June 2004

June 28, 2004

文化庁主催のシンポジウムへ

行ってきました。連日、寝てなくてちょっと辛かったのですが、WATCHDOGとしては行かねばならないでしょう。でも、あんまり面白くなかったな。
今回の著作権法改正関係でレポートすべき点は、冒頭、森口審議官がその見直しについて触れ、洋楽輸入盤に影響があった場合もだが、2、3年経って、その目的とする日本の音楽のアジアへの積極進出が果たされていなかった場合も・・・と、コレ、6/22のBLOGで僕が書いたのとまったく同じことだったりしますが、ともかく、そういうレコード会社に対する牽制的な発言をされたことでしょうか。森口さんに質問するチャンスがあったら、どのぐらいの成長があれば、法律改正の効果ありと判断するのか、達成目標をお聞きしたかったところです(今度、お会いした時に聞いてみますね、三菱総研の予測の何割達成なら合格か)。

講演やパネル・ディスカッションはなんだか茫漠とした、鋭さがまったくない印象。特にパネルはひどかったな。配布された資料にはそれなり興味をひかれる記述もあったのだが、次次世代とかいう、雲をつかむような話が多いのに、司会者が転々流通、転々流通という言葉を繰り返して、そっちの話題(つまり中古ゲーム規制ですな)に持っていこうとする流れがミエミエで、しかし、それでも誰一人、最高裁判決、という言葉すら発しないままなので、ゼ〜ンゼン議論にならない。抽象レベルでの話と具体レべルの話の間がポッカリ空いたままなので、聞いている方もポカ〜ンですよ。
例えば、一昨日の有志メンバー+αのミーティングでも、音楽の流通量を最大にするにはどうするべきか、著作権者、著作隣接権者、消費者のウィンウィン・ゲームはありうるか、というようなことを僕達は話していたわけだけれど、はるかに具体的でしたからね。

アーティストにもっと還元をとか、アーティストが食べられる状況をとか、そういう話も出るのだけれど、じゃあ、どこにどういう援助をするか、環境を与えるかになると、全然、話が現実レベルに降りてこない。デジタルな環境整備が幾ら進んだところで、アナログなんですよ、人間のクリエイティヴィティーが発揮される場所というのは。そこが分かってない気がするなあ。音楽について言えば、ポイントはハッキリしていますもん、メジャー・レーベルの加護下にないミュージシャンが競争力あるコンテンツを生み出すために必要としているものは。
デジタルなツールは十分にあるけれども、デジタルで埋められないアナログの豊かさ、そこに日本の場合、とんでもなく金がかかってしまう(地代家賃の高さが一番の問題かな)。そのポイントだけを行政なり、各種団体なりがヘルプしてくれたら、日本の音楽もかなりクォリティーアップされるはず。助成なんているかよ、というロケンロールな気持ちも僕の中にはあるけれど、でも、ノルウェーの音楽が近年、あんなに面白くなっているのも、政府の音楽振興政策と無関係ではないだろうしね、日本政府もコンテンツ振興なんてことを言うのなら、アナログ・レベル、グラウンド・レベルまで降りてやって欲しいわけです。

もっとも、今日のシンポジウムを見ていても痛感したけれど、音楽なんてのはもはや、次世代ビジネスのとっかかりとして話題にしてもらうだけの存在であって、アニメやゲーム、映画に比べても、軽視されているのは明らかでしょう、文化庁、あるいは知財計画を進める内閣からは。文化庁のHP見ても、音楽関係の助成の少なさは一目瞭然だし。特にポップ・ミュージックに対しては皆無と言っていいぐらい。
冒頭の森口さんの発言にしても、レコード会社には今回の法律をあげたんだから、後は自分達でアジア出てってなんとかしなさい、という風にも読めたりもする。文化庁が経済や流通に関わるとっかかりとして、ポップ・ミュージックを利用はしたけれど、文化としては認める気ないんだろうな。
あと、今日のパネラーだったミュージック・シー・オー・ジェー・ピーの林氏は、モバイル・ビジネスはもはやコンテンツの二次使用には甘んじない。一次使用にシフトする、ということを言っていて、モバイル・ビジネスが7000万ユーザーの中からアーティストを発掘するという、ある意味、レコード会社不要論とも言えることをぶちあげていた。今日の会場にレコード会社の人々がどのくらいいたのか知らないけれど、パッケージ・ビジネスは文化庁にも相手にされていない。そういう印象は強かったですね。今回の著作権法改正の反対運動の中で、文化庁はレコード業界べったりだとか、天下り先探ししているんだろうとか言う人達がいたけれど、間違っても天下りしたいような業界じゃないんじゃないかな、ここはもはや。

吉川課長が最後に何か言うかな、とも思ったのですが、時間がなくなったので、そこまではWATCHDOGできず。終了前に会場を出て、バッタリ会ったタワー・レコードの野村さんと「なんだかな〜」と話しつつ、タクシーで渋谷に。僕はSHIBUYA FMに向かって、立石嬢とふたりで生DJ。DJデュオのチーム名は、その場でK2Kということにしました。K2Kの由来はですね、プリンスっぽくKISS 2 KISSなんても考えてみたものの、単にKAORU TO KENTAROだったりして。終了後、立石嬢のバイト先である美登利寿司で寿司食べて帰宅。

ここが更新されました。今回はレア美女特集。
http://mmm.ascii24.com/compilers/takahashi09.html

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June 27, 2004

いろいろあって

書ききれないかも。

26日は例の声明文の呼びかけ人+公開質問書を作った有志メンバー+αによるミーティング。藤川くん以外は、実はこうやって顔を合わすのは久しぶりの人達が多い。ミーティングなんていうのは、考えてみたら、5/4のシンポジウムの後の飲み会以来か。あの日から、数人がメーリング・リストやBBSを使ったネット上での連絡網をフル稼働させた闘いを始めたわけですが、5月中だけで行き交ったメールが1000通以上、BBSでのやりとりも何百回。それも声明文だの、公開質問書だのをそれぞれが書き換えては皆でチェックみたいな恐ろしい作業を連夜、続けたわけです。それぞれが普段からハードな仕事を抱えているにもかかわらず。
メディアでは僕だけがやったみたいに書かれてしまうこともままあるわけですが、出来るわけないです、ひとりやふたりでは、あんなこと。心底、レスペクトすべきは、明日の朝までにコレをやらないと、みたいな無理を僕が言い出す度に、朝までそれに付きあってくれた(僕が寝てしまっても朝には結果を残してくれていた)恐ろしく優秀なシンクタンクの存在でした。それなしには衆議院での付帯決議はなかったはずです。

でもって、法案可決後の初ミーティングとなったわけですが、実はここに至るまでにもネットで激論が交わされたりもしていて、ハードな戦闘路線で行くのか、ソフトな対話路線で行くのか、とかいろいろあったのですが、顔を合わせみたら、そのへんもすでに一定のコンセンサスに達していたようで、ミニマルな確認事項を確認して先に進むことに。

ミーティング終了後、小野島大さんと秋葉原グッドマンに。Limited Express(has gone?)の出演するイヴェント。共演者は今掘恒雄、PERU FURU(勝井祐二+鬼怒無月)、ECDという強者の後に、なぜかトリでリミエキという構成だったのですが、この日のリミエキは何度も彼らのライヴを見ている人がみんな驚きの声をあげるほど素晴らしかった。3月からのUSツアー、国内ツアー、ここ一カ月半ほどのレコーディングが、バンドに与えた豊穣なケミストリーが反映されたライヴだったのでしょう。ECDが大絶賛してくれたのには、飯田くんもユカリちゃんも舞い上がりっぱなし。良いライヴの後はCDもよく売れて、TZADIK盤の「FEEDS YOU」が5枚も売れたり。ここに来て、「FEEDS YOU」の伸びがかなり良いようで、ということはMEMORY LABからのセカンド・アルバムへの期待も日に日に高まっているということですね。頑張らねば。

翌27日は朝から大変でしたよ。前夜は打ち上げの後、飯田くん、ユカリちゃんと、なぜか、モロヘイヤ・レコードの平沢氏がうちに泊まることに。で、朝の8時に飯田くんが京都に戻った後、入れ換わりにニーハオ!のれおちゃんとありちゃんが来訪。なんと、午前中から我が家でニーハオ!のリハを敢行。まあ、最近は母親も、二十代前半の女の子がうちに出入りしていても、特に驚かなくはなっていますが。
彼女達がリハを続けている間に、僕はスタジオに。リミエキのミックス作業、のはずが、ちょっとトラブルで先に進めず。遅い午後に、朝日美穂宅に向かって機材搬出。そう、この日は下北沢QUEで朝日美穂ライヴ。2ブロックほど離れたモナ・レコードでニーハオ!ライヴだったのです。さらにニーハオ!の対バンは立石の彼氏の阿部くんがドラムを叩いているHAYDON。この組み合わせはそういえば、うちのスタジオで立石嬢とユカリちゃんが顔を合わせた時にセッティングされたのでした。

QUEの方は宍戸留美さん主催の「RUMIrumi」というイヴェント。僕は朝日のエンジニアです。お客さんは9割オトコ、その8割がメガネ、だったりして。みんな手拍子でノル人達だったりして。でも、面白いイヴェントでした。ルミちゃんのパフォーマンスには本物を感じました。「ZONBI」という曲の振り付けが最高で、かなりヤラレました。十数年、アイドルを続けているって凄いことです。かつ、ロニー・スペクター的なロケンローラーでもあるなあと。
朝日のライヴはこの日は新機軸アリ。オルゴールを使って2曲披露。1曲は新曲でもう1曲は「MOMOTIE」のオルゴール・ヴァージョン。PA的には音量が足りず、ハウリングしやすくて難しかったですが、結構、受けたかな。お客さんの反応も予想外に温かく、「最後の曲です」に「エ〜!」の合唱だったり。あと、QUEはちょっと機材変更があって、オペレイトしやすくなっていたな。タップ・ディレイがあると気分良いんです、僕の場合。
モナ・レコードにもチラッと顔を出して、ニーハオ!のライヴのさわりを見る。QUEに戻って打ち上げ。さらに、その後、下北沢の居酒屋でニーハオ!一行とも合流して打ち上げ。二十〜三十代女性6人にオレという顔ぶれで、何かと突っ込まれまくり。

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June 25, 2004

試聴始めました

「SONGS OF SAKANA〜いろんな場所に君をつれていきたい」 のMP3での試聴を開始しました。TOP PAGEからMP3のページ に飛んでください。あるいはココから。

さかなのニュー・アルバム「LOCOMOTION」のマスタリングも ほぼ終了。ほぼ、てのは一度、終了したのですが、まだ少しだ けなおしをしたいからで、でも、ジャケットも完成しています し、発売は完全に見えた状態まで来ました。
藤原大輔の「JAZZIC ANORMALY」もジャケット完成。カッコイイ です。内藤忠行さんとのコラボが、見事にフジワラの世界観を 表現しています。
藤原大輔のWEBSITEもオープン。
http://www.fujiwaradaisuke.com

というわけで、いろいろ動き出しました。Limited Express (has gone?) と朝日美穂のアルバムも追い込みに入ってきたし、今年後半は リリースラッシュで行けるかも。あともう一枚、コンピも作っています。 願わくば、新川忠のセカンド・アルバムも出したいが。

今日からはリミエキが一行が東京ツアーでうちに。連日、イヴェントが 続きます。裏ではWATCHDOGミーティングしたり。今年の夏は ホット&ハードな予感。このまま行くところまで行きましょう。

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June 23, 2004

一週間ほど前に書いた

I/O DATAの外付けHDの動作不良問題は、サポートに電話して、返品返金ということで決着。まあ、小売店が返品返金に応じているのに、メーカーが応じないというのはおかしいから、当然といえば当然でしょう。ただし、電話口のサポートの応対にはかなり失望。「小売店の話では、MACとWINDOWS両方でのプラグイン&プレイを謳っているものの、MACでの動作確認が甘いんじゃないかということですが」と伝えても、「そういう報告は受けたことがない」の一点張り。
「そうは言っても、私が二台買って、二台とも認識しないということがあったわけですが」
「では、調査します」
「どうやって調査するんですか?」
「同じMACの機種が会社にあればそれでテストします」
「??? だって、どのMACのどういうシステム条件で認識しなかったのか、私に質問しないと分からないんじゃないですか?」
「そうですね」
「そうですねって、質問はしないんですか?」
というような訳の分からないやりとりで、一応、トラブったMACのある京都のスタジオの電話番号を教えたものの、あの調子では調査したかどうか。ともあれ、こんな会社の製品はもう使えませんね。

あちこちで伝えられているように、アメリカでヴェルヴェット・リヴォルヴァーのアルバムがCCCDで発売されて、ビルボードのナンバーワンになった。これはカクタス・デジタル・シールドではなくて、BMGが採用しているサンコム・テクノロジーのメディアマックス方式のCCCD。昨年からBMGは少しづつ、このタイプのCCCDをアメリカで発売している。僕は買ったことがないけれど、萩原健太くんは油断してパソコンに放りこんでしまったら、自動インストール〜フリーズでひどい目にあったそうだ(ちなみに、健太くんはCCCD研究家なので、CDSがヴァージョンアップする度に、何種類ものリッピング・ソフトで試して、プロテクトの進み具合を確認しているそう)。
メディアマックスはオーディオ・データ部分はレッドブック準拠らしいので、音質面に関してはCDSよりも有利のようだが、ただ、サンコム・テクノロジーは強力な電子透かしの技術を持っているので、それが仕掛けられてくる可能性はありそう。CDSよりは歓迎できるものかどうかは、もう少し、注視が必要そうですね。

CCCDのこと、配信のこと、中古盤への規制のこと、廃盤や死蔵カタログのこと、さらには著作権に対する基本的な考え方などについて、書きたいことが溜まっているのだけれど、なかなか時間が思うに任せません。どこかで連載でもさせてくれたら、じっくり書くんだけれどな。いろいろ考えていくと、僕の場合、やっぱりダブとかヒップホップとか、そういうところに還っていくんですよね、思考の原点が。音楽産業がなぜ、こんなに弱体化してしまったのか、という理由も考えていくと、ダブやヒップホップが予見したことが、音楽以外の世界でも現実となっていった。そして、音楽を逆に包囲してしまったからだ、という結論に辿り着いたり。
今、世界で繰り広げらているコピーライト・ウォーズを誰よりも早く予見していたのは、初期のターンテーブル・アーティスト達だったはずです。デジタル・テクノロジーが出現する以前に、音楽の世界では、それがもたらす未来を予見する出来事が起こっていた。しかし、そんな風に他の文化領域にも影響を与える、新しい何かが音楽の世界から生まれることが今後もあるのでしょうか? そんなことを考えたりもする昨日、今日だったりします。

そういえば、参議院選挙の公示ですね。驚いたことに、とある候補者の方から、街頭演説で著作権法に触れるので、そこで僕からも一言を、という依頼の電話をもらったり。もちろん、お断りしましたが。

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June 22, 2004

とにもかくにも

時間がない。レコーディング・スケジュールもびっちりの上に、輸入権絡みの原稿依頼も続いていたりして。しかし、文化庁へのアプローチは続けなければならないし、WATCHDOGムーヴメントも早く仕掛けていかなければならない。
それでも5月中に比べれば睡眠時間は取れるようになったかも。仕事以外の音楽を聞く余裕も出てきた。といっても、3月にサンフランシスコで買ったアナログ盤の大半が、まだ聞かないままで積まれている状態だったりはするが。
一番後に追いやられているのが食事や洗濯、投げ出したままの引っ越し荷物の整理、それにもろもろの事務作業か。プロモーション期間をほぼ棒に振ってしまった「SONGS OF SAKANA〜いろんな場所に君をつれていきたい」はリリース日になってもレコード店を見てまわることすら出来ず、かなり不安だったが、今日、渋谷タワーとHMVに行ったら、どちらも良い感じで視聴機に入っていてホッ。ジャケットもレコード店の中で美しく映えていた。
帰ったら、掲示板にも感想書きこんでくださった人がいたので嬉しくなりました。このアルバムには、参加してくれたミュージシャン達の音楽に向かう気持ち、その原点みたいなものが詰まっていると思う。音楽って凄いなって思わせてくれる瞬間が幾つもある。そんなアルバムを自分のレーベル(というか、今回はRAFT MUESICの笹岡さんとの共同レーベルですが)から出すことができるというのは幸せなことです。

そういえば、今日、ニック・ドレイクの「Made To Love Magic」を買ったのだけれど、これには三十数年前にロバート・カービーがスコアだけ書いてあったストリングスを、ニック・ドレイクが残したデモ・レコーディングにあらたにオーヴァーダビングして完成させたトラックがふたつ含まれている。特に「Time Of No Replay」という曲のそれはふたつの演奏の間にある三十年以上のギャップを感じさせない素晴らしさ。こんなことも起きる、というより起こす人が、やり遂げる人がいるんだよね、音楽の世界には。こういうことを「コンテンツの利用」なんていうような薄汚い言葉で僕は語りたくないと思った。そんなんじゃねえんだよ、僕達が音楽の中に聞き取ろうとしているものは。

昨日は川内議員を中心にした集まりがあって、今回の反対運動の中で知り合った人々(中にはネット上でのやりとりのみで初めて顔を合わせる人も)と話し合う機会があったのだが、それぞれがどういう経緯で、今回のことに参加したのか、あるいは巻き込まれたのかということを聞いていくと、本当に不思議な偶然というか、必然というか、そういうものがあったのが分かった。僕にしても、藤川毅くんと古い知り合いでなければ、ここにはいなかったはずだし。あちこちに十年、二十年と遡った因縁があったのに驚くのと同時に、きっとこの先に続いていくものがここから出来るんだろうなあ、とも思ったりした。

さて、一昨日、少し修正をした例の16項目ですが、今日は6項目目を修正。


輸入禁止措置が取られる海外盤の「日本輸入禁止」の表示は、日本語で7ポイント以上のフォントで印刷する。輸入禁止の期限についても表示する。

はこう変えます。


輸入禁止措置が取られる海外盤の「日本輸入禁止」の表示は、バックインレイとCDの盤面の両方に、日本語で7ポイント以上のフォントで印刷する。輸入禁止の期限についても表示する。ケース上からのステッカーなどでの表示は不可とする。

これはとある輸入卸業の方から頂いたアドバイスに基づくものです。輸入盤は輸入の際に、ジャケットと盤とケースが別々に梱包されていて、日本で組み立てることもあるということ。それを考えると、輸入禁止の表示はバックインレイと盤面の両方にないといけません。特にアジアからは日本からのプレス依頼による盤だけの箱が入ってくることは多い。ですから、盤面への表示を義務づけないと、還流防止の抜け穴を作ることにもなってしまいます。

今週中にはこうした輸入卸からのアドバイスも加えて、次回、文化庁に持っていく要望書をコンプリートしたいと思っています。皆様もアドバイスがあったら、遠慮なく送ってください。

それから、先日の京都のフォーラムで福山議員も言っていましたが、今後のスケジュールとしては、秋の臨時国会をひとつの目標として定めるのが良いようです。還流防止措置の見直しについては、すでに政府の知財計画の中にも書かれていますし、民主党のマニフェストの中にも著作権法の修正提案についての項目が含められるようです。臨時国会までには、文化庁と税関による運用の細則も定められるでしょう。それに問題がないかどうか、福山議員も国会で質問すると言っていましたし、他にもいろいろな動きがありそうです。
現在、輸入されているアジアからの邦楽還流盤を2005年1月1日からとめるならば、レコード会社もその頃までには差し止め申請する還流盤のリストを作らねばならないでしょう。その公開なども秋にはメドが立っていなければなりません。

あと、僕個人として、法案成立後に質問したいことのひとつは、文化庁、あるいはレコード協会は、還流防止措置を法制化した主目的である「日本の音楽のアジアでの市場拡大」について、どういう達成目標を持っているかですね。三菱総研の報告書の数字を達成目標として考えているのか、それとも、もう少し現実的な達成目標を持っているのか、これを具体的な数字で示して欲しい。
アジアでの日本の音楽の売り上げは毎年、20%も落ち込みを続けている状況にあるわけですが、新しい法律を作ってまで保護政策を取ってもらったのですから、2005年以後はそれが大きく成長する方向に向かわねばおかしい。その達成目標を示してもらって、1年後、2年後と、結果を見ていく必要があるでしょう。そして、達成目標が実現されないならば、還流防止措置の効果に疑問が投げられるでしょう。国費を使って、税関などに多大な負担を与えて、業界保護をしてもらっているのですから。
加盟19社中の13社が法案成立したらアジアでの積極的展開をすると答えた、ということがレコード協会の資料にもありますから、その13社すべてに2005年から達成目標をクリアーするように頑張ってもらいたいものです。エーベックスだけにやらしとけじゃ駄目ですよ。13社全部がやらねば。だから、その前に13社の名前を知りたいですね、WATCHDOGとしては。

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June 21, 2004

今月末はイヴェント多数

なので、忘備録として書いておきましょう。

25日
高円寺無力無善寺でLimited Express (has gone?)のライヴ
共演:玉川裕高バンド,無善法師,望月治孝,悲鳴,三富栄治

26日
秋葉原クラブグッドマンでLimited Express (has gone?)のライヴ
共演:演:PERE FURU(勝井祐二、鬼怒無月),今堀恒雄(ソロ),ECD

27日
大阪堀江KNAVEで、さかなのライヴ
共演:ビューティフルハミングバード,ぱぱぼっくす

下北沢 CLUB Queで、朝日美穂ライヴ
共演:宍戸留美、宮原永海

下北MONA RECORDSでニーハオ!ライヴ
共演:HAYDON

28日
SHIBUYA FMで、僕と立石嬢でデュオDJ。
18:00〜19:00かな。十代と四十代の年齢差30のDJチームはギネスブックものかと。
僕は7月の大阪遠征に備えて、ジャズ中心で攻めようかと。



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June 20, 2004

夏の匂い

がするのに気づきました。今年は梅雨ってあったの? それともこれから? どうも季節感なんて感じることない日々が続いていたようです。

6/15のBLOGにアップした改15項目の「文化庁、税関、そして、輸入権(還流防止措置)を行使するレコード会社に望むこと」について、トラックバックを頂いた中に、こういう指摘がありました。
"7あたりに「マスタリング」の一言、入れられないですかねぇ"
http://park5.wakwak.com/~rung/mt/archives/000093.html
いや、まったくマスタリング・エンジニアでもあるというのに、リマスタリングのことをコロッと忘れていたようです。が、リマスタリングはリミックスやヴァージョン違いのように原盤自体が違うわけではないので、7には含めず、別項目にした方が良さそうです。
ですので、16項目になりますね。
「同じアーティストの同じタイトルのレコードでも、異なったマスタリングが行われたものは同一とみなさず、輸入禁止に出来ないものとする」
これを加えましょう。御指摘、どうもありがとうございました。

著作権法上、マスタリングの違いや、ジャケットの違いなどがどのように解釈されるかは、法律の専門家ではない僕にはよく分からないところがあります。が、著作権法上は同じ原盤を使用した同じレコードであるとしても、レコード会社はリマスタリングだ、紙ジャケだといって、同じレコードを何度も買わせる商売をしているのですから、輸入禁止にする時だけ、マスタリングが違ってもジャケットが違っても同じレコードは同じレコードだ、などするのは、商道徳上、あるいは社会倫理的におかしいでしょう。こういうことはきちっと声にしておいた方がいい。
あと、僕の上げた要望項目は、新しい著作権法の運用を考える時のひとつの叩き台になればいいものです。何度か書いているように、僕は消費者の代表として、輸入盤規制に反対しているわけではありません。国会の参考人招致でも、自分も著作隣接権者(時には著作権者)であるということをハッキリさせた上で、意見陳述しました。ですので、一般消費者に比べると、僕の意見は著作権者、著作隣接権者の利益保護というベクトルを強く持つでものです。もちろん、個人としては音楽ファンであり、レコードの大量消費者であるというスタンスも強く持ってはいますが。
だから、この問題は僕だけではなく、沢山の人に一緒に考えて欲しい。これが足りない、あれが足りない、ということを指摘してくだされば、上のように、項目に加えて、文化庁などに伝えていこうと思います。

さて、もうひとつ気づいたのは、最初の項目について、あらためるべき点でした。

1
権利行使をするレコード会社、あるいは、その他の権利者は、日本国内盤が先に発売されている場合は、輸入禁止とする海外盤の発売される60日前、日本国内盤が後に発売される場合には、日本国内盤の発売される60日前までには、そのことを文化庁、税関に伝え、さらに小売り、輸入卸、一般にも周知させる。

と6/15に僕は書きましたが、このうちの「日本国内盤が後に発売される場合には、日本国内盤の発売される60日前までには」というくだりは必要なさそうです。
というのは、国会で川内議員の質問に答えて、河村文部科学大臣はこう答弁しています。
「前後を問うと、こう言いましたが、国内が先であると、このことはきちっとしていなかきゃいかんということであります」
「現に国内において発行されている状況において、それ以後に発行された国外頒布目的商業用レコードが国内に流入することを防ぐことが目的である」
同じ主旨の発言はもう二回くらいあります。
また、川内議員の質問主意書に対する答弁書にもこう書かれています。
「したがって、国外頒布目的商業用レコードが発行された際に、国内頒布目的商業用レコードが国内において発行されていることが前提とされる」
これはつまり、還流防止措置の運用にあたっては、国内盤が先に発行されていない限り、輸入規制はされないように運用するということですね。大臣が何度もそう答えているのですから、文化庁、税関にはそれに従った法運用をしてもらわねば困ります。
ですので、1はこう書き換えましょう。

1
権利行使をするレコード会社、あるいは、その他の権利者は、日本国内盤よりも後に発行される、輸入禁止措置を施す海外盤の発売日の60日前までには、そのことを文化庁、税関に伝え、さらに小売り、輸入卸、一般にも周知させる。一方、日本国内盤よりも先に発行されている海外盤については、権利行使の前提が満たされていないものとする。

これがきちっと守られれば、後から日本盤が発売されたからといって、海外盤にステッカーを貼って輸入禁止にするというようなこと、後から国内発売されることを案じて、輸入業者が萎縮して輸入しないといったことへの心配はなくなるでしょう。

この他、有志メンバーでブラッシュアップしてもらうべきところもまだまだありそうです。
リマスタリング、あるいは、SACD、DVD-AUDIOなどメディアに関する問題は、河野太郎氏のメルマガでの発言、「「同一であるかどうかは、音が同じかどうかということですので媒体が同じかどうかは問題になりません」との絡みが気になりますね。
リマスタリングも、SACD、DVD-AUDIOなどの次世代メディアも「音が違う」からこそ意味があるわけで、河野太郎氏のQ&Aの基準に照らすならば、同一のレコードとは考えられないことになります。
河野太郎氏は大臣答弁というのは重いものだ、と書かれていましたが、御自身の発言も同じように重いものだと考えていらっしゃるでしょうか? だとしたら、ぜひ、音は違えば違うレコードである、という立場から、文化庁に対して、考えをあらためるように働きかけていただきたいと思います。
あと、河野太郎氏は曲順が違えば、違うものとも答えてらっしゃいました。これも僕の要望項目には欠けていましたね。ということは7も直さなくちゃ。

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June 19, 2004

機材熱で暑くなってきたスタジオで、

昨日、今日はひとり作業。さかなのアルバムのミックスやりなおしを2曲。すでに何度かやりなおした曲なのだが、ミックスのやりなおしというのは上手くいかないことが多い。部分的な変更と思っても、手をつけると、こっちをひとつ変えたら、あっちをふたつ変えなきゃいけないとかなっていって、気がつくと、細かいところまできれいになったが、もとのミックスにあった大胆さとか、勢いとかが失われている。一番いけないのはグルーヴがなくなっちゃうことで、しかし、グルーヴというのはほんのちょっとのことで激変するため、何が原因でなくなっちゃったのか分からず、途方に暮れるということになる。そういう時はミキサーのフェーダーを全部下げて、いちからバランスを作っていくのが実は一番早かったりする。
そんなわけで、二日間で2曲リミックス。どちらの曲もディレイを新しく作り直した。僕はディレイが好きで、1曲に7、8種類使ったりする。リヴァーブはあんまり好きじゃないので、2種類くらいのことが多い。それもほとんどPRO TOOLSの中での処理。ディレイはPRO TOOLSのプラグインも使うけれど、外部のデジタル・ディレイやテープエコーなどもたくさん使う。テープエコーだけで4種類も持っていて、2台を直列で使ったりすることもある。良いんですよ、これが。POCOPENさんの声はテープエコーによく合うし。

やりなおした2曲のうちの1曲は僕がマンドリンを弾いている「MISTY BLUE」という曲ですが、これがアルバムのラスト・チューンになるようです。エンディングでリズムが変わり、カリブっぽい感じで疾走する中、なんと、僕がマンドリンのソロを弾いています(僕のマンドリンはチューニングを4度も下げてあるので、ブズーキみたいにも聞こえます)。で、それがロングフェイドしてアルバムが終ると。こんなことがあって良いのでしょうか? 日本で一番好きなロック・バンドのアルバムで演奏しているというだけでも大変なことなのですから。
ひょっとして、さかなのアルバムを汚していないか? 青山陽一さんあたりに叱られるのではないか? などと考えたりもしましたが、ミックスしているうちに気にならなくなってきました。自分で楽器を弾いた場合、最初はミスタッチやリズムの乱れなどが気になって仕方ないのですが、気にならなくなったら、ようやく耳がミックスモードになったという証しだったりします。

そういえば、衆議院から僕が参考人招致された6/1の文部科学委員会の議事録が届きました。議事録の
高橋参考人:法文にそのように書かれております。
石井委員:いや、そこまでありましたかね、ちょっとなんですけれども。
のくだりは、ネット中継を見た東郷かおる子さんにもとても受けていました。しかしまあ、自民党よりはるかにひどい共産党の駄目っぷり(だって質問者が法文読んでないんですから)を国会まで行って実体験することになるとは。
翌日、共産党は修正案を共同提案する側にまわってましたが、一貫していないこと甚だしい。石井委員の大臣への質問はもちろん、一夜漬け。僕が委員会で配った我々の公開質問書がネタでした。

選挙が近くなってきましたが、今回の投票率はどうでしょうね。少なくとも、音楽ファンの投票率は高いだろうが。

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June 18, 2004

銀座で

朝日新聞試聴室選考会議。注目に値する洋楽のアルバムがなかなか10枚に足らず、輸入盤を含めるか、という話も出たもの、今回は見送ることに。しかし、洋楽の発売状況は本当に貧しくなりつつある。あと、新譜情報も行き届いていないようで、音楽専門誌を見ても、今月発売されているはずなのに、レヴューされていないものが多い。ヒット・アルバムは発売前にサンプル音源をメディアに出すことが出来ず、マイナーなアルバムはサンプルや資料を雑誌編集部にすら送らなくなっているのかもしれない。先頃、ベテラン社員がどっと退職してしまった某社は、今後、洋楽の日本発売の最低イニシャルラインを6000枚とするそうだ。6000枚売れる見込みがなければ、日本発売しないということ。前に僕が書いた、輸入盤規制の後、消えるのは国内盤だというパラドックスがすでに進行しつつあるのを感じる。

ところで、2002年5月発売の邦楽ヒット・アルバムが、とある大手レコードチェーンにて、現在までの売り上げの何パーセントを発売月中に、さらに発売から六ヶ月以内に売り上げたかというデータを入手しました。そのうち、上位5タイトルのデータを抜粋してみます。

M 発売日 02/05/10 価格 2913円 5月末までの売り上げ 76% 10月末までの売り上げ 91%
T 発売日 02/05/27 価格 2913円 5月末までの売り上げ 46% 10月末までの売り上げ 92%
S 発売日 02/05/22 価格 3429円 5月末までの売り上げ 60% 10月末までの売り上げ 94%
O 発売日 02/05/27 価格 2913円 5月末までの売り上げ 37% 10月末までの売り上げ 89%
A 発売日 02/05/15 価格 2913円 5月末までの売り上げ 67% 10月末までの売り上げ 93%

6/15に僕はJ-POPのレコードの大半は発売から6カ月以内に売り上げの90%以上を売っているはず、とあてずっぽうを書きましたが、ほぼそれが裏づけられています。5月末までの売り上げは発売日が月のどのあたりかによって左右されていますが、月の前半に発売日があったMは76%を発売月に売っていますね。また、月末発売のTは5日間で47%を売っているのが分かります。小売店のデータですから、これは出荷数ではなくて、実売数の推移のデータです(今後も少しづつ売り上げは増えますから、あと3年くらいデータを取り続けて、期間を5年間のうちの最初の六ヶ月にすれば、90%を割り込んでくるとは思われます。ただし廃盤にならなければですが)。
こうした実情から考えても、発売六ヶ月後に輸入盤(還流盤)の禁止措置が解かれても、もはや、レコード会社に大打撃を与えることはないのが分かります。その頃には中古盤も出回っているでしょうしね。輸入禁止を解除して、時限再販も解除して、美しい自由競争のあるマーケットが六ヶ月後には出現する。これがいいじゃないですか、ねえ。
信藤三雄さん(中学の先輩です)がジャマイカから帰ってきたので、夜に電話でお話。例のWATCHDOGアイコンを正式にお願い。信藤さんちは巨大なリトリバーが二匹いるWATCHDOG HOUSEなので、良いの出来そうです。さて、次はサウンド・アイコン作ってくれるミュージシャン探そうかな。

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June 17, 2004

SONGS OF SAKANA〜いろんな場所に君を連れていきたい

発売日です。いろんな場所にあなたを連れていくことのできる アルバムに仕上がっていると思います。
冒頭の岡山在住のシンガー・ソング・インプロヴァイザー、ミ ワカタツノリくんからラストを飾る京都のママ・ミルクまで、 生活の中で頑固に音楽を続けてる人ばかりが、真摯な情熱を 傾けて作ったアルバムです。僕は4曲のミックスと、全体の マスタリングをしています。田中亜矢さんの曲ではちょこっと ギターも弾いています。

さて、スタジオでは朝日美穂レコーディングの続き。まずは松永孝義さん のベース・ダビング。
松永さんもロンサム・ストリングスの一員として、上のコンピ レーションには参加しています。さらに、松永さんの初のソロ・ アルバムも出たばかり。CD解説は藤川毅、フライヤー の推薦文は高橋健太郎というタイムリーなコンビ(?)の推薦 盤になっています。
1曲、ベース・ダビング終了後、夕方からはエマーソン北村くん が来てくれて、松永+北村の元ミュート・ビート・コンビで レゲエの曲を録音。こないだイントロをアレンジしていたら、 メジャー・セヴンを駆け上がる全員ユニゾンのフレーズが 出てきて、それが何かのパクリなのは確かだったのだけれど、 何だか思い出せないので松永さんに聞いてみたら「ボブ・マーリー じゃない?」。アチャ〜、そんなメジャーなパクリやったのは 初めてかも。でも、曲中の転調したブリッジで、ベースだけが 同じフレーズに戻ってくるところのアイデアは僕らしいので はないかと。
3テイクぐらいでスムーズにセッション終了。やっぱり、この ふたりはサイコ〜。

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