2008年05月27日

観劇観想 劇団TIME LIMITS公演『NIGHT EDEN』(2008/05/10)

4月の4作品・5公演観劇というスケジュールから比べると、5月はとりあえず2作品と少な目(ぇ と言いつつも5/10(土)に観た劇団TIME LIMITS公演『NIGHT EDEN』ですが、見事にツボにはまり連続観劇をしてまいりました(^^; 今回で15作品目でしたが私が観はじめてからは8作目となり、劇団の半分を超える作品を観る程の時が経過しておりました。この劇団TIME LIMITSは過去、2回以上観た作品がいくつもあり劇団芝居屋かいとうらんま以外で複数回観る数少ない劇団でもございます。でもそれは他の劇団・作品が劣っているとかではなく、らんまの作品と同様に作品を観る事で自分自身の思考の深い処へ潜れる点にあるのではないかと思っている私でございます。

今回の物語は『EDEN』と名付けられたホテルを舞台に様々な人間模様が交差しTIMELIMITSには”珍しく”ハッピーエンドを迎えましたが(笑 それでもきちっとそこにいたる過程における苦悩や想いもまた描かれており、物語に深みを与えておりました(涙 そんな中、自分自身の思考へとダイヴする道標となったキーワードは、パンフレットにも書かれていた『仮面』、『コイン』、『犬』でございました。

私は役者ではございませんが普段の生活でいくつもの『仮面(ペルソナ)』を使い分け生活をしております。
それは私だけではなく皆そうでありましょう。『仮面(ペルソナ)』という言葉から連想されるイメージは最近はあまり聞かれなくなった「自分探し」の対極に位置する気がするのですが、私は『人』が『他者』と接する上で必ず被る『仮面(ペルソナ)』こそが『自分』ではないか?と考えたりしております。それは「自分探し」で言うところの『本当の自分』というモノの存在を認識する事が出来ないからであります。『本当』とつくという事は『嘘の自分』とうものがあるの?あるとしたらそれは『仮面(ペルソナ)』なの?
でも「人」というのは相対する「人」が存在する事でようやく『自分』というものを認識できているのではないの?
世界中から『自分』以外の「人」がいなくなった場合、『自分』が『自分』である事をどうやって認識するの?
そんな疑問の答えが見つからないので、他者と接する為の『仮面(ペルソナ)』こそが『自分』ではなかろうか・・・、とするならありもしない『自分』なんてものを探したところで『青い鳥』のチルチル・ミチル。結局『自分』はこんなところにいたじゃないか☆なんてオチが待っている予感がするのでございます(^^;
そのような事からか支配人を演じられた鈴木聡さんの『仮面(ペルソナ)』について呟いた台詞の雰囲気がいまだにうっすらと残っていたりします。
※お恥ずかしい話ですが『言葉』は忘れてしまいました(汗汗
「たとえ仮面(ペルソナ)であったとしても、
つけ続ける事で自分の顔になる・・・」
みたいな・・・。違ってたすいませんorz

2つ目は『コイン』。SFに「平行宇宙(パラレルワールド)」なんて言葉がございますが、『コイン』について考える時いつもこの事が頭に浮かびます。人の人生は生まれてから死ぬまで小から大まで様々な種類の『選択』の連続です。どんなに多くの選択肢があったとしても最終的には2つに絞られ選べるのはただ1 つ・・・。選ぶ事にどんな理由を付けようとしたところで結局はコインを投げて裏・表のどちらが出るか?を賭ける行為と大差ないものなのにそれでも「人」は何らかの『理由』を欲するものでございます(^^;
表か裏、すごく単純な二者択一。でも選ばれなかった世界で更に表か裏かと更なる選択があるとすると・・・無限に広がる択ばなかった可能性の世界・・・。決して見る事も知る事も出来ない世界ではありますが『コイン』について想いを巡らす時、見える気がするんですよねぇ〜。あの時、この道を択ばなければ、今・・・一人じゃなかったかもなぁ〜なんてね(笑

3つ目は『犬』。物語で『犬』と呼ばれる男がいました。ホテル『EDEN』総支配人である『イヴ』のそばにいつもいる謎の男『アダム』。自らも自分は『犬』だと語ります。かなり不思議な存在でしたがそのように感じた方も多くいらっしゃったようです(^^; 主催の高木盛子さんがブログで『謎は謎のまま、暖かい想いだけ残ればいいな』と書かれていらっしゃいましたが、私としてはこの謎感がたまらなく良かったんですよねぇ〜♪ アダム以外は『EDEN』の世界に生きる何らかの「理由」があったけどアダムだけはそれが無い。ほんと『謎』(笑 でもね、、、「だからこそ」と書きますがアダムの発する言葉が重くもあった。『EDEN』に関わる人全てを俯瞰(ふかん)で見てる感がして『EDEN』という世界をよりリアルな世界にしていた気がするんです。
3Dもそうですがリアルにしようとすればする程リアルから遠ざかると言うのってありますよね?ではどうするか?リアルじゃないものを加えればよい☆ この世界というのは「完全」なのかも知れない、けど『人』が『認識』する世界というのは「不完全」です。なぜなら『人』が「不完全」であるから・・・。舞台という虚構の世界をリアルにしようとリアルさを追求したところでより虚構さが増すだけでしょう。そこにあえて虚構を加える。それこそがリアルに魅せるポイントのような気がするんです。単なる客に過ぎない私が言える事ではないかもですし、脚本を書いた盛子さんの意図とは思いっきり違っていると思うんですがね(汗汗
勢いで書いてしまいました(^^;


今回も新旧入り乱れた役者陣でしたが気がつくと目で追っていたのがヤクザ三人衆(笑 昭志(大田寿さん)、愛子(渡辺えりのさん)、潤平(倉持貴行さん)の3人組。特に大田寿さん☆ 過去2回は子分役でやはり私の目を奪いましたが、今回は間逆の兄貴分役!しかし見事にハマってた♪ う〜ん、すげぇ〜っすよ(^^; 終演後に出演されていた高橋稔さん、今回は受付娘だった水城華さんのお二人にご紹介頂きましたが、いやマジHAPPYでした☆ 女好きと思われている私ですが何気に男も好きなのですよ(ハッ
アニキのみ書いてしまいましたが、愛子(渡辺えりのさん)もまた良かった。場違いな『EDEN』で揉め事を起こしたアニキを庇うシーンにはかなりやられました(涙 誰かのために頭を下げる。形だけなら心は動きません。たとえ虚構の世界であろうともあの三人の関係性が本物だったからこそ私の心は動いたんだ、そう思っています。3人組のトリを飾るは潤平(倉持貴行さん)、『俺、愛子さん好きだけど、アニキはもっと好きなんすよぉ〜。俺ホモっすかね』。ここだけとったら意味無い言葉ですがあの三人の関係性をこれほど見事に表した言葉は他に見当たりません。男泣きでした(涙

続いて、やはりこの方は外せない清水川亜理紗(高木盛子さん)♪私はタイムリミッツの舞台において「盛子さんを観に行ってるんじゃぁ〜!」と叫んでも過言ではございません(マテ なぜなら主催して脚本書いて役者しておまけに仕事も出来て可愛ぇ〜(テレテレ な女性ですからね♪一人突っ込みを入れながらも本気度はかなりだったり致します(^^;
ミーハーな部分はこれくらいにしまして。今回の役どころは超高飛車で性格キツキツの人気映画女優。ブログ等で周りから「そのままじゃん(^^;」みたいな事を言われたと書かれていらっしゃいましたが(^^; 普段はさておき(私は知らないから☆)見事な女優ッぷりでございました。Mの皮を被ったSな私も思わず『苛めてください(涙』と懇願しそうになった程のレベルですよ(ぁ いかんいかん・・・また脱線。
そんな清水川亜理紗でございますが何気にコンシェルジュの青山(小原洋一さん)に突っかかる。この二人の関係が興味深いなぁ〜と思っていたらラスト間際にその意味が分かりまして自然と涙がこぼれました。。。 人は社会において自分を守ろうとします。その守り方の一つに仮面というものがございますが、清水川亜理紗は内に秘めた優しくて繊細な心を超高飛車で性格キツキツの人気映画女優という仮面で守っていたんじゃないかなぁ〜というのが私の見解でございます。そうさせてしまった青山は彼女の本質を理解しているからこそどんな無理難題にも応えようとしていた気がしましてね、とても切ない『大人』の優しさを感じた次第でございました。『きれいはきたない、きたないはきれい』という「マクベス(著:シェイクスピア」に登場する言葉が大好きな私は相対して矛盾する二つの事柄にこそ真理があると思っているのですが、それをこれ程見事に感じたのは久しぶりでございました(涙 脚本家の盛子さんはもちろん、役者・盛子さん&小原さん(タイムリミッツ長いですよねぇ〜☆)だからこそ前半の冷たいやり取りの中に「優しさ」を感じさせ、後半の優しいやり取りの中に「切なさ」を感じさせてくれた気がしておりまして、その事をいまだに感謝する次第でございます(^^;

続くはケン(鈴木聡さん)。いまだに『あれは最高だった(涙』と語ってしまう程思い入れの強い第9回公演『此の夜の果てはブルー』で見事なオカマキャラを演じ笑いを誘いながらもラストで一転、言葉にならない程の哀しみを表現された大好きな役者さんの一人でもある聡さん。複数の関係者の方の仲良くさせて頂きながらもいまだ終演後にご挨拶するにいたっていない身でお恥ずかしい限りですが、今回の支配人という役もまたお見事でした!☆ 姿勢・言葉遣い・雰囲気、全て正にホテルマン! 語られる言葉の一つ一つにじーんときていた私です。

やばい・・・この調子で全員書いていたら(汗汗汗汗汗汗汗
申し訳ないですがあと次で終わらせて頂きます。

イヴ(ちかみれいさん)&アダム(高橋稔さん)
えっと、まずこのお二人・・・ほんの1週間くらい前まで新宿芸能社で約2週間の本番公演を行っていたのですよ(汗汗
なのにっ!なのにっ!!!物語のキーになる役を見事にそう見事に演られておりましたorz 凄すぎです・・・。
キリスト教・ユダヤ教において、神は土からアダムを造りアダムの肋骨からイヴを造ったとされていて他の宗教と同様に男尊女卑ムンムンな感じがとても嫌いなのですけれども、今回の物語ではその辺りははっきり語られず自立した女性というイメージで存在していたイヴは非常に好感が持てました。悲しい過去を背負ったイヴは「巨大なホテルを与えられただけ。『EDEN』は私がつくった」というシーンはグッと来ました。エデンを追われた人は自分の手で『都市』という「エデン」を創ってきたのですからね。
エデンを追われる理由にもまたイヴが蛇(悪魔=サタン)にそそのかされ更にアダムを唆すという図式で「女=男を惑わすもの」としてキリスト教・ユダヤ教では描かれておりますが、逆を言えばイヴがアダムに知恵の実(『EDEN』では善悪の実でしたが)を食べさせなければ今の私達は存在しなかった。となる事を考えると(創世記が本当にあったと仮定した場合ですが・笑)イヴに感謝する事はあっても負の要素など持ちようが無いだろう思う私でございます(^^;フェミニストを気取る気はございませんが、グラマーなれいさんをイヴ役とされた点も含めてイヴの描き方はとてもよかったと思うのです♪
対するアダム。イヴ以外からは『犬』と呼ばれる存在であった事は先に書きましたが、とても不思議な設定でした。物語に絡むようでいてそうでない。けど物語から浮いているかというとそんな事は決してない。とても難しい立ち位置だったと思うのですが稔さん、お見事でした!☆ 肉球キークッ!のポーズからゆっくりと体勢を立て直すあの筋肉♪思わずうっとりしてしまいましたよ(ハッ
肉体美と共に賞賛すべきポイントはやはり存在感。虚構の世界の中でも殊更に虚構をイメージするキャラクターであるにもかかわらずその存在を観る側に納得させたあの存在感。稔さん無しにアダムは無かったと私は思っております(^^;


さて、とりとめも無く綴ってみましたがかなり長くなりましたのでこの辺りにて終わりにしたいと思います。








・追記
毎回、舞台以外にも趣向を凝らしていらっしゃるので今回はどんな感じかな?(^^;と思っておりましたら、座席に便箋が置かれておりました。
中にはメッセージカードとコイン(中身はチョコレート)が入っておりました♪

20080510_タイムリミッツ_012回、観劇したので2枚のコインをGet☆
コインの表と裏を撮影致しました(^^;





20080510_タイムリミッツ_02こちらがメッセージカード☆
このような心配りがホテルらしくって舞台を見る前からホテルにいる気分を味わう事となりました♪






mera_m777 at 12:23│Comments(0)TrackBack(0)観劇感想 

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