October 2006

October 30, 2006

CO2海洋隔離



CO2海洋隔離というのが検討されている。
地球温暖化対策として、火力発電所や工場などの排煙からCO2を分離し、海に沈めようというものだ。アメリカやヨーロッパなどでは、地中に埋めることが検討されているが、日本は海中を考えている。90年代から検討されていたようだが、ついに、こんなニュースが昇ってくるようになった。

<CO2を岩盤下に…封入実施へ法改正へ>
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20061028i211.htm

しかし、この読売のニュースは鵜呑みに出来ない。
海底の岩盤下に封入する、というようなことが書いてあるが、実際には日本で検討されているのは
<CO2海洋隔離技術開発の現状>
http://www.nmri.go.jp/main/etc/kaisetsu/0014.html
にあるような方法のようだ。
深海の窪みに液化二酸化炭素を貯める方法などは示されているが、岩盤下に封入というのは、ここでは検討すらされていない。

そして、現在、一番、現実性のある方法として検討されているのは
<CO2海洋隔離プロジェクト>
http://www.rite.or.jp/Japanese/project/kaiyou/kaiyou.html
にあるような希釈法。船からパイプでブクブク、海水に二酸化炭素を溶かし出す、というものだ。

海底の岩盤下、というのなら抵抗を持つ人は少ないはず、ということで、それを表面に打ち出しているだけではないのか? 実際に法改正が行われる時には、いずれの方法も可能になるように、二酸化炭素を海洋投棄しても良いとする。そういう法案が出てくるのではないだろうか?

しかし、大気中に放出するとマズイから海中に放出する。それが別の問題を生まない訳はない。
例によって、文系の人間の素朴な?マークではあるけれど、以下に列挙してみよう。

まず、誰にでも分かることは、海水中のCO2濃度が上がる。
ブクブク法の場合はその周囲のCO2濃度が上がり、だんだん希釈されて周囲に広がる。CO2は海水を酸性化させるので、次第に海洋全体のph濃度も変化するだろう。
それがどんな生態系への影響を及ぼすか、責任持って答えられる人などいるはずがない。

深海の窪みに貯留させる方法では、液化CO2の方が海水より重いので、100年経っても99%はそこに留まる、という話だが、地殻変動もあるのでそうとは言い切れない。
また、その窪みではすべての生物が抹殺される。さらに、その上部にはやはりCO2が溶解した海水の層が出来る。そこで何が起こるか?
ただでさえ、人知の届かない深海のことなのだ。予期しない「ダーウィンの悪夢」が起こることだってありうる。

次に、CO2を海洋投棄するには、まず、火力発電社やその他の工場の排煙からCO2を取り出さねばならない。しかし、そこには硫黄酸化物や様々な不純物が含まれてしまう可能性が高い。それらも一緒に海洋投棄され、海水に溶け出すことになる。そこでも生態系を破壊するリスクは増える。

しかも、このCO2の回収は非常にコストがかかる。CO2の純度を上げようとすればするほど、技術的に難しくなり、コストが上がるだろう。
火力発電所はCO2の回収をすると、2割コストアップするとも言われる。もちろん、それは電気料金に上乗せされる。
しかも、コストアップするということは、そこでエネルギー消費が増えてしまうということだ。

< 中央環境審議会地球環境部会 二酸化炭素海底下地層貯留に関する専門委員会会議録>
http://www.env.go.jp/council/06earth/y068-01a.html
には、CO2の回収だけで、13%から25%ぐらい燃料消費量が上がる、とある。限りある石油資源をそれだけ早く消費してしまうということだ。
回収だけでも、それだけエネルギー消費量を増やす上に、さらに、その輸送、海洋投棄でもあらたなエネルギー消費を生む。問題解決のために、問題を膨らます、という悪循環。

しかし、日本はまたこんな「夢の技術」に多額の研究予算を注ぎこんでしまうのかな?
海洋隔離がうまく行けば、省エネなど不要。日本はもっと化石燃料を燃やしても大丈夫・・・なんて調子こいても、高速増殖炉の二の舞になるだけ。
それよりは、すでに実用段階に来ている自然エネルギー利用や、省エネのための技術開発に予算を使うべきと思うが。

上の<中央環境審議会地球環境部会 二酸化炭素海底下地層貯留に関する専門委員会会議録> によれば、「11月下旬に報告書案を完成し、12月にはパブリックコメントを実施し、来年1月下旬に報告書を完成させる」そうだ。ほとんど、まだ誰も知らないような話なのに。

読売の記事には<天野明弘・兵庫県立大副学長は「CO2は海水を酸性化させるので、生態系への影響が無視できる大きさかどうかを検討する必要がある」とする意見書を同部会に提出した>とある。
ところが、同議事録を読んでみると、欠席した天野明弘委員の意見書が配られていて、そこには「環境影響が大きいものでないとわかるような検討を期待したいと思います」と書いてあるそうだ。なんだ、それ? 全然、ニュアンス逆じゃんね。

最初から「影響は少ない」という結論出すために、形だけの検討が必要なのか? 一体、どのようなデータをもとに、環境への影響を予測するのか、要注意の展開だ。

memorylab at 13:01|PermalinkComments(0)

October 22, 2006

Loose Change 2nd Edition


http://video.google.com/videoplay?docid=7866929448192753501&hl=en


Google Videoで見られるようになっていた。

memorylab at 12:24|PermalinkComments(0)

October 20, 2006

劣化ウランは黒い

先日の鎌仲ひとみ監督とのトークショーの時、監督の前作「ヒバクシャ」のDVDに収められている特典映像を見せてもらった。
湾岸戦争から帰還したメリッサという女性兵士が、劣化ウランによるものと思われる健康障害について訴える内容だった。その中で、彼女が戦車の写真を指差して、「この黒いのが劣化ウランだ」と言う。戦車の装甲板の裏側に黒い部分が覗いている。装甲板の強化のために、劣化ウランを裏ばりしているのだ。

劣化ウランが黒いというのは知らなかったから、それを知ったのが個人的には今日、一番インパクトがあった、ということを鎌仲さんに言ったら、ちょっと怪訝な顔をされた。でも、核に関することというのは、非常に視覚的に捉えにくい。プルトニウムが何色をしているのか、僕は知らない。見たこともないし、触れたこともないものを語らなければいけない。

セラフィールドの事故に、僕が強い興味を憶えたのも、ひとつには20トンのウランと200キロのプルトニウムが溶け出した83立方メートルの液体があるらしくて、その液体がどこかの部屋に閉じ込められている。それが漏れ出したら、地球は大変なことになる。
でも、その液体がどんな色をしているのか、どんな状態なのかはまったく分からない。その部屋には人が近づくことが出来ないから、誰にも分からないのかもしれない。こういう言い方が良いかどうか分からないけれど、ちょっとそこがミステリアスでもあったからだ。

見えないものは実感しにくい。そのまま考えずに過ごしたくもなる。放射能汚染というのは、その最たるものだ。それを少しだけ見えるように、いや、見えなくても少しだけ想像しやすくすることが出来たら、ということをよく思う。だから、劣化ウランが黒いということを教えてくれた一枚の写真にインパクトを感じたのだ。

メリッサはその戦車の洗浄係だった。洗浄係は全員、下痢がとまらなかったという。全員が下痢をし続けた。
劣化ウランは放射線障害を引き起こす以前に、重金属としての毒性を持つ。毒性は水銀よりは低いが、砒素と同程度だと言われる。
何百トンもの砒素を大地にぶちまけるだけだって、環境汚染になるのではないか。

劣化ウランはウラン鉱から核燃料を生成した後に残るもので、ウラン235の含有率は低くなっているものの、それでも放射能は20%
から40%低くなっているに過ぎない。
劣化ウランの放射能は低いので、人体には影響はない、という人もいる。が、はるかに放射能の低いウラン鉱山の残土ですら、環境汚染が問題とされるのだ(日本でも人形峠の残土の問題は未解決のまま残っている)。

何より危険なのは、それが体内に摂取され、内部被爆を引き起こすことだ。プルトニウムと同じようにウランの放射能はアルファ線なので距離は飛ばない。1メートル先に物質があっても被爆はない。が、体内に摂取されると、周辺の細胞を被爆させる。
プルトニムよりははるかに放射能は弱い。しかし、プルトニウムが人体に吸引されることなど、核施設の事故以外にはありえないが、劣化ウランは戦場で粉塵として舞ってしまった。

メリッサの例は劣化ウラン弾による被害ではない。彼女は洗浄係で装甲板を洗っていただけだ。だが、戦場では何百トンもの劣化ウラン弾が爆発し、劣化ウランは高温のエアロゾル状になって、大気中に舞う。この微粒子を多くの兵士が吸引する。もちろん、一般人も。粒子は環境中に残るので、ずっと体内摂取、内部被爆の危険は残る。

湾岸戦争から帰還した兵士のうちの26万人がその後、健康障害を訴えて、1万人がすでに死亡した。しかし、米政府は劣化ウランによる放射線障害はない、として、十分な調査も行っていない。メリッサも一切、放射線障害についての検査を受けていない。
とはいえ、イラン戦争では劣化ウラン弾の使用量を1割以下に減らしたというのは、裏では問題を認識しているからだろう。少なくとも。自国兵士の被爆は避けるようにした、ということか。

劣化ウラン弾は核兵器ではないが、核汚染を引き起こす兵器ではある。
英国原子力公社の定めた劣化ウランの年間の摂取限度は2ミリグラムだという。湾岸戦争で使われた劣化ウラン弾は800トン。
400000000000人分の年間摂取限度量って、ゼロが多過ぎて、実感しにくいが、全人類分をはるかに越えているのは確かですね。
これこそ、何よりも先に廃絶させないといけない。

memorylab at 01:16|PermalinkComments(0)

October 16, 2006

イラク戦争の死者数は655,000人超


http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2006/10/10/AR2006101001442_pf.html

広島、長崎の原爆死者数の3倍。
ありもしない大量破壊兵器をあると断じて、これだけの大量殺戮を行ったアメリカに、他国を制裁する権利などあるのか?とは思う。

湾岸戦争に続いて、イラク戦争は劣化ウラン弾による被爆者も生んでいる。アメリカ政府は非常にわずかな量しか使用しなかった、と言っていたが、後に発表された使用量は75トン。湾岸戦争では800トン。
これらの生み出す放射能汚染は広島型原爆の1万倍以上とも言われる。これが戦争による直接の死者数以上の、癌による死亡者を生み出す可能性も高い。

memorylab at 12:21|PermalinkComments(0)

October 14, 2006

六ヶ所再処理工場 7・8月の放射能海洋放出

http://www.jca.apc.org/mihama/reprocess/tritium_jul-aug.htm

1日で原発1年分、と書いたことがあったが、訂正せねば。
原発に適用される法的濃度限度の770倍(最大を記録した7月8日の場合)。
1日で原発2年分を上回る核廃液がすでに海に放出されているわけだ。

本格運転になれば、これが2700倍にもなるという。太平洋岸に2700機の原発を並べたようなもの。しかし、再処理施設の核廃液には法規制がない(あったら、運転不可能だからね)。

memorylab at 18:17|PermalinkComments(0)

October 12, 2006

論文ふたつ

http://cnic.jp/modules/mydownloads/singlefile.php?cid=0&lid=6

http://www.fissilematerials.org/ipfm/site_down/ipfmresearchreport02.pdf


日本の核武装、あるいは核武装しないまでも兵器化できる大量のプルトニウムを保有、管理すること(管理できないことを含め)への強い危惧。世界から見ると、六ヶ所村もプルサーマルも、ポイントはそこなのですね。
テロの危険性が増す。さらには、日本がやれば、韓国だって追従しかねない。イランなどにも口実を与える。日本人だけが、そのへんの感覚が鈍い。

逆に言うと、日本国内の環境問題、あるいはエネルギー政策の問題として転換を計るのが難しいならば、外圧(世界世論)に期待するしかないのか、と思えてたりもしてきます。

ともあれ
● 使用済み核燃料は再処理などしなくとも、まだまだ貯蔵する余地があること
● 再処理もプルサーマル利用も夢のエネルギーどころか、コスト的に見合わない
● プルトニウムを生産することは、環境問題ばかりでなく、世界の安全保障上、大きな問題を生み出す
というのが、これら論文からもよく分かりますね。

memorylab at 13:06|PermalinkComments(0)

October 05, 2006

映画『六カ所村ラプソディー』劇場公開記念イベント

映画『六カ所村ラプソディー』劇場公開記念イベント
 
●鎌仲ひとみ監督&高橋健太郎(音楽プロデューサー・評論家) トークショー

*映画『ヒバクシャ』ダイジェスト版
*『六ヶ所村ラプソディー』予告編
(10/7から東京/ポレポレ東中野・モーニングショー上映開始)
*「帰還兵メリッサの証言」ー湾岸戦争に赴いた米軍兵士の体験 とは、診断名のつか
ない病を生きることだった。」
*「No Nukes Party」鼎談映像 大林ミカ×田中優×坂本龍一
(06年CLUB KING制作)←東京初公開!

●LIVE   
CYCLUB(サイクラブ)
アメリカで生まれ・イギリス育ちの音楽変形変動アーティスト集団。六ヶ所村再処理
原 発工場を止めるため投げ銭ライブをしながら全国をまわっています。
http://soundvision-tokyo.com/cyclub/

10月6日(金) 19時開場・19時半開演
場所 アトリエ・カノン

〒167-0042
東京都杉並区西荻北4-15-13

TEL: 03.5938.1870
http://www.gut.co.jp/kanon/

<入場料>
映画『六ヶ所村ラプソディ』前売りチケット(1200円)+1ドリンク  2300円
(前売りチケットなしの入場料は1ドリンクつきで1300円です)

予約  070-5469-7217 (電話)
 
【会場地図】
目印になってるサンクスがなくなっているので注意!

http://www.gut.co.jp/kanon/kontakt/index.php
http://www.mapion.co.jp/c/here?S=all&F=mapi3602449060929114754

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