2007年03月04日

観劇感想 新宿芸能社『ドカチン〜下北沢死闘編!〜』(2007/02/11)

大変遅くなりましたが・・・
その他、いっぱい書こうと思っているものがあるのですが・・・
取り急ぎ、

観劇感想 新宿芸能社『ドカチン〜下北沢死闘編!〜』(2007/02/11)



『ドカチン〜下北沢死闘編!〜』、タイトルからイメージできるように建築に携わる人達が主人公の物語でした。でも、私にとってはある「ヒーロー」の物語・・・。

『耐震偽装問題』。既にニュースの話題ではなくなった、沢山ある不条理の中のたった一つの出来事であります。様々な問題を内包しながらも少数の人達が行った出来事として『消されて』いった事件。えぇ・・・あれは『消された』という表現が適切である。そう私は考えています・・・。

物語は新宿にある弱小土建会社「花園組」とそこに関わる近所の住民。そして敏腕・美人・女社長が経営するマンション販売会社を通して『耐震偽装問題』の真相に迫る内容となっていました。底抜けに明るくて人情味に溢れた「花園組」に対して、対極に位置するのが敏腕・美人・女社長。

「花園組」は孫受け、曾孫受けに位置し、下北沢に建つ高層マンションの基礎工事を行っています。そこに降って湧いたように持ち上がった『耐震偽装問題』。女社長はマスコミの記者に追われながらも可能な限りの手を打とうとします。そんな中、下北沢に建つ高層マンションの基礎工事のやり直しを指示。既に終わりかけていた基礎工事のやり直しに反発する「花園組」。
当然です。現代は建築業界に関わらず様々な仕事が役割を元に階層化されていて、責任もまた階層化されています。「花園組」はその階層における役割と責任を既に果たしていたのですからやり直しに応じる必要など無いのが道理というものです。しかし、マンションは「人」が「家族」が住む処であり『耐震偽装問題』はその人達の安全を脅かす多いな脅威なのですから・・・。
「花園組」の尽力により下北沢に建つ高層マンションの基礎再工事は無事に終了しました。しかし、女社長がこれまでに販売してきたマンション、今からやり直しは出来ません。当てにしていた政治家にも切られマスコミは彼女を追い詰めます。唯一、彼女を当初から追いかけていた記者のみが別の疑問を元に女社長に詰め寄ります。

なぜ「国会答弁の際に全てを話さなかったのか!」
何も言わない女社長。

ついてない女社長を襲った最後の苦難。それは信頼していた副社長の裏切り。。。耐震偽装問題をリークしたのは最もそばにいた副社長であったという事実は何にもまして辛かったでしょう。。。
花園組そして彼らに関わった人々のハッピーエンドとは対照的に女社長の行く末は暗いものでした。でも私は彼女に再起の意思を垣間見ました。その事がこの物語を最高のエンターティメントたらしめる大きなポイントであった気がしています。唯一の気がかりはあのハッピーエンドが女社長の「話さなかった」という行為により得られたものだと言うことに幾人が思い至ったか・・・それが気になっています。

最後に、
「ヒーロー」とは誰かを守るものです。
「ヒーロー」とはその活動を知られてはなりません。
そして「ヒーロー」とは孤独です。。。
故に「ヒーロー」は常に他者に理解してもらえない存在である事を、私は忘れないようにしたいと思っています。




観劇後、女社長・星留美子を演じた絵美ちゃんと、ちょうど観劇に来られていたグワィニャオンの高橋稔さんと飲みに行きました。その席で羽原さんが今回の舞台に際してヒューザーの耐震偽装問題を綿密に調査し脚本を書いた事、そしてその結果行き着いた答え等を伺いました。
事件当時からマスコミの取り上げ方に疑問を持っていた私はその内容に非常に感銘を受けました。私は冷たい人間なので他者に対する興味を持つ事が非常に稀です。だからかもしれませんが、当時、問題のマンションの住民がマスコミを利用してヒューザーの小島社長を追い込んで行く様子が不可解に映りました。
マスコミが追い詰めるていこうとするのは理解できる。何故なら彼らマスコミは対抗する悪が在る事により始めてその存在を示せるからです。故に彼らは対抗する全ての存在を悪として報道する必要がある。その行為の善悪は別にしてそういうものであるからです。
しかし住民の方達は要は追加の資金を要する事無く新しい住居を手に入れる事が最善の『目的』であった筈です。その『目的』を果たす為なら問題となった責任者やそれについての処罰などどうでも良い。そういう行動を取ると思っていたのに間逆の事をしていた・・・。
すくなくとも私が当事者ならヒューザーの小島社長を追い込んだところで金が入ってくる余地など無い。なら金が入るように仕向ける事を最優先に行動していたでしょう。。。

ましてマンションと言う様々な組織・個人が複雑に絡み合った階層において、欠陥住宅が売られてしまったという事は、どこかで『チェック』が漏れていたもしくはされていなかったと考えるのが妥当です。とすると本当に責任を取るべきモノはどこか・・・、取るべき責任はどういうものか・・・、少し考えれば誰にでも明らかとなるでしょう。。。

絵美ちゃんが演じた星留美子はそれこそヒューザーの小島社長そのものでした。舞台では10数人のキャストとの関係性において常に対立する立場にあり、傲慢で冷たくそして孤独でした・・・。
人の上に立つ者はその責任から時に傲慢である必要もあるし、時に冷たいと思われる事でも冷静に実行する必要があり、そして周りを不安にさせない為に全てを一人で抱える必要から孤独を是としなければなりません。例え多くの人が単なる尊大さとしか受け取らなかったとしても・・・。
絵美ちゃんはその点を見事に体現していました。例えそれが舞台という虚構であったとしても稽古から本番そして千秋楽までそんな状況を維持し耐えた精神力はリアルな社長そのものであったと思います(涙

そんな辛い星留美子が舞台で見事に成立したのは対となるある存在の力もまた大きかったであろう事を書いておきたいと思います。星留美子が経営する会社の副社長。設定では数年前に買収された会社の社長だった鈴木、そして演じたべろ武田氏。彼の存在なくして星留美子の孤独はあのレベルまで行き着かなかったかもしれない。そう思えるキャラクターでした。ラスト間際の鈴木と星留美子のやり取り、あのシーン無くして今回の『ドカチン』は無かった。そんな風に私は感じています。


・追記
テーマがテーマだけにシリアスな面だけの思いを綴る事となってしまいました(汗
しかしながら今回も素晴らしいエンターティメントに仕上がっていた事を明記すると共に他のキャストの皆様の存在も忘れられるものでは在りません。
ただその全てを書こうとするとこの数倍でも足りない気がしていて、あえて上記にのみポイントを絞りました(涙
一言でもと思いましたがバランスが悪いのでやめておきます。

あっ、でも一言!
濱島直人さんの(現場)監督、最高でした!☆エピローグの子供をファミレスに連れて行く話しがね、もう泣けて泣けて(涙 羽原氏の細かい演出に脱帽でした。

あぁあと、康実紗(かん しるさ)さんのメイドコスプレ☆思わず冥土にいっちゃうっ!って思うくらい燃えました♪
もとい!萌えました(ぇ




他にもいっぱい書きたいのですが・・・このまま続けるといつUpできるか不明なので(涙
うぅ〜、自分のバカorz


mera_m777 at 22:24│Comments(7)TrackBack(0)

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この記事へのコメント

1. Posted by 星留美子   2007年03月05日 10:58
米良さん、ご来場有り難うございました。
そして、素敵な感想有り難う。
こんなに沢山感じて下さった、いいお客様がいてくれた事に感謝します。苦労が報われますo(^-^)o
本当に有り難う!
2. Posted by GLUE THE BOP   2007年03月05日 13:48
世の中不条理だらけだよね。
でもそんな事すらもエンターテイメントにできる「ヒト」ってすごいよね!
オイラは難しい事はよくわからんが、みんなが自分自信に本物のプライドと責任を持って行動したらきっと世の中の不条理は少しは減るのになぁ・・・っていっつも思います。

でもその人たちの芝居、かなり興味深し!俺もいつか連れてってよ^^
3. Posted by えみぞう   2007年03月05日 23:16
GLUE THE BOP様、是非見にいらして下さいっ!新宿芸能社の次回公演は、初の地方・富山公演ですが、その次は9月に新宿でやります!!
米良さん、連れて来て下さいね♪

それから米良さん、「敏腕・美人・女社長」に笑ってしまったよ(^o^;)
4. Posted by 米良   2007年03月06日 12:51
>星留美子 社長
読んで頂いた感激です(涙 『言葉』を重要視している私ですが、『言葉』よりも『行動』こそを信じるようにしています。あなたは常に『行動』していた。その事が私の魂を揺さぶりました。再起の成功をお祈り申し上げます☆

>GLUE THE BOP さん
私の感想で興味を持ってくれてありがとうございます。観劇は東京になるけど、脚本を書いた羽原氏の作品に触れたいならまず映画が簡単♪
まずは『パッチギ』をお薦めします。

「お前ら日本人のガキ、知らんかったらこのままずっと知らんやろ!」

この台詞の痛みを感じる事が羽原氏を理解する最短な気がしてます。『ゲロッパ』も超イケてるよ☆ 西田さんはもちろん、常盤貴子さんがかなりイケてた♪

5. Posted by 米良   2007年03月06日 12:56
>えみぞう さん
GLUE THE BOPさんは福岡在住だからリアルな観劇はちょっと厳しいかも(汗
取り合えず映画進めたから次に「ちんどん」のDVDを観てもらいますよ。

「敏腕・美人・女社長」、まずかった?(笑
小島社長のビジュアルがもっと違っていたら・・・っていう対比としての絵美ちゃんの女社長っていう視点で考えるとまた考え深かったりするんだよね。。。

みてくれ、分かりやすさは重要だけど、『本質』って忘れちゃダメだと思うんです。

うん、やっぱ「敏腕・美人」は間違いない☆
6. Posted by えみぞう   2007年03月06日 18:16
そうか…福岡の方でしたか…。
そうね、それならばまず映画ですね。今後「フラガール」もDVD出ますので、あのストーリー展開なんて新宿芸能社の王道ですf^_^;
まだまだわかりませんが、富山公演の次は大分公演狙ってるんですv(^-^)vそしたら少しは近いかな♪
7. Posted by 米良   2007年03月09日 12:56
>えみぞう さん
「GLUE THE BOP」さんは、弟なんです(^^;
大分公演実現の際は行かせます!(笑

という事で、弟よ大分公演の際は行くべしっ!

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