メケメケは築60年、
満蒙開拓団として中国で大変なご苦労をされ、
命からがら引き揚げてこられたSさんのお家をお借りして、
大切に手入れをしてやらせていだだいてる食堂です。

このお家の倉庫や納戸にあるものを
なんでも自由に使っていいという大家さんのお話。

お言葉にあまえて色んなものをお借りしています。

その中で私がみつけた 宝物。

鰹節削り器

蓋の上に昭和30年と書いてありますから、
もうかれこれ50年以上前のものでしょうか。

「きゃー 懐かしい!」と歓声あげた理由とは。

・・ 私が小学校から麻布のお屋敷(ほんとにお屋敷みたいなお家でした)
に帰ると(実は生まれも育ちも麻布ナノよ)
母がきまって 「摂子さん 鰹節削って」と。

遊びたいのに〜とぶつぶついいながらも、 何故かいつも私の日課に。

だって今みたいに顆粒のだしも バックいりの鰹節もなかったんだから。
(しまった年がばればれやん

その日 Kさんという 日本家屋再生で大人気の すばらしい大工さんが、
カウンターの側面に レトロなタイルを はりつけておりました。

Kさんに 「これ使えるかナー?」と相談したところ
「わが家ではいまだにこれ。実は毎日僕の役目なんですよ。どれどれ・・」
と見てくれました。

「そりゃー鉋かけるも鰹節けずるもおちゃのこさいさいですよねー」

そこでKさん 持ち帰って、
錆びたとこやら刃の出具合なんかを直して使えるようにして
後日もってきてくださったのです。

けれど けれど! 道具はあれど 鰹節を入手しなきゃ!

いったい どこに売ってるの?

乾物やだって。

どこにあるの?

そりゃあ 昔はどこにでもあった乾物や。

最近私が見たのは 築地の 100グラム 〇千円もする 鰹節が
あまりに綺麗で感激したのが 最後だよ。

Kさんにそういうと、
僕が わざわざ買いに行く松本のお店のは最高だから、
開店祝いにプレゼントしましょう!って 言って下さって。

そして 最近 わざわざ 届けて下さったのです。(なんて いい人)

あっというまに 小学校時代にタイムスリップ

わくわく どきどき。

そーなの 鰹節は 削る方向が大事!

力加減 速度。

なかなかあなどれないのです。

しかし そこは 昔取った杵づか。
なかな私も上手いもんでして。おおはしゃぎ!

息子さんとお昼を食べにきた Kさん 正しい削り方をお手本に見せてくれながら、
親子二人であーだこーだと
刃の微妙な調整を何度もしては
(この光景もなんだか胸がじいんと暖かくなる時間でした)

ついに ついに!

薄くて 長くて美しい 鰹節が ひらひらと舞うように完成。

一同歓声! おぉー あぁ これよこれ。

まずは、 香を楽しみ 口の中へ。

その瞬間 私は叫んでしまいました。

「うぅ (むせび泣き)Kさん 私、たった今 猫の気持ちがわかった。」
(よりによって なんで こんな感想?)

この 鰹節とわが家の純米はざぼしこしひかり 炊きたて、
これだけで いい 、 もー なんもいらん!

天国じゃぁ〜〜〜〜〜 。

酒のつまみもこれさえあれば・・ 。

こんなにおいしかったんだな。

こんな素晴らしいもんは 絶対 よみがえらせなきゃ。
子孫に伝えなきゃ。
パック入りしか知らないなんて不幸すぎるよ。

おおげさだって?
よーし そんなこというなら メケメケにきて隠れメニュー
「猫にかつぶし」と合言葉をいってみんしゃい。
出してあげるから。

もちろん 自分で 鰹節けずるのよ。
精神統一して願いを込めて削るの。。

この味がわからない奴には 「猫に小判」だわ。
メケメケ。



たった今から、 鰹節は自分で削ろうじゃない会の 発起人になるぞ

カツブシつまみに 大好きな 「夜明け前」
うーん今なら「大信州」でもいい 
飲み会を 企画するぞ! と息巻いてるワタクシ
参加者はこの指とまれ

「鰹節と この道具が 私に生きる希望をくれました」と
メケメケ食堂店主は語る。


いいもの メッケ。