May 22, 2005

公的な資料

独立行政法人 原子力安全基盤機構が5/11にはこんな報告を出しています。

http://www2.jnes.go.jp/atom-db/jp/trouble/break/f_info/2005/kj05007.html

日本で唯一、公的な資料への記載かもしれません。
しかし、同機構のWEBSITEの"What's New"には載っていません。
「国外のトラブル情報」の一番下にひっそりとあります。こんな場所にある報告をわざわざ探し出す人はいないでしょう。

報告には「硝酸液体の体積は約83 m3」とは書いてあります。が、放射性物質については「使用済燃料ウランとプルトニウムと核分裂生成物を含んでいる」とするだけで、その量についての言及がありません。

これは液体の体積は重要だが、ウランとプルトニウムの量はそれほど重要な問題ではないから・・・ではありませんね。
人が物を隠そうとする時には、その隠そうとする行為によって、隠したい事柄の重要性が逆に浮かび上がってしまうものです。
液体の体積くらいは明かしても良いが、ウランとプルトニウムの量は明かしたら、とんでもなくショッキングだから、あえて記載していないに違いありません。

液体中のウランがどのような状態のものかが分かりませんから、危険性は単純には計れませんが、少なくとも量的にはチェルノブイリで環境に放出されたウランの100倍です。
そして、はるかに危険なプルトニウムが200キロ! プルトニウムは5キロあれば原子爆弾が作れると言いますから、原爆40発分です。

報告には液体は「臨界に達することはない」とは書かれています。
安心しました。
というか、臨界に達していたら、今頃は僕たちは違う世界に生きています。
イングランド、スコットランド、アイルランドは人の住める場所ではなくなっているかもしれない。

現在のところは僕たちはいつも通りに暮らしています。
が、原子力安全基盤機構が「臨界に達することはない」と報告に書くぐらいには、あるいは専門家が「臨界」という言葉を口に出す程度には、その懸念はある。と考えると、背筋は凍ります、

素人ながらに、そこで疑問に思うのは、「臨界に達することはない」はないのは、何もしなくても達することはないのか、それとも必死で冷やしているから「臨界に達することはない」のかですね。
液体と言っていますが、放射性同位元素を含む硝酸というのは、うまくイメージできません。さらっとした透明な液体のはずはないです。ドロドロした、極めて比重の高い物質でしょう。

では、温度はどのくらいなのか? このあたりはまったく資料もない。報道でも触れられない。が、素人でも分かるのは、この液体はそれ自体が莫大な熱と放射線を発しているということです。

高レベル核廃液の発熱量に関する資料はここにあります。
http://mext-atm.jst.go.jp/atomica/04070207_1.html

しかし、ここに書かれている高レベル核廃液というのは、1リットルあたり、2グラムのウランを含んでいる程度のものです(それでもとてつもなく危険なものです)。
セラフィールドの施設内に漏洩している液体は1リットルあたり、240グラム含んでいます。やはり100倍のレベルです。

果たして、人間はそんな83000リットルの液体を安全に処理できるのでしょうか? 少なくとも、処理をした経験を持っている人間はどこにもいない。
特殊ロボットを使って処理するということですが、ロボットの開発や処理作業の計画にはどれだけの期間がかかるのでしょう? 数百億円から一兆円かかるというプロジェクトです。
原子力安全基盤機構の報告書には「数週間」で液体を取り除く処理が終了するようなことが書かれていますが、だったら、そろそろ終了する頃です。

人間の近づけない場所にある、とてつもなく危険な液体の処理だからこそ、数百億円から一兆円かかると言われているわけです。期間は数ヶ月から何年もかかるかもしれない。果たして、格納容器はその間、熱と放射線に耐えるのでしょうか?
残念ながら、そういう疑問に答えてくれる人はいない。

もっとも、そうやって考えていくと、この事故が極めて秘密裏に処理されようとしているのも頷けなくはないです。
9/11以後の世界ではどんなことでも起こりうる。その液体が危険であればあるほど、軍事的、安全保障的観点から、報道などしてもらっては困るという側面はあるかもしれません。

核施設の事故だけで終わればよい、という状態を僕の頭は思い描いてしまったりもします。
例えば、今、イングランド北部に地震があったら。あるいは、セラフィールドを標的に、ブレアのイギリスを壊滅させようとするテロが起こったら。
どちらも絶対に起こりえないことだと言える人はいないはずです。

memorylab at 01:05│Comments(0)TrackBack(1)この記事をクリップ!

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1. 臨海  [ 財政破綻に備えて勉強する。 ]   July 12, 2005 07:40
済夫:今日は、原子力発電についてだ。資源ウソホントで勉強しているんだ。原子力発電は、簡単に言うと、ウランの核分裂のときに出る熱エネルギーを利用しているんだ。2酸化炭素は出ない。核分裂のときに中性子も一緒に放出されるが、この中性子が核分裂を連鎖的に発生させ

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