2018年02月22日

こちらは、blog 「メパシネマ」です。

メパシを名乗る管理人が鑑賞した映画の感想・批評などの駄文を、その映画を見終わった日付・時間の更新日付で公開していくブログです。
基本的に「DVDパッケージに書かれているあらすじ」の範囲以上のネタバレはしないようにしています。


みなさま、お越しいただいてありがとうございます。
いつもご訪問ありがとうございます。
オガワトリーさん、メッセージありがとうございます。



鑑賞したのにまだ書いていない原稿が現時点で433作分あります。
これから見る分もなるべく貯めずに書きつつ、それらを年内にできるだけ減らすことを2018年の目標にしてきたいと思います。

七つまでは神のうち」「ベイビー・ドライバー」「キュア ~禁断の隔離病棟~」「バイバイマン」「ドント・ノック・トワイス」を見ました。

昨年は
スター・ウォーズ/最後のジェダイ」「マイティ・ソー バトルロイヤル」「ジグソウ:ソウ・レガシー」「IT/イット “それ”が見えたら、終わり。」「ブレードランナー 2049」「エイリアン:コヴェナント」「トランスフォーマー/最後の騎士王」「パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊」「メッセージ」「スプリット」「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス」「ワイルド・スピード ICE BREAK」「ドクター・ストレンジ
を劇場でみてきました。

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メパシ


mepashi at 23:23コメント(0) 

2018年02月19日

Baby Driver 
ベイビー・ドライバー(2017年/アメリカ)

1014

耳鳴りがするので常にiPodを聞いている凄腕の逃がし屋の若者と、彼をとりまく犯罪者たちの顛末を描いたクライムアクション映画「ベイビー・ドライバー」を鑑賞した。主演は「きっと、星のせいじゃない。」のアンセル・エルゴート。監督は「ホットファズ 俺たちスーパーポリスメン!」のエドガー・ライトだ。

お話は白昼堂々強盗する三人組と、彼らを逃がす天才的運転手のベイビー(アンセル・エルゴート)の逃走場面からスタートする。幼い頃に両親を自動車事故で亡くし、居合わせた自身も耳を怪我して耳鳴りが止まらなくなり、それを消すためにずっとiPodで曲を聴いているベイビー。彼は運転中は特にノリのいい曲に没頭し、類まれな運転技術でパトカーらをまいて逃走成功させてみたりした。

彼はかつて車泥棒活動を行っており、その時に誤って裏社会のボスであるドク(ケヴィン・スペイシー)の車を積み荷の麻薬ごと盗んでしまい、その時の借りを返すために強盗の逃がし屋役をやらされていた。乗せる相手がどんなヤバいやつでも顔色変えずに求められた仕事をこなすので、ドクからはその腕を買われていたりする。

そしてようやく借金を返しおわったベイビーは、いきつけのダイナーのウェイトレスで元シンデレラのデボラ(リリー・ジェームズ)と知り合い、あっという間にお互い恋に落ちたりする。この機に悪の世界から足を洗い、カタギとして新しい生活をしていこうとするベイビーだったが、そんな彼の腕前を手放したくないドクが新たな指示を脅し交じりで行い、やむなく再び逃がし屋を行うことになったりするのだが…。

ということでわりとシンプルにあらすじを説明したりしたが、今作の見どころはその軽快なノリ。劇中のベイビーが聴く音楽と場面とか上手いこと同期し、計算しつくされたミュージックビデオを見ているような感覚でハードなドライビングアクション場面が展開されていく。

この感覚はなかなか心地よく、見ていてクセになる。お気に入りの曲をイヤホンで聴きながら外を歩き、その音楽に没頭してPVに出ているがごとく景色を眺めたことのある人ならきっとこの感覚は分かり合えると思う。

また、役者陣も豪華だ。ある意味主人公の父親的存在の裏社会のボスを演じるケヴィン・スペイシーをはじめ、イカレている風だが実際わりと理知的に行動しているジェイミー・フォックス、主人公のイヤホン着用にいまいち納得できないジョン・バーンサルや、一番話が通じそうに見えてその実そうでもないジョン・ハムなどクセのある方々が盛りだくさん。意外なところでミュージシャンのスカイ・フェレイラが主人公の母親役を回想シーンで演じているのも興味深い。

そんなこんなのメンツが前半はハードなチェイスシーン、後半になるとそこに大銃撃戦も加わり、ノリのいい音楽と相俟って最後まで見ごたえのある映画に仕上がっている。ラストまで気を抜けないアクション映画としてもなかなかよくできた作品だ。

しかしながら、その後半が普通の「銃撃戦がすごいアクション映画」となってしまっている部分に物足りなさを感じてみたり。この題材でこのキャラクターらなら、後半をもっとクレイジーで刹那的な逃避行にしたてて見る者にカタルシスを与え、生涯忘れられない一本に仕上げることもできたのではと思う。いいんだけど、ちょっと勿体ないんだよなぁ。

ラストなんて、「ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル」の後半クライマックスシーンとやっていることはほとんど同じだしなぁ。

ということで今回の「ベイビー・ドライバー」。よくできているし、主人公のキャラも無口なのに共感できるというなかなか珍しい一作。だからこそもう一越え、ぶっ飛んだ結末を見せて欲しかったなぁと思う。なんだかんだで、一番狂ってるのはヒロインの子だしなぁ。


mepashi at 23:10コメント(0)洋画:犯罪・マフィア 

2018年02月18日

A Cure for Wellness 
キュア ~禁断の隔離病棟~(2017年/アメリカ)

1013


若き会社の役員が、僻地に治療に行ったきり帰ってこない社長を連れ戻すために遠出し、そこでいろいろあってなかなか帰してもらえなくなる近代ゴシックミステリー映画「キュア ~禁断の隔離病棟~ 」を鑑賞した。主演は「クロニクル」をはじめとして病んでる風の役でいろいろ出ているデイン・デハーン。監督は「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズのゴア・ヴァービンスキーだ。

ちょい暗めのコントラストの「フォックス映画ロゴ」やらが出てきて今作はスタート。どこぞの大会社の営業トップのビル・モリス氏が深夜に残業していて心臓麻痺でくたばる場面から始まるが、後々見返してみるとこの絶命は今作の本筋とは全く関係のないただの突然死で、何か異変が起きたかのように演出されているのはちょっとどうかと思う。

本編となり、お話はニューヨークの金融会社の若き役員ロックハート(デイン・デハーン)がスイスかどこかの奥にある診療所に向かっている場面に切り替わる。彼の会社は近々どこぞと合併する予定なのだが、そのいくつかの書類に不備があり、このままだと会社が窮地に立たされるらしい。その書類を正せるのは療養中の社長ローランド・ペムグローヴ氏なのだが、彼はワケのわからない手紙を返してきただけで一向に帰ってこず、ロックハートは彼の連れ戻しを命じられたわけである。

鉄道を乗り継ぎ、さらに駅から専用タクシーで丘の上の城を改築したその診療所に向かうロックハート。タクシー運転手からは、その城の過去について話を聞いたりする。200年くらい前、そこの主であるライヒメル男爵は自身の血統を穢れなく継いでいくことに執着し、自身の妹を結婚相手に選択。

日本にも一部に多く存在する妹萌え属性の人には模範となるべき存在だが、教会や近隣の方々はマジで気持ち悪いと思ったらしく男爵らを焼き討ち。男爵らの血は絶えて、いまではそこは診療所になっているというわけである。

その診療所にはそこそこの金持ちの多くのジジイやババアが療養に来ており、みな白い服を着てそこそこ楽しそうに穏やかな毎日を過ごしていたりした。ロックハートは社長の面会を申し出るが、面会時間が過ぎているとして院側は拒否。全然会わせてもらえないので憤慨しつつ、とりあえずふもとまで戻って連絡をしようと試みる。が、その帰り道にタクシーは鹿を思い切り轢いてしまって大破。気が付くとロックハートは足を骨折して診療所で寝ていたりした。

文字通り足止めを食らうことになったロックハートは、「ハリー・ポッター」でのマルフォイの父ちゃん似の所長ハインリヒ(ジェイソン・アイザックス)のお勧めでなんだかんだで治療を受けることとなりつつ社長を探すのだが、治療としてやたら水を飲まされたりウナギの幻覚を見たりし始める。一方で、診療所ではかなり若い謎めいた少女ハンナ(ミア・ゴス)と知り合ったりし、やがてその診療所の恐るべき事実を突き止めていったりするのだった。

あと、一度入ったら出られないというわりには、簡単に外出はできたりする診療所だったりもする。ふもとの町まではだいぶ遠いけど。

ということで、びっくりするシーンはだいたいウナギが絡んでいる今作「キュア ~禁断の隔離病棟~」。やたらウナギ、とにかくウナギの演出がエロいんだか気持ち悪いんだか沸からない謎の映像美を醸し出している。というか全体的に近代ゴシックミステリーという感じの雰囲気を携えており、映像的にも景色や建物がとんでもなく美しい。できるだけ高画質で見るべき一作だと私は思う。

一方で、ミステリーとしてのお話のほうは、ちょっと長すぎて散漫かなという印象。上映時間が2時間半近くあるのだが、冒頭の「思わせぶりだけど全く関係ない場面」をはじめ、いろいろ省いてシンプルにまとめればもっとサクッと楽しめるものになったんじゃないかなぁと思う。

とはいうものの、全体的にはゴア・ヴァービンスキー監督が好き放題作った、ちょっと偏った好みが炸裂した面白い一作であると思う。エロゲーみたいな話を実写でやってしまっているなぁという感じでツッコミどころはかなりあるが、絵的な完成度が恐ろしく高いので眼球に対する栄養価は高い。

しかし、今作の「敵」側からすると、ものすごいタイミングで現れたこの主人公をすんなり帰していれば目的は達成できたのになぁと。あと、(詳しくはかけないが)療養に来ているジジイらにとある処置が施される場面があるが、もっと若い人でやったほうが効率がいいんじゃないかなぁと思ったりもした。何のことを言っているかは見た人ならわかると思う。

それと、今作はわりと乳が登場するが、途中に出てくる看護婦の乳は衝撃的だったなぁ。


mepashi at 02:49コメント(0)洋画:サスペンス&ミステリー 

2018年02月13日

The Bye Bye Man 
バイバイマン(2017年/アメリカ)

1012

その名前を知ったら最期、ハードな幻覚をみせられて周囲ともども死に至らしめる、都市伝説的怪人に翻弄される若者らの姿を描いたホラー映画「バイバイマン」を鑑賞した。監督はよく知らないが、今作のロデューサーに名を連ねるトレヴァー・メイシーやマーク・D・エヴァンズは、「推理作家ポー 最期の5日間」「デンジャラス・ラン」「ストレンジャーズ/戦慄の訪問者」「オキュラス/怨霊鏡」「ソムニア -悪夢の少年-」など、なかなかグッドな作品群を手掛けている方々だ。

特に近年のその「オキュラス/怨霊鏡」や「ソムニア -悪夢の少年-」は、幻覚系ホラーとしてなかなか秀逸な出来栄えで唸らされたりした。今作はその流れでさらに理不尽な死の幻覚が次から次へと登場人物らを襲ったりする。ホラー映画の登場人物らは死んだり困らされたりするのが仕事なので、今作の彼らもなかなかいい仕事をしているなぁと思う。

さて、お話は少し過去にさかのぼって1969年10月のウィスコンシン州マディソンからスタート。閑静な住宅地でいきなりトチ狂った地元記者のラリー(リー・ワネル!)が、銃を持って若者らを追い回し、「誰かに名前を言ったのか!?」と確認してから銃をぶっ放す景気のいい場面から描かれる。

そして話は現代へ。BWというブレアウィッチみたいな名前の町に住む学生のエリオット(ダグラス・スミス)とそのガールフレンドのサーシャ(クレシダ・ボナス)、それから二人の親友でもある黒人男性ジョン(ルシアン・ラヴィスカウント)は古い屋敷を借りてそこで共同生活を始めることとなった。男2名と女1名という昔のドリカム状態だ。ドリカムの一人も今作の主人公らもラリッたりするので、あながち関連性がないわけではないなと思ったりする。

引っ越しをしてから落ち着いたところで友人やエリオットの兄夫婦などを呼んでパーティーを行ったりするが、その兄夫婦の幼い娘がエリオットらの寝室のテーブルでおかしなコインを発見。話を聞いたエリオットがそのテーブルを調べると、引き出しの中には「いうな。考えるな。」という大量の気持ち悪い書き文字と、隠されるように書いてあった「バイバイマン」という文字を発見する。

そのパーティーにはちょっと霊感のあるキムという女子も来ており、引っ越しをしてからちょっと家の中でヘンな気配を感じていたサーシャらは、キムにお願いして交霊術を行うことに。それなりに霊視能力を発揮するキムだが、エリオットがふと発した「バイバイマン」という名前を聞いて場は大荒れ。とりあえず皆動転しつつ解散する運びとなった。

その晩キムは泊り、ジョンと寝るもジョンが勃たずに気まずい結果となるのだが、それはあんましどうでもいいので深くは触れないことにする。交霊術の後から家の中のおかしな気配が強くなり、エリオットらは変な物音を聞いたり、黒いフードを着た男が襲い掛かってくるヴィジョンにさいなまれたりする。

どういうことやねんとネットや図書館で気になったワードを調べるうちに、その「バイバイマン」という名前を知って口にしたり聞いたりした人らは、みなとんでもないことになっていると判明。やがて死者が出始めたりして、エリオットはバイバイマン現象を止めるべく駈けずりまわったりすることになるのだが…。

意外なところで「マトリックス」のキャリー=アン・モスが警部役で出てきてほぼ活躍しないという今回の「バイバイマン」。抗うことが難しい凶悪な殺人幻覚にさいなまれて不幸な事態に陥っていく若者らの姿に手に汗握るなかなかのホラー映画だ。図書館の女性のくだりも不気味でよい感じ。

現実と区別がつかない幻覚を見せられるのでどうしようもなく、かつそれがなかなか底意地の悪いものばかりで、”最恐の鏡に幻覚を見せられまくる”という「オキュラス/怨霊鏡」の発展形的な感じのホラー描写が楽しめる一作だ。ただ、「オキュラス/怨霊鏡」は鏡を破壊しに来た人を邪魔してくるのに対し、今回はどこにいようと関係なく白昼夢を見せてくるので、ちょっと焦点が絞り切れていない印象がある。

それでもラストまでしっかりハラハラさせてくれるなかなか良質なホラー映画だ。ラストの幕引きも想像の範疇ながらあれ以上のものはなかなか無いと思うし、この題材でもう1,2作くらい作れそうな伸びしろを感じさせられる。一時間半くらいでサクッと鑑賞できて満足感を感じられる、ホラー映画の基本みたいな一作だ。


mepashi at 02:10コメント(0)洋画:ホラー 

2018年01月27日

The Wall 
ザ・ウォール(2017年/アメリカ)

1011

アメリカ兵が正体の見えない狙撃手に狙われて辛い時間を過ごす戦場サスペンス映画「ザ・ウォール」を鑑賞した。主演はなんだかどんどんゴツくなっている印象のあるアーロン・テイラージョンソン。監督は「ボーン・アイデンティティー」や「オール・ユー・ニード・イズ・キル」のダグ・リーマンだ。

お話は2007年ころのイラク戦争末期。戦争がだいぶ落ち着いてきたので、米軍はイラクの現場のインフラの回復とか建設現場の警備とかそういうのをしていたりした。そしてあるパイプラインの建設現場から連絡が途絶えたので、観測役のアイザック(アーロン・テイラージョンソン)と狙撃手のマシューズ(ジョン・シナ)の二名の兵士が偵察に向かう。お話は現場に到着した頃合いから始まったりする。

砂塵舞う砂漠の中のその現場には、建設作業員や兵士ら数名が一撃で狙撃されて絶命している遺体が転がっており、撃ったやつの姿は見えない。しばらく遠くから慎重に偵察していた彼らだが、「もう敵はこの近くには居ないんじゃね」と判断し、まずマシューズがもう少し現場に近づいていろいろ調べてみようとする。

そこで突如どこからともなく銃弾がマシューズの腹部を直撃。即死は免れるものの倒れて動けなくなる。アイザックもあわせて助けに向かうが、ひざや背中の荷物などを撃たれ、マシューズを助ける暇もなくレンガが積み上げられた壊れかけの壁の背後に隠れることに。膝からはどくどくといい感じに血が流れ続け、水なども乏しく、全く身動きできない状況に。

無線で応援を呼びたいが、どうやら狙撃手が正確にアンテナを狙って撃ってきていたようで、壊れて全然つながらない状況。その時、アイザックの無線に連絡が入り、その声が姿の見えない狙撃手のものだと分かる。なぜかアイザックの身の上などを聞いてきたりする狙撃手だが、果たしてこの絶体絶命の状態をアイザックは脱出できるのか? というお話だ。

ということで今、ピンク・フロイドの「ザ・ウォール」を聴きながらこの文章を書いているが、どうも実在したイラクの伝説の狙撃兵ジューバというやつをモチーフにしたお話らしい今作「ザ・ウォール」。

アルバムが7曲目に差し掛かり、聴いている曲とこの文章を書いている対象の映画の雰囲気が全く合わないのでここら辺で再生を止めることにするが、とにかくそのジューバという男はイラク戦争でアメリカ兵を30名以上殺害した凄腕の狙撃兵らしい。そしてアメリカ側はそいつの顔を結局見ることができずじまいだったとか。

そんな今作でも主人公のアイザックとプロレスから俳優に転向したがドゥエイン・ジョンソンほどにハネられていないジョン・シナ扮するマシューズがその見えない狙撃手に翻弄され、失血死と脱水の危機にさらされて窮地に追いやられていく様がワンシチュエーションで描かれていく。やりとりはほぼ消耗戦なので大きな動きはさほどなく、ジリジリと照り付ける太陽の下での緊張感あるやりとりにこちらも焦らされていく。

姿の見えない敵が無線でいろいろ話しかけてきて、いらだつアイザックから身の上話などを聴こうとするのはなぜなのか? まさか友情が芽生えたりとかしないだろななどと思いつつ見ていたが、後半になってその真意や、反撃した形跡のないパイプライン作業員らの遺体の謎の真相などにつながり、それなりに「ああ。なるほどね」と思わせられるお話にはなっている。

そんな今作「ザ・ウォール」は90分という比較的短い上映時間であるが、場面に変化がないので長いなぁと思う人もいるだろうなぁ。後半のオチもおそらく多くの人が「こうあってほしい」と思うものとは異なるだろうし。見る人によって評価が大きく分かれる作品だろうなぁ。

私は人が死ぬシーンのあっけなさやその無情さ、1500メートル先から撃ってきているので着弾の後に音が聞こえるという描写とか、なかなか楽しませていただいたりはした。アメリカ万歳で終わらないところも現実的(?)でいいなぁと思う。繰り返し何度も見ようと思うたぐいの作品ではないが、見ていてそれなりの満足感を得ることはできた。

しかし、狙撃手は忍耐力がないと務まらないなぁ。ずーっとあの場にいて機を狙っているんだよね。よく街にいる浮浪者よりはるかに臭いんじゃないかなぁ。


mepashi at 00:08コメント(0)洋画:戦争・戦場 

2018年01月26日

The Dark Tower 
ダークタワー(2017年/アメリカ)

1010

原作がどえらい長い小説なのに1時間半の映画にまとめるという非常に恐ろしいことを成し遂げているスティーブン・キング原作のダークファンタジーアクション映画「ダークタワー」を鑑賞した。主演は新人ながら眼力が強くて将来が楽しみな少年トム・テイラー 。そして脇を固めるのはいつも仏頂面をしている黒人イドリス・エルバ と、凶器をはらんだ演技がすばらしい怪優マシュー・マコノヒーだ。

お話はなんだか地震が多い現代のニュー・ヨークのこと。小学生くらいの少年ジェイク(トム・テイラー)は毎夜毎夜おかしな夢を見る。荒野にどでかい塔が立っており、ネズミ人間を従える黒い服の魔導師ウォルター(マシュー・マコノヒー)が子どもらをさらっておかしな機械に縛り付けて塔を壊すためのビームの燃料にしていたり、ガンスリンガーと呼ばれるローランド(イドリス・エルバ )という男がウォルターと戦っていたり。

夢で見た光景をなかなか上手い画力で絵にしまくっていたり、その夢で起きている塔デストロイ活動が現実の世界の地震を関係あるといい、中二病全開かよと周囲を困らせるジェイク。消防士か何かだったジェイクの父は事故で他界しており、まだ若い母は新しい男と住んでいるがそいつはジェイクが邪魔だったりする。中二病の症状がひどすぎるということでジェイクの施設送りを進める継父。愛すべき部分がみつからない露骨なクズだ。

その児童施設から職員の人が迎えに来るが、こいつらが夢にでてきた「人の皮をかぶったネズミ男」だと確信したジェイクは逃亡。追いかけるネズミらを振り切り、夢に出てきたとある家へと訪問。そこには別世界に移動できるワープゲートがあり、ジェイクは「中間世界」と呼ばれる場所へと移動するのだった。

ジャパリパークを歩く人間みたいな感じで荒野を歩くジェイクは、前述のローランドと遭遇。夢でウォルターのことを見ていた話をきいたローランドは彼と行動をともにしてウォルターを倒す旅に出たりする。ジェイクが夢で見ていたとおりのものがこちらの世界に広がっており、その中心にはあのタワーが。それを壊されると外からドえらい魔物らが入ってきてどうしようもないことになるらしい。ウォルターというヤツがそれを望んでいるようだ。

そのウォルターは後ろから頭部を狙って撃って来た弾丸を素手で止めたり、言霊のように人に命令をしてそのとおりに相手をマインドコントロールできる強力な魔導師であり、道徳心皆無な彼もジェイクの存在に気づいてこれを捕らえようとする。ローランドとではパワー的には明らかにウォルターのほうが上。果たして彼らの戦いの行方は?という感じ。

ということで、なんとなくメルヘンを欠いたナルニア国物語という感じの今作「ダークタワー」。非常にコンパクトにまとめられた順当なダークファンタジーで普通に面白いのだが、同時に「本当にスティーブン・キング原作の映画化かこれ?」という感じだ。クオリティは問題ないのだが、キングの世界を圧倒的筆力で映画化した同年の「IT/イット “それ”が見えたら、終わり。」とは真逆の印象だ。

それっぽくはないがファンタジー的な異世界なので、ヤバい風貌のモンスターもいくつか登場。前述のネズミ人間もそうだし、人の弱みにつけこんで幻惑してくるやつとか、しっぽが長くてそれで刺してくるやつとか、中盤はそこそこ面白みのあるヤツが登場。ドラクエよりファイナル・ファンアジー寄りの敵が多い。

そんなやつらと出くわして戦いつつウォルターを追うローランドとジェイクだが、途中で敵の居住地が歩いて半年くらいかかる場所にあると判明。時間的に無理だなぁと思ったところでいったん現実世界に戻り、そこからワープで敵の基地を攻めようとかなかなかメリハリのある展開が続く。ローランドとジェイクの関係も、父子のようであったり、用心棒であったりと、ウェットになりすぎずちょうどいい距離感。

そんな今作の目玉はイドリス・エルバ扮するローランド対ウォルターの家来たちの銃撃戦。45口径6発入りの銃のみをストイックに使い、大量の敵を皆殺しにしている後半の場面は間違いなく今作のハイライト。そしてそのあとの魔導士ウォルターとのサシの対決も見逃せない。銃で戦うローランドに対し、「マトリックス・リローデッド」以降のネオが使う能力みたいなので攻撃を無効化してきたりするウォルター。一瞬も気の抜けない対決だ。

ウォルターを演じるマシュー・マコノヒーの圧倒的存在感も今作を見ごたえのあるものにしていると思う。ヒューマンドラマから法定サスペンスまでこなすその演技力と存在感に定評のある彼だが、一方で「ペーパーボーイ 真夏の引力」や「マジック・マイク」「キラー・スナイパー」など、いかれた気違いを演じさせてもピカイチの彼。今作はそのやばさが上手いこと打ち出されていて凄みに転化している。

というわけで、遠景のみの登場でそのタワー自体には全く近づくことのない今作「ダークタワー」。とにかくシンプルでアクションシーンのクオリティも高い。まとまりのいい一作で、気軽に楽しむには充分なダーク・ファンタジー作だ。ラストの主人公らの顛末は、この手の映画にしてはちょっと珍しいなと思った。まぁ、残っても仕方ないしね。


mepashi at 00:39コメント(0)洋画:ファンタジー 

2018年01月24日

Veronica 
エクリプス(2017年/スペイン)

1009

死んだ父ちゃんに会いたくてコックリさんをやったらどえらいものを呼んでしまった系ホラーの一作「エクリプス」を鑑賞した。監督はパコ・プラサという方。ジャウマ・パラゲロさんと共に「REC/レック」シリーズを三作目まで監督された人だ。

原題のヴェロニカが今作の主人公。スペインのマドリードに住む彼女は15歳だが身長があるのでもう少し上に見える少女。1991年6月15日の深夜、ヘラルド・ヌニェス通り8番に住む彼女の家から「家にアイツがいる!助けて!」と通報が入る。駆け付けた警察が部屋に突入し、鮮血が床にしたたるその中でなにやらとんでもない光景を見たようなところで場面切り替え。3日前の朝になる。

目覚ましで起きたのは15歳のベロニカ(サンドラ・エスカセナ)。この身長で15歳かよと驚くが、彼女は父親を亡くしており、生計を立てるために夜遅くまでダイナーか何かで働いて朝は寝ている母に代わり、双子の妹と幼い弟の面倒を見ていたりした。同世代の友人らが青春を愉しむ中、彼女は子守りを余儀なくされていてストレスがたまり気味。

そんなある日、日中に日食が見えることになり、学校では皆が昼間に屋上に行ってそれを観測することになっていた。そのまさに日食の時間に交霊術をすると効果があるという親友ロサの誘いで、観測を抜け出したベロニカとロサ、もう一人ディアナの女生徒三名は学校地下の物置へ。陰のパワーで、儀式の効果を高めようというわけだ。

そこで交霊用のボードを出し、三人でコップを指でおさえて万国共通の楽しい儀式である「コックリさん」のようなことを始めたりする。「呪い襲い殺す」にも出てきた、海外仕様のウィジャボードというやつだね。

特にヴェロニカはそのコックリさんで亡くなった父と交信したいと考えており、話したい相手の遺品となる写真を手にコックリ開始。日食の時間に合わせてその儀式を行うと、うまいこと何かからの返答が。そこでなぜかヴェロニカだけ何かにとり憑かれたようになり、ボードから火が出たり割れたりして奇怪な現象が。友人らが驚いて心配する中、ヴェロニカはやたら大きな口を開けて叫び、そして倒れこんだりするのだった。

医務室で目を覚ました彼女は特におかしなところもなく、呆然としつつも帰宅。それから家で何かおかしなものがいる気配がおき、ヴェロニカや二人の妹と弟に徐々に危険が迫ってくる。仕事で忙しい母ちゃんに話しても「大人になれや」と取り入ってもらえず、徐々に追い詰められていくヴェロニカ。

友人らの周りでは特に怖い現象は起きておらず、一人テンパっているヴェロニカを面倒くさがり、自宅に他の友人や男を招いてパーティーとかしていたりする。自由な子たちだなぁ。

そんな中、彼女の通う学校には盲目の老シスターがおり、なぜか地下のその物置に一人でいることが多いのだが、めくらの目のかわりにいろいろ見えないものが見えている彼女から儀式のキャンセルの仕方を聞いたヴェロニカは悪しきものを退散させようと必死になったりする。しかし、さらに恐ろしいことが次々と起き、そして冒頭にあった警察通報場面の顛末へと物語は帰着していったりするのだった。

というようなスペイン産のホラー映画「エクリプス」。ホラー描写はほどほどの出来栄えで、よくある海外のホラーだなという印象。中盤まではわりかし地味な攻め方だったり、怖いシーンのBGMが少しヘンだったりするが、ラスト20分くらいはそれなりに激しい展開となってクライマックスになだれ込んでいく。

中盤にある、主人公がとある者たちに噛まれまくる白昼夢の場面は、この監督が過去に手掛けた「REC/レック」シリーズのゾンビの捕食描写を想起させたりするなぁ。

そんな感じで今作は突出して特徴がある映画というわけでもないのだが、これがスペインの警察がマジものの超常現象による事件であると認めた実際に起きた事件の映画化だと知って見方が大きく変わったりもする。実話かよ、と。

もちろん、(幼い妹らに取材したのかもしれないが)怪物にとり憑かれて怖い目に遭うホラー場面はフィクションかもしれない。しかし、事の顛末となる事件のオチ部分はきっと本当のことで、この15歳の主人公の悲惨な運命にちょっと心を痛めてもみたり。余裕がなくて、追い詰められて、本当に辛かっただろうなぁ。

あと、死んだ父ちゃんは何やってるんだよと。


mepashi at 02:26コメント(0)洋画:ホラー 

2018年01月21日

Wonder Woman 
ワンダーウーマン(2017年/アメリカ)

1007

人前では憚られるような奇抜な恰好で敵をしばく無敵の女性の活躍を描いた戦争映画「ワンダーウーマン」を鑑賞した。バットマンとかスーパーマンを擁するDCコミックスのシリーズの一作で、タイトルロールの彼女は「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」に強引に初登場して一番目立っていたりした。

その「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」では、ワンダーウーマンの過去のエピソードを想像させる一枚の古い写真が出てきたりしたが、今作ではその写真を撮られるに至った経緯も含め、生い立ちやらなにやらの「ワンダーウーマンとは何か」の説明編という感じに仕上がっている。

お話は第一次世界大戦より前のこと。神に守られて外界から遮断された場所にアマゾン族の島があり、そこには男とババアが一人もおらず、女たちが日々弓や剣などで戦闘訓練を受けている。そんな中で島の女王のアンティオペ(ロビン・ライト)の幼い娘、のちのワンダーウーマンとなるダイアナは自分も強くなりたくてウズウズしていた。

アンティオペの妹であり島では最強の女将軍ピッポリタ(コニー・ニールセン)に訓練をしてもらったダイアナはメキメキと強くなり、更に島のみんなも驚くほどの力を発揮。詳しい説明の下りを適当に見ていたのであんまし覚えていないが、どうやら彼女は神ゼウスの力を授けられた子らしい。そして彼女はゼウスと敵対する悪の軍神アレスに狙われていたりすると。

そんなある日、ダイアナ(ガル・ガドット)が実年齢30歳くらいになったころ、島を守る結果意を破って一機の戦闘機が浜に墜落。それをみかけたダイアナがパイロットであるスティーブ・トレバー(クリス・パイン)を救う。彼はスパイとしてドイツ軍に潜入していた連合国の兵士であり、ドイツ軍に属する科学者がとんでもない毒ガスを発明したのを見てそのレシピをパクり、追っ手から逃げてここまで来ていたりした。

てか、マヌーサで目くらましされているだけで、わりと簡単にその島の圏内に入れるんだなと驚く。もっと神聖な力で守られているのかと思った。「キングコング:髑髏島の巨神」の島の周りの暴風雨の壁を見習ってほしい。あれだと内から外に出ていくのもままならないけど。 

そんな防御力0の島の浜にすぐに追っ手のドイツ軍が侵入してくるが、それをフィジカル能力の高いアマゾネス部隊が急襲。敵の銃撃を前に犠牲を出しつつも何とかこれを殲滅することに成功する。つか、ワンダーウーマン以外は生身の人間で銃で撃たれれば簡単に死ぬのね。

お話が前後したが、前述のスティーブの経歴を知るアマゾン一族たち。その毒ガスはあまりに強力で、ガスマスクをしていても腐食させて容赦なく殺せるというもの。おそらくは1年以上身体を洗わず、衣類も洗濯させない状態にして、肉や脂だけを食わせ続けた20代~40代くらいの肥満男性の体臭を抽出して濃縮したガスの類だと思われる。それを開発し、連合国にばらまこうという企てのようだ。

島の外でそんな戦争が起き、人々がガンガン死んでいる事実を知り、愕然とするダイアナ。そのすべてには軍神アレスが絡んでいると確信したダイアナはスティーブについていくことを決意。果たして初めて外に出たダイアナはカルチャーガップに戸惑いつつも戦地に赴き、その人間離れした力で活躍していくのだが…というお話だ。

そんなこんなの「ワンダーウーマン」。主人公の無垢な存在を通して、戦争の悲惨さや無情さを丹念に描いたヒーローアクション映画の体裁をとった紛れもない戦争映画だ。特にワンダーウーマンの視点を通して見える、人間同士が争うことの醜さに心がズキズキと痛む。

そんなつまらない話は置いておいても見どころはやはりそのアクション。「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」でも魅せたそのスピーディーでキレのある動きとパワーが今作でも遺憾なく発揮されていく。

敵兵の銃撃を防いで跳ね返し、突入していってなぎ倒していく様はまさに「1メートル70センチ級の雌型の巨人」という感じ。また、とらえたものに真実を話させるという恐ろしい効力を持つ投げ縄という武器も面白い。女性らしい武器だなぁ。

一方で、島の外で初めて見る文化に触れてとんちんかんな行動をする場面や、初めてみる男といろいろズレたやりとりをするさまなど、コミカルな場面もちらほら。この天然で精神年齢10歳くらいの女性の行動を、酸いも甘いも一通り経験していそうなガル・ガドットが演じているからそのギャップが面白い。今作のもう一つの見どころだ。

そんなわけで全体的によくできた今作「ワンダーウーマン」。しかしながら、ラストバトルだけは少々モタついたなぁ。今作もこのシリーズの過去作同様、アベンジャーズたちでは勝ち目のないレベルの戦闘力をみせる強敵とのバトルがあるのだが、そいつとの戦いが「ドラクエ」のターン制みたいなやりとりで、もっとスピード感が欲しいなぁと思ってみたりした。

最後の一撃の演出も、ものすごくダサいしね。。でも、全体的には少なくとも同じシリーズの「スーサイド・スクワッド」よりよほどいいかな。とりあえず、ダイアナがどうしてあれほど強いかは十分に理解できた。

あと、中盤でダイアナがスティーブと部屋でいいムードとなり口づけを交わす場面があるのだが、そのキスをしたあとに場面がすぐに暗転して翌朝に。いやいや、肝心なのはそのあとだろう?! エロ目的の話ではなく、上手くいくか、ちょっと失敗しちゃうかも含め、島で無垢に育った彼女がどうなるかの肝心なシーンだと思うのだが、その描写を逃げるなよ。。。


mepashi at 00:03コメント(0)洋画:戦争・戦場 

2018年01月20日

Alice Through the Looking Glass 
アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅(2016年/アメリカ)

1006

正気とは思えない格好のキチガイをジョニー・デップが演じて主役的な宣伝がされているが、主演はミア・ワシコウスカとなっている2010年の前作から6、7年ぶりの続編「アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅」を鑑賞した。前回はティム・バートン監督だったが、今回は別の人がメガホンを振り回している。

だいぶ前に見たのでほとんど覚えていない前作を軽くおさらいすると、少女ではなく20歳くらいのアリス(ミア・ワシコウスカ)が金はあるけど若干キモくて胃腸の悪い男に求婚され、嫌だけど断りづらくて困っているところでひょんなことから不思議な世界に行く。

そこでは白い女王(アン・ハサウェイ)と赤い女王(ヘレナ・ボナム・カーター)が対立していたり、いそんな不思議な生き物がいたりして、そこでアリスは赤い女王と戦うことになり、なんとかやっつけて現実に戻ってきたんだったなぁと。冒険して心が強くなったアリスはキモい男の求婚を断って幸せに暮らしましたとさ。

そしてその続編の本編。アリスの父ちゃんはすでに他界してしまったようだが、アリスはその父の船を継ぎ、船長として一年くらい貿易の航海に出ていたりした。いきなり始まったら海の場面で、海賊船とかに追われているので最初「パイレーツ・オブ・カリビアン」のディスクを間違えて入れたかと思った。

そんでもってロンドンに帰ってくるアリスだが、父の会社に資金提供しているスポンサー企業の会長が前述の金持ちのキモい男になっており、前にアリスに求婚を断られてひどくメンツに傷がついた彼は大人げない嫌がらせを決行。アリスの父の船を売り、自分の会社に事務員になれと圧力をかけてくる。

アリスの母ちゃんも「女はこうあるべきだ」とその流れにのっかり、男尊女卑でなんだかやたら胸糞悪い展開。ああ、これはきっと後半でこの金持ちをギャフンと言わせて、この映画を見ている女性客の気分を晴らして支持を得ようとする流れになるんだろうなぁ。

そんなムカつく男が主催するパーティーに参加せざるを得なくなったアリスは、露骨に中国市場に媚びた中華ドレスで参加。その会場で故アラン・リックマンの声で喋る蝶に導かれ、人の屋敷をさんざん駈けずりまわし、そして人の家の鏡の中に突入する。その先は前作で訪れた不思議の世界だったりする。6年ぶりの訪問だ。

不思議の国では、喋る犬や消える猫、メタボリックな双子や政務をほったらかしてくつろいでいる白の王女などが久しぶりのアリスを迎えるが、前作でアリスと仲がよかったマッドハッターことイカレ帽子屋(ジョニー・デップ)の様子がおかしいという。彼はもう何年も前に亡くなっている彼の家族が生きているはずだといい、「もう死んでるんでしょ」となだめるアリスを拒絶して家の戸を閉ざす。

このままではただでさえおかしいイカレ帽子屋が消沈して死んでしまうということで、めんどいから放っておけばいいのにみんなで何とかする方法を思案。その中で方法を思いついた白い王女がやたら大げさな演技でその手段を告白。それは世界の「時間」をすべて制御し支配するタイム(サシャ・バロン・コーエン)が持つ大時計の機動エンジンであるクロノスフィアというものを使い、過去に戻って帽子屋の家族の死を止めるというもの。

時間がもったいないのでさっそくタイムの城にいき、クロノスフィアの貸与を依頼するアリスだが、「そんなことをしたら世界が崩壊する。馬鹿か?」とアリスを幼稚園児扱いして一蹴するアリス。するとアリスはタイムの隙をついてクロノスフィアを強奪。その力を使って過去の様々な分岐点となる出来事の日にタイムスリップし、帽子屋の家族だけでなく赤と白の女王の確執などさまざまなこの世界の秘密を知っていったりするのだった。

ということで今回の「アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅」。サシャ・バロン・コーエン演じるちょっとコミカルかつ威厳あるタイムというキャラが初登場し、こいつが管理するクロノスフィアというタイムマシンをパクッたアリスが過去に移動し、そこでいろいろ見たり、干渉したりしてしまうといういわば「バック・トゥ・ザ・フューチャー」みたいなお話。お話の組み立てやスピード感など、なかなかよくできている作品だ。

しかしながら、作中のアリスの行動があまりに迷惑で、中盤から見ていて気分を害する場面がちらほら。彼女が強奪した秘宝を「世界がぶっ壊れるから早く返せ」と追うタイムのほうが100倍分別があり、アリスがあまりに自分勝手に動くのでどうなんだこれはと思ってみたり。早く返せよ、馬鹿と。

アリスが12歳くらいのガキならこの行動も意味はわかるのだが、「クリムゾン・ピーク」では夜の営みも今作では船長も経験している経験豊富な大人の女性(28歳くらい)だというから何とも擁護のしようがない。世界が崩壊する危険性があっても、友達のイカレ帽子屋ひとりのメンタルのほうが大事だというロジック。

アメリカ映画によくある、「自分の信念や大切なものを守るためなら、他の人に迷惑がかかっても仕方ない」というある意味「逆セカイ系」というやつか。「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」のときのキャプテン・アメリカと同じ思考だな。アリスが好き勝手にタイムスリップしまくるのも、赤の女王がわがままでそれを使うのも大差ないと思う。

しかしながら、それで終わるなら本当に気分が悪いだけの映画なのだが、ラストでアリスがしっかりと反省と挽回をし、起こした混乱の汚名返上以上の活躍をして不思議の世界の大きな問題を解決することとなる様はなかなか良い。このあたりはさすがのディスニー映画だと思う。アリスをただ反省させるわけではなく、目的を達成させたうえでさらにそれ以上の功績をもたらしてハッピーエンドとなるのだがら苛立ちで握りしめたこぶしを下げざるを得ない。

というか、大人の女性と書いたが、この時代の教育水準や学問は現代とは比べ物にならないほど拙く、今の時代の人間と比べて大きく馬鹿なのは仕方ないかもしれない。タイムパラドクスの概念とか、何がよくないのか全く理解できなくても当然だろう。それに目くじら立てるこちらも大人げないかもしれないなぁ。

そんなこんなの「アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅」。鑑賞後の満足度はなかなか高い。そして言い忘れたが今作の映像面の完成度もすさまじく、総じてファンタジー映画としてかなりのクオリティだと思う。作中後半に出てくる赤の女王の城のあまりの不衛生さも見どころの一つだ。

そういえばラストで、アリスの母ちゃんが例のクズ男を思い切り罵倒する場面があるが、アンタの娘アリスもたいがいだぞと言いたい。中盤の(おそらく衣装をチェンジさせるためにだけ挿入した)精神病院脱出のくだりで、見知らぬ貴族の馬車を盗んで逃げておそらく返却してないぞ。


mepashi at 17:12コメント(0)洋画:ファンタジー 

2018年01月19日

Annabelle: Creation 
アナベル 死霊人形の誕生(2017年/アメリカ)

1005


メスのいっこく堂みたいな人形が怖い2014年の「アナベル 死霊館の人形」。その続編であり前日端となる第二弾「アナベル 死霊人形の誕生」を鑑賞した。ジェームズ・ワンによる「死霊館」のスピンオフだ。元のもスピンオフも含めて、十字架があんまし効果を成さないシリーズで、今回の監督は「ライト/オフ」のデヴィッド・F・サンドバーグが手掛けている。

今回は邦題にもあるように、あの実在する全米最強の呪い人形がどう誕生したのかが描かれるらしいと事前に情報を入手した。あれっ。あの人形自体は好き者にはたまらないアンティークドールで、前作の冒頭で気違い惨殺犯の女が絶命する際に呪いをかけたからじゃなかったけ?もう誕生場面は語られているやんと思っていたが、とりあえずまずは見てから考えていきたいと思う。

お話はかなり昔の1945年のこと。見た感じアメリカの荒野に一軒の家があり、そこには腕のいい人形職人のサミュエルと妻エスター、そして最愛の娘ビーが暮らしていた。ちょうど冒頭でそのサミュエルが例のアナベル人形をこしらえたところからスタートする。ああ、このおじさんが人形自体を作ったのね。ちなみに本物のアナベル人形はもっと雑なつくりなので、とりあえず今回の話は映画用のフィクションということだろう。「実際の事件に基づく」とか出てこなかったし。

その親子は仲良くくらしていたが、ある日交通事故が起きて娘のビーが轢死してしまう。それから12年後の1957年。奥さんのエスターは寝たきりになっており、サミュエルは広い家を孤児院として家のない方々を受け入れることを決意。若いシスターのシャーロット(ステファニー・シグマン)と6名の孤児(全員女子)がやってくることとなった。

2人はわりともう育っていてそれなりに顔やスタイルもいいキャロル(グレイス・フルトン)とナンシー(フィリッパ・クルサード)。それから少し年代が下がって劇中で安増活躍もしないしそれほど怖がる場面もないティアニー(ルールー・サフラン)とケイト(テイラー・バック)。この二人は頭数増やし要員だろう。

そしてお話のメインとなるのが、病気をして片足が動かないジャニス(タリタ・ベイトマン)と彼女と一番仲がいいリンダ(ルールー・ウィルソン)だ。二人は「どこかの家に一緒にもらわれていこうね。」と固く誓いあっている。まぁ、受け入れ先の家庭の都合も考えてほしいと思う。

家に到着し、広い家の中を散策したり、寝る部屋を決めたりする6人の孤児たち。が、微妙に家の中に不気味な気配を感じ、女子らの何名かは敏感にそれを感じ取ったりする。そしてある晩、目を覚ましたジャニスは誘われるように「入ってはいけない」と言われていた亡きビーの部屋に入ってしまい、その奥にしまわれていた例のアナベル人形を見つける。

それから怖い事件が徐々に多くなり、ジャニスはいよいよ何かに襲われて大けがすることに。他の何人かも怖い目に遭い、そしてついにはジャニスが何かに取り憑かれて性格が変わってしまう。これはすべてあの人形のせいだと確信したリンダは、深夜に人形を遠く離れた井戸に捨てることを決意。

大きな井戸のふたを開けるときは井戸の内側から上を仰ぎ見るアングルになるのは万国共通。あの時点では中に誰もいないのに、だれの目線だよ。

しかし、もちろんそれで終わるはずもなく、捨てたはずの人形が帰ってきたり、リンダは変なおもちゃの武器で対抗するも当然効果がなくさらに事態が悪化したりして、皆は恐怖に襲われていったりするわけだった。というのが「アナベル 死霊人形の誕生」のお話。

さて、今作だが、中盤まではさほど怖くなく、静かで不気味な状態が続くのみだったりする。アナベル人形が、動きそうでいてはっきり動かないのは前作と同じで、それをこちらも知っているから人形の怖い動きなどは期待はしていないのだが…。正直ダルくて、「大丈夫かなぁ、これ」と思いながら見ていたりした。スピンオフの続編でさらにパワーダウンしてダメになるパターンかなと。

が、後半になるにつれ恐怖描写が加速し、規模や事象も派手になり一気に引き込まれていく。前半が静だったからこそ、後半の爆発はなかなかのもの。トータルで見れば、メリハリが効いていて前作よりずっと面白い。

人物が怖い状況に遭遇 → 恐怖とBGMが止んで10秒ほどたち、見ているこちらもわかっていても気が緩む → また怖いのがドーン! という驚かせの王道パターンが何度も出てくるが、悔しいがよくできていると思う。特にカカシがいる小屋の場面とラスト20分はまさに地獄。ホラーとして充分な出来だ。

そして、「死霊人形の誕生」として、きっちり前作につなげてきてくれるのも嬉しい。詳しくは書けないが、演じる役者の雰囲気が違うのでちょっと違和感はあるが、話の筋はしっかり通って「アナベル人形がどうしてヤバいか」の説明が成り立っている。よくできた前日端だなぁ。

まぁ、家主の人形職人サミュエルが普通のいい人なのに、「こいつがおかしい」と軽くミスリードさせるためかシスターと話すシーンで妙に距離が近かくてシスターがわずかに後ずさったり、ねちっこく顔を見てきたりする描写は要らないんじゃないかなぁと思う。

ということで「アナベル 死霊人形の誕生」。まずまずの出来栄えだ。まぁ、悪魔が出てくるとちょっと萎えるけど。幽霊のほうが怖いのにと思うのは日本人だからかな。


mepashi at 01:08コメント(0)洋画:ホラー 

2018年01月16日

Dawn of the Planet of the Apes 
猿の惑星:新世紀(ライジング)(2014年/アメリカ)

1004


2011年にリブートされたSF映画の金字塔シリーズ「猿の惑星」。その三作目がすでに公開済でもうそろそろソフト化されようという頃、遅ればせながら2014年の二作目「猿の惑星:新世紀(ライジング)」を鑑賞した。見れば面白いというのはわかっていたが、なぜか後回しにしてしまっていた一作だ。次に続くだろうから、続編を待って一気に見たいなぁと当時思っていたかも。

前作をおさらいするとアルツハイマーの特効薬の研究をする会社の青年ウィルが薬をチンパンジーに投与して実験しつつシーザーと名付けて飼い、超賢くなってきて友情をはぐくんできたところでいろいろあってシーザーはつかまり、薬を奪取して他のチンパンジーらにも投与して賢くし、逃げ出して森に住み着いたという感じ。同時にそこで人間側が作っていた薬がものすごい感染性のある毒であり、それが世界にばらまかれてしまって人類の滅びを示唆されて終わっていたのが印象深い。

お話はその前作「猿の惑星:創世記(ジェネシス)」から10年後のサンフランシスコのこと。シーザーや彼に服従するコバらはけっこうな数に増え、一大家族として森に住処をこしらえていた。シーザーはわりと喋れ、他の猿さも手話がわかるのでそれなりに会話をしている。森の外には出ないようにしているので人間たちがその後どうなったかは知らず、もう二年くらい見ていないので「あいつらもう滅んだんじゃね?」とか話したりしている。木で作った槍などを手に、森でシカなどを狩して食料としていたりした。

ウィルスでほとんどの人間が死にまくる世界なので、私もこれを読んでいるあなたもこの映画の中では活躍する前に絶命だろう。もしも仮に「映画の中に入れる魔法のチケット」が手に入ったら、いやなやつをこの映画に放り込んであげればいいと思う。きっと楽しいと思う。

そんな折、その森に複数人の人間が現れて一食触発の自体に。彼らは殺人ウィルスに免疫があって生き残っている少数の人間たちの何人かで、ふもとにある大きな橋を渡った先の廃墟タウンの一角にコミュニティを気づいていたりした。その場は不戦の意識が高いシーザーの恫喝により人間たちはその場を立ち去り、後日そのコミュニティにサル側が武器を手にほぼ全員現れて「森に入ってくるな。来たら殺すぞ。」と人語を話して制したりする。

しかしながら、人間側は資源…特に電力が枯渇しており、サルのすみかのそばにある古いダムを起動させないとあと2週間くらいでアウトという事態に。電気がないとiPadも充電できない。そんなわけで人間側のリーダーのドレイファス(ゲイリー・オールドマン )は武器を手に邪魔なサルを皆殺しにしようと提案するが、「説得して直させてもらうから3日くれ」と人間側の主人公であるマルコム(ジェイソン・クラーク )が提案。変な顔をした彼の息子や今の彼女、ダム技師など数名がシーザーの山に向かうことにする。

サル側には、かつて研究所で飼われていた際にけっこうひどい実験をされて体中に傷がある武闘派のコバというヤツもおり、人間に対して強い敵対心と懐疑心を持っていて一食触発の状態に、しかし厭戦で平和を求めるシーザーとマルコムの意識が合致し、ダムの修理が順調に進んだりする。

しかし、どうしても人間を信じられないコバら数名はひそかに人間側の居住地を偵察。そこで武器を大量に用意して戦闘準備を整えている人間側の姿を見て敵対心を増幅。やがて自分たちの仲間や家族を守りたいというそれぞれの思いが激突し、凄惨な争いに発展していってしまうのだったりした。

というわけで今回の「猿の惑星:新世紀(ライジング)」。案の定、ものすごく見ごたえのあるSFドラマだったりした。特に序盤から主演がサルのシーザーという感じで、その凛々しく威厳がありつつも家族を守るために苦悩する姿が胸を打つ。人間が出てきてからも、わりと最初からサル側の方を応援している自分に気づいてみたり。

そんなサルと人間の両陣営だが、どちらも私利私欲でというわけではなく、守るもののために戦いを起こすさまが痛々しい。平穏に生きたいところだが、銃の存在が恐怖と不信を産み、相互理解や対話の機会をなくし、凄惨な戦争に発展していく様が丁寧に描かれていく。

また、鉄橋を伝うサルたちが地上の人間たちを見る場面、後半のタワーの上の場面など、地上に縛られた我々人間にはなかなか味合うことのできない立体的な空間映像が美しい。ダイナミックなカメラ移動とアングルが、絵的なスペクタクルを生み出していく。

「猿の惑星:新世紀(ライジング)」。細部まで本当に丁寧に作られた、まさに映画の醍醐味を味わえる一作だ。ただ、ちょっと気になったのが、今作での戦争を起こすやつが誰かという部分。前作では、人間をサルが滅ぼすのではなく、愚かな人間自身がちょっとしたミスで勝手に滅んでいく図に考えさせられたが、今回戦争を起こす手綱を引いた者がアイツだとちょっと印象が変わってくるよなぁ。そこだけちょっと違和感があった。


mepashi at 02:54コメント(0)洋画:SF 
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