本を閉じて猫を追いかける。

構成要素の殆どは 『猫との空騒ぎ』。時々、本のことを長々と。

本のこと。「鏡の花」道尾秀介

万華鏡

「鏡の花」 道尾秀介

近しい人の死が連なる短編集。


今まで一回も読んだことのない作家さんの本を手に取り、移動時間中に読みました。
読んでみて、びっくりしました。すごく面白かったのです。

ひとつひとつは、身近な人の死を含む短編で、明るい話ではありません。
ですが、短編をひとつひとつ読んでいくと、やがて世界の形が見えてきます。

本全体の世界の構造が今までにない感覚なのが一番斬新なのですが、
ひとつひとつの物語中のエピソード、何気ない心理描写が深いのです。

やりきれない出来事、取り返しのつかない出来事、
どうしようもない喪失感が万華鏡のように紡がれるけれど、描き出しているものが鮮やかです。


切ない話なのですが、最後まで読んだとき光が差すので、
その深く不思議な鏡のなかをのぞき込んでみるのもいいかもしれません。

別の作品も読みたくなりました。





 

本のこと。「ジキルとハイド」スティーヴンソン


変身を伴う二重人格


あまりにも有名な、二重人格の代名詞。


「ジキルとハイド」 は、有名すぎて知っているような気でいただけで、
実は全く読んだことがない作品でした。
なんとなく二つの人格の話だというだけで、あらすじはおろか結末も知りませんでした。

夏になんとなく手に取り、冬の始まりに読み始めて、読み終わって、感嘆。

こういう話だったのか。
もっと早く読んでいてもよかった。

訳者の力量にもよるのでしょうが、
作品内にただよう雰囲気もよくて、そこにあるであろう光景や温度や湿度、
心地よさ不快さなどが感じ取れる文章が繊細でゆたかです。

いくつか私自身が思い込んでいたことと違う部分があったので、書いておくと、一つにはここでいう二重人格は、病気として存在する二重人格とはちょっと違っていると思います。
単純に、「善と悪」 というものかなと思っていいような気がしました。

本人はすべての記憶と連続して持っていて、自分の中にある善行による喜びと、邪悪な行いに対する欲望で揺れています。誰にしもありそうな感情ですが、ヘンリー・ジキルのそれはとても極端で、不幸なことに彼はその両立する術を見つけてしまうのです。



この作品はいくつかの視点から考察することができそうです。

たとえば、人の中にある善と悪の感情、欲望について。 品行方正で一途な友情について。 書き方によっては驚きの結末になる可能性を秘めた殺人事件になりそうな筋書きについて。 絶望について。 依存について。 自己というものについて。

たぶん私が思いつくことのない視点もあるかもしれません。

この作品の面白さは、取り扱う内容もさることながら、構成の見事さにもあるように感じています。

外の視点であるアタスンを語り部とする前半、当事者であるジキルの手記による終盤とラスト、この形式で作品の世界の色がくっきりと分かれていてるのが個人的には、ぴたりとなにかにはまるように、感じました。

物語を締めくくるジキルの手記の言葉は、
ながれるようできれいに絶望を描いています。

短いですが濃い名作だと思いますし、
思ったより読みやすいので、読んで、読んだ後、
いろいろな視点から作品を眺めまわすのも面白いかと思いました。



 

ハロウィン。

はろうぃん

ショッピングモール内のパン屋さんで見つけた面白いパン。

面白くてつい、買ってしまいました。

パン屋さんのバスケットの中で、
この包帯ぐるぐるパンが折り重なっていて、

それはそれはユーモラスな光景でした。


ハロウィン

で、

ひとつだけお持ち帰り。


まだ食べていないけれど、
かじるとカシス系のジャムが入っているらしい。

あ、

ビジュアル的にも、やっぱりハロウィンだなぁ




ちょっと楽しいかも。




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最近は猫ブログ < 読書系ブログになりつつある・・・かな?
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’15.01/01☆


そのほか、本に関するヒトリゴト記事も細々と書いてます。
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※更新は予約投稿です。
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