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愛情遮断症候群

■愛情遮断症候群

「愛情遮断性小人症」「精神性・社会性小人症」ともいわれる。

母性的養育が剥奪されたことによって子どもの心身両面にさまざまな発育障害が生じるもの。

不適切な養育(ネグレクトあるいは情緒的虐待)とこれに基づく愛情(アタッチメント)の形成不全にある。

成長ホルモンの出が少なくなることもあり、身長が伸びなかったり等の身体発育遅延、筋緊張低下、表情の乏しさや精神発達が遅れたりなど出てくる症状は様々である。


原因となっている家庭環境から子どもを隔離して入院させたり、もしくは施設に入所させそこで安心感、安全感が持てる環境において愛着形成を図ることが基本。

予後は不適切な養育を受けていた期間によるが、乳幼児期であれば回復の可能性は高く、そうすることによって心身の発育が急速に進む。

虐待の事実は親からも子からも語られない為、周囲が察知しなければ子どもは救われないというところに、この問題の深刻さがある。

「よい母」であろうとするあまりの虐待や、自分自身が子どもの頃に親の愛情を受けられなかったための連鎖虐待など、虐待する親の側に精神的な問題が潜んでいる。

愛情ある取り扱いを受けると急に成長し始める。


身長の伸びと愛情には大きな関係があり、虐待など心理的な問題で低身長になってしまうことがあります。

その子なりに身長を十分伸ばすには心理的にゆったりできる環境が大切であることがわかります。



・ネグレクト 無視すること。ないがしろにすること

・アタッチメント 特定の人物に対する心理的な結びつき。多く、乳児が母親との接近を求める行動に現れるような、母子間の結びつきをいう。愛着。




● 症状

無関心・避難・破壊的行動など性格的な歪みが目立ち、表情を出さずにじっと相手を見つめる顔つきをみせることもあります。

精神発達の遅れ・栄養不良や低身長など心身両面に障害があらわれ、食事・排泄・睡眠などに異常行動を示すこともあります。


● 原因

幼児期に母性愛を得られなかった子供は、しばしば体・知能・性格などに障害をきたします。

母親の入院・死・離婚や母性愛が不十分などが主な原因ですが、父親などが代理者として十分な愛情を注いでやれば、防ぐことができます。


愛情遮断症候群とは、保護者から虐待を受けたり、愛情を確認できない状況に置かれ、極度のストレスを受けたことが大きく影響するといわれています。

そのため、ストレスから解放されると急速に成長し、再び強いストレスを受けると成長が止まるという現象が生じます。

発育を促す成長ホルモンは睡眠中に分泌されるものですが、強いストレスを感じると睡眠が妨げられ、成長ホルモンが正常に分泌されなくなります。

さらに、愛情遮断症候群患者の多くは十分な栄養が与えられていないケースも多いので、そうした影響もあると考えられています。

愛情遮断症候群はこうした結果、身体的発育や知的発育に遅れが生じると考えられています。


● 治療

保護者の養育態度、家庭環境、育児状況などを把握し、適切な対応をとる必要があり、場合によっては子どもを保護者から遠ざけることを目的に、入院による治療が行われる場合があります。

同時に、保護者の心理療法も必要となります。

家庭に戻ってからは保健師や児童相談員などが家庭訪問を行って、子どもを支えることが重要とされています。














オセロ症候群(嫉妬妄想)

■オセロ症候群

配偶者・恋人に対して異常に嫉妬深い『オセロ症候群』・嫉妬妄想 - NAVERまとめ


配偶者ないし性的パートナーの不実に関する妄想、すなわち、嫉妬妄想あるいは病的嫉妬が主徴となっている病態を指す。



オセロ症候群も、クレランボー症候群と同じく恋愛妄想を主体とする対人関係の障害ですが、
オセロ症候群は、『相手が自分を好きという妄想』ではなく、『配偶者・恋人に対する病的な嫉妬妄想』を抱くところに特徴があります。

恋愛の苦悩に身悶えるシェークスピアの歌劇、『オセロ』から名づけられた嫉妬妄想を基軸とする症候群であり、オセロ症候群が悪化すると自傷他害のリスクが高まってきます。


配偶者(恋人)に対する具体的根拠のない強い嫉妬心と合わせて、浮気(不倫不貞)に対する妄想が特徴的に見られ、いつも、『相手から自分は裏切られるのではないか・相手から惨めに見捨てられるのではないか』という不安を抱いています。

オセロ症候群の背景にあるのは、『二人の関係の終わりに対する不安』であり、その不安は幼少期の母子分離不安から生まれる、境界性人格障害の、『見捨てられ不安』にも類似したものです。


境界性人格障害の観点から見ると、オセロ症候群とは、『愛する相手に見捨てられない為の狂気じみた努力』であり、その狂気じみた努力は、『慢性的な見捨てられ不安』に支えられています。

相手が浮気(不倫)をして自分を裏切っているのではないかという、『不貞妄想』は、自分よりも魅力的な別の異性を見つけて自分を見捨ててしまうのではないかという不安につながっています。

仮想的な三者関係における、『嫉妬妄想』は、実際には存在しない性的ライバル(恋愛のライバル)を作り上げることで、『自分と相手との強い結びつき』を再確認したいという根源的不安の現れでもあるわけです。

オセロ症候群の嫉妬妄想・不貞妄想では、必死になって、『相手の浮気・不倫の証拠』を探し出そうとし、更に、『相手の浮気・不倫の告白』を何とかして引き出そうと試みますが、それが失敗することで安心感(心理的補償)を得ているという側面もあるのです。



しかし、あまりにしつこく浮気(不倫)を疑うことで、逆にパートナーが本当に相手のことを嫌いになってしまうこともあり、その場合には裏切りに対する暴力行為の危険性が出てきます。

いずれにしても、重症化したオセロ症候群には他害の問題が付きまとうので、実際的な攻撃性が見られる時には厳重な注意や入院治療が必要になってきます。

オセロ症候群は、認知症の高齢者でも見られることがありますが、他の精神疾患では重症の、うつ病(気分障害)や対人的な関連妄想を伴う、統合失調症で、『嫉妬妄想』が目立ってくることがあります。



エノッホとトレソワンによると、患者と配偶者(恋人)の間には不一致があり、配偶者(恋人)の方が対外的興味も友人も多く、患者は自己愛的・自己中心的で、しかも自分が重大な弱点を持っていることに気が付いている。


そして:

1. 患者の地位と威信に対する脅威 【嫉妬は独占欲に源を発し、独占への脅威が嫉妬につながる】

2. 患者自身の不貞 【患者自身に不貞への欲求があり、それが配偶者(恋人)に投射される】

3. 同性愛 【嫉妬は患者自身の同性愛的衝動の防衛である】

4. 愛する能力の欠如 【患者は人間関係に自己愛的欲求を混入させ、純粋な愛を発展できない】


の4つの不適合感が配偶者(恋人)に投射される、としている。

本症候群は、ときに殺人自殺を招くことがある。



発生の要因としては、素質・病前性格・夫婦関係・患者の性的不能・容姿や体力の衰退・見捨てられ不安・自身欠乏・器質因などが関与。



臨床上、統合失調症パラノイア性症状性(中毒性・器質性)の3種によるものが主として見られる。

嫉妬妄想は他の妄想主題と比べ、正常嫉妬からの了解が比較的容易なものであるといえる。




◆殺人、自殺もするオセロ症候群

「愛情を失ってしまうのではないか」と不安に思う、
ここまでは正常なのですが、事実に反することを確信してしまった場合、その心は正常から異常へと足を踏み入れます。

 
嫉妬はどこから生まれるのか?嫉妬は不安から生まれます。
不安はどこから生まれるのか?不安は孤独への恐怖から生まれます。

 
自分が選択した以上、当然に相手も選択をします。

自分が選ばれるという保証はありません。

今は選ばれているとしても先のことは誰にも分かりません。

その結果として人は自己中心性に走ります。

他にも選択肢はたくさんある、だからこそ、自分だけを見て欲しい、自分だけを選んで欲しい。

求められること、役に立つこと、受け入れられること、これらによって人は初めて束の間の安息を得ます。

それが束の間であるからこそ、その安息に固執します。
 

孤独を恐れる不安な人間は、常に相手から排他的に愛されたいと求めています。

不安な人間にとっては、「あなたを愛している」では不十分、「あなただけを愛している」という言葉が必要です。

他の人間を排除した状態で自分だけが愛されているのだという相手からの保証が必要なのです。

ところが人の心の中は誰にも分からない、この不安は決して癒されることはないのです、お互いが生きている限り・・・。









クレランボー症候群(ストーカー)

■クレランボー症候群


→ 「狂気的な純愛」を抱く妄想ストーカー”クレランボー症候群” - NAVERまとめ


クレランボー症候群は、強烈な求愛感情・恋愛衝動を伴う、『恋愛妄想熱情精神病(エロトマニア)』の一種であり、軽躁的な気分の中で、『自分と相手が熱烈に愛し合っている恋人同士である』と妄想的に思い込んでしまいます。

クレランボー症候群は、『相手が自分に好意・愛情を持っている』という強固な確信に支えられて起こり、相手が、
『あなたのことを好きではない・もう私に付きまとわないでほしい』と訴えてもそれを本気で言っているということが理解できないところに特徴があります。

フランスの精神科医J.E.D.エスキロールによって発見されたエロトマニアの症候群であり、エスキロールの研究を継いだドゥ・クレランボー医師の名前を取ってクレランボー症候群と命名されました。



ドゥ・クレランボーの臨床研究では、男性よりも女性に多い妄想性障害とされましたが、嫌がる相手に執拗に付きまとう
『ストーカー問題』とも相関する現代のエロトマニア(熱情精神病)は、男性・女性の双方に見られる精神疾患だと言えます。

クレランボー症候群の患者は、相手が自分を好きという具体的な根拠(直接的なアプローチ)が何もないにも関わらず、
『相手は自分に強烈な好意を寄せている・自分と相手は相思相愛の恋愛関係にある』という妄想にはまり込み相手にしつこく付きまといます。

自分の愛情(妄想)の対象となった相手に不適切に接近して、相手から拒絶されたり批判されると
『怒り・攻撃性・逆恨み』といった反応を示します。

男性の女性に対するクレランボー症候群の場合には、法律に抵触するストーカー行為や直接的暴力に繋がる逆恨みにも繋がりやすいので十分な注意と対処が必要です。



とはいえ、通常の交渉(話し合い)やカウンセリングでは、エロトマニアの恋愛妄想を訂正することは極めて困難であり、相手に対する直接的な嫌がらせや加害行為が見られる場合には、拘束的な入院治療が必要になることもあります。

クレランボー症候群の人に、相手の本当の気持ちや実際の状況を丁寧に説明して、
『相手はあなたのことを好きではない』と分からせようとしても、なかなかその説明を受け容れることはありません。

『誰かが二人の恋愛関係を邪魔しようとしている・好きだからこそ意地悪をして嫌いな態度を取るのだ・自分の愛情がどれだけ強いのか相手は試している』といった形で相手の説明を否定することが多く、自分の都合の良いような現実状況を歪めてしまうのです。

相手が明確な拒否や嫌悪を示せば、感情的に怒り出して暴力に発展してしまう危険もあります。



クレランボー症候群は、大きく、『純粋色情狂』と、『精神自動症』の二つの類型に分類されますが、主観的な恋愛妄想症状を中心とする純粋色情狂は、『相手が自分に惚れている』と思い込んで、生活全体が恋愛感情と妄想内容に支配されてしまいます。

精神自動症とは、『意識の解離(自我の統合性の弱体化)』を伴う恋愛妄想であり、自分の感情・行動が自分のものではないような『非現実感』を感じながら、自動的に妄想的な言動をしてしまうのです。

精神自動症では、『自分が相手に働きかけている』という意識の主体性がないので、恋愛感情や求愛行動(ストーカー行為)が自分で統制できず自動的に起こっているような感覚に陥ります。


統合失調症双極性障害の躁病相が悪化した時に、クレランボー症候群のような恋愛妄想に基づく対人関係の障害が現れてくることがあります。

脳内の情報伝達に異常が起こる精神病が基礎疾患としてある場合には、抗精神病薬(メジャートランキライザー)の投与によって恋愛妄想やつきまとい行為が改善してくることもあります。










 

統合失調症

■統合失調症とは

考えや行動がまとまりのないものになります

「統合」とは、思考や行動、感情などを1つの目的に沿ってまとめていく能力のこと。
「失調」とは、一時的に調子を崩しているものの、回復の可能性があることを示しています。

つまり「統合失調症」とは、直接の原因がないのに考えや気持ちがまとめられなくなり、その状態が長く続くこと。

そのため行動がぎくしゃくして困難や苦痛を感じ、回復には治療や援助が必要になる病態だといえます。
しかし、目的に沿ってまとまった考えや行動がとれなくなることは、病気ではない健常者にもありえますし、うつ病や引きこもり、適応障害などの場合でも起こります。



統合失調症は原因不明の病気です。

100人に1人くらいの割合で、かかる可能性があります。

統合失調症の人の70~80%が思春期から30歳までに発病します。
平均の発症年齢は男性が27歳、女性が30歳となっており、男性の方が発症年齢が早い傾向があります。
女性では40~45歳に2度目の発症の小さなピークがあり、この時期の発病は男性の2倍となっています。

 


■統合失調症の症状

▼陽性症状

陽性症状は本来あるはずのないものが現れるもので、幻覚や妄想などがこれにあたります。
陽性症状は統合失調症を特徴づける代表的な症状といえます。


●幻覚

現実にないものが実際にあるように感じることで、日本で最も多いのが実在しない人の声が聞こえる幻聴です。
多くは自分に対する悪口や噂の形をとり、直接自分に話しかけてきたり命令してきたりしますが、テレパシーや電波などの形で感じることもあります。
幻聴以外にも、奇妙なものが見える幻視、普通なら感じないような身体の症状を感じる体感幻覚などのほか、幻嗅、幻味などもあります。


●妄想

非現実的なことやあり得ないこと、奇妙なことを信じ込むことです。
最もよくみられるのが被害妄想で、周りが自分の悪口をいって嫌がらせをする、見張られているなどと思いこみます。
その他にも、周囲の人々の行動、言動がすべて自分と関係があると確信する関係妄想、自分は歴史上の人物の生まれ変わりであるとか、偉大な人物であると思い込む誇大妄想などがあります。


●自我意識の障害

自分と他人を分かつ境が曖昧となって周囲の影響を受けやすくなり、自分の行動や考えが他者に支配されている、コントロールされていると感じるようになります。
自分の考えが人に伝わっている、外部の力によって考えや衝動が自分の中に吹きこまれているなどと思い込んでしまう思考伝播や思考奪取、思考吹入などを「させられ思考」といい、実際に操られて行動していると感じることを「させられ体験」といいます。


●思考の障害

考えがまとまらなくなり、話にとりとめがなく、話題が次々に変わり、辻褄が合わないことを言ったりします。
何を言おうとしているのかがわかりにくくなり、ひどくなると話している相手は理解できなくなります。
考えが急に中断され、突然何も言えなくなることもあります。


●行動の異常

極度の興奮から衝動的な行動を起こしたり、逆に外界の刺激にまったく反応しなくなったりします(緊張病症候群)。
また、奇妙な行動が顕著となり、目的のない無意味な言葉や運動を繰り返す常同症や奇妙な芝居じみた挨拶や身振りをする衒奇症がみられたり、最初にとらされた姿勢を窮屈でも元に戻そうとせず、ずっとそのままの姿勢を保ち続けようとするカタレプシーがみられることもあります。



▼陰性症状

陰性症状は本来あるべきものが低下したり失われるもので、感情の起伏が無くなったり、やる気が低下したりします。
陰性症状は、発症初期から見られるものもありますが、多くは陽性症状に遅れて現れます。


●感情の鈍麻・平板化

表情に動きがなく、人と目を合わせなくなるなど、感情表現が乏しくなります。
喜怒哀楽の表現が乏しくなるだけでなく、他者の感情表現に共感することも少なくなってしまうため、外界への関心も失われているように見えます。


●意欲の減退

自発性が乏しくなり、何事に対しても意欲や気力が低下し、周りのことに興味や関心を示さなくなります。
根気や集中力も低くなるため、一度に多くの物事に対処するのが困難になります。


●思考の低下

思考力が低下するため、言葉数が極端に少なくなり会話に流暢さがなくなります。
話しかけてもおざなりの返事しかなく、あるいはまったく答えられないこともあります。


●対人コミュニケーションの支障

対人コミュニケーションに支障がみられるようになると、他者との関わりあいを極端に避け、引きこもるようになります。
多くの場合、1日をぼんやりと過ごす日々が続き、社会性が低下します。




■統合失調症の病型

●破瓜型(解体型)

思春期から青年期にかけて発病し、感情の起伏が無くなったり、意欲が低下するなどの陰性症状から始まり、徐々に陽性症状が現れてきます。
症状の経過として長く継続する傾向があり、人柄が変わってしまうなど予後はあまり良くありません。


●緊張型

青年期の発病が多く、極度に興奮したり、奇妙な行動がみられるなどの緊張病症候群や行動の異常といった症状が中心で急性に発症するタイプです。
数ヶ月以内に症状が消失することが多いものの、再発を繰り返すことが多く、繰り返すうちに破瓜型に似た病像に変化していく場合があります。
人格の変化はみられず、破瓜型よりは予後は良いとされています。


●妄想型

30歳前後以降の発病が多く、幻覚や妄想が中心で、陰性症状が比較的少ないタイプです。
対人コミュニケーションなどは良好に保たれていることが多く、他のタイプとは印象が異なります。
人柄の変化はあまり目立たず、あっても軽度に経過し、予後は良いとされています。



※これらの型の他に、

・ 症状があまり目だたない単純型
・ 神経症や性格異常と区別しにくく境界性人格障害に近い偽神経症型あるいは偽性格異常型
・ 躁鬱病の症状が前景に出て非定型精神病に近い分裂・情動型、精神遅滞のうえに分裂病が発症した接枝分裂病

などがあり、年齢層による分類も行われている。

世界保健機関(WHO)の国際疾病分類(ICD)では、妄想型、破瓜型、緊張型、鑑別不能型(分類不能型)、分裂病後抑うつ、残遺型などに分けられている。










 

共依存

■共依存とは

「他者に必要とされることで、自分の存在意義を見い出すこと」

共依存者とは、自己自身に対する過小評価のために、他者に認められることによってしか満足を得られず、そのために他者の好意を得ようとして自己犠牲的な献身を強迫的に行う傾向のある人のこと。

またその献身は結局のところ、他者の好意を(ひいては他者自身を)コントロールしようという動機に結び付いているために、結果としてその行動が自己中心的、策略的なものになり、しだいにその他者との関係性から離脱できなくなるのである。


つまり、自分の内面が空虚で他者の評価を必要とするだけでなく、他者の評価を獲得するために他者を道具として利用する人たちのことをいう。

一般的傾向としては、他人の世話を焼きたがる割には、他人に対して不誠実で策謀的な点が挙げられる。




■共依存の症状

1. 適切な高さの自己評価を体験できないという自己愛の障害

2.
自己と他者の境界設定ができずに、他者に侵入したり、他者の侵入を許したりするという自己保護の障害

3.
自己に関する現実を適切に認識することが困難であるという自己同一化の障害

4.
自己の欲求を適切に他者に伝えられないという自己ケアの障害

5.
自己の現実(年齢や状況)にそって振舞えないという自己表現の障害



● 自らを犠牲にして他人を助けたり、世話したりする
 
自分が他人にとって必要になっており、ありがたがられる、などの報酬を無意識に期待している。
目先の愛情に囚われて他人の世話をするが、大きな目で見ると他人や自分を破滅に導いていることに気がつかない。
(例・ダメ男に必死に働いてお金をあげたり、本人達の不始末を代わりに謝る)


● 他人の行動、感情、考え方・状況・結果を変えようとコントロールする
 
他人の行動の責任は取るが、自分の行動がどのような結果を招いているかは考えない。
他人の文句を言ったり、他人がどうするべきかを考えてそうなるよう努力はするが、自分がどうすれば本当は良いかを考えない。


● 何か身の回りに問題や危機が起こっていないと空虚になる
 
問題のある人や場所に惹かれやすく、不安定な生活を送りやすい。
いざ安定した自分中心の生活と不安定な他人中心の生活の選択を迫られると、「私がいないとあの人は…」「金銭的に無理」などといろいろ理由を並べて熱中できる問題がたくさんある生活を選ぶ。


● 依存心が強く、一人でやっていけるという自信がない
 
自尊心・自己評価が低く、自分自身が好きではない。
一人で過ごしているとひどい虚無感に襲われて、自分を必要としてくれる人を常に求め、「見捨てられる危機感」を振り切れない。


● 考え方、視野が狭い。社会・地域・自然などへの関心・貢献が薄い
 
特定の他人の問題で頭がいっぱいで、友人からも離れ、小さく狭い世界で生活する。
このため、自分と自分の周囲の狭い範囲の人達が、どんな悲惨な状況なのか気がつかない。


● 現実をしっかり見つめようとしない
 
他人の目や意見を気にして、あるいは自分の本当の気持ちをごまかすために、真実を隠して表面は何でもないように振舞う。
悪い面をできるだけ小さく考えようとしてそう表現する。


● 「NO」と言えない。「私」を中心に話せない
 
コミュニケーションの技術に欠け、「自分の」必要なもの、欲しいものをはっきり要求することができない。
「いいえ、できません」とはっきり断わることができない。
他人の問題や他人の愚痴ばかり話し、「私は」こう感じてこう考えるというように自分自身を主にできない。


● 他人とのバウンダリー(境界)がはっきりしていない
 
他人の問題にお節介にも入り込んでしまったり、他人の落ち込むのを見ると、自分も滅入ってしまったり、又は人の気分を変えようと必死になったりする。
自分と他人は考え方も感じ方も感情も違う個別の人間であるという自覚が、実はない。


● 自分の身体から出るメッセージに気がつかない。感情の適切な表現ができない
 
繊細な感情がマヒしてしまっているので、感情の適切な表現ができずに、何だか変だなと思うときに胸がドキドキしても、それに注目せず無視してしまい、行動を変えることなく同じ間違いを何度も繰り返したりする。


● 怒りに問題がある
 
自分よりも他人のために行動しているのに報われないとなると、怒りや恨みが溜まってくるのは当たり前のことだが、自分自身でその怒りを否定するために適切な怒りの表現ができない。
急に爆発させたり、八つ当たりしたり、あるいは怒りを「恐怖」にすり変えて怒りを感じないようにする。


● 静かに時を待つ、ということを知らない
 
今すぐ良い結果が出ないと気が済まず、せかせか動き回ったり余計な心配に気をもむ。
他人の行動を長い目で見守ることができず、自分が今すぐコントロールしようとする。
しなければならないことで頭がいっぱいになり、様子を見るということができない。


● 罪の意識によく襲われる
 
相手に問題があるのは、自分が何か悪い事をしたかのように思い込み、自分がもう少し努力すれば、また自分の欠点を直せば相手が良くなるだろう、変わるだろうと必死になる。
疲れて相手から離れようと考えると「私がいなければあの人は」とひどい罪の意識に囚われる。


● 物事が極端。ほどほどに、ができない
 
黒か白かがはっきりしすぎたり、自分が正しくて他人がまったく間違っているとか、または反対に全部自分のせいだと思い込んでしまう。
いったん何かをやりだすと限度を知らず、または物事を1つも完成させることができずに、途中で全て投げ出してしまう。


● 過去の間違いから学ぶことができない
 
相手が問題を起こすと憤慨し嘆くが、少し調子が良いと苦しかったことを忘れて相手を「可哀想な人だから」と弁護したり本当はとても良い人だと思ってすぐ許してしまう。
離れたり調子が良いときは楽しいことばかり思いだし、苦い経験を忘れてしまうので再び同じ過ちを繰り返す。


● 被害者意識に取り付かれている
 
相手を救おうとあがき、上手くいかないと相手を責める。
それもうまくいかないと、相手のせいで自分はこんなにみじめだと被害者意識に取り付かれる。
被害者の役割を演じ、相手のせいにしていれば自分の選択と行動の結果の責任を取らなくていいという錯覚に陥る。


● 自己の確立ができていない
 
自分に自信がないので他人に幸せにしてもらおうと思っていたり、自分の人生の目的や自分はいったい誰なのかがはっきりせず、自分を大切にできない。
全ての共依存の問題は、ここから始まっていると思われる。




■原因

共依存とは、子ども時代のトラウマや、育ってきた家庭内の機能不全状況に適応する(過剰適応)ことによって起こります。
 
自分が生まれ育った家族の中で、発達や文化の大切なプロセスを体験できなかったために、大人になってから人間関係がうまくいかなかったり、日常生活に支障をきたしたり、生きにくかったりします。

自尊感情や自己肯定感が持てない、自他境界が作れない、適切なセルフケアができないなどの特徴があります。

虐待、DVなどの人間関係の問題・様々なアディクション
(依存症)
は殆どの場合、この共依存をベースに生じています。

また、長引くうつ・強迫行動などの心身の不調のベースになることもあります。




■共依存からの回復

共依存から回復するためには、できれば、共依存関係にある相手としばらく離れた方がスムーズに行くと思います。


◆原因となった、子ども時代のトラウマや、育ってきた家庭内の機能不全状況の影響を、認識し受け入れる。

◆その時の感情を、安全な場所と方法で表現する。
今の自分がどう感じているか、子どもの時はどう感じていたか。
(自助ミーティングやカウンセリングを受けると良いでしょう)

◆今も持っている、適切ではない考え方の癖(認知のゆがみ)を探り出し、改めていく。


▼回復の5段階


1.否認
幼児期の問題・・・私は虐待などされていない。
大人の症状・・・・私は共依存などではない。


2.悪者を非難する
幼児期の問題・・・私は虐待されていた。でも、悪いのは両親だ。彼らに改善が見られなければ私もよくならない。
大人の症状・・・・私は共依存だ。でもパートナーに改善がみられるまでは、私が回復することなどあり得ない。私の病気は全部あなた(パートナー)の責任だ。あなたと関係を持たなければ共依存症者になることもなかった。健全な人と一緒にいたら、こんな風にはならなかったはずだ。

3.責任
幼児期の問題・・・幼児期の体験について保護者の責任をきちんと把握している。幼児期の体験に対する自分の感情も理解している。
大人の症状・・・・自分の共依存は自分に責任がある、その症状を克服することも私の責任だときちんと理解している。

4.サバイバル
幼児期の問題・・・自分の過去への強烈な感情を解き放つうちに、幼児期の虐待に対する感情から解放される気持ちを感じるようになった。
大人の症状・・・・機能不全で自滅的な症状を治療し、自分の人生を取り戻すにつれて、力強さや希望を感じ始めている。

5.統合
この段階は、幼児期の問題も大人の症状も同じです。
過去の体験が自分を形成してきたことを今は理解している。


 
回復の5段階といっても、真っ直ぐに進むわけではありません。
進んでは戻り、また、いくつかの段階が同時に進行することもあります。
かなり困難な作業になりますが、諦めずに続ければ、ゆっくりとではあっても回復していきます。
 
回復に終わりはありませんが、人との健全な境界が設けられ、人の問題に巻き込まれることが無くなれば、楽に生きていくことが出来るようになります。








片付けられない 脳の障害(ADHD/ADD)

■ADHD:注意欠陥多動性障害 / ADD:注意欠陥障害

▼成人「ADD」「ADHD」診断基準項目

A 次のうち少なくとも15項目において、慢性的な障害をみる

1. 未達成感、目標に届いていないという感覚がある(実績の大小にかかわらず)

2. 組織的行動・計画が困難である

3. 慢性的な先延ばし・優柔不断的傾向・仕事に取りかかるのが困難である

4. いくつもの行動を同時に行い、やり終えることができない

5. タイミングや妥当性を考えず、思いついたことを言ってしまう傾向がある

6. 常に強い刺激を追い求める(いつも魅力的なもの・新規なものを探している)

7. 刺激がない状態におかれると我慢できない

8. 注意力散漫、集中しにくい、読書や会話中に他の事を考えてしまう、時に過集中である

9. 創造的・直感に優れている・高い知性を示すことがよくある

10. すでに決められている手順や「正しいとされる」手順に従うのが苦手である

11. 我慢強くない・欲求を抑えにくい

12. 言うことも行動も衝動的である(衝動買い・計画変更・新規構想・職を転々とする等々)

13. 際限なく余分な心配をし、不安の種を完璧に予測しようとするが、実際の危険は無視する傾向がある

14. 漠然とした不安感がある

15. 気分が変わりやすい

16. 落ち着かない(そわそわしている・じっと座っていられない)

17. 刺激的なことに溺れ易い

18. 自分を肯定しようとする気持ちが少ない

19. 不正確な自己認識(他者への影響力を測れない、大抵、力が無い・影響力が小さいと感じている)

20. ADD、躁鬱、鬱、薬物中毒(アル中も含む)又は衝動や気分が抑制困難の家族歴がある


B 幼少期にADDだった(正式な診断はなくとも、成育歴に徴候や症状があるはず)

C 他の医学的あるいは精神医学的状態では説明のつかない状態にある



▼ADHD/ADD、主な症状

1. 遅刻しやすい。

2. 忘れ物・失くし物をしやすい。

3. 部屋が片付かない。

4. ギリギリまで手がつかず、いつも一夜漬け。

5. 得意な事と苦手な事では、集中力や出来の差が激しい。

6. その時々の感情や好調・不調に波がある。

7. 段取りや効率を考えるのが苦手。

8. ポイントを絞るのが苦手で、あれもこれもになりやすい。

9. ちょうど良い加減が分からず、0か100かになりがち。

10. 言動がストレートすぎる。

11. 色々な所で寝落ちしてしまう。

12. 動き出しが悪いが、動き始めると止まらない。

13. 個性的・変わっているとよく言われる。

14. 納得のいかないことは出来ない。

15. 目の前のことだけに気をとられ、全体的な優先順位が付けられない。


ADHD/ADDで無い人がたまにこういう時もあるというのに比べ、ADHD/ADDの人は常にこの症状が表れる傾向にあります。



◆ADHD:注意欠陥多動性障害

「集中力」「活動性」「衝動性」「多動性」などを自分自身でコントロールしにくい注意欠陥多動性障害のことで、原因はまだはっきり分かっていません。

おそらく前頭葉(脳)の機能不全が原因なのではないかと考えられていて、主には遺伝による先天性のADHD/ADDとなっています。

ADHDは人口の5%程度いると言われ、従来は多動で注意力を保てない子供の問題であると考えられていました。

年齢に応じて多動性は落ち着きますが、注意力の欠如や集中力が保てないなど、大人のADHDがあることが近年分かってきました。


● ちょっとしたことで注意が逸れやすい
● 整理能力が低い
● 計画性がない
● 時間を守れない
● 衝動的で感情的
● 自分をコントロールするのが苦手
● 常に体や気持ちが落ち着かない
● 指示に従えず、最後まで仕事をやり遂げない
● 課題や作業を順序だてて行うことが難しい
● 仕事に必要な書類や大事なものを失くしてしまう



◆ADD:注意欠陥障害

ADHDから多動性を除いたもので、行動や感情を表現しにくく活動量も少ないのが特徴です。
多動性が無いので子供の頃は見逃されがちですが、近年ではADDとして注目されるようになりました。

ADHDとADDは一見正反対のように見えますが、根本的には同じ脳障害です。

幼少期からのADHD/ADDは成長するに従い改善されて行くこともありますが、全体の15~20%は持続する傾向にあるようです。
投薬によって症状が改善されることも多いそうですが、日本にはADHD/ADDの専門医が少ないという問題もあります。


ADDの特徴は、注意力があるときと無いときがあり、変動するのが大きな特徴です。

・ 気が散りやすい
・ 注意の対象が移りやすい
・ 注意を抑えられない、維持できない 
・ 不要な物と必要な物の優先順位を即座に決められない

ADDは、衝動的に騒ぎを起こすわけではありません。
ADDの衝動性は、大騒ぎをしたり目に見える形より、目立たない部分で衝動的な行動が見られます。
やりかけの作業を放り出し、他の作業をしてしまう、など。


● 時間にだらしない
● お金にだらしない
● 物にだらしない
● 本来の実力が発揮できず、能力の割に実績がふるわない
● 自分に自信が持てない
● 対人関係がうまくいかない
● うつ状態



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女性は隠れADHD(注意欠陥多動性障害)の人が多い。
中でも特に、『片付けられない』ことに悩んでいる人の割合は高い。

女性のADHDは大人になって発覚、発症するケースが多い。
社会に出て、家事も仕事も自立しようとしてもADHDの人は身の回りの整理がうまくできない。
物を失くしたり、時間に遅れたりという不注意が原因で職場や人間関係でトラブルが起きることも。
そんな環境の変化で症状が目立ち、気付くことがある。

片付けられないことで苦しんでいるのは本人だけではないことも事実です。
一緒に暮らしている人も苦しんでいることがほとんどです。

家の中は散らかり放題、床はベタベタ、埃も積もっている。
お風呂は赤と黒カビびっしり。
トイレの便座カバーは洗わず、便器も汚れている。
キッチンの流しは食器・鍋の山積。
服は収納にしまわず、山の様に積んだ状態から探して着ている。



成人ADHDの人は、注意散漫であるため、物の置き場所を間違えたり、忘れて失くしたりすることが多く、身の回りの整理整頓や片づけ、掃除が出来ない。
また、物を捨てられない人が多い。

とにかく、持ち物だけでなく、部屋、用事、頭の中の考えでさえも片付けられず、毎日の生活に苦痛を強いられている。

そのため、潜在能力はあるのに学業や仕事で力が発揮できない人も多い。

原因は、脳のある部分の機能障害である。
脳の中の、「やりかけた仕事を確実に続ける」「先を読んで手順を考える」「用事に優先順位をつける」
という部分が正常に機能していないためである。

そのため、不便を強いられるのである。
あれもこれもしなければならない状況下に置かれると頭の中がすぐ混乱してパニックになってしまうのである。



ADHD/ADDは脳障害の1つです。

ADHD/ADDは、脳の機能による障害なので、一生治ることはありません。

子供と違って、大人は経験値が増えて行くので、多動傾向が目立たなくなり、意識で改善されていきます。
決して人間的に駄目なわけでも、性格が悪いわけでもありません。

まずこの現実を受け入れ、ポジティブに向き合っていくことが重要です。


要するに考え方・やり方次第で、部屋が散らかりにくくすることは可能だということです。

例えば、郵便物やチラシが山のようになっている場合、玄関に専用のゴミ箱とハサミを設置します。
玄関で不要な郵便物やチラシはその都度ゴミ箱に捨てれば、部屋に不用なものを持ち込まなくて良いのです。

何でもかんでも部屋に持ち込み、とりあえずテーブル等においてしまう。
そして、違うことに興味を持ち集中が移ってしまうので、とりあえず置かれたものはゴミの山になって行きます。

ADHD/ADDの人は片付ける意志はありますし、実際に片付けようともします。

片付けの最中に興味が他のものに移りやすいので、色々と手を付け、結果として全然片付かない、もしくは余計に部屋が散らかるというケースに陥ります。

普通、片付けをする際には、誰もが必要な物・捨てる物に分けると思います。

分けているうちに写真が出てきたりすると、片付けの集中力は写真管理の集中力に移ってしまいます。
・ アルバムを買いに行ったり、昔を懐かしんで友人に電話してみたり・・・

・ 片付け最中にテレビ番組に気を取られてしまい、気付いたらずっとテレビを見ていたり・・・

そうこうしている間に時間が過ぎて行き、意を決して片付けようと思ったのに全然片付いていない現実に滅入ってしまうのです。


また、整理整頓に対する空間的発想が苦手なのと、捨てられない性格が原因の場合もあります。

いずれ使うだろうから取っておく・・・
これだと部屋に物が多すぎて片付きません。
衝動的に買わない・思い切って捨てる。
これが大事です。



●「いつか」「もしか」の考え方を捨てる
念のためにと残しておいた物はほとんど使わないままの状態がほとんどです。
「いつか使うかもしれない」「もしかしたら」という考えを捨てることが片付け上手の第一歩です。

●使うか?使わないか?の判断
「いる」か「いらないか」で考えると、ついつい残しておきたくなると思います。
だとしたら、「使う」か「使わない」で分類をしてみましょう。 








アルコール依存症

▼アルコール依存症の診断

過去1年間のある期間に、次の6項目のうち3つ以上に該当する場合はアルコール依存症を疑ってみる必要があります。

1.アルコールを摂取したいという強い欲望あるいは強迫感がある

例えば、終業前になると決まって飲みに行くことを考える。
家には常に酒を用意しておかないと落ちつかない。
他のことなら外出が面倒に感じる状況でも酒を入手するためなら積極的に出かけるなど。
これが高じて仕事が終わると帰宅まで待ちきれずに車中でも飲んだり、隠れてでも飲んでしまう。


2.アルコールを飲みたという欲求を統制することが困難

今日はやめておこうと思ってもつい飲んでしまう。
一杯だけと決めて飲み始めたはずが、結局は自分の定量を越えてあるだけ飲んでしまう。
翌日に酒臭が残るほど飲む。
臓器障害を起こすまで飲む。
医師から禁酒や節酒を指導されても守れない。


3.飲んでいない時は禁断症状がある

アルコールを摂取していないとさまざまな禁断症状がある。
イライラして落ちつかない、発汗や微熱、脈が速くなる、こむらがえり、不眠、手指の細かい震えなどがある。
依存が進行した状態では、全身の大きな震えや幻覚・妄想などを起こす場合もある。


4.だんだんと飲酒量が増えてきた

かつてと同じ量では酔わなくなる。
そのために、だんだんと飲酒量が増えてきた。
耐性が生じていない人であればとても飲めないような量を飲む場合がある。


5.アルコールのために、それにかわる楽しみや興味を次第に無視するようになった

例えば、飲酒のために、家族で過ごす時間や会話が減った。
外出といえば酒を飲むことばかりを優先する。
飲んでいる時間が長くなり、他のことができなくなってくる。
休日は二日酔いでごろごろ寝ているばかりになる。


6.アルコールによって有害な結果が起きているにもかかわらず、アルコールを摂取する

有害な結果とは、アルコールに関連する身体の病気(肝臓病、高血圧、糖尿病、心臓病等々)、うつ状態などの悪化、家庭内でのトラブル、飲酒によって周囲の信頼を失う、飲酒運転などの違法な行動、職場や学校でのトラブル(急な欠勤や遅刻、成績の低下やミス、人間関係の問題等々)。




■アルコール依存症とは

アルコールは、依存性のある薬物の一種です。

飲酒を続け、耐性、精神依存、身体依存が形成され、飲酒のコントロールができなくなる状態がアルコール依存症です。

アルコール依存症になると、身体、仕事、家族関係などの様々な問題が起きます。
アルコール依存症は酔って問題を起こすこととは異なります。



アルコール
は、麻薬、覚せい剤、タバコ、睡眠薬などと同じく、依存性のある薬物の一種です。

▽そして、他の薬物と同じく、下記のようなプロセスを経て依存症という病気に至ります。

習慣的に飲酒していると、まず耐性が形成されます。

耐性
とは、同じ量の飲酒でもあまり効かなくなってくることです。
いわゆる「酒に強くなってきた」状態で、少量の飲酒ではあまり効果がなくなり、同じ効果を求めて徐々に酒量が増加していきます。


そして、精神依存という症状が現れます。

精神依存
とは、簡単に言うと「酒が欲しくなる」ことです。
酒がないと物足りなくなり、飲みたいという欲求を感じるようになります。
更に精神依存が強くなると、酒が切れると家の中を探したり、わざわざ出かけて買いに行くような行動が現れます。


耐性
精神依存が形成され、長年ある程度の量の飲酒を習慣的に続けていると、しまいには身体依存が出現します。

身体依存
とは、文字通り酒が切れると身体の症状が出ることで、酒を止めたり減らしたりしたときに、離脱症状と呼ばれる症状が出現するようになります。

代表的な離脱症状としては、不眠、発汗、手のふるえ、血圧の上昇、不安、いらいら感などがあり、重症の場合は幻覚が見えたり、けいれん発作を起こしたりすることもあります。
酒を止めると、このような症状が出現してしまうので、症状を止めるためにまた飲酒するという悪循環となり、ますます酒を止めることが難しくなります。


どこからがアルコール依存症で、どこまでが普通の酒飲みかという線引きは、はっきり出来るものではありません。
しかし、アルコールが依存性のある薬物の一種である以上、飲酒をしている人は、誰でも、依存症の回路がゆっくりと脳の中で作られていきます。

つまり、飲酒をしていれば、誰もが依存症になる可能性があるということです。

アルコール依存症
はゆっくりと進行していくため、依存が作られている途中では自分では気付きませんが、しまいには、飲酒によって問題があるにもかかわらず、飲酒をコントロールできなくなります。

そのコントロールできない状態がアルコール依存症なのです。



飲酒
による問題は、様々な問題があります。

まず、肝臓や膵臓、脳・神経などの様々な臓器に悪影響を及ぼします。

更に、仕事に影響がでることも大きな問題の一つです。

飲酒
のせいで遅刻や欠勤をした、頭が働かず仕事の効率が落ちた、朝に酒のにおいを指摘されたといった問題は飲酒の問題の代表的なものです。

また、家族との関係も悪化していきます。

家族の信用を失い、関係がギクシャクし、その結果、更にストレスをためて酒に逃げるようになります。

うつ病などの精神的な影響、事故に巻き込まれやすくなるなど、飲酒による問題は様々なものがあります。

そして、アルコール依存症になると、そのような問題があるとわかっていながら、自分では飲酒をコントロールできない状態になっており、酒を減らしたり止めたりできなくなっているのです。


アルコール依存症
と、酔ったときに問題を起こすということとは異なります。
それは「酒乱」であって、依存症とは違います。

酔ったときにいくら問題を起こしたとしても、たまにしか飲酒しない人はアルコール依存症ではありません。

逆に、酔ったときに周りに迷惑をかけなくても、飲酒がコントロールできなければアルコール依存症といえます。
むしろ、ほとんどのアルコール依存症の人は、静かに酒を飲んでいるものです。




■アルコール依存症の危険因子

(1) 女性の方が男性より短い期間で依存症になる。
(2) 未成年から飲酒を始めるとより依存症になりやすい。
(3) 遺伝や家庭環境が危険性を高める。
(4) 家族や友人のお酒に対する態度や地域の環境も未成年者の飲酒問題の原因となる。
(5) うつ病や不安障害などの精神疾患も依存症の危険性を高める。


●性・年齢

アルコール依存症は男女に関係なくみられます。
また、年齢もさまざまな病気です。

今でも男性に多いことに変わりはありませんが、最近は若い女性の依存症が増えています。

習慣的に飲酒を始めて依存症になるまでの期間は女性の方が短く、女性は男性より早く依存症になります。

その原因として女性のほうが同じ飲酒量でも血中濃度が高くなりやすいこと、女性の方が男性より飲酒による肝障害やうつなどの精神科合併症を起こしやすいので飲酒問題が発見されやすいことなどが考えられます。

一方、男女関係なく飲酒を開始する年齢が早いほど依存症になる危険性が高いことが知られています。

飲酒開始が1年遅くなるたびに後にアルコール問題を起こす可能性が4~5%低下するとも言われます。

更に生まれる前、お母さんのお腹の中にいる間にお母さんが飲酒して胎児期にアルコールに暴露された場合は成長期や成人後に攻撃的な行動、うつ病、不安、アルコールを含めた薬物問題が発生する危険性を高めます。


●遺伝


アルコール依存症の原因に遺伝が関係することは確かです。

特にアルコールを分解する酵素の遺伝子による違いが依存症のなりやすさに強く影響することが知られています。

更に最近では環境による影響の受けやすさに遺伝が関係していることがわかっています。

しかし、具体的な遺伝子については十分にはわかっていません。


●他の精神疾患


依存症の人にはうつ病が多いとされますが、逆にうつ病不安障害注意欠陥多動性障害といった精神疾患もアルコール依存症の危険性を高めることが知られています。

その原因として例えばうつ病不安障害の場合、飲酒によってうつ病不安障害の症状を緩和しようとするためと説明されますが、飲酒するとかえってうつ病の治りが悪かったり飲酒に関連した問題を起こし易かったりしますので注意が必要です。

また、ニコチン依存とアルコール依存はお互いによく合併することが知られており、他の依存(ギャンブルや違法薬物等)もアルコール依存症の危険性を高めます。




■治療方法

現在のところ、断酒以外の治療選択肢はありません。

一旦アルコール依存症になった人のほとんどは、二度と普通のお酒のみには戻れないこと、健康な生活を続けたければ一滴のアルコールも口にいれてはいけないことを、しっかりと覚えておいていただきたい。

▽次のように考えている人は、まだ断酒しようとは思っていないのであり、さらに病気が進行する可能性がある。

(1)  飲み過ぎが悪いのだから、2合以上は絶対に飲まないようにしよう。
(2)  平日には飲まないで、土曜日の晩だけ飲むことにしよう。
(3)  強いアルコールに手を出すとよくないので、ビールだけ飲むことにしよう。
(4)  意志さえしっかりしていれば、飲んでも問題は起こさないだろう。
(5)  もう3年も止めたのだから飲めるような体になったかも知れない。
(6)  ちょっとくらい飲んでも、酒を切って病院に帰ればわからないだろう。
(7)  やめようと思えばいつでもやめられるので、アルコール依存症ではない。


毎日飲まずにいられないのがアルコール依存症ではない。

アルコール依存症の人は、飲まないでいることはできる。

しかし、飲み始めるとほどよいところで止められなくなる。









うつ病とは

うつ病を病気ではなく、気の持ちようだと思っている人もいます。

うつ病はれっきとした病気です。


■うつ病とは

気分がひどく落ち込んだり何事にも興味を持てなくなったり、億劫だったり、なんとなくだるかったりして強い苦痛を感じ、日常の生活に支障が現れるまでになった状態です。

こうした、うつの状態は、日常的な軽度の落ち込みから重篤なものまであり、原因についてはまだはっきりとわかっていません。

うつ病は、以前は内因が関与している内因性うつ病と、心因が強く関与している心因性うつ病ないしは神経症性うつ病とに分けて考えられていましたが、現在はそうした原因がはっきりしないことや、内因性うつ病でも発症のきっかけとなる心因があることが多いことから、症状の形で分類されるようになりました。

▽うつ病の基本的な症状は以下のようなものです。

1. 強いうつ気分
2. 興味や喜びの喪失
3. 食欲の障害
4. 睡眠の障害
5. 精神運動の障害(制止または焦燥)
6. 疲れやすさ、気力の減退
7. 強い罪責感
8. 思考力や集中力の低下
9. 死への思い


うつ病は自覚しにくいし、周りで見ていてもわかりにくい病気です。
しかし、治療すれば良くなる病気ですので、早めに見つけて治療することが大切になります。


1. 強いうつ気分

「うつ病」の人は、気持ちが沈み込んで憂うつになっていることがよくあります。
「憂うつだ」「悲しい」「何の希望もない」「落ち込んでいる」と思い悩んでいるのです。

人によってはこうした気持ちを表立って口にしないこともありますが、今にも泣き出しそうな印象や、憔悴しきった雰囲気から気づかれることもあります。

こうした症状は午前中にひどく、午後から夕方にかけて改善してくることがよくあります。

このように憂うつな気分を感じているときには、身体の痛みや倦怠感などの身体の不調が出てきたり、イライラ感が強くなって怒りっぽくなったりすることがあり、それが性格の問題と間違われてうつ気分が気づかれにくくなることがあるので注意しなくてはなりません。


2. 興味や喜びの喪失

これまで楽しんでできていた趣味や活動にあまり興味を感じられなくなった状態です。

何をしても面白くないし、何かをしようという気持ちさえ起きなくなってきます。
友達と会って話すのが好きだったのに、会っても面白くないし、かえって鬱陶しくなってきます。
運動が好きだったのに熱中できませんし、テレビでスポーツ番組やドラマを見ても面白くありません。
音楽を聴くのが好きだった人が、好きな音楽を聴いてもちっとも感動しません。
性的な関心や欲求も著しく低下してきます。

このように何をやっても面白くないので、自分の世界に引きこもるようになってきます。
その変わりぶりは、周りの人から見れば、あんなに喜んでやっていたものをなぜやらなくなったんだろうと不思議に思えるほどです。


3. 食欲の障害


一般にうつ病では食欲が低下してきます。
一方、それとは逆に食欲が亢進することもあり、甘い物など特定の食べ物ばかり欲しくなることもあります。

食欲が無くなった人は「何を食べても、砂を噛んでいるようだ」「食べなくてはいけないと思うから、口の中に無理に押し込んでいる」と訴えることがよくあります。
あまりに食欲がなくなって、一ヶ月に4キロも5キロも体重が減少してしまうこともあります。


4. 睡眠の障害


うつ病では不眠がよく現れます。

寝つきが悪くなるだけでなく、夜中に目が覚めて寝つけなくなったり、朝早く目が覚めてしまったりするのです。
悪夢にうなされることもよくあります。

特に朝早く目が覚めるのはうつ病に特徴的で、「午前三時症候群」と呼ぶ人もいます。
いつもよりずっと早く目が覚めてしまうのです。

しかも、うつ病にかかっている人は、このように早く目が覚めたからといってすぐに起きあがれるわけではなく、布団のなかで悶々と思い悩んでいることがよくあります。

逆に、夜の睡眠が極端に長くなったり、日中も寝てばかりいるといった過眠症状が現れることもあります。


5. 精神運動の障害(制止または焦燥)


うつ病になると、他の人から見てもすぐにわかるほど身体の動きが遅くなったり、口数が少なくなったり、声が小さくなったりすることがよくあります。
このような状態を、専門的には精神運動制止と言います。

また、逆に、じっと座っていられないほど焦燥感が強くなったり、イライラして足踏みをしたり、落ち着きなく身体を動かしたりするようになることもあります。

このように焦燥感が強くなっているときには辛さを何とかしたいと焦って話し続けたりしますので、表面的には元気そうに見えてしまい、うつ病だと気づきにくいので注意しなくてはなりません。


6. 疲れやすさ、気力の減退


ほとんど身体を動かしていないのにひどく疲れたり、身体が重く感じられたりすることがあるのもうつ病の症状の一つです。

気力が低下して何をする気もおきなくなりますし、洋服を着るといった日常的なことにさえ時間がかかるようになります。

何とかしなくてはならないと気持ちだけは焦るのですが、それをするだけのエネルギーが沸いてこないのです。


7. 強い罪責感


うつ病になると、ほとんど根拠なく自分を責めたり、過去の些細な出来事を思い出しては悩んだりするようになります。

一つのことをくよくよ考え込んで、何回も何回もほかの人に確認をしたりするようになることもあります。

こうした状態が進むと、会社のプロジェクトがうまく進まないことや、不況のために会社の成績が落ちていることまで自分の責任のように思えたり、不況になったことまで自分のせいだと妄想的に思いこむようになったりもします。


8. 思考力や集中力の低下


注意が散漫になって、集中力が低下してくることがあります。
そのために仕事が以前のように進まなくなったり、学校の成績が落ちたりするようになります。

また、決断力が低下して、大したことでなくてもあれこれ考えて何も決められなくなります。


9. 死への思い


うつ病になると、気持ちが沈み込んで辛くてたまらないために死んだ方がましだと考えるようになってきます。

欧米の研究では、入院が必要なほどのうつ病にかかった人の15パーセントが自殺で命を落としていることがわかっています。

うつ病のときには自分の気持ちを抑える力が弱くなっていますから、普通のときなら考えられないような思い切った行動をすることが多くなるのです。

一般的には、うつ病が少し良くなったときに自殺の危険性が高くなるといわれています。

気分が沈み込んで何をする元気もなくなっているときには、死のうと思ってもそれを実行に移すだけの元気さえ出てきません。

しかし、少し症状が良くなると、死にたいと考えれば、その気持ちをすぐに行動に移せるようになります。

しかも、こうしたときには本人の気持ちと周りの人の考えとが食い違いやすくなっています。
症状が良くなってくると、外見上は元気に見えるようになるので周りの人は安心してしまうのですが、抑うつ症状が強かったときの辛い記憶は簡単に消えないために、本人は良くなったという自覚をもてないことが多いからです。
こうした食い違いがあると、本人は誰にもわかってもらえないと絶望的になり、自殺を考えやすくなります。



◆抑うつ病その他の症状


●身体症状(仮面うつ病)

うつ病のために、痛みや倦怠感などの身体の不調が現れたりすることがあります。

頭痛や腰痛などの症状は、特によく見られるものです。
重く締めつけられるような頭の痛みはうつ病の人に特徴的といわれます。

この他にも、肩こりや体の節々の痛み、食欲不振や胃の痛み、下痢や便秘などの胃腸症状、発汗、息苦しさなど、様々な症状が現れてきます。

こうした身体症状が存在すると、私たちはつい身体のことを心配するために精神的な面を見逃してしまいがちです。
身体症状のために、憂うつな気分が目立たなくなるのです。

こうした状態は、抑うつ症状が身体症状の仮面に隠れているという意味で「仮面うつ病」と呼ばれることがあります。


●症状の日内変動


うつ病の症状は、一般に朝に悪化し、午後から夜にかけて徐々に改善するという日内変動が見られることがよくあります。

人によっては夕方から夜にかけて元気になるために、「ずっと落ち込んでいるわけではないから、うつ病じゃなくて、気分の問題なんだ」と考えることもあります。

しかし、これはうつ病の日内変動(という特徴)で、気分の問題ではないので、軽く考えすぎないように注意しなくてはなりません。


●精神病症状


大部分のうつ病は精神病ではありません。

しかし、妄想などの精神病症状を持つ場合などは精神病性うつ病とか妄想性うつ病と呼ばれ、病気の自覚がなくなるため、入院治療が必要になります。

自分が重大な罪を犯したと思い込む罪業妄想、貧乏になったと確信する貧困妄想、がんなどの重い病気になったと信じ、検査結果で心配ないと話しても訂正不能の心気妄想、何をしても無駄だと治療を拒否したり、拒食から衰弱する虚無妄想などがうつ病に特有な妄想で、躁病の誇大妄想に対して、微小妄想と総称されます。

それ以外にも被害妄想や自分が周りの人から避けられていると信ずる忌避妄想もあります。

幻聴は一般的にはないのですが、時にみられることもあります。

まれに昏迷といって、問いかけや刺激に反応しない、無言で動きの乏しい無反応状態がみられます。
意識はあって、その間の記憶もありますが、意思や感情の表出ができなくなっているのです。
ぼんやりとして、動きと反応が鈍い程度の軽いものは時々みられます。



◆「いつもと違う」状態に気づく


このようにうつ病は自覚しにくいし、周りで見ていてもわかりにくい病気です。

しかし、治療すれば良くなる病気ですので、早めに見つけて治療することが大切になります。

早くに見つけるために注意すべき点は、日常生活において、いつもと違う状態が続き、本人か周囲の人の生活に支障がでてくる、ということです。




■うつ病の原因・発症率・社会的影響


●発症率

WHOの推定では、男女を合計したうつ病の生涯発症率は17%となっています。

近年の傾向として発症年齢の若年化が目立つ。
ひとたび発症すると少なくともその60%は再発する。

一度うつ病をやった人は一般人口に比し10倍以上の確率でうつ病になり易い。
この慢性化傾向は小うつ病(気分変調性障害)においても同じことがいえる。

疫学的調査の統計によると、小うつ病の生涯有病率は女性は男性の約2倍であり、うつ病以外の精神疾患に罹患する確率も女性のほうが男性よりも高くなっています。

うつ病を発症しやすい好発年齢は、男女を問わず、外部の環境変化や人間関係の葛藤に敏感な青年期前期(20代前半)と社会的責任が過重になって仕事が忙しくなり、子どもが成長して家庭生活が空虚なものとなりやすい壮年期(40代~50代)です。

うつ病は不安障害を伴うことが多く、大多数のうつ病患者が不安を訴えます。
また不安症患者の20~65%が、うつ病を併発していると考えられます。

不安障害にはいくつかの種類がありますが、最もよく知られているのは全般性不安障害、社会不安障害、パニック障害、強迫性障害、心的外傷後ストレス障害(PTSD)などです。



●危険因子

うつ病は女性に多くみられますが、これは女性ホルモンの増加、妊娠、出産など女性に特有の危険因子や男女の社会的役割の格差などが男女差の原因として指摘されています。

うつ病の平均初発年齢は20-30歳の間で、一般には若年層に高頻度にみられます。
また、海外では低学歴、低収入・貧困、無職者にうつ病が多いとされていますが、わが国の調査では社会経済要因との関連ははっきりと証明されていません。

その他、海外では、養育体験、最近のライフイベント(離婚、死別、その他の喪失体験)、トラウマになるような出来事(虐待、暴力など)、社会的支援、性格傾向(神経症傾向など)がうつ病の危険因子として報告されていますし、急速な都市化が影響するという可能性も指摘されています。



●個人及び社会への影響


うつ病にかかると著しい精神的な苦痛を体験しますし、その程度にかかわらず社会的な機能が低下し、日常生活に支障が生じますし、自殺の危険性も高まります。

虚血性心疾患、糖尿病、骨粗鬆症などの一般身体疾患にかかる危険性も高まることもわかっています。



●経過

うつ病にかかっても数ヶ月で症状が治まる人が多いのですが、うつ病と診断された人の約40%が1年後になおうつ病の診断基準を満たしており、それ以外でも20%の人が何らかの抑うつ症状を呈していたという報告もあります。

いったん改善しても約60%が再発しますし、2回うつ病にかかった人では70%、3回かかった人では90%と再発率は高くなります。

このようにうつ病は長期に持続する疾患であり、早期発見が大切であるだけでなく、長期に渡ってのケアが必要な病気でもあり、地域での援助も非常に重要になってきます。




■うつ病の治療

うつ病の治療は、薬物療法などの生物学的治療、精神療法、環境調整の3本柱で行います。

1)生物学的治療

生物学的治療には薬物療法や電気けいれん療法があります。

電気けいれん療法は最近では麻酔下で無けいれんで行う手法が使われることが多く、症例によっては極めて効果的です。

薬物療法は、これまで使われてきた三環系抗うつ薬や四環系抗うつ薬に加えて、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)やセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)が使用可能になり、治療薬の選択の幅が広がりました。


▽薬物療法では次の各点に注意する必要があります

1. 服薬を始めてすぐに効果が現れるわけではなく、一般に1週間から3週間の期間が必要です。


2.
 薬物療法の効果を上げるためには十分な量をきちんと服薬することが重要です。

慢性化している例ではきちんと服薬していない例が多いと報告されています。
SSRIでは急激に中止するとインフルエンザ用の症状が出ることがあります。

*この薬剤に限らず、中止するときには医師と相談しながら徐々に減量していくことが必要です。


3.
 症状が改善した後も服薬を続けることが必要である。

うつ病の再発率は高いのですが、効果が出たときと同じ量の薬を服薬し続けていると再発率が低くなります。
ですから、初発の場合にはうつ病改善後半年から1年、同じ量の抗うつ薬を服用することが勧められます。

また、3回以上再発している場合などには、高血圧などと同じように、一生に渡って服薬することが望ましいとされています。



2)精神療法


精神療法(心理療法)のなかでうつ病の治療に対する有効性が確認されているものに、認知療法と対人関係療法があり、さらに従来から行われている伝統的なものとして分析的精神療法があります。

<認知療法>は、
「認知」、つまり現実の受け取り方や考え方が私たちの情緒状態に影響を与えるという理解にもとづいて、悲観的すぎる認知をより現実的なものに修正し、問題解決を手助けすることによってうつ病を治療しようとするものです。

うつ病の場合には、自分自身に対して、周囲との関係に関して、そして将来に対して極端に悲観的になっており、その悲観的な考えがますます気分を沈み込ませることを修正していきます。

<対人関係療法>は、
対人関係のつまずきがうつ病の誘因や持続因子になることが多いので、対人関係の問題の解決を通してうつ病の治療を図ろうとするものです。

特に、精神的に重要な位置を占めている親しい人との別れや意見の食い違い、役割の変化に伴う人間関係の変化、対人関係の持ち方のスキルの問題に焦点づけて精神療法が行われます。

<分析的精神療法>は、
私たち誰でもが持っている無意識(潜在意識)を自分で意識できるように援助していく治療法です。
意識化できる範囲が広くなるほど私達は自分の気分をより楽にコントロールできるようになり、より自由に物事を考えられるようになります。

うつ病の場合、どういう流れがあってうつに至ったのかを治療者と協力して探していきます。
多くの場合、不当に自分を責めてしまう気持ちが自分では気がつかない流れの中で起こっています。
そうした流れが意識できるようになっていくことがうつの気分からの改善を助けて行きます。
又再発を防ぐ方向にも働きます。



3)環境調整


うつ病の発症に環境要因が影響していることはすでに述べた通りですが、治療に際してはそうした環境のマイナス要因を解決することも重要になります。

その場合には、地域や家庭、職場の人間関係やストレスなど総合的な視点から検討する必要があります。
また、それと共に、心の健康に関する日常の啓発活動も重要な役割を果たします。


このように一言で「うつ病の治療」といっても、患者さんの置かれている状態・環境により様々な治療方法があります。








 

インナーチャイルド

■インナーチャイルド
トラウマ・抑圧・心の傷・両親


私達は大人になるまでに子供時代にいろんな経験をしてきました。

「遊んでくれない・・・僕、嫌われるてるのかな?」

「あっ、うるさくしてたら怒られちゃった・・静かにしておこう」

「お手伝いをしたら褒めてくれた。・・・何かすれば愛してくれるんだ」

「お父さんとお母さんがケンカしている・・・悲しいな、怖いな」
と。

その中には子供ゆえの誤解や勘違いなどもいっぱいあります。



子供達は自分が中心です。

良いことも、悪いことも、全部自分のせいだと思うものです。

「私が悪いからお父さんとお母さんがケンカしてる、 僕が悪いから遊んでくれないんだ」

子供達はそんな風に世の中を見ています。



例えば、子供の頃、居間で新聞をじーっと見ているお父さんに「ねえねえ、お父さん、遊ぼうよー」と甘えたとしましょう。

でも、そのときお父さんは新聞を見つめたまま、あなたの誘いを無下に断ったとします。

そうすると子供は「ガーン」と傷心(ハートブレイク)しますよね。

「お父さん、遊んでくれない…」と落ち込むわけです。

でも、お父さんは年末ジャンボ宝くじの当選発表に夢中になっていただけかもしれません。
「後で遊んでやるからな、もうちょい待っとけ」と言ったつもりだったかもしれません。

でも、その子にしてみれば「お父さんは僕のこと嫌いだから遊んでくれないんだ」と思ったのかも知れません。


大人から見れば、全然大したことがないことのように見えても、子供にとっては大きなハートブレイクで、心に大きな傷をつけることだってあるのです。

だって、その「嫌われた」という『感覚』は、その子にとっては間違いなく真実なのですから。



この『感覚』というものが、大人に成長するうえで『経験』として積み重ねられていくのです。

つまり、この『経験』=『感覚』が大人になった私達の物の見方、考え方、振る舞い、行動の素になるわけです。



「嫌われた」という感覚を例にすれば、「嫌われた」という感覚は、自信を無くしたり、自分は愛してもらえないのではという無価値感と呼ばれる感情を作ります。


それが何らかの理由(その後お父さんに遊んでもらえて「嫌われてる」というのが誤解だと分かった等)で解放されなかったとしたら、その感情は痛みと共にそのまま心の中に残ってしまいます。


そして、私達は幼い頃にそんな経験をいっぱいしました。

その多くは解放されていくようですが、逆に解放されずにどんどん積み重ねてしまうものもあります。


この「嫌われてる」という感覚が癒されずに積み重ねられたとしましょう。

そうすると、大人になっても自分に自信が持てなかったり、嫌われるんじゃないか、という不安を形成するようになります。


頭では分かるんです。

「がんばれば大丈夫。出来るはず」とか

「こんなことで恐れていても仕方ない」とか。


でも、頭でそう冷静に理解したとしても、やっぱり自信がない、できない、と感じるのは、この子供時代に感じた『感覚』が原因なのかもしれません。


この小さな子供の頃に傷ついた感覚、心のことをインナーチャイルドといいます。

「嫌われてる」と感じてしまったあの小さな子がずっと心の中にいると思ってください。

心の中にはこのような子供がいるのです。


この小さな頃に出来た感覚が、大人になった物の見方、考え方、振る舞い、行動の足をひっぱる問題を作っているわけです。



そして、インナーチャイルドを癒す心理療法をインナーチャイルドワークといいます。

その小さい頃に感じた痛みを解放していくのです。

心の中に残っている痛み、その感覚を一つ一つ解放していくのです。

そうして、その痛み(無価値感)を解放することにより、今現在の障害となっているその感覚やそこから派生している問題を癒していくのです。

問題を楽に前に進めるようになります。











 

アダルトチルドレン

■アダルトチルドレンとは

大人子供ではありません。
子供時代を子供として子供らしく過ごすことが出来ず、そのまま大人になった人達のことです。

両親や家庭環境によって子供時代を歪められて成長した人々です。

過剰な期待、過保護、過干渉、無視、精神的虐待、身体的虐待、性的虐待、暴力(言葉による暴力)など。

本来であれば、親と子の適度な境界線があって、子供は一人の人間として愛され尊重され成長するものですが、親に呑み込まれたり、または突き放されたり、子供を私有化したり存在を無視してみたりと、一人の人間として十分に尊重されずに子供時代を過ごして大人になった人達です。

こういう家族を機能不全家族といいます。

子供時代の、のびのびとした自由で、楽しいひとときを体験することもなく、そこから獲得される大切な自己信頼感、心の豊かさ、情緒的安定などの能力を十分に得られずに大人になった人達のことをアダルトチルドレンと呼びます。

Adult Childrenの頭文字を取り、単にACともいう。


アダルトチルドレンは慢性的な見捨てられ不安を感じています。
これは、親から安定をした愛情を得られなかった結果の産物でしょう。
親の愛を失うことを恐れ、または親に見捨てられることを恐れ育ったからです。
なぜなら彼らの親や家庭は、子供を自分の都合のいいように愛したからです。

親が過保護なら子供は自分の好きにする自由を放棄して親の過保護という支配に耐えます。
また、親が虐待をするのであれば、虐待をそれが親の愛と勝手に思い込んでしまいます。

そうして子供達は親や家庭に過剰に自分を合わせ過ぎるのです。
すべては見捨てられないためです。
子供はどの親どんな家庭であろうとも、自分が生き延びるためにはその環境に合せるしかないのです。

これは、ある意味自己喪失にも繋がります。

人が生きるうえで大切なのことは、自分が自分のことを信頼することが出来る「自己信頼感」です。

自己信頼感があると自分は自分であることが出来、好きに行動することや感情表現を恐れず、他者の評価も過剰に気にせず、自分で人生を切り開く力を持っています。

この自己信頼感は生まれてから幼少期の間に、親に一人の人として十分に愛され、尊重してもらい、成長するにつれて獲得していく力ですから、親や家庭に成長期を歪められたアダルトチルドレンの人々はこの自己信頼感を獲得しそこなっています。

自分に自信がない、人が信頼出来ない(自分を信頼出来ない人は他者を信頼することが出来ません)などの問題を呈するでしょう。


◆アダルトチルドレンと精神疾患

アダルトチルドレンは精神疾患名ではないが、アダルトチルドレンと称される人々の中には精神疾患を有している人達がいる。

うつ病・パニック障害・社交不安障害・全般性不安障害・解離性障害などの一軸上の問題、
境界性人格障害・回避性人格障害・反社会性人格障害・演技性人格障害など二軸上の問題がそれらに当たる。


◆世代間連鎖

機能不全家族の定義

1. よく怒りが爆発する家族

2.
 冷たい愛のない家族

3.
 性的・身体的・精神的な虐待のある家族

4.
 他人や兄弟姉妹が比較される家族

5.
 あれこれ批判される家族

6.
 期待が大きすぎて何をやっても期待に沿えない家族

7.
 お金や仕事、学歴だけが重視される家族

8.
 他人の目だけを気にする表面上は幸せそうな家族

9.
 親が病気がち、留守がちな家族

10.
 親と子の関係が反対になっている家族

11.
 両親の仲が悪い、ケンカの絶えない家族

12.
 嫁姑の仲が悪い家族


機能不全家族の基は機能不全夫婦であるということです。
両親もアダルトチルドレンであるということです。
すなわち機能不全家族の出身です。
祖父母もアダルトチルドレンということになります。

アダルトチルドレンは役割は違えど次の世代へ、その異常さは伝承されます。




■アダルトチルドレンの子供の時の家庭での役割


1. 頑張り屋

家の中の用事などを親に替わっていろいろとします。
これ自体は別に問題がありませんが、自分の好きな遊びもせず、家の中の用事ばかりしているのは子供として楽しく過ごす時間を放棄しています。
すべて親の為家庭の為です。
自分の感情を抑圧して我慢しています。


2. 助っ人


家の中の問題を何とかしようと奔走します。
波風立てず、争いを避けることを目的とします。
頑張り屋同様これは子供の仕事ではありません。
本来親が果たすべき役割を子供が果たすということそれ自体が異常です。
自分のことをしないで家族のために何かをしようと常に考えています。
自分を失っており、自分の必要を自分で満たせません。


3. ロンリー


親や家庭から理解されない悲しみを背負いひきこもります。
悲しみに満ち溢れています。


4. ヒーロー


エリートに多いです。
親の虚栄心のために頑張り続けます。
成績が良いのが価値ある人と思い込み暖かさを育めません。


5. マスコット

家中を陽気にします。
本当は悲しくても明るく振舞ってしまいます。
その場に合わした感情表現ばかりしているので、本当の自分の感情が分かりません。


6. いけにえ

機能不全家族を代表して暴れ周ります。
体を張って家庭の問題を外に出します。


7. プリンス


ママの素敵な王子様。
パパの素敵なお姫様。
思いっきり可愛いがられます。
親は子供の意思を無視して人形のように可愛いがります。
精神的虐待です。
役割を背負った子供は、子供として楽しい子供時代を過ごすことは出来ません。


周囲に気を遣い過ぎ感情を抑えたり、大人を信頼出来ず結果他者を信頼出来なくなったり、甘えることが出来ず何でも一人でやってしまう過剰な責任感を負ったり、見捨てられ不安より得たいのしれない淋しさを感じたり、何でも自己関連づけて考えてみたりと様々です。

共通して言えることは皆、自分の感情を抑え傷ついています。




■アダルトチルドレンの特徴

1. 心身の不調。自己否定感の強い人は耐性が弱く病気にかかりやすい。

2.
 怒りにとらわれている。愛してもらえなかった怒りがずっと心の奥に残っている。

3.
 自己不振と著しく低い自己評価。繰り返し非難されたことにより自尊心が破壊されている。

4.
 親を憎みながら親とよく似た行動。子供の頃親より虐待を受けた子は大人になると子供を虐待する。

5.
 子供返りしやすい。甘える。子供の頃の甘えることが出来ず、満たされなかった思いを取り戻そうとする。

6.
 未来が信じられない。否定的に育てられたので何でもネガティブに考えてしまう傾向がある。

7.
 過去を我慢し過ぎ、感じまいと過ごしたために過去の記憶が思い出せない。

8.
 フラッシュバック。昔の傷ついた記憶がまるでその場で再現されているように蘇る。

9.
 現実に今生きている世界の実感がなく、ベールに包まれて見ているような感覚。

10.
 生きることの意味が見出せなでいる。無価値感。




■行動パターン

1. 何が正常か推測する。

自らの家庭が歪であった為、一般的な正常とは何か分からないと感じています。


2. 物事を最初から最後までやり抜くことが困難。

家庭や両親が子供に対する約束を守ることが稀であり、約束や責任を果たすことの重要性を学んでいません。


3. 本当のことを言った方が楽な時でも嘘をつく。

自分の気持ちを抑えて成長してきたので、正直に自己表現をすることを学んでいません。
また、正直な自己表現が家庭では許されなかったので、正直に自己表現することを恐れています。


4. 情け容赦なく自分を批判する。

親の期待に過剰に合わせて生きてきたので、親の期待に合わせられなかった自分を責める傾向があります。
また、褒められることが少なかったので自己価値が低く、自分は褒められるに値しない人間である。
まだまだダメだと感じています。


5. 楽しむことが出来ない。


親の期待に過剰に合わせた結果、自分の感情を抑えこんでいます。
生の楽しみ、感情を満たし楽しむことを経験しておらず、更には恐れてもいます。


6. 真面目すぎる。

親の期待に過剰に合わせてきたので、好きなことをすることを自分に許可していません。
行動も型にはまったものとなり、型よりの逸脱を嫌います。


7. 親密な関係を持つことが難しい。

親から愛してもらえなかったという慢性的な淋しさを感じています。
人を愛してその愛を失うことを極端に恐れ、その恐れゆえ親密な関係を自ら拒んでいます。


8. 自分のコントロール出来ないと思われる事態に過剰に反応する。

自分に自信がないため、不測の事態に対応する能力の欠如を感じています。
定型を外れた不測の事態については、自分はコントロール出来ないと恐れています。


9. 他人から肯定や意見を常に求める

自分に自信がないので、自分の意見や行動に自信を持っていません。
他者より肯定的な意見を求め安心を得ようとします。


10. 他人と自分は違うと常に考えている。


親密な人間関係を形成出来ないなどのハンディから孤独を感じ、孤独感ゆえに自分は人とは違うと感じてしまいます。


11. 常に責任を取りすぎるか、取らなすぎるかのどちらかである。

子供の頃より親の期待に沿うために過剰な努力をしてきました。
しかし、親の期待のハードルは高く常に沿えるものではありませんでした。
親の期待に沿えればYES、沿えなければNOの二極化思考を見に付けてしまっています。
このあたりまで出来ればOKという、妥協的思考が欠如しているのです。


12. 過剰に忠実。無価値なものでもこだわり続ける。

何かにしがみついていることで安心感を得ます。
愛情飢餓と関係しています。


13. 衝動的である。

子供の頃より自分を抑えてきたので、その反動として我慢が出来ないのかもしれません。
また、辛い現実、家庭を直視することが出来ず、子供の頃より外に目を向け続け、虚しさを満たす為に衝動的に好きに行動していることも考えられます。




■アダルトチルドレンと依存について

自分が自分を愛していない(自己嫌悪)、自分のことを信じていない(自己信頼感欠如)自分を信じていないので他人も信じられない(対人不信)または、自分がどう思われているかを気にし過ぎて人の視線を恐れる(対人不安)、そして、そこから来る慢性的な不安感。

全ては、自分を信頼していないこと、自分を愛していないことからきているのです。
言い替えると、自分の心の中に自分の居場所を持っていないということです。
自分を信頼していないので、当然自分の中に自分を置くことは出来ません。
したがって存在の空虚さ、慢性的な虚しさを感じてしまいます。

そして、自分の拠り所、居場所を求め、虚しさの感覚を埋め合わせします。
⇒依存の発生


1. 人に自分の存在を委ねる(他者の中に自分の居場所を求める)

自分を他者に委ねることは、自分の人生を他者に委ねてしまいます。委ねる方法には依存支配があります。


●依存


自己存在の虚しさを他者にしがみつくことによって何とかしようと思います。
恋愛依存症はその代表でしょう。
とにかく愛してもらいたい、その気持ちで一杯です。
ですから、依存している相手より見捨てられることの恐れは大変です。
なぜなら、捨てられることは、また空虚な虚しさの世界、一人ぼっちの孤独の世界に放りだされるからです。


●支配

依存が下からしがみつくというイメージなのに対して、これは上からしがみつくといったイメージです。
他者の自主性を奪い、無力化することによって自分から離れていくことを阻止します。
相手に依存させることにより自分の価値を上げ、自己存在の意義を得ようとするのです。
(この人は私がいないと何なも出来ない)
または、相手を無力化するとまではいかなくても、常に相手の為と一生懸命している人は、相手の必要を満たすことで自己存在の意義を満たしているので、同じことが言えると思います。
親が子を支配する、上司と部下、対人援助職、または、恋愛依存症において見捨てることで相手を脅し支配することも含まれます。



2. 何かに熱中する

何らかの行為に熱中することに、自己存在や自分の居場所を求めます。
この代表が仕事中毒です。
アダルトチルドレンには完璧主義の傾向があります。
常に自分に不信感を持っており、自己価値が低いので、どこまでも完璧にしないと安心感が得られないのです。
したがってこれでもか、というぐらいに仕事をします。
または、仕事の中に自分を見出しているので(人との関係性の中では自分を見出せない)仕事の世界から虚しさを感じる現実世界に出たくはありません。

これに通じるものとして、研究、習い事、趣味、読書、ゲ-ム等、様々な行為の中に自分の居場所を求め、現実世界との遊離感、自分との遊離感の埋め合わせをしています。
これらは適度なものであれば問題はないのですが、過剰に熱中していると、やはり、円滑な人間関係は築けなく、生きづらさを感じると思います。



3. 感覚を麻痺させる

虚しさ、淋しさ、慢性的な見捨てられ感、不安の感覚を麻痺させようとします。
その代表が酒です。
アルコ-ルへの依存です。

また、薬物依存もあります。
それから、食べることにより虚しさを満たす方法もあるでしょう。
過食。
度が過ぎると回復まで、大変な労力を要します。




■アダルトチルドレンの共依存者にとって恋愛とは?

恋愛とは、お互いがある程度自立しており、お互いの違いを認識して、それでも協力し合って一緒に進む。

しかし、共依存者の恋愛は、お互いがお互いを縛りあい、そこに安住を求め、お互いの成長を止めてしまいます。
または許しません。
この成長とは真に自分が自分の道に進むことを指しています。
すなわち、精神的自立です。

自分がしがみついている相手に自立されると、しがみつくもの、自分の拠り所を失うので、相手が自立することを許さないのです。




■アダルトチルドレン症状


感情面・心理面

1.
 抑うつ状態             
2. 不安やパニックに襲われる
3. 自殺または自殺念慮       
4. 強迫観念と衝動強迫
5. 薬物依存              
6. 低い自己価値
7. 人格障害              
8. 病的恐怖症
9. ヒステリ-症            
10. 性的障害
11. 疑念を抱く             
12. 対人接触障害
13. 分裂病               
14. 感情鈍麻
15. 集中力欠如            
16. 過度の怒り
17. 欲求不満に対する忍耐の低さ 
18. 受動的あるいは攻撃的な人格
19. 極端な依存             
20. 相互依存不能
21. 楽しみ遊ぶことの不能        
22. 断定不能
23. 人に気に入られようとする      
24. 被承認欲求
25. アイディンティティの混乱


身体面

1. 薬物依存              
2. 摂食障害
3. よく怪我をする、慢性的な身体の痛み 
4. 緊張と偏頭痛
5. 呼吸器疾患系            
6. 潰瘍、大腸炎、消火器系疾患
7. 便秘、下痢             
8. 不眠
9. 筋肉緊張              
10. 顎間接症候群




■アダルトチルドレン回復へ

アダルトチルドレンの生きづらさより回復した人達をスライバーと言います。
アダルトチルドレンの生きづらさから回復すると、どうなるのでしょうか。

1. 一人でいることが出来る。一人を楽しめる
2. 淋しさに耐えられる
3. 親のことで過剰なエネルギ-を使わない。
4. 自分に優しい。
5. 他人の期待に操られない。
6. 自分で選択をして自分で決定出来る。
7.
 選択をしたことに責任がとれる。
8. 自分は世の中に受け入れられていると思える。

これらは、すべて自分の中に自分の居場所があることを意味しています。
他者に惑わされることがなく、自分は自分で居られることです。

では、自分の中に自分の居場所を持つためにはどうすれば良いのでしょうか。



<回復の4ステップ>


ステップ1=過去の喪失を探る
 
過去を繰り返し語ることで、子ども時代の家族の中にあった問題や、自分の中での喪失に気づき、抱えていた感情を解放する。
これは親を責めることとは違うので、自助グループや治療の場を活用する、信頼できる相手に話を聞いてもらうなど、安全で自分を受け入れてもらえる場で行なうことが必要。


ステップ2=過去と現在をつなげる

 
過去の痛みが、現在の自分にどう影響しているかを調べる。
感情レベルではなく冷静に自分を振り返る作業。
自分の過去は、現在の自己イメージにどう影響している? 
人間関係にどう影響している? 
職場での私・親としての私にどう影響している?……など。
自分の中にある課題に気づく。

   
ステップ3=取りこんだ信念に挑む

過去に取りこんだ「私は○○だ」「○○すべき」「○○であるべき」といった考え方やルールのうち、自分を苦しめているものを手放す。
そして、別の考え方やルールに置き換える作業をする。
例えば「他人の要求になるべく応えるべきだ」→「私はイエス、ノーを自分で決めていい」、「マイナスの感情を持つのはよくない」→「感情は自然に沸いてくるもので、良い・悪いはない。全て自分に大切なことを伝えている」のように。

   
ステップ4=新しいスキルを学ぶ

別の考え方やルールの元で生きていかれるように、これまで学ぶ機会がなかったスキルを学び、練習しながら身につけていく。
例えば、人間関係の方法、感情の扱い方、自分を大切にする行動、辛さに対処する方法、遊ぶことや楽しむこと、ノーを言うこと、他人からの言葉の攻撃をまともに受けない方法……など。


ステップ1~2では、自分が「ACだ」と自覚することで、これまで抱えてきた苦しさの謎が解け、自分を責めずにすむようになります。
ここまでの段階は、治療の場や自助グループなどで行なうこともできますが、多くの人にとって難しいのはステップ3以降に進むことです。
これまで長年続けてきた生き方のパターンを変えていく作業は、具体的な手がかりなしにはあまりに大変な作業なのです。


回復を働きかけてくれるものに自助グループがあります。
これは同じACの人たちと、グループの仲間の話を聞くことにより、または自分の気持ちをシェアすることにより、助けてくれます。
癒しの作用はどれにでも当てはまりますので、参加するだけで、人の話を聞くだけで、充分効果があります。

アダルトチルドレンの悩みは、とても深刻で難しい問題ですが、本人で何とか解決するしか方法がないのも現実です。

アダルトチルドレンの治療は、自分に合ったカウンセラーを探し、カウンセリングを受ける事が治療として最も効果があります。


アダルトチルドレンの方は、人間不信になっている事が多いので、定期的にカウンセリングを受ける事をお勧めします。
カウンセリングを受けながら、少しずつ本来の自分自身を出していくことで、まず不安定になっている心の中を整理していきます。
そして、自然にカウンセラーに心を開き信頼することができれば、他人を信頼することに繋がるからです。





 



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