
南Q太にハマったので、他の作品も読んでみようかと思い購入したグッドナイト。これ描いてる時の作者の心情が計り知れないほど重い。
設定的に昼ドラで実写化?とも頭をよぎったけど、(種類は違うけれど)ひばりの朝や、ミスミソウで覚えた、どうにも抵抗のしようのない抑圧と、それに伴うやり切れなさが強烈。

姑に虐げられる毎日を送る晴子は、過去に自分が産んだ子供を夫の姉に奪われた過去がある。
親戚会議で決まったという欠席裁判のまま、成す術もなく子供は奪われていく。

登場人物の誰もが常軌を逸していて、その中で精神が壊れていく晴子。時系列はバラバラで進んでいくものの、疲弊して擦り切れていく表情が秀逸すぎて辛い。
なんというか、姑と小姑のキャラクターを見ていると、魅力的なほどに胸糞で、まるで実在するかのように憎悪を抱いてしまう。それまでに南Q太のキャラクターに込める人間性が深い。

2巻が発売してから暫く経つが、まだ3巻の発売は未定のよう。こんなのコンスタントに描いてたら描いてる方も変になってしまいそう。
読んでいてずっと涙が出そうだった。悲しみなのか怒りなのか気持ち悪さなのか、よく分からない感情が自分の中に湧いてきたけど、多分読んだ人はみんなよく分からない感情を味わうんじゃなかろうか。