今年は、全体的に見れば、天候に恵まれなかった上に仕事に追われ、あまり天文活動のできなかった年でした。
彗星イヤーと言われ、パンスターズ彗星、ISON彗星が大彗星となることが期待されたものの、パンスターズ彗星は終始、超低空の薄明中で、当初から観測条件は非常に悪いことはわかっており、なぜ天文雑誌がそんなに騒ぐのか、私には理解できませんでした。
ISON彗星の方は、太陽近くの低空にいる期間は短く、観測条件は良いという予報でしたので、パンスターズ彗星よりは期待していました。
でも、太陽に近づいても光度が上がらず、また視直径も小さいままで、本当に明るくなるのだろうか、予想されているよりも核がだいぶ小さいのではなかろうかと思っていました。
加えて、予想された核の大きさのままでも、いわゆる「ボートルの式」に当てはめると、太陽接近時に核が崩壊する可能性が高いことも不安要素でした。
11月17日以降、急に彗星の活動が盛んになり、これはもしかしたら、と思いましたが、結果は予想通り、崩壊の道をたどってしまいました。
ただ、インターネットで近日点通過時に彗星が崩壊してゆくさまをつぶさに見ることができ、貴重な経験ができたと思っています。
その脇役として大活躍をしたのがラブジョイ彗星です。ISON彗星を見る前に、いつもラブジョイ彗星を見ていましたが、ISON彗星よりもよほど立派で、なぜ天文雑誌やマスコミはラブジョイ彗星をもっと取り上げないのかと思いました。
肉眼彗星となったこれら3彗星の他にも、多くの彗星が小望遠鏡でも見える明るさになったことは嬉しいことで、その意味では、やはり今年は彗星イヤーと言える年だったのでしょう。
それにしても天文雑誌のはしゃぎぶりは異様で、巨大彗星という虚像を膨らませることで、それほどまでに雑誌や書籍の売上を伸ばしたいのかと思わせられました。
彗星の明るさはそれこそ水物で、毎度のことながらもっときちんとした検証に基づいた記事を書いてほしいものです。
流星群は、久々にペルセウス座流星群を快晴・月明なしの空で観測できました。
ゴールデンウィーク中の、みずがめη流星群も天候に恵まれ、例年よりも活発な活動を追跡できたのはありがたいことでした。
その他の流星群は天候に恵まれず、残念でした。
実行委員としてキャンペーン開始当初から活動に参加しているスター・ウィークは、来年で20年目を迎えるにあたって、組織や活動方針が大きく改変されました。
来年からは、スリムになった組織で、より実効的な天文普及活動を推進してゆきたいと思っています。
天文普及活動といえば、今年は仕事が非常に忙しく、さまざまな観望会を、ほとんど欠席してしまいました。
来年も忙しさは続きそうで、状況は変わらないかもしれません。
私生活では、健康に過ごせたことはありがたかったと思っています。
家族も大過なく、5匹の猫たちも、めそめそが腎不全で病院通いをしているものの、今年はなんとか乗り切れそうで、平穏な一年でした。
来年も、めそめそについては体調管理に留意し、少しでも長く生きてほしいと願っています。
文筆活動は、仕事が多忙で全くできませんでした。
これは心残りです。
あまり星見はできなかったものの、まあまあ平穏な一年で、趣味活動が思うようにできなかった物足りなさは残りますが、今年も家族揃って無事に過ごせたことに感謝したいと思います。