観際メルの哲学レンズ

『嘲笑せず、嘆かず、呪わず、ただ理解する』(スピノザ)
16歳の女子が、気に入った本などを書いていきます。

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今とても話題になっている、あの毛染め強要問題。
生まれつき茶髪の女子高生が、教師に無理矢理黒に染めさせられて、精神的苦痛を受けたという問題ですね。

このニュースを聞き、私は非常に失望しました。
何がなんでも黒にしなければならないと決めつける高校側と、そうさせている日本の学校システムに。

日本の学校の校則、「髪は染めてはならない」「髪留めは黒か紺」「靴下は指定の色でなければならない」など。
これらの校則は、教育の本質とは全く関係がないように思います。

髪の色が変わったとして、学業に何か影響を及ぼすことはありますか?
靴下の色を指定しただけで、頭が良くなるとも思えませんし。
東大生の方を見ていても、茶色や金色に染めている方は数え切れない程いらっしゃいます。

社会に出て働かせるという、働き蟻のような人間を育てるためでしょうか。
だとしたら、とても不気味で気持ち悪いですね。

photo credit: Brian Legate Macro Mondays- Start exactly @ 5.5 inches via photopin (license)

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・面白さ    ★★★★★
・読みやすさ ★★★★☆
・本のポイント
「学問を仕事にするのはどういうことか」について、マックス・ウェーバーが考えを述べている。

・気になった箇所

「一般に思いつきというものは、人が精出して仕事をしているときにかぎってあらわれる。もちろん、いつもきまってというわけではないが。ところで、しろうとの思いつきは、普通、専門家にくらべて勝るとも劣らぬことが多い。実際、われわれの学問領域でもっともよい問題やまたそのすぐれた解釈は、しろうとの思いつきに負うことが多い。ヘルムホルツがロベルト・マイヤーについて語っているように、しろうとを専門家から区別するものは、ただしろうとがこれときまった作業方法を欠き、したがって与えられた思いつきについてその効果を判定し、評価し、かつこれを実現する能力をもたないということだけである。」

簡単に言えば、「学者や大学教員はこうあるべきだ」というマックス・ウェーバーの理想を綴っているような本です。
かなり厳しい意見も書かれていますが(笑)

比較的薄いので、短い時間ですぐに読むことができます。
また、「職業としての政治」という姉妹書もあります。
そちらも機会があれば読みたいですね。

※私が読んだのは岩波クラシックス版のものですが、あまり販売されていませんので、岩波文庫のものを載せておきます。

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11月号_初校

メルアド第六回目が掲載されました!

今回は食べ物の好き嫌いについてです。
誰にでも好き嫌いは存在しますし、食べ物に限らず、人間関係などもあるかと思います。
ですが、無理に治さなくても、人生にはあまり影響は無いはずです(笑)

やつしろぷれす11月号、是非手にとって御覧ください♪

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今日は私の誕生日です!
14歳になります(^^)

ということで、14歳を迎えた私が選ぶ、これまでに読んだ面白かった本3冊を紹介します。

1、『幸福論』 アラン

これはとても好きな本です。
3大幸福論の中の一つとして知られていますね。
新聞に「日曜語録」として連載されていたものを集めた本です。

「幸せ」について、アランがじっくり考察しています。
他の哲学書のように気取っていない所も好感が持てました。
暇な時にサクッと読めるので、オススメです。


2、『華氏451度』 レイ・ブラッドベリ

本を所持することが禁止された世界での話です。
とても有名なディストピア小説ですね。

主人公は本を興味本位から手に入れてしまい、それから規則に抗うようになっていく…といった所でしょうか。
『1984』や『すばらしい新世界』なども読みましたが、SF小説の中ではこれが一番好きでした。


3、影響力の武器

「なぜ他の人に影響を受けるのか」といった人間の心理を解き明かしています。
セールスや募金など様々な事例から、分かりやすく解説していますね。

少し分厚いですが、読んでいて損はありません。
影響力のメカニズムを知ることができれば、普段の生活もガラリと変わります。
営業職の方や、セールスに引っかかって困っている方などにオススメです。

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・面白さ    ★★★★★
・読みやすさ ★★★☆☆
・本のポイント
家族構造から国の成長を考える。識字率や結婚率などの統計を取り、そこから社会とどう繋がっているのかを解き明かしている。

・気になった箇所

「イギリスの歴史家ローレンス・ストーンは、イギリス、フランス、ロシアでの三つの革命の極めて重要な共通点を発見した。それはこれらの政治的、イデオロギー的な騒乱の直前に、男性の識字率が五十%に達したところであったということである。これは根本的な発見であり、このことによって革命という現象と近代化の達成とを厳密に関係づけることができるとともに、同時にまだ実証されていない労働者階級の役割についての古い仮設を回避することができ、これらの三つの革命の場合にそれぞれイデオロギー的内容が異なるという問題を避けることができるのである。これらの例では、大衆の識字化は争乱への道を開き、それぞれの場所での固有の内容を盛り込んだ大衆のイデオロギー的な活性化を可能にしたのであった。」(449ページ)

この本は、1983年刊行の『第三惑星』と1984年刊行の『世界の幼少期』が合冊の形で再版されたものです。
二つ一緒ということで、とても分厚いです(笑)

結婚している人ほど識字率の割合が高かったり、女性が権力を持っている国ほど成長していたり。
三十年前に書かれたものですが、今と似ている所もありますね。
家族構造は社会と繋がっている、ということを発見したエマニュエル・トッド、とても尊敬します。
とにかく分厚いですが、読む価値アリです。

私は明日誕生日を迎えるので、これが13歳最後の本になりますね。
一年間、とても沢山の本を読みましたが、最後はこの本で良かったと思っています。

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芸術の秋、第2弾。
今度は「小学校の音楽の授業」です。

みんなで歌を歌ったり、楽器を演奏したりしますよね。
その中でも、「歌の授業」について考えてみようと思います。

皆さんは、歌を歌う時、何を重要としますか?
音程? きれいな声?
それともハモリ?

小学校では、「とにかく大きな声で歌う」というのが重要視されている傾向があります。
音程はそれほど気にしないようです。

私は、これは少しおかしいと感じました。
なぜ、大きな声で歌うことが“一番”なのでしょうか?
元気が良いように聞こえるからでしょうか?
戦中に「軍歌」を歌う名残が残っているのでしょうかね。
どの理由にせよ、元々声が大きくない子供の負担になっていることは確かです。

大きな声だけが、「歌う」ことではありません。
もっと本質的なところから考え直す必要がありそうです。

photo credit: EL JOKER SPEEDRUNNING THE APOCALYPSE [ THSF 2017 ] via photopin (license)

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もうすぐ11月です。
あっという間に一年が終わりそうですね(^_^)

「芸術の秋」ということで、小学3年生の図工の時間の出来事と、それに対しての考えを綴ろうかと。

読書感想画を描く、という授業がありました。
学年で決められた本を読み、絵を描くというものです。
市のコンクールに出品する作品も選ばれるので、みんな気合を入れて取り組んでいました。

担任の先生は、「点々で塗る」「パレットに、絵の具は500円玉くらいの大きさで広げる」という細かい決まりを作っていました。
何派の描き方なのか知りませんが(笑)
戦後、美術教育が始まった時に、そういう描き方が流行っていたのでしょうね。

細かな決まりを作る必要はないと私は思います。
ハッキリ言うと、面白くないです。

そして、私はクレヨンを使って描きたかったのですが、強制的に絵の具で描かされることに。
2年生まではクレヨン、3年生からは絵の具というように決まりがあるらしいのです。
結局、3年生から小学校を卒業するまで、クレヨンは一度も使いませんでした。
おかげで、みんなの頭には「クレヨンは幼稚な画材」という考えが染み付いています。

クレヨンでプロの画家をやっている方もいるのに。
どの画材を使ってもいいじゃないですか。

芸術は自由だから面白いのです。
何を描いても何を使ってもいいから。
まだ小さいうちから決まりを作ってしまうのには、あまり賛成しません。

photo credit: wuestenigel Color pencils on white background via photopin (license)

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最近は、とても分厚い弁当箱のような本を読んでいるので、書評のアップがなかなかできていません。
申し訳ないですm(_ _)m

なので、今日は最近の出来事を書こうかと。

先日、学校がClassi(クラッシー)というpc、スマートフォン向けの学習支援サービスに登録したようです。
模試やテストの成績をデータ化して記録し、偏差値にあった大学などを教えてくれるサービスですね。
ベネッセとソフトバンクの共同開発です。
個人のIDが各自渡されて、全員強制加入でした。
年会費がかかるらしく、400円くらいだったかな。

ですが、Classiには全くログインしておらず、メールアドレスなどのデータも入力していません。

ログインしなかった理由の一つ目は、「ベネッセ」だったということ。
個人情報流出の件もありますしね。
あまり信用はしていません。
二つ目は、生徒のデータを奪っていくということ。
前にも書いたと思いますが、人のデータをお金を取って勝手に使うのは好きではありません。

他の生徒には、模試やテストの成績を一覧できるという利点があるかもしれませんが、私には必要ありません。
もし入ったとしても、データを取られていくだけで、私には何のメリットもありません。
Win-Winの関係が築けないということですね。

ログインしなくてもお金は取られるようです。
ですが、データを取られて記録されるのであれば、お金を払った方がマシだと私は思います。

最近の出来事といえば、こんな感じですね(^^)


photo credit: wuestenigel iPhone 5s applications via photopin (license)

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・面白さ    ★★★★★
・読みやすさ ★★★★★
・本のポイント
セールスマンや募金勧誘などのテクニックから、「承諾する」という心理について解き明かしている。

・気になった箇所

「みんながやっているなら、その行為は正しいと仮定する私たちの傾向は、いろいろな場面で悪用されています。バーテンダーは、よく、店を開ける前に何枚かのドル紙幣をチップ入れに混ぜておきます。それを前の晩の客が残していったチップに見せかけて、たたんだお金でチップを払うのが、バーにふさわしい行動であるという印象を与えようとしているのです。――

セールスマンは、すでにその製品を買った人たちのことをいろいろと織り交ぜて話をするように教えられています。セールス・コンサルタントのキャベット・ロバートは、この原理をうまくとらえたアドバイスを駆け出しセールスマンたちに与えています。「自分で何を買うか決められる人は全体のわずか五%、残りの九五%は他人のやり方を真似する人たちです。ですから、私たちがあらゆる証拠を提供して人びとを説得しようとしても、他人の行動にはかなわないのです。」(191~192ページ)

とても分かりやすく、面白い本でした。
身近な出来事を題材に書いているので、本をあまり読まない方でもすんなり頭に入ってくるかなと思います。
有名な心理学実験なども紹介されているので、そこら辺も興味深く読めると思いますよ。

自分で決めて行動できる人は全体のわずか五%、私たちが「自分で考え、行動した」と思っていることも、実は誰かに動かされているだけなのかもしれませんね。
他人の行動につい動かされてしまうという人間の心理を見抜き、自分自身の頭で考える事のできる五%の人間になりたいものです。

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・面白さ    ★★★★☆
・読みやすさ ★★★★★
・本のポイント
1901年、日本が日清戦争に勝利したすぐ後に書かれた。衆議院選が行われている今、是非読みたい本。

・気になった箇所

「そうだ。政治家が軍備拡張をおし進めようとする動機は、たしかに別にある。ほかでもない、その動機とは、一種の熱狂、意味のない誇り、好戦的な愛国心であり、それがすべてである。また、軍人がたんに事件やさわぎの起こることを望み、多くの兵法、戦略をもてあそぶということもある。あるいは、武器や食糧そのほかの軍備品を提供する資本家が、一攫千金の巨大な利益を得ようとして、軍備拡張をおし進めるということもある。イギリスとドイツの軍備拡張は、これらが殊に大きな理由であった。しかし、軍人や資本家が彼らの野心を逞しくすることができたのは、じつは多数の人民が意味のない誇りと好戦的な愛国心に熱狂した機会に、うまくつけ込んだからである。」(80ページ)

愛国心とは何か、移民、経済などを論じています。
この本は一度1910年に発禁処分になっており、著者は1911年に死刑判決を受けました。

当時の世界の情勢をとてもよく観察していると思いました。
どの国も、軍をもっと強くしようと奮闘していた頃ですね。
世界の国々、更に日本までも、ガツンと批判しています。
これは当時なら発禁処分になっても不思議ではないですね。

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