりに今季のチェルシーの特徴が伺える。
普段のチェルシーは攻撃的で楽しくサッカーをしていて、
そのことは得点力と下位相手のバカ勝ちに現れている。
一方、実力を認めるビッグ4相手には集中力を上げてプレスを敢行。
ベテランが多くシーズンを通してはできないことも、特定の試合でなら可能。
しかし、二番手グループ相手では心理的に中途半端になっていたし、
ビッグ4相手のテンションを上げた戦いも何度もできるものでもない。

チェルシーは、前半戦と後半戦でシステムを変えている。
09年までは4−3−1−2だったが、10年から4−3−3。
直接的な原因はドログバ(と控えのカルー)がアフリカ杯でいなかったこと。
また序盤のボジングワの離脱に加え、2月にはA・コールも骨折。
これで4−3−1−2の長所だったSBの攻撃参加の威力が低下。
一方、J・コールが復帰していたり、マルーダ・カルーが好調だったことも要因。
(但し、WGに固定されたアネルカはややパフォーマンスを落としていたが)
また、そもそも4−3−1−2のトップ下に適任がいないという問題もあった
最初はランパードがこなしていたが、その場合は左SHに適任がいない。
J・コールがトップ下で機能しないことも痛かった。

WCもあり移籍情報もあまり無いので、来季の予想は難しい。
ただ、若返りが求められているのは間違いない。
トップ下・WG、守備的MFに20代前半の才能のある選手が欲しい。
もちろん、後者はミケルが開花すれば問題ないのだが。


マンU(2位、27勝4分7敗、勝ち点85、86得点28失点)

去年の数字:マンU(優勝、28勝6分4敗、勝ち点90、68得点24失点)

去年に比べ、失点は4の微増ながら得点は18と大きく伸ばしたマンU。
しかし負け数は3つ増え、勝ち点を5落とし、優勝を逃してしまった。
彼らはなぜ成績を落としてしまったのだろうか。

ルーニーは26得点と大活躍で、負傷もあったが32試合に出場した。
彼が欠場した6試合でも(9、29、32、33、34、36節)4勝1分1敗。
彼の次の得点者がベルバトフで12点は少し寂しいが、
全体で86得点だから攻撃面は決して悪い数字ではない。

つまり、問題は守備面にあったことになる。
負傷の多かったファーディナンドは13試合しかでることができず、
ヴィディッチも負傷や出場停止で24試合の出場に留まった。
また、ファンデルサールも負傷があって21試合しか出れず、
しかも第二GKに期待され8節まで起用されたフォスターも期待外れ、
14節からファンデルサールが再度離脱してからはクシュチャクが出場と、
マンUの要だったCBとGKに安定感がなかった。

特にファンデルサールが復帰した22節以降が悪くなかっただけに、
前半戦に勝ち星を落としすぎたのが問題だった。
前半の21試合は14勝2分5敗、
46得点(平均2.2)19失点(0.9)となっている。
後半の17試合は13勝2分2敗、
40得点(2.35)9失点(0.53)と特に守備の改善が目立つ。
去年も守備の堅さで勝ってきたチームだっただけに、
それを失ってしまうと成績に直結してしまった。

来季の課題は守備の建て直しになるだろう。
ファンデルサールにもう一年やってもらうとして、CBをどうするか。
特に右SBのメンバーを固定できていないことを考えると、
CBを兼ねられる守備力の高い右SBが欲しいところ。


アーセナル(3位、23勝6分9敗、勝ち点75、83得点41失点)

アーセナルも去年より得点力を改善させたものの、勝ち点はプラス3に留まった。
このチームについては例年長所も短所も安定しているために、あまり書くことが無い。
ただ財政状況が改善しているので、守備的な選手を補強できれば来季は明るい。


リバプール(7位、18勝9分11敗、勝ち点63、61得点35失点)

去年の2位から7位とCL出場権さえ失ってしまったリバプール。
全体的に得点が増える中、16点も得点を減らしてしまった。
トーレスは22試合で18点だが、これは昨季の24試合14得点と大差ない。
しかし、ジェラードの得点が16から9に落ちてしまっている。
失点数は35と悪くなかっただけに、得点力の低下が悔やまれる。

やはりシャビ・アロンソの移籍は大きかった。
また、去年補強したリエラの出場が12試合に留まったことや、
マキシ・ロドリゲスがフィットしないことも響いた。

特に痛かったのが、アクイラーニの出場数が少なかったこと。
彼が先発した9試合では6勝2分1敗、15得点3失点と好成績だった。
しかし、やはり怪我が多く貢献度は高くなかった。

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2010年01月05日

チェルシーFC対フラムFC

プレミア20節、2−1


・チェルシー

ドログバ、カルー
J・コール
ランパード、ミケル、バラック
ジルコフ、テリー、カルバーリョ、フェレイラ
チェフ


・フラム

ザモラ、ゲラ
ダフ、マーフィー、ベアード、デンプシー
コンチェスキ、スモーリング、ヒューズ、ペイントシル
シュウォーツァー


◆不調のチェルシー

11月までは、ライバルのビッグ4を全て蹴散らすなど好調だったチェルシー。
プレミアでは14試合で12勝2敗としっかり勝ち星を積み重ねていた。
ところがマンCに1−2で逆転負けを食らったのがケチのつき初めで、
その後はエバートン3−3、ポーツマス2−1、ウェストハム1−1、バーミンガム0−0と
格下相手に勝ちきれない試合が続いていた。

ただ、これも運が悪いだけだと考えることもできる。
マンCは選手の質だけで言えばビッグ4に匹敵するレベルだし、
その相手にアウェイとなったら苦戦するのも仕方ない。
エバートン戦は不運な失点が続いただけだ。

ただ、その背後ではチェルシーの構造的な問題が見え隠れしていて、
それが顕在化しているという面もある。
特にここ4戦の格下相手での苦戦はそれが大きい。


・ベテラン勢のコンディション

チェルシーが全体的に高齢化していることは何度か指摘したが、
試合数が多いこの時期になってその問題が顕在化してきている。
この問題は当初から予想されたことで、
当然アンチェロッティもターン・オーバーを使って対応している。

しかし、選手層の薄いFWとチームの中心のランパードの代えはきかない。
FWに関してはアネルカ離脱のダメージが大きいが、
控えのカルーが全く役に立っていなかったことも頭が痛い。
スターリッジは面白いプレーを見せてくれるのだが、
やはりまだ若くて総合的にチェルシーの戦力にはなれていない。

ランパードは得点のほとんどがPKであることからも分かるように、
シーズンを通して調子が良くないようにも見える。
特にミドルの精度が低いのが目に付く。
しかし、ゲーム・メーカーは現状ではランパードだけなので代えはいない。
本来ならパサーのデコを使いたいのだが、肝心の時に負傷。
また、思ったほどバラックがチームを仕切れていない。

左SBのバックアップの用意も遅れた。
シーズン当初は絶好調だったA・コールにも疲れが見える。
本来ならジルコフが控えになるはずだったのだが、
ここのターン・オーバーをなかなか使えていなかった。


・チェフとDFの連携

これもこの試合で垣間見れていたが、ハイボールの受け渡しでミスが多い。
エバートン戦でもこの問題から失点している。
おそらく、チェフが飛び出す判断が安定していないために、
DFが受け渡す範囲をつかみきれていないのだと思われる。


・アンカー

基本的にはエシエンがスタメンでミケルが控えなのだが、
エシエンが長期離脱をしてみると特に守備面での粗が目立ってきた。
ミケルは期待された割にはいいプレーをできていない。
運動量を多くして広いスペースをカバーするわけでもなく、
バイタルを適切に埋めて相手の攻撃の目をつむわけでもない。
攻撃面でも大きなパスを散らせるわけでもなく、
狭い局面でパスを受けて前を向いてパスをつなげる訳でもない。
現状ではエシエンの完全な部分集合になっている。


・トップ下

現状ではJ・コールかランパードが入るトップ下。
しかし、ランパードが入る場合には左SHがマルーダになり、
ここでのクオリティー低下が大きな問題になっている。
ただ、この問題はジルコフが左SHで使えれば解決するかもしれない。

J・コールが入る場合でも機能しないことが多い。
ここは未確認な部分も多いのだが、彼の仕事量が少ない気がする。
まだコンディションが十分に回復していないのかもしれない。

トップ下の問題はランパードの不調とも関係があるかもしれない。
現状では動けてパスをつなげる選手がランパードしかいない。
そのため、ゲームメークで彼に負担がかかっている。
トップ下に動けてパスをつなげるタイプを補強し、
ランパードは数年前の2列目のアタッカーというプレーを多くして、
J・コールは控えにした方がチームとしてはバランスがいい。

しかし、本来ならデコに期待したかった「動いてパス」は難しい。
そこで補強となるが、理想的なのはセスクだろう。
ただあまり現実感がないので、マンCのアイルランドや
トットナムのモドリッチあたりに目をつけておきたいところ。


◆フラム戦後半での改善点

・サイド・アタック

フラム戦の後半ではチェルシーに改善が見られた。
これまで押し込んだ相手に対してのチェルシーの攻略法は、
アネルカがサイドに開いてSBのフォローを受けながら1対1で仕掛け、
そこからミドル、クロス、サイドチェンジ、横パスからのミドルといった
多様な攻撃パターンを駆使することだった。
この場合にはクロスに備えてランパードやバラックがゴール前につめている。
しかし、アネルカの離脱でこのパターンが使えていなかった。

しかし、この試合の後半からはカルーがこの仕事を受け持っていた。
スピードと俊敏性は高いので、このプレーなら彼の良さが生きる。
(なぜこれまででこのプレーを見せなかったのかというのは疑問だが・・・)

後半25分にはミケルとスターリッジを交代させて3トップにし、
スターリッジも同じようにサイドからアタックを仕掛けていた。


・イバノビッチのクロス

ドログバのゴールを呼び込んだのはイバノビッチのクロスだった。
伏線としてチェルシーの左サイドからの攻撃が機能して逆サイドの守備が手薄だったこと、
フラムの右SBペイントシルが交代してボランチのベアードが右SBに入っていたこともあるが、
イバノビッチのクロスは珍しく精度が高く、ファーのドログバにピンポイントで合った。

右SBのクロスの精度もチェルシーの抱える問題点の一つ。
ただ、イバノビッチの起用は守備面での安定感も生み出していて、
ボジングワが帰ってきたとしても難しいところ。
守備でも堅くてクロスの精度も高いSBは世界でも数人。
例えばセルヒオ・ラモスだが、マドリーが彼を手放すとは考えにくい。
右CBに世界最高峰の選手を連れてきて守備力を上げる手もあるが、これも難しい。
現状ではイバノビッチのクロスの精度が上がることを期待するしかない。

meitei2005 at 15:53|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2009年12月04日

小さなことからコツコツと

プレミア14節、アーセナルFC対チェルシーFC、3−0


・チェルシーのスタメン

ドログバ、アネルカ
J・コール
ランパード、ミケル、エシエン
A・コール、テリー、カルバーリョ、イバノビッチ
チェフ

・アーセナルのスタメン

エドアルド
アルシャビン、セスク、ナスリ
デニウソン、ソング
トラオレ、フェルマーレン、ギャラス、サニャ
アルムニア


◆僅かな差の積み重ね

 チェルシーはロンドンダービーに快勝して首位を堅持、
アーセナルはプレミア連敗で4位に交代することになる一戦。
この試合は、選手の質とチーム戦略の差が印象的だった。

 チェルシーはいつもながらの4−3−1−2だが、
右SBにイバノビッチ、CHがランパード・ミケル・エシエン、
トップ下にJ・コールという並びだった。
ここから、対アーセナル・アウェイ・雨というコンディションを考え、
取りあえず守備に回ってカウンターを狙う戦略が見て取れる。
後ろの7人は現状で最も守備力の高い組み合わせだろうし
(右CBにアレックスでも良いが、対アーセナルなら高さよりも小回りの方が重要)
J・コールはデコよりもスピードとドリブルで上回りカウンター向き。

 一方のアーセナルは、もともとワンパターンな試合しかできない上に、
怪我人が多くて前線のパワー不足は否めない。
チェルシーの後ろの7人にがっちり固められると中央を崩せず、
数的優位を作りやすいサイドからクロスを入れるも跳ね返される。

 それでも、両監督が言うように、前半の30分頃までは流石にアーセナルのペース。
しかし、チェルシーの選手は慌てず騒がず黙々と跳ね返し続ける。
今季は明るく楽しくがモットーのチームなのだが、
耐えるときにはきちんと耐えられるのが大人のチーム。

 前半41分のゴールシーンは、テリーの攻撃参加から。
不意を突いてドリブルで持ち上がり、エドアルドのマークを受けるも、
左サイドに流れながらタイミングを見て、サニャの裏にスルーパスを通す。
A・コールがペナ内に侵入してクロスを上げ、ドログバが合わせる。
もちろんコールもドログバも素晴らしいが、
ペナ内に侵入された時点で既に危険な状態になっている。
サニャの守備の問題も大きいが、テリーの技術と判断力が光った場面だった。

 前半ロスタイムの追加点はアネルカの左サイドでのタメから。
ここでも一人をブロックしながらキープしてサニャを引き付け、
最高のタイミングでフリーになったA・コールにパスを出す。
コールも足元に入ったボールをダイレクトで低いクロス、
これがキーパーとDFラインの間にぴったり通り、
裏から狙うドログバに慌てたフェルマーレンが足に当ててOG。
アネルカのタメとパス、コールのクロスのタイミングと、
小さいポイントの積み重ねが生んだゴールだった。

 後半はアーセナルが次々に選手を代えるも全く機能せず。
後半終了間際にはドログバに決定的なFKを決められ万事休す。

 チェルシーは万全の試合でアーセナルとの格の差を見せ付けた。
交代策もフェレイラを使うなど渋くて実効的なものだった。
試合前は最多得点のアーセナル対最小失点のチェルシーという構図だったが、
アーセナルのは所詮弱いものいじめの得点でしかない。
強豪相手には歯が立たずに連敗を続けており、相変わらず微妙な存在。
いくら見た目が派手でも、こんなチームを礼賛してたらお先真っ暗。
技術があって攻撃的でも、頭が悪いとどうしようもない。


meitei2005 at 18:20|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2009年11月11日

大歓声の落とし穴

プレミア13節、チェルシー対マンU、1−0


・チェルシーのスタメン

ドログバ、アネルカ
デコ
ランパード、エッシェン、バラック
A・コール、テリー、カルバーリョ、イバノビッチ
チェフ

・マンUのスタメン

ギグス、ルーニー、バレンシア
アンデルソン、フレッチャー、キャリック
エブラ、エバンス、ブラウン、オシェイ
ファン・デル・サール



◆スピーディーな試合展開だが…

 この試合の特に前半は、これぞプレミア、といった感じで、
非常に攻守の切り替えの早い見ごたえがある試合だった。
しかし、これはチェルシーサイドからしてみるとマズい展開だった。
ベテラン選手の多いチェルシーとしては、
自陣にマンUを引っ張り込んでカウンターを狙うとか、
逆にボールをキープしてゆっくりした展開にしなければならなかったはずだ。
ところが、大歓声に煽られたのか若いマンUの中盤と走り合いになってしまい、
前半の最後の方で先に息切れを起こし始めていた。

 特に問題が大きかったのは、やはりトップ下のデコだった。
守備でも効かないし、攻撃でも良いところをほとんど見せられない。
特にベルバトフがいないマンUなら確実にチェルシーの方が地力が上のはずだが、
10対11で試合をしては互角の展開になるのも仕方ない。
案の定、後半18分に真っ先に代えられたのが、これでも遅すぎる。
ジョー・コールがフィットすれば控えに回らざるをえないだろう。
もちろん、マルーダを左SHにしてランパードを上げてもいいのだが、
それはそれで問題があるので・・・

 マンUはいつもの強豪対策の3トップだが、
この試合では戦術としては悪くは無かった。
3ボランチの中でも、積極的なアンデルソンが前で、
キャリックとフレッチャーが後ろという役割分担ができていて、
実質的に4−4−1−1や4−2−3−1に近いイメージになっていた。
ルーニーはポストプレーが上達して1トップとしても機能するし、
そうなると若い選手がいくらでも後ろから走りこんでくる。
もちろん、決定力と言う点では見劣りするのも事実で、
そのためシュート数で上回りながらも点がとれなかったわけだが、
ベルバトフ不在ではこれがベストだと思われる。

 勝負を決したのはセットプレーだったが、
やはり高さではチェルシーに分があった。
ドログバ・ランパード・バラック・テリー・イバノビッチに対して、
マンUはCB2人とオシェイ、後はフレッチャーがせいぜい。
特にチェルシーの中盤の高さはセットプレー以外でも効いていて、
アネルカがサイドに開いたり下がって空けたスペースに、
ランパード・バラックがゴール前につめてクロスを待つ場面が多かった。
ただ、A・コールの方はかなりケアされていたため、
クロスを上げるのがイバノビッチになってしまい、
あまり有効な攻め筋にはならなかったが・・・


◆これで優勝確率は五分

 この試合の勝利でチェルシーはマンUとの勝ち点差を5としたわけだが、
アフリカ・ネイションズ・カップを考えたら、これでようやく互角だろう。
中盤はなんとか誤魔化しが効くとしても、FWの層が薄い。
スタリッジが使い物になればいいのだが・・・

meitei2005 at 16:30|PermalinkComments(2)TrackBack(0)

2009年09月24日

マンU対マンC

プレミア6節、4−3

オーウェン復活とかロスタイムが長すぎるとか
リオのカーニバル(笑)とか色々言われてますが、
普通に3アシストしたギグスが凄かったですね。
リチャーズあたりならチンチンにするぐらいの力はあるようで、
未だにマンUはもちろんプレミアでも最高のSHのようです。
今季のマンUの最大の弱点はSHの質が低いことですが
彼が今の調子を維持できるようならマンUはやはり優勝候補の筆頭でしょう。
もちろん、35歳の彼に依存するリスクはかなり高いですが。


meitei2005 at 16:27|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2009年08月31日

チェルシーの経過報告

プレミア4節、チェルシー対バーンリー、3−0


◆チェルシーのスタメン

ドログバ、アネルカ
デコ
ランパード、エッシェン、バラック
A・コール、テリー、カルバーリョ、ボジングワ
チェフ


◆選手起用

・トップ下

 システムは4−3−1−2という基本線こそ維持されているが、
それを担う選手と運用法で微妙な修正を続けるアンチェロッティ=チェルシー。
この試合の最大のポイントは、これまでランパードが基本となっていたトップ下に
デコを起用してきたことだった。

 デコをトップ下で起用した最大の理由は
ランパードのバックアップとしてでデコが使えるかのチェックだろう。
おそらくトップ下としてランパードが最優先なのは間違いないし、
頑丈な彼が長期離脱する可能性も高くはないのだが、
各ポジションに控え選手を用意しておくことは必要だ。

 もう1つの理由はデコ・トップ下、ランパード・SHをオプション、
もしくはファースト・オプションにする可能性を模索したというもの

この試合でもバラックのゴールを生んだ2点目の場面で
ランパードは左サイドの追い越しからクロスでアシストしており、
こうしたダイナミックな動きをより生かせる可能性もある。
デコのトップ下もそのパス能力を生かせる可能性がある。

 結論から言うと、現状ではトップ下としてのデコはランパードの控え止まりだろう。
狭い局面だとどうしてもフィジカル・コンタクトが増えてボールを保持できない。
さほど俊敏性が高いわけでもないので、狭いスペースで勝負するのはキツそうだ。
バラックにラストパスを出したシーン以外で決定的なパスはなく、
結局は下がってきてボールをさばく仕事が多くなっていた。


・右SB

 もう1つのポイントは既に3−0とリードしていたとはいえ、
後半20分という比較的早い時間にボジングワとベレッチを交代させたこと。
コミュニティーシールドではマンU相手にイバノビッチを右SBに起用したが、
その後はボジングワを4戦連続でスタメン起用している。
おそらくこちらもボジングワが最優先なのだろうが、
控え選手の用意とモチベーションの維持、
またはボジングワのコンディションを考えての交代だと思われる。
ベレッチはまだコンディションが十分ではなさそうだが、
ボジングワ不在時の攻撃的SBとして使えるだろう。


・CB

 ローテーションの中で取り残された感があるのがアレックス。
しかし、高さと強さという点ではカルバーリョとイバノビッチを上回る。
テリー欠場に備えて彼の組み込みも進めておきたいところだ。
現実的には当座のところカップ戦要員となるのだろうが、
デラップ擁する5節ストーク戦では防空要員としてスタメンもありえる。
バラックがいれば防空体制も十分だし、
カルバーリョからの組み立ての練度も上げておきたいところなので、
可能性はあまり高くはないとは思うが。


◆今後の展望

・充実の序盤戦

 ローテーションとベストな選手起用を模索しながら、
中心選手の起用を続けて4連勝と最善の結果も残しているチェルシー。
アンチェロッティは素晴らしい滑り出しを見せている。

 選手のモチベーションも高そうで、
あんなに躍動するA・コールを見るのは何年ぶりだろうか。
ドログバがやる気に満ちているのも衆目の一致するところだ。

 リーグ戦を戦う上で大きいのは、攻撃の形が見えていること。
サイドにWGを置かない現状のシステムは
運動量と技術のあるSBの攻撃力を引き出していて、
2トップはコンビを成熟させてきており、
中盤の選手もそれぞれのやり方で得点に絡んできている。
状況によってはCBであっても積極的に攻撃に関与している。
攻撃に多様性があるため得点力不足に陥る可能性は低く、
その結果として全ての試合で複数得点をあげている。

 持ち前の高い守備力があるため、失点数が増えることは考えにくく、
選手のローテーションで疲労とスタメンの欠場対策も進んでいて、
よほどのことがなければ順調に勝ち点を増やしていけるだろう。
カルバーリョからの組み立てやセットプレーからの得点など課題もあるが、
このあたりは時間が解決する問題だと思う。


・課題

 しかし、これまでの相手はハル、サンダーランド、フラム、バーンリーと
比較的自力に劣る下位チームが多かった。
最初の山場は6節の好調トッテナム戦になるだろう。

 プレミアはビッグ4と呼ばれるチームに次いで、
エバートン、アストン・ビラ、トッテナム、マンCが2番手につけている。
(ゾラが就任したウェストハムもここに入ってくるかもしれない)
彼らが優勝する可能性はかなり低いものの、
トップ4を狙いながらUEFA出場を確保しようとするチームだ。

 このあたりのチームは前線に攻撃力のある選手か、組織力を備えている。
前者でいうと、ビラにはアグホンラホールとアシュリー・ヤングがいるし、
トッテナムとマンCは前線がビッグ4並にアタッカーが揃っている。
(トッテナムはモドリッチの負傷が痛いが…)
組織力という点ではエバートンやウェストハムはレベルが高いし、
アストン・ビラもマーティン・オニールの教育が行き届いている。

 次のチェルシーの課題は、こうしたレベルの相手に、
特にアウェイで高い確率で勝てるかどうかになってくるだろう。
現状の流動的な攻撃は、引いて守る格下相手には有効だが、
それなりに反撃力がある相手にはリスクも高い。
流動性を維持しながらもどれだけリスクを抑えられるか、
あるいはリスクを抑えながらも攻撃力を維持できるか。

 現状では支配率も高く相手を攻め立てる時間が長くなっており、
選手は基本的にやりたいことを思いっきりやることに集中すればいい。
しかし、上で挙げたようなチーム、
特に強力アタッカーを擁するビラ・トッテナム・マンCに対しては、
それなりに相手の良さを消すことも必要になってくる。
これは従来チェルシーが得意としてきた部分だが、
それを現状の良い部分、流動性と多様な攻撃パターンとどう両立させるか。
今後の展開を予想する上でトッテナム戦は注目だ。

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2009年08月19日

プレミア展望

◆優勝争いは混戦模様

 マンU、リバプール、アーセナルが力を落とす一方、
チェルシーは選手を維持したままで一流監督を招聘。
優勝争いはマンU、リバプール、チェルシーの三つ巴で混戦模様。

 台風の目はマンCだが、CBの補強がどうなるかや、
過剰気味の前線の選手を使いこなせるかに疑問が残る。
エバートンやアストン・ビラは相変わらず「良いチーム」止まりだろう。


◆マンチェスター・ユナイテッド

 3連覇中のマンUだが、優勝確率は30−40%といったところか。
ロナウドとテベスが抜け、オーエンとバレンシアを補強。
しかし、ナニ・バレンシアとSHが力不足なのは間違いない。
昨季も得点数は38試合で68点と決して多くはなかったが、
それが更に低下してしまう可能性すらある。

 昨季は一昨季に比べ得点が80から68と大きく低下し、
失点も22から24とほとんど変わらなかったのにもかかわらず、
勝ち点は87から90と逆に上がっている。
これはシーズン途中に無失点記録を作った時期に1−0で勝ち続けたのが大きい。
僅差で勝ちきる勝負強さは素晴らしいが、
逆に言うと相手を圧倒する力は一昨年ほどではなかった。

 得点力低下の最大の要因はカウンターからの得点の減少だが、
この原因として(1)相手の対策が進んだことと(2)FWの問題、が考えられる。

 昨年、スタメンFWはテベスからベルバトフに代わった。
数字だけを見ると一昨季のテベス14点に対して昨季のベルバトフ9点なのだが、
ベルバトフはアシストも多いし「個人の決定力」が差になっているわけではない。
むしろこの二人の差は守備能力の部分で大きい。
ベルバトフはテベスと異なり守備能力・意識が低いため、
チーム全体のプレスのかかりが悪くなっており、
ボールを奪う頻度が低下すると同時に、その位置も下がっている。

 プレス・カウンターの能力が落ちている上に、
FWの相性もよくなく、頼みの綱のアタッカーの個人技もない。
これでは苦戦は必死だろうが、どれだけ守備陣が耐えられるか。


◆リバプール

 シャビ・アロンソを失い、アクイラーニ、グレン・ジョンソンを獲得。
アロンソの穴を怪我が多いアクイラーニがどれだけ埋められるかは疑問。
トーレス、ジェラード不在時の得点力の低下は続くだろうし、
去年の成績を上回る可能性はあまり高くはない。
去年ブレイクしたカイト・ベナユンあたりが好調を維持できるか。


◆チェルシー

 今季、最も注目したいのはチェルシーだ。

 アンチェロッティは4−3−1−2を採用している。
これは現有の戦力から考えて合理的な戦術だと考えられる。

 まずドログバ・アネルカの2枚看板を無理なく使えるし、
ランパードの自由度を高めることも可能になる。
J・コールが怪我が多く大したWG・SHがいない一方、
エッシェン・ミケル・バラック・デコ・ベレッチとCHタイプは豊富。
サイドアタックは大したことないマルーダも、
運動量が多くサイドのプレーが得意なCHだと思うと悪くはない。
また、ボジングワやA・コールの技術と運動量も生かせる。
SB以外は控えの層も厚く、怪我や連戦にも強そうだ。

 また、プレミアには攻撃力の高いSBが多くないことも大きい。
4−3−1−2はサイドに隙を作るのが難点だが、
相手のSBの攻撃力が低ければあまり問題にならない。


◆アーセナル

 例年のように主力を引き抜かれて新シーズンを迎えるアーセナル。
実はアデバヨールとトゥーレの移籍による実力低下はそれほどでもないが、
かといってそれで力が上がるはずもない。

 ベンゲルはベントナーをWGに使う4−3−3を用いているが、迷走は今年も継続する模様。
エドアルドが復帰し、ここにロシツキーも加われば攻撃陣は豪華になる。
ただCFに適任がいないことや、CHがイマイチなことなど問題も多い。
2人ぐらいブレイクしてくれないと優勝争いに加わるのは難しい。

meitei2005 at 23:14|PermalinkComments(6)TrackBack(0)