March 15, 2005

輸入差止状況続き

週末にこのblogで、税関のウェブサイトにはDo As Infinityがリストアップされていないことを指摘したところ、週明けには情報が更新されました。
http://www1.customs.go.jp/mizugiwa/chiteki/ipstsrc.htm
レコード協会のウェブサイトの方が正しかったわけですね。税関の人がここを見たのかな?
ともあれ、2/25には申立が受理されて、輸入禁止になっていたのに、二週間も税関のウェブサイトではその情報が公示されなかったことになります。もしも、この間に輸入業者が大量のDo As Infinityの韓国盤を輸入しようとしたら、どうなっていたのでしょうか?
輸入禁止品目であることを公示していなくても、税関は水際で止めた? 止めなかったら、大変な責任問題になるでしょう。レコード会社は損害賠償を求めるかもしれない。

では、止めた場合、輸入業者に対してはどうなるでしょう? 税関が輸入禁止品目としていなかったから輸入してしまった、として輸入業者も損害賠償を求めるかもしれないですね。
しかし、レコード協会のウェブサイトには「差止申立予定」と情報掲載してあったので、輸入業者としては「情を知って」いたのではないか? そういう論戦にもなったりして。
が、税関のウェブサイトは役立たず。レコード協会のウェブサイトを見なければ、輸入禁止品目が分からない・・・というのでは、そもそも、この法律の施行には大問題があることになります。

まず、レコード会社のすべてがレコード協会に加盟している訳ではありませんし、新著作権法はレコード協会加盟社だけに、輸入禁止の権利を与えたわけでもありません。
例えば、うちのレーベルがライセンスしているタイトルの海外盤の輸入禁止を申し立てる時にはどうしたら良いのでしょう? 税関のウェブサイトに情報が出ない間は、自社のウェブサイトで「差止申立予定」と書いておけば良いのでしょうか? それでいざとなれば、「情を知って」輸入したとして、裁判で輸入業者と闘える?・・・訳はありませんね。
レコード会社の数は無数にあるのですから、輸入業者がすべてのウェブサイトをチェックするなど無理です。しかも、ステイタスが「差止申立予定」ではねえ。

12日のblogでも指摘した通り、ウェブサイトに「差止申立予定」というフラッグを立てただけで、実質的に輸入禁止にできるのだったら、レコード会社にとって、こんな都合の良いことはありません。面倒くさい手続きをして法律を使わなくても、そこに法律があることによって、威嚇的な行為が出来るということになりますから。うちのレーベルもナンバーズやマニュエル・ビアンヴニュでやってみようかな(あ、ナンバーズは日本編集盤だから駄目だ)。
現状はすでに、そういう悪しき状況が生み出されていることになります。レコード会社が意図してそうしているとは思えませんが、出来の悪い法律を施行せねばならなくなったがゆえに、早くも破綻した状況になっていると言ってもいい。申立受理されて、輸入禁止になっているのに、税関はその情報をすみやかに公示しない。一方、レコード協会のウェブサイトでは「申立予定」のままのタイトルが並んでいる。

しかも、税関のウェブサイトは輸入禁止品目にリストアップしても、そこにはタイトルとアーティスト名しか載せていません。レコード番号もなし。どこの国の盤が輸入禁止なのかという表示もなし。
例えば、Do As InfinityのCDが、今後、欧米でもライセンス販売されることがあったら、どうなるのでしょう? 価格差の関係で、アジア盤は輸入禁止だが、欧米盤は輸入可能? でも、税関のウェブサイトを見る限りでは、どこの国の盤だろうがいっしょくたです。国際的なアーティストの場合は、アジアでも欧米でも同一タイトルのリリースがあることは必ず出てきますから、こうしたところは早急に改善されなければ、トラブルを生み出すでしょう。

ところで、税関のウェブサイトを見て、興味深いことに気づいた人はいるでしょうか?
EXILEとDo As Infinityの輸入禁止期間の項目です。
見るとまず、すべて月末に申立受理されていることが分かりますね。Do As Infinityは1月末にはレコード協会のリストにありましたし、エーベックスは積極的に申立を行っている様子ですから、2月末に受理されたDo As Infinityは審査に一ヶ月は要した、と推測できます。
ちなみに、EXILEとDo As Infinityもともに受理されたのは、海外での発売日が過ぎてからです(Do As Infinityは昨年中の発売)。現在、レコード協会のウェブサイトにリストアップされている「申立予定」のタイトルも、前に書いた通り、すべて発売日は過ぎてしまっています。
というところからすると、レコード会社としては、発売日のある月の前々月のうちに申立を行わないと、前月の末に申立受理が見込めないということになりますね。5/25発売だったら、4/30に申立受理の必要があるので、3/31には申立していないと、というようなペースでしょう。
逆に言うと、輸入業者としては5/25に海外発売のタイトルが、4月になってから「申立予定」のフラッグが立っても、発売日には輸入OKという推測が出来るようになるかもしれません。Livedoorがディストリビューターだったら、その隙に大量輸入したりするかもしれないですね。

でもって、驚くべきことは・・・EXILEとDo As Infinityの輸入禁止期間は、どちらも申立受理の日から2年間です。

memorylab at 11:05│Comments(0)TrackBack(4)

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