May 23, 2005

液体の状態について

僕はまったくの素人です。だから、本当は誰かに教えて欲しいところです。が、今回は誰も答えてくれようとしない。
取るに足らない事柄だから? これまで原発に反対する人々は、電力関係者が取る足らないとする出来事にも大きな声を上げてきました。それがなぜ、今回はほとんど沈黙している?

僕は理科系ではありませんが、調べていくうちに、これまでの想像はそれほど間違っていないことは分かってきました。


http://mext-atm.jst.go.jp/atomica/pict/04/04070101/04.gif

再処理の工程というのは上の図のようになっているようです。
このうちの溶解から分離の工程で、今回の事故が起きたのは間違いないでしょう。

さて、そこでまず問題となるのは、その液体の温度です。
漏洩したウランとプルトニウムを大量に含む液体は常に発熱していて、再処理工程においても、常に撹拌、冷却していなければならない液体だった。これは間違いないと思われます。
ということは、漏洩してしまった今も、何らかの方法で冷や続けていなければならない。そうでなければ温度上昇が始まって、臨界に達してしまう可能性があります。

硝酸によって溶かされたウランとプルトニウムが液体中にはあります。前者は20トン。が、核反応を起こすウラン235の量は多くないと思われます(使用済み燃料から出たものですから)。数%かもしれない。

しかし、大きな問題となるのは、200キロのプルトニウムです。
報道資料では、これは20発以上の原子爆弾を作れる量のプルトニウムされています。が、そこにも過小評価の傾向はありそうです。
単純にプルトニウムの臨界量が10キロ程度だから、20発の原爆が作れるという計算でしょうが、原子爆弾はプルトニウムのまわりを劣化ウランで固め、その周りに爆薬を仕掛けて作ります。エネルギーが内部に集中するように作ることによって、5キロもあれば作れるようです。現在では2キロでも可能だと言われる。
だとしたら、原子爆弾100発分です。

そういえば、もうひとつ不思議な報道がありますね。83立方メートルの液体が漏洩。これはオリンピックプールの半量に当たる。
僕もそれをコピーしてしまいましたが、ん? 83立方メートルということは水深1メートルだったら、83平米の面積で足りるんじゃないでしょうか? 50メートルプールだったら幅1.7メートル程度。オリンピックプールはどう考えたって、幅17メートル以上あります。
50×17×1だったら830立方メートル以上ないとおかしいですね。

話を戻しましょう。
前にも書きましたが、温度と同時に、気になる問題はこの液体中のプルトニウムの分布はどうなっているのか?ということです。
単純に考えると、液体中にあるプルトニウム化合物は、ウラン化合物よりもわずかながら比重が重いはずです。
ということは、時間とともに下に溜まっていく可能性があります。プルトニウムが一カ所にたまっていけば、その場所は核反応が進み、温度が上がり、臨界に近づきます。
僕たちは液体が閉じ込められているセルの床が平であるように祈った方が良いかも知れません。もし、底面に凹みがあったらどうなるでしょう? 重いプルトニウム化合物はそこに向かって、ゆっくり移動していくかもしれません。

もともと、再処理の工程においては、プルトニウムをいかに分散させるかが重要で、液体中で何かの拍子にプルトニウムが集合すると、急激な熱と放射能を発する危険性があるようです。
プルトニウム溶液の臨界量、制限量については、ここに資料がありました。
http://mext-atm.jst.go.jp/atomica/pict/04/04090102/02.gif
それによると、臨界への懸念から、濃度は1リットルあたり6.9グラム、容積は3.4リットルが制限量とされています。
今回、漏洩した液体のプルトニウムの濃度は、1リットルあたり2.4グラムと思われます。
1/3程度の濃度だから安心ですね。量は83000リットルありますが。

ただ、プルトニウムは均一に分布しているのでしょうか?
セルに漏洩してしまった83000リットルの液体を撹拌することは難しいでしょう。人は近づけず、特殊ロボットの投入など、まだまだ時間がかかるはずです。セルごと冷却しているのが、せいぜいなのではないでしょうか?
いずれにしろ、現在の液体の状態については何の情報もありません。また、専門家達はまったく解説をしてくれません。
温度は何度なのか? 場所によってプルトニウムの濃度が上がっていく可能性はないのか?
そして、格納容器はどれだけの耐性があるのか?
液体は激しい腐食力を持つ硝酸です。ウランとプルトニウムが発する熱と放射線もセルを損傷させます。

これらの疑問に誰も答えないとしたら、その沈黙こそが恐ろしすぎます。

memorylab at 13:35│Comments(0)TrackBack(2)この記事をクリップ!

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1. FYI at 23th may  [  [RS]Resonanced Sky* ]   May 23, 2005 23:39
まずはmac絡みから ●ジョブズ氏、D: All Things Digitalに...
2. 恐ろしいことが、、、、  [ T.Hanawa's BLOG ]   May 24, 2005 21:58
イギリスのセラフィールド、核燃料再処理工場が大事故を起こしているようだ。 もし、漏洩の核燃料が臨界に達したら.....。 日本も再処理工場を作ろうとしている。 これは絶対に反対しなきゃ。 それと、テレビ、新聞はおろか、インターネット上でも 殆ど検索に引っかか

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