2007年09月24日

観劇感想 『Oji 〜ヘンテコリンなわんぱくおじさん』(2007/9/15)

芸術の秋、観劇シーズン第1弾として行って参りました吉祥寺。劇場は前進座劇場。
公演はランカウイ倶楽部Present'sグワイニャオン+岩山★Threeプロデュース『Oji 〜ヘンテコリンなわんぱくおじさん』。

訳の分からないタイトルに5,000円という結構なチケット代金と唯一公開された紹介文はこんな感じ(^^;
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こんにちははなんて言うの? アパカパ、
ありがとうは? テレマカセ、
じゃぁ、危ないは? バハヤ、

その島には何があるの?なんにもないです。
なんにも?

なんにもない小さな島です。
ただ植物と動物と太陽と水と大地があります。
そんな島です・・・

・・・・・いいね、

そんな島でのんびりしたかったらいつでも来て下さい、
いつでもオジがいますから。
日本から8時間、そう遠くないでしょ?

・・・テレマカセ。

マレーシアに浮かぶ小島、ランカウイ島で巻き起こる
サムライニッポン人のバハヤな珍道中!
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スペシャルゲストはうつみ宮土理さんと書かれていても、募る不安・・・。




でもね文句無しに最高でした☆幾つもの要素が見事に融合していてこれぞエンターテイメントって感じ(^^;
内容は紹介文にあるようにマレーシアのランカウイ島でのツアーのお話。日本からやってきた観光客がoji(おじぃ)の呼ばれるツアーガイドの案内で自然の素晴らしさを知るってのがメインストーリーなんですけれどもね、それだけじゃないのがグワィニャオン☆ハリマオと動物世界の生態系を絡めて深ぁ〜く考えさせられる面も見事に表現されていました。

舞台でのランカウイツアーでは、自然の音、匂い、風の感覚を疑似体験できましてね、ふっと田舎に帰った時に体験したラフティングツアーを思い出しちゃいました(^^;田舎がほんとに田舎ですからすっげぇイメージしやすかったのかなぁ〜(笑

中でも心に響いたのが物語終盤に語られたマングローブの森と2004年12月26日のスマトラ島沖地震の際の話でした。死者22万人以上、負傷者13万人という未曾有の大震災においてランカウイ島の被害はとても小さかったそうです。それは島を守るように群生したマングローブの森が津波のエネルギーを吸収してくれたからとの事でした。この事実を知った各国は以降、マングローブの森の増殖に力を入れているらしいです。
でもね良く出来たものでマングローブは2つの種を残すらしいのですが、1つは重い種で1つは軽い種。重い種はそのまま海中に沈み芽を出し、軽い種は遠くに流れ着いて芽を出す。そう人がわざわざ手を出さなくとも自ずから増殖するべく生きてるんですよね。。。
都会に住み、資本主義社会の恵みを堪能している私には環境保護を叫ぶ資格もつもりもございません。人は人である為に自然を人工的にコントロールする宿命を持ったものであると考えてもいるからです。ただね、そうだとしても自然に対する畏怖と感謝を忘れてはいけないとも考えております。畏怖と感謝は謙虚という行動に繋がる。それこそが自然と共生する為の唯一の方法であると改めて考えた次第です。

この物語にさりげなくでもしっかりとまるでマングローブの根のように物語に根を張っていたのが『ハリマオ』です。私が知るハリマオは陣内孝則主演の『ハリマオ』(数年前に帰省した際に偶然スカパーで視聴)とマレーの虎と呼ばれた義賊・諜報員(?)で戦中に戦争鼓舞に利用された事。そして日本人であるにもかかわらずマレーシアの人々の英雄でもあった事でした。劇中、詳細な事は語られませんでしたがマレーシア人の老人がojiに好んでハリマオの格好をリクエストしたり過去の思い出として出てくるだけでしたが、それでも十分に彼が今でもマレーシアの英雄である事が伝わって来ましてねかなりウルウルきました。

30人弱のCASTの皆さんがそれぞれ素晴らしかったのですが中でも印象深かったのは生態系というものを見事に表現していた終盤のシーン。オオトカゲを演じるグワィニャオンのすわいつ朗さんがちょうちょと鷹の雛を『ごめんなさい、ごめんなさい。。。』と泣きながら食べるシーン。。。終演後すわさんにちょっとだけお話を聞かせて頂いたのですが、『このシーンは残酷に見えちゃいけない!と何度も何度もダメだしされましたorz』と仰っていたのが印象的でした。
人から見たら残酷に見える肉食動物の行動も命を紡ぐ重要な行為であります。人もまたその行為から逃れる事が出来ない以上、残酷という言葉で表現するのは偽善であり誤魔化しであると思うのですが、そう見えてしまうのもまた致し方ないとも感じます。だからこそ『このシーンは残酷に見えちゃいけない!』が重要だったと思うのですが、すわさん見事でした。

それからちょっと趣味(?)入ってしまうのですが(笑)
歓伝―KANDENDO―堂の関田豊枝さんのパフォーマンスがもう最高!でした♪高橋稔さんから聞いたお話だと元JAC所属で美しいお姿からは想像できないような男前(笑 との事。今回も素晴らしいパフォーマンスでした。あれ何ていうのかな?天井から2本の布を垂らして命綱無しで足に巻きつけながら上っていって様々なパフォーマンスをするやつ。ぴちっとした衣装から垣間見えた筋肉はまったく無駄がなく美しくそしてしなやか♪もう完全に関田さんの虜です(^^;

スペシャルゲストのうつみ宮土理さんですが、言葉を失うくらい素晴らしかったです。初登場シーンから見事に舞台の空気になじんでるのにそれでも自然と感じる存在感。お芝居だけでなく歌も披露して頂けたのは大感謝(^^;
それから物語の終盤、戦争とマレーシアと日本とハリマオがリンクするシーンはうつみさんだからこそ出たであろう深みを感じました。

あまりに長いのでこのあたりでとめますが、他にもお気に入りの役者さん達が素晴らしかったという事はきちんと書いておこうと思います。舞台はチームプレー☆ですからね♪









・追記
作中に登場した『ハリマオ』についてよく知らないよなぁ〜と感じた私は早速ネットで検索をかけてみました。幾つかのサイトを読んで一番印象に残ったページを記録としてここに残します。

「ハリマオ」と呼ばれた男―谷 豊 〜その1〜

「ハリマオ」と呼ばれた男―谷 豊 〜その2〜

「ハリマオ」と呼ばれた男―谷 豊 〜その3〜


〜その3〜に記載された次の言葉が深く胸に刻まれました・・・。

「私が小さいころ、マレー人も中国人もみんな仲良く暮らしていました。兄貴があんな一生になったのも、静子があんな目に遭ったのも、すべては戦争が原因です。二度とあんな戦争はしたらいかんです。子どものころから仲良くしとったら、戦争は起こらんです」 弟・繁樹氏 談

四年前、マレーシアのテレビ局が初めて「ハリマオ=谷豊」の特別番組を放映した。その番組は最後をこう締めくくった。
 「イギリス軍も日本軍も武器ではマレーシアの心を捉えられなかった。心を捉えたのは、マレーを愛した一人の日本人だった」
 ※2000年との記載があるので、放送は1996年だったと思われます。

人が過去からそして今も抱える様々な問題は『調和』とうキーワードで解決するのではないかと考えています。自然との調和、他者との調和、他国との調和。調和する為の方法として個が持つべきものは『謙虚』。傲慢で不遜の代名詞と言っても過言ではない私が発する言葉ではございませんがそんな事を考えずにはおれませんでした。。。


mera_m777 at 09:58│Comments(0)TrackBack(0)

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