February 2006

February 28, 2006

PSE法問題で敵を探す

PSE法への反対運動と2年前の著作権改正への反対運動が比較されているのをしばしば見かける。僕のBLOGに来て、PSE法関連のエントリーを見たら、当然、2年前のことを想起する人は多いだろうし、川内博史議員のBLOGとか、笹山登生さんのBLOGとかを見回れば、なおのことだろうな。
国会で審議中の法案に反対することと、すでに施行されている法律に対して異議を述べることは、基本的に異なるわけだけれど、それとは別に、僕がずっと疑問に思っていることは、PSE法で得をするのは誰か?ということだったりする。
輸入権に関しては、それによって利益を得るものは明らかだった。レコード協会加盟のレコード会社だった・・・と、書いてみると、今さらながら、へー、オレはレコード協会を敵に回したんだなあ、でも、別に変わりなく仕事しているし、なんてことはなかったなあ、などという思いにもかられるので、PSE法に関連して、敵を作るのは怖くもなんともないのだが、どうも今回は敵が見つかりにくい。
大手の電気メーカーがこの法案の推進者で、今年4月から猶予期間が切れ始めて、中古販売が規制されるのを首を長くして待っていたいたのか? だったら、株価だって動きそうだけれど、全然、そんな気配はない。国内の電気メーカーが売り上げがこれでたいして伸びるとは誰も思っていないということだろう。では一体、そもそも経産省にこの法律を作らせたのは誰だったのか?と思っていたら、笹山さんのBLOGにこんなリンクが。

1996(平成8)年2月16日のOTO推進会議専門家会議における議論
http://www5.cao.go.jp/giji/o-giji5-j-j.html

なるほど、外圧による規制緩和か。ならば納得。
ところで、関係ないが、笹山さんって秋田県横手市出身でらしたのですね。ヤキソバの町(なんだって)横手は、僕の祖父、康順の出身地でもある・・・なんてのはどうでもいい話ですが。

しかし、中古販売業者までが「製造者」として届け出て検査を行うなんてことは、誰も求めてはいなかったはず。何でこんなことになったのか? 経産省もそこまで考えていなかった・・・という声もありますが、法文を作るプロフェッショナルがそこまで頭悪いの? 悪いのかもしれない。だとしたら、この国はお先マックラですな。
そうじゃなくて、少なくとも省内の何人かは計算づくで、中古問題を表面化させず、2006年4月を待っていた、あるいは昨年末くらいのタイミングで表面化させることを考えていた(僕は後者、つまり、すべて出来レースと信じますが)としたら・・・やっぱり、この国はお先マックラだわ。
ちなみに、「赤旗」にはこんな記事が。

家電の安全規制緩和進むなか検査法人に天下り 省庁幹部 高額報酬で次つぎ
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-02-26/2006022601_01_0.html

赤旗にリンク貼る日が来るとは思わなかったな。ここで断っておくと、僕は共産党支持ではないし、川内博史議員は強く支持しますが、民主党支持ではありません。

さて、猶予期間はあと1カ月です。
ここに来て、急速に周知は進むでしょう(それも想定内?)。周知が進めば、PSE法に対応できる業者は対応する。
例えば、うちの会社でいえば、今後、売却する可能性のあるヴィンテージ機材は3月中に会社所有から個人所有に移します(未払い給与の現物支給にしたりですな)。個人でぱらぱらとオークションに出す分には問題ないでしょうし、オークションにも厳しい目が光るようになったら、EBAYで海外に売ってしまえばいい。ヴィンテージ機器の需要や価値自体は、こんな法律があったところで消滅することはないので、そのへんはあまり心配していない。
そもそも、ビジネスは常に競争ですから、新しいルールにいちはやく対応できる会社には、ここがチャンスにもなりえます。リサイクルショップや古物商が業界を上げて反対する、というのはもっと早い段階だったら出来たかもしれない。が、ここまで来たら、いちはやく対応して、他を出し抜くことを考えるしかない。そういう例がちらほらと見えてきた。
しかし、一方ではこの後に及んでの対応など不可能な業者も多いことでしょう。
生活倉庫には10億円分の非PSE中古電気製品の在庫があると言う。1カ月後にはそれはゴミになる。焼却費用だけでも大変なことになりますね。
そういう会社が倒産、などということになった場合は、経産省は周知が十分でなかったことを国会で認めているわけですから、倒産させた責任があります。10億円分の非PSE中古電気製品の引き取りくらいしたらどうでしょう? そして、これらは危険な電気用品というわけではありませんが(ほとんどには国が認めた〒マークが付いているでしょうから)、検査法人にお金を払って、PSEマークをつけていないので廃棄します、というデモンストレーションでもやって欲しい。
PSE法とは何か?を国民に正しく理解してもらえますよ、それで。

ということを考えたりすると、廃棄物処理業者はこれで儲かりそうな気がする。あとは?
中古販売はNGでもレンタルはOK、ということを経産省は声高にアピールしているようなので(法の抜け穴を自ら指導している感すらありますね)、レンタルも儲かるかもしれない、と思ったが、こういう例を見ると業務用機器の長期のリースを行っている会社は、これまた倒産の危機かもしれない。

リース業界にも困惑が広がる。百五リース(津市)は今春、病院に貸していたテレビと冷蔵庫計八百台の契約期間が終わり、リサイクル業者に売却しようとしたが、今回の規制で不可能に。
http://www.hokuriku.chunichi.co.jp/00/kur/20060226/ftu_____kur_____000.shtml

しかし、オレは何を考えてるんだろう? 誰が得して、誰が損するかなんて、そんなのはどうもいいじゃん。
というか、そういう近視眼的なことばかり考えさせてしまうのが、この法律の嫌なところで、闘うべき敵がどうも見当たらない一方で、例えば、坂本龍一さん達の反対運動に対しても、僕はちっとも共感できなかったりする。

https://www.jspa.gr.jp/pse/index.cgi
にはもちろん、僕も行きましたが、結局、署名はしていない。
日本シンセサイザープログラマー協会が「我々」の創作活動に支障をきたすので、「対象機器の規制緩和(規程変更)をお願いする」というような声明に、署名なんて出来ないですよ。僕もシンセは10台くらい持っているから、一般の人々よりはずっと「我々」に近い存在だとは思うけれども、こんな形の運動に参加させられたくはない。思えば、僕も「我々音楽関係者は・・・」という運動を組織した人間だったりするわけですけれど、そこでは音楽関係者の中で声明への賛同者を集めていっただけだったしね。

せっかく、坂本龍一というビッグネームを使うなら、この法律によって生活を脅かされるすべての人の署名が集められるような場を作って欲しい。「対象機器の規制緩和(規程変更)をお願いする」のは、つまり、シンセをはじめとする楽器、機材などは除外するように、ということですよね。松武秀樹さんがテレビ出演の際、楽器と炊飯器を一緒くたにしてくれるな、というような発言をしたらしいですが、炊飯器にだってヴィンテージ品はありうることは考えなかったののかな? 少なくとも、それが電気アイロンだったら、僕は即座に反感を覚えたはずです。引っ越しの時にお気に入り(20年くらい前にスタイリストの友人に薦められて買った)アイロンをなくしてしまって、しかし、今時のセンスのないデザインのアイロンには満足できないので、ずっと探していたりする・・・なんて書いて、教授や松武さんを敵に回すのも、本意ではないですけれどね。

前に、冷暖房設備が非PSEの不動産の売買はどうなる?ということを書いたけれど、当初、経産省は問い合わせに対して、それも規制される、と答えていたものの、後に、不動産売買については規制せず、ということに方針変更したそうだ。それはそうでしょうね、ここに来て、そんなこと言い出したら、不動産業界がパニックなるし、国土庁ほかの省庁だって黙っていない。
不動産販売は非PSE製品とセットになっていてもOK、という判断にどういう法的根拠があるのかは僕には分かりません。が、例えば、レコーディング・スタジオの売却は、不動産こみならOKなわけですね。不動産以外にも、こういうセット販売ならば可能ということはあるのかもしれない。
とはいえ、そんな抜け道探しができるのも少数の人間だけ。話を戻せば、この法律によって生活を脅かされるすべての人のことを考えるならば、「対象機器の規制緩和(規程変更)をお願いする」などという運動では、問題解決にはなりえない。めざすべきは、電気用品安全法の改正を時間をかけても実現していく、というところ以外にない、と僕は考えます。

そのためには、PSE法の最大の問題点は、その経済への、環境への重大な影響だ、ということをメディアを通じて、広くアピールするしかないでしょう。
その影響はとりわけ、弱者に対して、過酷に現れる。そういう意味で、この法律は今の日本をよく象徴している。
実のところ、僕の願うことは、ごくシンプルなことです。
これ以上、悪いニュースをたくさん聞きたくはない。だから、この法律はなくなって欲しい。
会社倒産の増加、自殺者の増加、環境への有害物質放出の増加、電気事故の増加といったものが、この法律による中古販売の規制よって、予想されてしまう。自衛はする。でも、それだけじゃ足りない。気持ちが重くなります。

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February 25, 2006

川内博史議員のBLOG 2

川内博史議員のBLOGで、三たび、電気用品安全法のことが触れられています。

http://blog.goo.ne.jp/kawauchi-sori/

輸入盤規制に対して、ともに闘ってくださった川内さん、および彼のスタッフに対しては、僕は一定の信頼感を持っています・・・と前回、僕は書きましたが、ここで謹んで訂正させていただきます。

一定の信頼感・・・と書いたのは、経産省の課長からレクチャーを受けたという川内さんの最初のエントリーが、僕には首を傾げるものだったからです。
著作権法改正案に反対して下さった時の川内さんの獅子奮迅の働き、多分に専門外であっただろうことに猛勉強して取り組む姿勢に対しては、僕は一定の信頼感どころではなく、この人がいつか総理大臣になってくれたら・・・と思うくらいの信頼感を感じていました。
そして、2月24日の「電気用品安全法 その3 」を読んで、あらためて、その思いを強くしました。
自分の間違いや認識不足を認めることは難しい。まして、先生と呼ばれるような地位にいたら。
が、川内さんはBLOGに寄せられた百にも及ぶコメントに学び、再び、猛勉強して、電気用品安全法の問題に取り組もうといています。
僕は今、複数のレコーディングの真っ最中にあって、物凄く忙しいのですが、時間さえあれば、何か手伝いたい、という思いにもかられました。

川内さんは野党の一議員に過ぎませんから、すでに成立、施行されている電気用品安全法に対して、出来ることは限られています。ですから、過度な期待はできません。
僕の周囲の情報収集している何人かの話した中では、経産省の法運用が緩く行われること(結果、ザル法であったとなること)を期待はできない、という結論に達しています。中古販売や修理の問題が表面化してからは、経産省はむしろ居直るかのように、法による中古販売や修理の規制があることを強調し始めていますし(それでいて、議員会館に出向くと、問題などないように議員に説明するのですから、呆れますね)。
ですので、問題解決には電気用品安全法の改正を求めるしかない。が、それはすぐには有り得ないことです。

では、今、この瞬間に望まれることは何か?というと、3月31日までに、法運用のグレーゾーンに対して、徹底的に説明を求めていくことですね。修理の問題など、グレーゾーンは多い。が、それは一般家庭の生活に直接の影響を及ぼす、大きな問題です。あるいは電気安全法と他の法律の整合性、ひいては憲法で保証されている財産権の侵害に当たらないのか、なども、個人商店や中小企業に甚大な影響を及ぼす問題です。それらついて、国に徹底的に説明を求める。
それによってグレーゾーンがなくなれば、僕達は自衛策を講じることもできます。
悪法もまた法なり、ですので、施行された法律には従わねばなりません。しかし、それが国民の生活を脅かす悪法であるならば、法に抵触しない範囲での自衛策は取らねばならない。
例えば、僕達はDIY(Do it yourself)修理の技術をもっと身につけなければならないかもしれないし、地域で電気製品のフリーマーケットを開いて、ゴミになる電気製品を減らすことをしなければならないかもしれない。
グレーゾーンがなくなれば、販売や修理をする業者の側でできることも、明らかになっていくでしょう。

こんな悪法に乗せられて、使えるものをゴミにして、新しい電気製品を買わされるなど、僕はまっぴらです。だったら、逆にそこから、もっと環境のことを考えることとか、過去の電気製品の持っていた文化的な側面を含めた価値について考えることとか、そういうことをしたい、とも考えたりします。
そのあたりについては、また別の機会に書きたいと思いますが、そういう意味でも、川内さんが上記のグレーンゾーンを暴いてくれることには、期待を寄せたいと思います。
きっと、著作権法改正の時のように、鋭い質問主意書が飛び出すことでしょう。

memorylab at 12:46|PermalinkComments(0)

February 24, 2006

川内博史議員のBLOG

民主党の川内博史議員のBLOGに電気用品安全法のことが書かれています。

http://blog.goo.ne.jp/kawauchi-sori/

書かれている内容には、僕はもちろん不満です。
議員会館に省庁から担当の課長とか係長とかやってきて、どのように議員を騙して帰っていくかは、輸入盤規制の時に学ばせてもらいました。
あの時も、参議院は全会一致で通過。つまり、何の問題もない法案だと、議員全員が信じきっていたわけでした。
その後、川内博史議員をはじめとする何人かが問題に気づき、衆議院の文部科学委員会では激論が交わされるところまでになったのですが、今回もBLOGでこのことを取り上げたのが川内さんであった(国会議員の中で最初かどうかは分かりませんが、現在のところ、数少ない例なのは確かでしょう)ことには、僕はある種の感慨を抱いています。

川内さんは経産省の課長のレクチャーを受けて、輸入盤規制の時のような悪質な法律ではない、という印象を受けてしまったようですが、そのことに対して、BLOGに多くの人がコメントを寄せています。
このコメントがいずれも、とても読み応えあり、僕も電気用品安全法の問題点について多くを知り、あらためて、問題点を整理することもできました。
ですので、ぜひ、川内さんのBLOGに行ったら、数十にも及ぶコメントにも目を通してみて下さい。
輸入盤規制に対して、ともに闘ってくださった川内さん、および彼のスタッフに対しては、僕は一定の信頼感を持っていますので、寄せられたコメントがあぶり出してくれている電気用品安全法の問題点について、彼が再度、何らかのアクションを起こしてくれるだろうとは思っています。

この法律は、前にも書いたように、ヴィンテージ楽器やヴィンテージ・オーディオの販売が出来なくなって、ミュージシャンや音楽ファンを悲しませるだけの法律ではありません。
繰り返して言いますが、その本質は「規制緩和」や「小さな政府」とワンセットになった「弱者の切り捨て」です。

この法律によって、電気製品の安全性はかえって低下します。
2001年以後、電気製品による事故はむしろ増えているので、PSEマークは安全性の向上には役立っていないことが実証されている。ということに加えて、今後は業者が修理してくれない古い電気製品の素人修理による事故が後を立たなくなるかもしれません。
販売店がPSE以前の製品の修理を行うには、製造者として認可されなければいけない。本来の製造者ではなく、中古販売をする者や修理を行う者がなぜか製造者として製品にPSEマークを付け、万一、事故が起こった場合にはその責任を追わねばならないのですから、そこまでして古い電気製品の修理を行う業者は数少ないでしょう。
となると、メーカー修理を受け付けてもらえない製品は、ちょっとした断線であったとしても、中小の業者で修理することも実質、不能になります。となれば、自分で修理するしかない。そもそもメーカー修理などあり得ない海外のヴィンテージ機材をたくさん使っている僕などは、電源回路を自分で組み立てられるくらいにならないと、これからはスタジオを維持していけないですね。

しかし、その一方でもともと製造段階でPSEマークが付いてさえいれば、その製品はどこの業者が修理してもよく、その度にPSEマークを貼りなおす必要もない。つまり、その場合は責任を追う必要はないのですから、これは本当に奇妙な法律です。一体どこが安全性向上のためなのか?

そして、誰もが考えねばならないのは、この法律によって、日本国の資産はたぶん、何兆円という規模で減少するということです。
リサイクルショップにある中古の非PSE電気製品がすべて販売不可能なゴミとなって、販売店の損益になるだけではないです。例えば、工場にある非PSE機械もすべて資産としての価値を失う。中小の販売店や中小企業ほど、それは大きな痛手になるでしょう。すでに、そうした資産を担保にしている企業が、担保物件の資産価値消滅に伴い、あらたな担保を設定せねばならない、というような問題も起きつつあるようです。それで倒産する会社も出て来るかもしれません。
冷暖房設備などがPSE以前のものである不動産も価値が大幅に下がるでしょうし、経済に与える影響はちょっとまだ読み切れない。亡国の悪法にもなりうる法律に思えます。

だから、これは輸入盤規制などとはスケールが違います。はるかにタチの悪い法律であることが明らかになってきています。
が、そのことに最初に気づいて声をあげたのが、音楽ファンやミュージシャンであったこと。それは記憶されるべきかもしれないですね。2年前の経験は生きている。川内さんのBLOGに寄せられたたくさんのコメントを読みながら、あらためてそう思いました。

memorylab at 02:01|PermalinkComments(0)

February 23, 2006

電気用品安全法は現代の禁酒法か?

家電用品のPSEマーク、ネットオークションも経産省が監視
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2006/02/20/10945.html

なんて話しが出て来ると、そう思ってしまいますね。
そんなことすればするほど、闇のマーケットが活性化する。アンティークとか、ヴィンテージとか、欲しい人はどんな手を使っても手に入れる訳で、手に入りにくくなればなるほど闇の価値は上がる訳です。僕などは金儲けのチャンスかもしれませんな。

でも、そんなことはこの際、どうでも良い。
電気用品安全法の本質は「規制緩和」や「小さな政府」とワンセットになった「弱者切捨て」でしょう。
今の日本が向かっている「弱者が暮らしにくい社会」をこの法律も象徴している。
乱暴な郵政民営化で結局、小さな町や村の郵便局のサービスがなくなっていくのと同じように、駅前のリサイクルショップや質屋の中古家電が消えるわけです。

中古家電も販売禁止になるということが明らかになったのは、昨年暮れにハードオフが経産省に問い合わせたのが発端だったという話ですが、ただ、大手チェーンは実は影響少ないのではないかとも思われる。2000年以後の中古家電だけで商売すればいい。1、2年で影響ない状況に推移するくらいに思っていたりして。
が、その間に小さなリサイクル・ショップや、骨董、アンティークとして中古家電を扱っているような店は淘汰されるでしょう。

国会で全会一致で可決された時には、中古に関する議論など、まったくなかったそうだ。
立法府を騙す役人も役人だが、騙される議員も議員だ・・・などと考えていくと、輸入権の時のことが思い起こされてしまいますね。しかし、問題のスケールは輸入盤規制なんてのよりもはるかに大きい。

それと、個人的に非常に腹が立つのは、その根底に、電気製品など使い捨てのものである。新しいものほど良いものなのだから、買い替えればいい、というような思想があるように思えてならない点です。物を作る人間をこれほど馬鹿にした話はない。
あらゆる時代の製品には、その時代を反映したデザインがある。これはアートだ、と思えるようなデザインの電気製品を僕達は沢山知っている。
もちろん、コスト優先で作られた今の製品よりも、良質の素材でハンドメイドされた過去の製品がはるかに機能にも優れていることは多い。

それは大きく言えば、人類の財産です。古いからゴミに。新しいのを買え。日本の電気メーカーがそんな法律を作って喜んでいるのだとしたら、メーカーは「物を作る者」としての誇りさえ捨てたとしか思えないですね。

memorylab at 11:36|PermalinkComments(0)

February 22, 2006

生け贄のJESUS CHILD TOUR

d4ceba42.jpgLimited Express (has gone?)の「生け贄のJESUS CHILD」のPVが完成。
http://memorylab.hp.infoseek.co.jp/jc.m4v
に置いてあるので、ダウンロードして、iTUNESで再生してみてください。
(m4v形式なので、Quicktime Playerの場合はヴァージョンが新しくないと見れないかも)





そして、ツアーも開始です。
実は現在の編成でのライヴはこのツアーが最後。28日は1年ぶりの東京ワンマン! たくさんの人と会えるといいな。

2月23日(木)@京都 西院ウーララ 
open 6:00 start 7:00 adv/2500 door/2800
2月25日(土)@山形 sandinista
open 6:30 start 7:00 adv/1500 door/2000
2月26日(日)@仙台 birdland
open 6:30 start 7:00 adv/1500 door/2000
2月28日(火)@東京 下北沢シェルター
open 6:30 start 7:00 adv/1800 door/2200
3月6日(月)@京都 丸太町メトロ 
open 6:30 start 7:00 adv/2300 door/2800
3月8日(水)@名古屋K,D JAPON

チケット予約は
jin-iida@sj8.so-net.ne.jp
にメールで。

memorylab at 14:32|PermalinkComments(0)

February 18, 2006

電気用品安全法雑感

坂本龍一氏をはじめとするミュージシャンの間で反対運動の動きがあるようだ。
僕のところにも先週くらいからいろいろあって、某新聞社からの取材的な電話なども。

個人的にはかなり影響の大きい法律です。が、すでに5年前に成立、施行されていた法律なので、反対運動といっても、どうしたら有効なのかがよく分からなかったりはする。

自分のことばかり気にしているようで何ですが、このことの影響は僕個人、およびうちの会社にはどう出るかというと、今持っている大量のヴィンテージ機材の資産価値が無になりますね。NEVEの卓もMIC PRE/EQもコンプもね、もう売却が出来なくなるので、資産価値はゼロになります。軽く1000万円くらいの資産減になるんではないかな?

でも、その一方で闇での価値は上がるかもしれないですね。公にショップで売ることが出来なくなる訳ですから。
公的には資産減になって(損益計上で節税できる?)、しかし、闇では資産増になるというのは、実は悪くないですね。
あと、楽器、機材は僕はもう欲しい物はほとんど買っちゃった状態なので、今後、それほどヴィンテージものを買う必要があるとは思えない。だから、機材のことに限っていえば、そんなに心配はない気がする。

そんなことよりも、もっと問題なのはどこの駅前にもあるリサイクルショップや質屋で売られている家電製品のことじゃないかな? 楽器や機材のことでミュージシャンが困るとか、そんなことはこの際、さておいても良い気がするんですよね(それを言ったら、映像とか放送とか、そういうところのプロ機材が一番大変なことになるような気がする。ベーカムとかU-MATICとか、中古でももう手に入らなくなる訳ですから。放送業界でパニックはないのかな?)。

が、そういう業界的なことよりも、中古の掃除機とか、冷蔵庫とか、ラジカセとか、そういうものの現在の店頭在庫がどれだけあるのか? 4月以後、それらは全部、ゴミにするしかないのだとしたら、一体、何万台、あるいは何百万台の家電製品がゴミになるのか?
もちろん、ショップにとってはそれは経済的損失になりますね。それは日本国全体でそのくらいになるのか?
うちの会社ごときだって1000万円くらいの資産減と言っているんですから、そりゃあもう、途方もない数字が出て来るはずです。
経産省はそのぐらいのこと、試算はしていないのかね?

で、その途方もない量のゴミとなった家電製品の処理費用にはどのくらいかかるのか? 古い家電製品をゴミにすると危険物質だって、大量にゴミになる。PCBの入った古いトランスとか、満足な処理施設がないにもかかわらず、わざわざゴミにさせてどうするつもりだ?
その処理費用も試算してもらいたいものです。こんな法律作って、環境はもとより、日本経済にも良いことなんてあるのか?

あるいは、冷暖房とかの電気設備がPSE対応じゃないビルとか工場はどうなるんでしょうね? 不動産の売買や、大きな会社資産の売買にも支障を来たすとなったら、日本経済はパニックでしょう。

そのへんのことについて、誰も考えてないのかな?
と思うと、ミュージシャンが率先して反対しなきゃいけない状況はとっても不思議。というより、マズイ気がしてしまう。
安い中古の生活用品を買わざるを得ない貧乏学生とか老人世帯とか、一番影響を受けるのは、そういう人達であるはず。そこをちゃんと書けよ、メディアは。
ヴィンテージ機材が買えなくなる法律、なんていっても興味を持つ人は限られていますから。

と言いつつも、状況を変えるのに有効な手段が見つかったら、僕も何かしたいなとは思っていますが。今、ちょっとレコーディングで忙し過ぎるので動けないけれど、考えがまとまったら、経産省にはアプローチしてみるかも。

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February 17, 2006

映画「DIG」

銀座でミーティング終了と試写開始がドンピシャ。ピーター・バラカンに観た方がいいよ、と背中を押されたので観てきた。

ブライアン・ジョーンズタウン・マサカーとダンディ・ウォーホールズの2バンドを7年間に渡って追ったドキュメントで、メジャー契約して、ミュージック・ビジネスの中で苦闘しつつも、次第に地に足をつけた成功を手にする後者と、チャンスを自らぶち壊し、アンダーグラウンドにとどまり続ける前者(理由はビジネスに対する不信というのは建前で、それ以前に、リーダーのメンバーやマネージャーを含めた、すべての人間への不信がバンドを崩壊させる)を対照的にフィルムに焼きつける。
非常にリアルです、すべての逸話が。

まあ、僕のような人間には、ほとんどすべて見たことのある世界(メジャー、大手インディー、自主制作みたいな段差のあるレコード・レーベルの在り方から、ツアーやレコーディングの日常、バンド内外の人間関係に至るまで。へヴィーなドラッグの問題ぐらいですかね、周囲にないのは)だったりはするので、特に目新しい発見がある訳ではないのだけれど、一般の音楽ファンは、普段、目に触れないミュージック・ビジネスの内側をまのあたりにして、ショックも受けるかも。

いつの頃から、こうした映画化を考えて撮っていたのかは分からないけれども(それぞれのバンドがこういうストーリーを描くなんて予想できたはずはないので)、ドキュメンタリーとしての構成力も凄い。ともかく血が吹き出るくらいのリアルさがあることにおいては、ほとんどの音楽映画を凌駕するかも。例えば、「ラスト・ワルツ」みたいな映画の映ってない部分までが全部、映っちゃってるわけだから。

BJMは実は日本で一番評価が高いみたいだけれど、この2バンドの音楽に特に興味がなくても十分に面白いです。オススメ。

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February 15, 2006

MIDI環境再構築

OMEGA8設置に合わせて、久々にMIDI環境整備。結構、時間かかったわー。
MIDIで打ち込みって作業を最近はほとんどしていないので、相当に荒れていたというか、ワイアリングとか、OMSの設定とか、イーカゲンになっていたのね。

まあ、正直、興味が持てないわけですよ。もう15年くらいMIDI打ち込みやっている訳だけれど、自分の才能とか、突き詰められるレベルとか、分かってきちゃうし。かといって、バンバン機材リニューアルとかして、そこでレベルアップする余裕もないし。

つーか、オーディオ・レベルでの作業の方が面白くて仕方なくなって以来、昔みたいにMIDIレベルで粘って粘って、アレンジ完成させるなんてことがなくなちゃったのね。
もう何年も新しい手法とか、何も見出していないんで、既視感のある作業に終始しちゃうということもある。

が、今やっているレコーディングは久々に打ち込みでアレンジ粘る必要があって、でも、気がついたら、数年前より環境悪くなっていた訳です。そこをあらためて整備しつつ、何か新しいものを生み出せるないかなあ・・・と思案中。
思い起こせば、やっぱり、「THRILL MARCH」とか作っていた頃は、こんなこと誰もやらないだろうってことを、馬鹿みたいな時間かけてやってたもんねー。だから、ジム・オルークだって唸らせることが出来たんだろうし。

そのへん、なんかもっとパワーが欲しいなあ、自分に、と思って、まあ、景気付けの意味でOMEGA8買ったんだけれどさ。明日から、もっと頑張って、いじり倒すか。

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February 14, 2006

OMEGA8

買ってしまった。ヴァレンタイン・デーに自分にプレゼントなんて、オレって自己愛強すぎ・・・。

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February 11, 2006

DJ!DJ!

つーわけで、久しぶりにDJを致しましたよ、チョコパニックVOL.4@吉祥寺STARPINE'S CAFE。

このイヴェントではだいたい毎年、スウィート・ソウル&ディスコ・クラシック中心で回しているんですが、今年はNONA REEVESが出るということもあって、ディスコ・クラシックに比重をかけてみた。あと、エイティーズ・ブラコン。「Woman Needs Love」byレイ・パーカー・ジュニアなんて、こんな時じゃないとかけられません・・・と思ったら、ちゃんと片寄さんが「うわー、聞くと思わなかった」と反応してくれた。

ファースト・セットは1時間あったので、じわじわとテンポアップして、後半は70'sフィリーから80'sウェストエンドなんかのディスコ,ディスコ。
最後はそろそろクラシックと言っていいDEE-LITE。
セカンド・セットはCHOLAT&AKITOの前にクールダウンってことで、アレサやリンダ・ルイスからダニー・コーチマーやジェシー・デイヴィスまでの歌ものでさらっと。
サード・セットはアナログ盤がつきちゃったので、割と最近、買ったコンピものCDから、今までDJで使ったことのないディスコ・ファンクやブラジリアンをその場で繋げて、朝日美穂久々のバンド・セット前ってことで、最後はパトリース・ラッシェン。

でも、最近のCDJとミキサーってのは便利に出来ているのね。こりゃ、楽だわ。頭だし、テンポ合わせもアナログよりずっと素早いし、ロングミックスとかも、その場でフェーダーカーブ変えながら出来るし。でも、音はやっぱりアナログの方が良いなあ。
アナログは重いし、持って行ける量が限られるけれど、でも、フィジカルな面を含めたDJの醍醐味はその苦労ないと味わえない気はする。

選曲に合わせて、服は映画「スパーフライ」風の皮のコートでやってみました(下がベルボトムでないのがちょっと難)。おねだりに応えてもらった感は強いですが、知り合いからのチョコ・ゲット数個。

あと、嬉しかったのは、終演後、ノーナ・ファンと思われる女の子4人がわざわざやってきて、「あのー、いつも、どこで回してるんですか? すっごい良くて、踊りたかったんですよ」と言ってくれたこと。多分、最初からいたんでしょう、彼女達は。
「あー、クラブとかでは今は回してないです」
「えー、そうなんですか、誰か有名な人なのかと」
あー、昔はジャイルス某とかジェームズ某とかと一緒に・・・とは言わなかったけれど。

なわけで、楽しく終えることが出来ましたって・・・って、オレのDJイヴェントじゃないんだけれどさ。3組のパフォーマンスもお客さんはずっと集中して見てくれていたし(イヴェントって、なかなか、そうはならない)、最後のセッションも良い感じでほのぼの盛り上がり、良かったね。観客動員も4年目にして、過去最高でした。
来年もやれるかなー(やりてー)。

memorylab at 15:25|PermalinkComments(0)