November 27, 2005

MUSIQ@YOKOHAMA BAYHALL

横浜ベイホールは駅から遠くて、着くまでちょっとビビった。 よくワカンナイ感じのパーティーで待ち時間も辛かった。が、10時半を過ぎて始まったMUSIQのステージは・・・ヤバイ! なんなのだ? あのバンド?

ドラムは最近のR&Bのライヴに多いアクリル板のブースの中にいて、やたらセットの点数が多く、フリーに叩きまくるタイプ。分かりやすい、踊りやすいブレイクビーツ的パターンは全然叩かない。
で、キーボード、ギター、ベースがミニマル的なプレイしかしないので、ヴォーカルがないと曲の調性感も見失う。ギターだけは白人で、アラン・ホールズワース大好きみたいな、超正確運指野郎。

なので、盛り上がりにくい。客の身体もなかなか動かない。なんだけれど、MUSIQは1曲目から野太くエンターテイナーしているわけ。ダニー・ハザウェイ直系みたいな声で、メアリー・J・ブライジ以降のうねうねうね歌う今様R&Bスタイル。
コーラスのふたりが超巨漢で、ひとりは小錦みたい。なぜか、ふたりともローリングストーンズのトレーナー着て、白いタオル持参。漫画みたい。でも、こいつらのコーラスが鳥肌もののスウィート&シルキー。
R&Bとしてはそれだけで怒級のクォリティー。

が、彼らのヴォーカル・ワークをそのまま盛り上げるようなコードやリズムは聞こえないわけ。俺達はそんなのやらないよ。そんなんでいいんだったらジャミロクワイでも聞いてろよ、と言わんばかりに、バンドは変態ファンクというか、音響フュージョンというか、摩訶不思議なアンサンブルで進むのだ。でも、知的というわけでもなくて、黒人三人は筋肉もりもりの肉体派。客席の当惑をよそに演奏は白熱している。

中盤のハード・ロック・ブギーみたいな曲を金縛り状態で聞いて、そのへんの違和感が頂点に達したんだけれど、次がストーンズの「MISS YOU」のカヴァーで、そこで何かスイッチが入っちゃった。訳分からないが、こりゃ凄いと思って変態ファンクで踊り出しているオレがいた。
MUSIQは終始イケイケ。もうちょっとオタクぽいかと思ったが(チビで小太りではあったが)、超エンターテイナーで、終盤にはシャツも脱いじゃうし。で、彼があくまで確信に満ちているから、観ている方も次第に波長があって来る。
分かったよ、ファンクってそういうことなのだ。踊りやすい四つ打ちディスコにない、奇妙なうねりとコクとか、そういうものがあって初めてファンクだろ!

そっから後は楽しくて楽しくて。気がつけば会場も大盛り上がり。MUSIQサイコー! 観に来て良かった。ブラック・ミュージックは進化しているのが実感できた。観なかった人は一周遅れたよ。コイツラ、新しい音楽やっているもん。
N.E.R.D.なんかよりもっと新しい。客席はブラック大好きのおねーちゃん中心だったけれど、これはロックだとも思った。たぶん、ビョークなんかのアレンジ手法も彼らはふまえているんじゃないか。あのヴォーカルとコードとリズムの対比は。

東京はもうないけれど、関西はこれからなので、観れる人は観た方が良いです。僕ももう一度、観たい。次は1曲目からあのグルーヴが分かるかもしれない。あと、インタヴューしてみたい。超久しぶりにそう思ったアーティストだった。




Soulstar / Musiq


memorylab at 16:12│Comments(0)

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