August 17, 2005

iTMS-Jのインディー・レーベルに対する対応

について数日前に渡辺健吾さんが発言したことがあちこちで話題になっているようだ。

http://d.hatena.ne.jp/ken-go/20050805#p1

僕はこのken-goさんの日記、mixiの友人経由で知ったのだが、mixiでそれについて会話していたら、ken-goさん本人からコンタクトがあって、以来、情報交換などするようになってしまった。

ken-goさんの「愚痴」は一言でいえば、iTMS-Jはインディー・レーベルに優しくないんじゃないだろうか? 過去の日本の商慣習が繰り返されているだけじゃないだだろうか?ということかな。
ちょっと前に僕が「コンビニで買えるような音楽がコンビニ行かなくても買えるようになっただけ(中略)だけだったら、iTMSが出来たって、何が変わるのか?とは思ってしまいますね」と書いたのも似たような愚痴と言えなくない。
リスナーとしては出会えなかった音楽に出会えるような、レーベルとしては届かない人に届くような、そういう「革命」を起こしてくれるのなら面白いけれど、ただ、音源ファイルの量販サイトというだけだったら、別にアップルが成功しようが、ソニーが成功しようが、変わらない。
僕はSE30の頃からのマック・ユーザーなので、このへん、アップルの精神に過剰に期待しているきらいもあるかと思うが。

うちのレーベル、Memory Labやasahi-chikuonなどについていえば、もちろん、iTMS-Jでの展開を望んでいる。8/4から朝日美穂がPOD CASTINGの番組を始めたこともあって、asahi-chikuonの音源はすぐに出したいとも考えていたのだけれど、これは間に合わず。アグリゲイターを通せば、オープンと同時に出来たのかもしれない。が、やらなかったのは実はiTMS-Jのインディー・レーベルの窓口となる人が朝日美穂のSME時代のスタッフだったからで、同じ釜のメシを食った人間がいるのに、わざわざ間に人を通す必要もない。iTMS-Jがインディーズに扉を閉ざしている訳でもないのも分かっていたので、ゆっくりやりましょう、と思っていたのだった。

ただ、インディー・レーベルが、なんだよ、ショバ代払わないと入れてもらえないのかよ、と感じてしまう理由はあると思う。それはアップルの対応よりは、むしろ、ショバ代、と思われてしまようなアグリゲイターの在り方だろう。
アグリゲイターと言っているが、平たく言えば、卸です。が、物流を伴わないデジタル卸。海外ではデジタル・ディストリビューションとも言う(こっちの方が分かりやすいね)。
今年の始めくらいから、僕は海外でのデジタル・ディストリビューションについて調べていたのだけれど、なぜ、レーベルがデジタル・ディストリビューションを通すかといえば、それは卸がたくさんの販売先を持っているからじゃないだろうか?

インディー・レーベルがiTMSと契約する、Rhapsodyと契約する、e-musicと契約する、napsterと契約する・・・そんなのを全部自社でやっていたら大変。いろんなファイル・フォーマットに自社でエンコードするのも大変。だから、レーベルへのサービスとしてデジタル・ディストリビューションを提供する会社があるわけだ。よく知られているのは、Orchardとか、CD Babyとか。これらのウェブサイトをチェックしてみると、レーベル・フレンドリーな丁重なサービスが提供されているのが分かる。そして、ディストリビューションを任せれば、全世界の何十もの販売サイトに音源が配給される。

そこまでやるデジタル・ディストリビューションなら分かる。
そこまでやっても、物流を伴わないので、マージンはCDのディストリビューターよりも少なかったりする。
それと見比べてしまうと、卸と言ったって、iTMSしか販売先がない。それでいて、アグリゲイターのマージンはCDの卸の1.5倍・・・なんていうんじゃあ、ショバ代と呼ぶ人も出てくるだろう(よく言って紹介手数料?)。
うちのレーベルなどは人手がないので、優れたデジタル・ディストリビューターがあるなら、全世界エクスクルーシヴでお任せしたかったりするのだが、いっそのこと、CD Baby経由でiTMS-Jにというような逆輸入パターンが出来ないんだろうのか・・・なんて。



memorylab at 01:10│Comments(4)TrackBack(5)

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5. 音楽配信関連の記事を追ってみたり。  [ もち肌BOYはうわのそら。 ]   August 26, 2005 22:09
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この記事へのコメント

1. Posted by 通りすがりの思索者   August 18, 2005 06:50
いつも色々RSSリーダーで興味深く読ませて頂いております。

さて、iTMS−Japanが遂に上陸し(一部の抵抗も激しいですが)待ち焦がれていた人々が『4日で100万ダウンロード達成』したりと話題に事欠きませんが、『楽曲提供(又は予定者)からの声』っていうのはあまり大きくないような気がします…

インディーズに関しては、どうしても大手に比べると『専任担当が居ない』とか『楽曲のエンコード要員が取れない』とか、『配信に対するノウハウが無い』って事が多いように感じられます。>一消費者からみると
2. Posted by 通りすがりの思索者   August 18, 2005 06:51
既存のアグリゲーターに不備があるのなら、レーベル数社で改善を申し込むとか、ネット配信のノウハウを持った会社に応援を要請するとか、手はあるのではないでしょうか?

或いは…
http://knn.typepad.com/knn/2005/08/podshow885.html
のように、ポッドキャスティングで楽曲の『宣伝』から手掛けてみるとか…(アップルより、仕様が公開されてたと思います>ポッドキャスト)

…ズブの素人の書き込みでスイマセン
3. Posted by BB   August 18, 2005 10:19
インディーズがメジャーに比べて人手が足らないのは当然です。
配信のノウハウはメジャーを含め、持っているところはありません。過去にそれが十分なビジネスになったことがないのですから。
アグリゲイターとは業務委託契約ですから、契約しないことには、改善要望も何もありません。アグリゲイターに不備があるのではなく、アグリゲイターとは本来、どういうサービスであるのか、レーベル側もアグリゲイター側もまだ認識できていない。そして、何より、現状は選択肢がない、のが問題です。
ポッドキャスティングは一種のフリーダウンロードで、JASRAC登録曲は使用時間にかかわらず、1ダウンロード、5.5円の著作権使用料がかかります。これがポッドキャスティングが楽曲のプロモーションに積極利用されないひとつの理由です。
4. Posted by COEREENON   November 21, 2013 21:32
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