欧州10-11

2011年05月31日

CL決勝

ルセロナ対マンチェスターユナイテッド、3−1

正直あまり感想がないのだが、感想がないということだけでも記録しておこう。


・バルサのスタメン

ビジャ、メッシ、ペドロ
イニエスタ、ブスケツ、シャビ
アビダル、ピケ、マスチェラーノ、アウベス
バルデス

・マンUのスタメン

エルナンデス、ルーニー
パク、ギグス、キャリック、バレンシア
エブラ、ビディッチ、ファーディナンド、ファビオ
ファン・デル・サール


◆2年前の再現?

2年前のCL決勝と同じ顔合わせになったこの試合。
結果・内容ともに前回の再現と言われているが、
得点経過はともかく内容では2年前以上の差があった。

その原因の一つはバルサの完成度が上がっているからである。
特に、メッシを右WGではなくCFの位置から始めさせ、
ほとんど自由にプレーさせるスタイルがはまっている。
これでもバルサはベストの状態ではなかった。
選手層の薄さから特にビジャとペドロには疲労が蓄積しており、
1週間前のリーガ最終節は控え選手中心でゲームを行っている。
DFでもプジョルが負傷で出場できない。

一方のマンUはテベス・ロナウドが退団。
プレミアでも優勝したものの圧倒的な戦力ではなくなっている。


◆マンUの作戦

今回は、マンUはきちんとバルサ対策をやってきた。
陣形は4−4−2だが、ある程度マーカーを決めてきた。
2人のCHはイニエスタとシャビをみて、ルーニーがブスケツ、
トップのエルナンデスがピケを見て、マスケは空ける。
パク・バレンシアはアウベス・アビダルのマークとSBのフォロー。
前半10分までは高い位置からプレスをかけ、
その後は自陣深い位置まで下がってスペースを消してきた。

バルサ対策の1つの典型的なパターンで勝負してきたが、
しかし、そもそもの選手の能力の問題で守備は機能せず、
前半の途中からはサンドバック状態になってしまった。

まずCHに本来攻撃的な選手を置いたため守備力が低い。
1失点目もシャビにあっさりバイタルに侵入され、
ギグスのカバーが間に合わないうちに決定的なパスを出されてしまった。

もう1つの問題は、明確なメッシ対策を持たなかったこと。
マンUの大男たちはメッシの俊敏な動きに全く対応できず、
唯一対応できたのはパクだけだった。
後半からはパクとギグスの位置を入れ替えて中央の守備を固めようとしたが、
2失点目はパクがメッシを少し離したところでミドルを決められてしまった。


◆今後の欧州展望

基本的にはバルサが抜けている。
最近メッシはペレやマラドーナなど伝説の名選手と比べられることが多い。
実際凄い選手だが、個人としてみるとそこまでの選手かは疑問だ。
しかし、バルサとの相性は抜群であり、
彼が負傷したり不調に陥らない限りバルサの時代は続くだろう。
もちろん、シャビ・イニエスタが揃っていなくなれば話は違うが、
セスクを補強されてしまうとどうにもならない。

最有力の対抗馬はマドリー。
ペップ・バルサに勝ったことがあるのはモウリーニョだけだ。
左SBさえなんとかなれば、勝つ可能性はある。

後はミランの会長がどれだけ金を使えるか。
マンUは金がないため復活は難しい。


meitei2005 at 18:10|PermalinkComments(13)TrackBack(0)

2011年05月15日

10-11プレミアを振り返る

もう1節残っていますが、
マンUの優勝が決まったので今季のまとめを。


◆チェルシー以外は予想通り

今季はチェルシーの優勝を予想していた
理由はすでに書いたように、他のチームがイマイチだから。

マンUは序盤の出遅れが酷かった。
実際勝ち点77から80というのは良い数字ではなく、
優勝チームとしてはここ10年で最低の数字だし
準優勝に終わった去年のマンUの数字も下回っている。
また、チェルシーがあまりにだらしないので手を抜いた、
あるいはCLに力を入れた可能性もあるが、
結果的には最後の直接対決で負けていたら逆転されていたわけだし、
CLで優勝・準優勝した年でももっと勝ち点が良い年もあった。

アーセナルは相変わらず。
マンUには勝ったりもするのだが、
ボルトン・ストークなどマッチョ相手にめっぽう弱い。
(マンUはプレミアでもっとも高さがないチーム)
プレミアで勝ちたいのであればCBを強化するか、
バルサ並みに前線からのプレスを強化するしかない。

最終的には大分持ち直したものの、
リバプールは早々に優勝争いから脱落。
金満マンCも予想通りの得点力不足に泣いた。


◆チェルシー没落の原因とは

それでは、今季のチェルシーは何が悪かったのだろうか。
表面的な理由はひどく単純で、けが人が続出したから。
名前を羅列するのも面倒なくらい主力に負傷が続出した。
アネルカもシーズンを通じてコンディションが悪く、
期待のベナユンは序盤の怪我でほとんど活躍できず。
ドログバがマラリアにかかったりと散々だった。

しかし、その背景には構造的な要因もある。
まず選手の年齢がかなり高くなってきている。
今でも中心選手はモウリーニョ時代からのもの。
スタメンのほとんどは30歳前後になってしまっている。

しかも、チェルシーのメディカルは質が低い。
ベナユンが負傷時に文句を言っていたように、
選手の状態をきちんと把握・管理できていない。
シーズン途中のコーチの解任にもみられるように、
成金らしい偏った金の使い方のツケが出ているようだ。
今までは選手の若さと選手層の厚さで誤魔化していたが、
それもとうとう限界に来たようだ。

選手層の薄さは事前に分かっていたこと。
事前にもアタッカーと守備的な選手が不足していたのは明らかだった。
そこで冬の移籍だが、ダビド・ルイスはヒットだったものの、
落ち目のトーレスを取った判断も悪かった。
チェルシー相手に点を取るからライバルの弱体化狙いもあったのだろうが、
ストライカーとしては若くもない選手に大金を払うのは理解に苦しむ。
また、チェルシーに必要なのはストライカーよりも、
ボールを持って何かできるタイプの選手のはず。
ようやくカカの獲得に動き始めたが遅すぎた。


◆来季のプレミア予想

来季のプレミアも基本的な構図に変わりはない。
補強によってはチェルシーはある程度持ち直すだろうが、
選手の高齢化とメディカルの拙さを考えると優勝は微妙。
リバプールの復活がどの程度のものかは興味深いが、
金がないのは相変わらずで、オーナー交代などがなければ優勝争いは難しい。
アーセナルもあの監督の間はあのまんまだろう。
マンCもモウリーニョぐらいを連れてこないと優勝はない。
あるいはテベスを残留させたうえで、もう少し補強し、
アンチェロッティあたりを連れて来ればなんとかなるかもしれない。

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2010年12月10日

5-0

FCバルセロナ対レアル・マドリード


・バルサのスタメン

ビジャ、メッシ、ペドロ
イニエスタ、ブスケツ、シャビ
アビダル、プジョル、ピケ、アウベス
バルデス

・マドリーのスタメン

ベンゼマ
ディマリア、エジル、ロナウド
アロンソ、ケディラ
マルセロ、カルバーリョ、ペペ、ラモス
カシージャス


◆概要

モウリーニョの就任と最近のマドリーの好調ぶりを見て、
そろそろバルサも危ないのでは、と話していたのだが、
イザ蓋を開けてみると5−0という結果に。
この会話でマルセロの守備が改善したという話も出たのだが、
そこを切り刻まれたことといい、なんともはや・・・

内容結果ともにバルサの完勝だったわけだが、マドリーの条件も悪かった。
もともとカカ、ガゴがいない上にイグアインの負傷で駒不足。
ただ、この点に関してはスタメンの選び方にも問題があって、
最初から攻撃的な選手を出したため控えに攻撃力がある選手が少なくなってしまった。
また、雨でスリッピーなピッチはパスワーク重視のバルサは大歓迎だが、
カウンターを狙うマドリーはロングボールを使いづらくなっていた。

マドリーには運もなかった。
先制点はマルセロの足に当たったボールがシャビの前に上手くこぼれた。
2点目のビジャのクロスもラモスやカシージャスに当たっていた。
3点目はオフサイドでもおかしくはなかったし、
ロナウドがPKをもらい損ねた場面もあった。
しかし、運があっても結果が引っくり返ったかと言われると・・・
マドリーにはチャンス自体がほとんどなく、ロナウドのFK2本とロング1本、
PKになりそうな場面と幾つかのCKぐらいだろうか。

エジルはバルサの早いプレスにぽろぽろボールを失い、
ベンゼマは何をやっているのか不明で、
アロンソやペペはバルサの選手に振り回され続けた。
一方のバルサは、バルデスが不安定だったことと、
ボヤンが浮いてたこと以外はほぼ完璧だった。


◆バルサの戦術

イニエスタ・シャビ・ブスケツの3人を起用したバルサの作戦は明確だった。
それは、中盤を圧倒的に支配してマドリーに何もさせないこと。

まずビジャとペドロは大きくサイドに広がり、相手のゾーンを横に広げる。
トップに入るメッシは下がってきてボールに触ることが多いが、
こうなるとマドリーの2人のCBは誰もマークしていない状態になってしまう。
もちろん最も重要なスペースのため、そこを恒常的に空けることはできない。
このため中盤ではバルサの方が人数が多くなり、ポゼスが容易になっていた。

マドリーはDFラインを高くして対抗するのだが、ボールを奪えない。
高い位置をとるアウベスにディマリアがマークをして下がるため、
特にシャビがプレーする中盤右サイドに隙が出来る。
逆サイドではロナウドが守備をサボるため、ケディラの横、
いわゆるバイタル脇がスカスカでイニエスタがやりたい放題。
プジョルを空けてピケをマークするのがバルサ対策のパターンだが、
ベンゼマの守備理解・意識が低いのか、戦術が徹底されていないのか、
右サイドに開いたピケが余裕を持って縦パスを打ち込んでいた。

1点目も狙い通りの展開から。
シャビと中央やや右よりのスペースに下がってきたメッシがパス交換。
メッシは中に入りながら斜め前にパスを出す。
CFの位置に入っていたペドロは下がってきてパスを受ける振りをしてスルー、
中央左よりのバイタル脇でフリーのイニエスタにパスが通る。
ラモスはサイドに開いたビジャのマークで動けず、
ペドロに当たりに前に出たペペのイニエスタへの対応は遅れる。
スルーして素早くペペの裏に走りこんだペドロをマークするため、
カルバーリョがやや右よりに動くとマルセロとの間にスペースができ、
最初にメッシとパス交換していたシャビが走りこんでくる。
後はイニエスタが速くて精確なグラウンダーをタイミングよく斜めに入れ、
マルセロのカバーも間に合わずにシャビがゴールを決める。

この後にも、バイタル脇のスペースでパスを受けたイニエスタが、
ペペを外してケディラもターンで外してラストパスを出す場面。

2点目も右から左への展開。
シャビのロングパスを受けたビジャがPA内でラモスと勝負して、
クロスに逆サイドのペドロがゴール前まで走ってきてゴール。

2点を取られてから、マドリーはロナウドとディマリアの位置を入れ替える。
アウベスをきちんと見ることをやめて、より攻撃的に出てくる。
するとバルサはCBの左右を入れ替え、プジョルが右CBに。
バルサが怖いのはSBの裏にロナウドが侵入してきてCBと勝負すること。
ロナウドの大きな切り替えしに対応できるプジョルを当てる作戦で、
この試合ではロナウドがプジョルを抜きさる場面は皆無だった。

ロナウドが来るとアウベスも攻撃参加が自重気味に。
しかし、バルサから見て右サイドのスペースは大きくなるため、
メッシが右WGの位置からドリブルで勝負を仕掛け始める。
相手をするのがマルセロでは歯が立たず、アロンソがカバーせざるをえない。
前半の最後の方はロナウドとディマリアの位置が戻るが、
そうするとバルサのCBもまた位置を入れ替えていた。

モウリーニョは後半からエジルとラスを入れ替え、
中盤の守備を強化を図るが、ほとんど機能しない。
SHが戻れなくなり、サイドにスペースが出来ると、
バルサ必殺のメッシのWGプレーから2得点。
ここから30分以上マドリーには辛い時間が続き、
最後には若造のジェフレンにまでゴールを奪われてしまった。


◆モウリーニョの謎の采配

上で見たように、バルサの戦術は周到に用意されたものだったが、
その分だけモウリーニョの不用意さが目立った。
ラインを上げることは、ビジャと周囲とのフィットが不十分なことから、
リスクが少ないと踏んだ上での判断だった可能性もある。
しかし、前半からイニエスタのマークが不十分だったり謎も残る。
また、攻撃的な選手を起用して控えが薄くなったのも不可解だ。

単純に、最近の好調をうけて慢心していた可能性もある。
あるいは、今後CLの決勝・準決勝で当たる可能性が高いバルサを相手に、
手の内を見せなかったと深読みすることもできるかもしれない。

いずれにせよ、次の試合はベルナベウでのリーガ首位決戦か、
CLでの上の方での戦いになるわけで、彼が凡戦を繰り返す可能性は低い。
おそらくラインを下げてサイドに蓋をしてくると思うが、
どういう試合になるか楽しみだ。

meitei2005 at 18:19|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2010年10月28日

今季のチェルシー:停滞気味

◆結果は出ているものの・・・

プレミア9戦で7勝1分1敗、CLでも3連勝と、
去年と同じくスタートダッシュに成功したチェルシー。
しかし、試合を追うごとに内容は停滞してきており、
シティ・ビラと去年も苦戦を強いられた相手に1分1敗となってしまった。
カモにしているアーセナルにはしっかり勝ったのだが、
その試合も不必要に攻め込まれる場面が目立ち、
試合内容では決して誉められたものではなかった。

もちろん、日程面に関して言い訳は可能なのだが、
コンディションや負傷者に対する脆弱さは今季のチェルシーの構造的な欠陥であり、
プレミアで優勝する可能性は高いもののCLを制する可能性は低そうだ。


◆消極的な補強と薄い選手層

今季のチェルシーは、あまり大きな選手編成の変更は見られなかった。
カルバーリョ・ベレッチ・デコ・バラック・Jコールらがチームを離れた一方、
新加入したのはベナユン・ラミレスと数人の若手が入ってきた程度だ。

ベレッチ・デコ・バラックは給料にプレーの質量が伴っておらず見切り時。
カルバーリョの離脱は痛手だが、アレックスはそれなりに貢献していて、
彼が負傷してもタイミングよくボジングワが復帰して、
イバノビッチをCBに回すことで体裁は整っている。
アレックスの離脱で空中戦要員が減りセットプレーに陰りが見られる一方、
復帰したばかりのボジングワはあまり攻撃性能を発揮できていない。
しかし、これはボジングワのコンディション・試合勘の回復と、
アレックス自身の復帰によって解消可能な問題だ。

むしろ深刻なのはCHとFWの駒不足だろう。
CHは期待されたベナユンが長期離脱をしてしまい、
ランパード、ジルコフ、ラミレス、エシエン、ミケルに
若手のマクイークランを加えた6人で回している。

しかしランパードが離脱すると、特に攻撃面でのレベルダウンが著しい。
最近はジルコフが思い切りの良いフリーランニングを見せているが、
彼は左SBの控えという役割もあり
(フェレイラも可能だが、クロスの精度が右SB時より劣る)
またランパードの長短のパス能力を補える選手はいない。

マクイークランは出場時にはきびきびした動きでパス回しに貢献しているが、
線が細くて守備能力が不安視されるのか、あるいは経験がないからか、
スタメンで起用されるまでには至っていない。
出場時間が延びているエシエン・ミケルは動きが落ちてきている。

FWはドログバ・アネルカ・マルーダが基本的にはスタメンで、
カルー・カクタ・スターリッジが控えという編成。
しかし、カクタ・スターリッジは未だに戦力として計算できず、
スタメンの3人とカルーのうち誰かが欠場すると、
控えに力のあるFWがいなくなってしまう。

酷かったのはビラ戦で、ドログバ・カルーが揃って欠場し、
スタメンはマルーダ・アネルカ・カクタだったのだが、
カクタが使えず後半からジルコフに代えられる有様だった。
しかも、この試合ではその他のポジションも選手層が薄く、
ベンチに40番台の若手が並ぶという金満チェルシーには珍しい光景。
計算できる駒がジルコフとマクイークランだけでは、
選手起用で勝ちこせるわけもない。

ドログバは好調な一方でアネルカの調子は良くない。
悪いなりに貢献するところは立派だが、決定力が落ちている。
コンディションの問題であれば、休ませるのも手なのだが、
彼の代わりがカクタでは少々体調が悪くても使わなくてはならない。

以前にも書いたように、本気でCLを取りに行くのならば、
OH(WG)とCHに若手で優秀な選手が一人ずつは必要だった。
しかし、ベナユン・ラミレスの獲得でお茶を濁しているようでは期待薄だ。
スタメンの質だけ見れば欧州で5本の指に入るが、
その選手たちが高齢化していることと選手層の薄さから、
シーズン終盤の疲労や負傷・出場停止に脆弱なのは明らかで、
CLではどこかのタイミングでやられてしまう可能性が高い。
冬のマーケットで補強したとしても、
今季CLに出場していない質の高い選手はほとんどいない。
なぜエジルやロビーニョに手を出さなかったのだろうか。


◆今季のプレミア予想

上でも書いたように、プレミアではチェルシーが優勝候補の筆頭。
選手層の薄さと高齢化という問題は覆い隠せないが、
去年に比べてアフリカ杯が無いのは大きい。

また、他のチームを見ても特別脅威になりそうなところも見当たらない。
マンUはルーニーの不調などで去年と同じく序盤に出遅れ、
リバプールは崩壊し、アーセナルは例年通り。
選手層では最強のシティも、得点力不足と経験の無さが目立つ。

もちろん、この筋書き通りに話が進む保障はない。
うっかりドログバが長期離脱をしてしまったり、
CLでベスト4ぐらいまで勝ち上がってしまうと話は変わってくる。

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