Blue Stars

東京から美しい星空を求めて田舎へ移住した筆者が、星や自然、動物、田舎暮らしなどについて綴っています。

太陽

福井県美浜町水晶浜の夕陽

4月5日に福井県美浜町までポンス・ブルックス彗星を観に出かけたことを、先日書きました。
今日は、そのおまけ、というか、これも立派な?天体写真には違いないと思い、記事にさせていただきます。

当日は、日没後に何とか晴れたものの、とにかく霞んでいて透明度が悪い空でした。
でも、水平線に沈む夕陽を撮るには絶好で、暗くなるまで沈む夕陽を撮っていました。
沈んでいく太陽の丸い姿がくっきり確認できるほど霞んだ空だったので、300㎜望遠レンズでこんな連続写真を撮ってみました。

12P20240405水晶浜02

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どうでしょうか。
いかに水平線間近の太陽とはいえ、これほど光量の弱いイメージでした。
どれだけ透明度が悪かったか、想像がつきますよね。
でも、海なし県である岐阜に住んでいる私にとっては、なかなか撮れない写真なので、これはこれとして満足しました。
ダルマ太陽が見えないかなとちょっと期待していたのですが、特に変化はありませんでした。
写真下面は海面です。
気流も良くなかったことがわかる写りですね。

とまあ、当日は透明度は最悪、シーイングも最悪という条件でした。
それでもコマや尾がしっかり見えたポンス・ブルックス彗星、なかなかのものです。
良く晴れていたら、それなりに立派な姿を見ることができたでしょうが、当日の天候を考えると、何とか晴れてくれただけでも有難いと思わなくてはなりません。

おまけに風景写真も掲載します。
撮って出しです。
何の処理もしていません。

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これらの写真を見ても、いかに霞んでいたかがおわかりになると思います。
普通なら、いかに低空とはいえ、太陽を真正面から撮影したらハレーションを起こしてしまいますから。
これはこれとして綺麗な写真になりました。
多くの人が水晶浜に夕陽を見に来るのもわかるような気がいます。

次回は、透明度の良い日にじっくりとここで星を見たいなあ。
海を入れた星景写真には絶好のロケーションです。
波音を聴きながら星空を見上げるなんていいですねー。




太陽の未来はどうなるの?

太陽は「主系列星」に属するごく平凡な恒星です。
「主系列星」に属する恒星は、その星の質量によってその進化に差があるものの、基本的には次第に明るく大きくなっていきます。
私たちの太陽もそうです。
過去十数億年というスパンで考えるならば、太陽活動は次第に活発化しています。
直径は少しずつ大きくなり、明るさも増大し続け、地球が受け取る熱量も確実に増えてゆきます。
地球の気温が上昇すれば、水の蒸発による水蒸気量増加によって雲が増え、わずかに気温を下げる役割を果たしますが、それも焼け石に水です。
人類の活動如何を問わず、いずれ地球の気温は生物が存在できないレベルまで上昇することでしょう。

肉眼黒点

そして、今から20~30億年後、最終的な破局が訪れます。
太陽が急激に膨張し始めるのです。
地球から見る太陽の大きさは現在の倍以上になり、その色は赤く変化していきます。
気温は急激に上昇し、南極と北極の氷の溶解により陸地の多くが水没します。
海水はやがて沸騰を始め、大気も宇宙空間へ蒸発していきます。
巨大化して水星や金星を飲み込んだ太陽は、空の半分以上の大きさとなり、40~50億年後には地球も凄まじい太陽の熱によって崩壊してしまうのです。

以上が、現在考えられている太陽と地球の未来です。
その頃まで人類が存続していたとすれば、太陽の進化を制御したり、木星や土星の衛星などに移住することもできるかもしれません。

ただ世界の現状を見る限り、生態系を破壊し、資源を収奪し続けている人類という種が、地球上にこれからも存続できる可能性は非常に少ないように思えます。
太陽の膨張によって生命が死滅する遥か以前に、人類は自らの愚行によって地球上から姿を消すことでしょう。

写真:太陽。肉眼黒点が見えています。

地球温暖化・寒冷化の原因は宇宙空間にも

現在、論議されている地球温暖化は、人類が排出する温暖化ガスにその原因を求めるものですが、実は温暖化にはもうひとつ、ほとんどの温暖化論者が知らない要因があります。
それは、地球上にその原因があるのではありません。
といって、太陽活動に原因が求められるものでもありません。
遥か遠い宇宙空間に、温暖化の要因がある可能性があるのです。

地球は銀河系(天の川銀河)に属しています。
天の川銀河は直径14万光年、巨大な棒渦巻の形状をしており、何本かの主要な渦状腕とそこから派生した何本かの支腕が渦巻構造を作っています。
太陽は、銀河系中心から約28000光年離れた場所にあり、およそ2億年かかって中心核のまわりを一周しています。
現在の太陽は比較的星の多い「オリオン腕」にあるのですが、銀河回転によって太陽の位置もゆっくりと銀河系内を移動し、やがては「オリオン腕」を離れてゆくことになります。

棒渦巻銀河

太陽が「オリオン腕」を離れるとどうなるのでしょうか。
まず、夜空の星の数が激減します。
特に1等星が遠くへ離れてしまいますから、見上げる夜空は恐ろしく寂しいものになってしまうことでしょう。

で、温暖化の話に戻りますが、太陽が「オリオン腕」から離脱すると、激しい温暖化が起こるという説があります。
渦状腕間では星が少ないですから、空全体から降り注ぐ宇宙線の強度が低くなって、日差しを遮る雲の発生が減少するからです。
地球は現在よりも強い日差しにさらされることになり、結果として温暖化が促進されるということです。

とはいえ、太陽が「オリオン腕」から離脱するのは、今から1800万年後と言いますから、まさに天文学的数字であり、目先に迫った温暖化や寒冷化には直接の関係はありません。
もし関係があるとすれば、星の多い「オリオン腕」に太陽がある間に、超新星爆発が起こった場合です。
超新星爆発が起こると、宇宙線量が増加し、地球の雲が増えて日差しが遮られ、寒冷化へ向かう可能性があるのです。
ベテルギウスやアンタレスの超新星化が話題になっていますが、こうした星が超新星になると地球寒冷化が起こるかもしれません。

地球温暖化を語る場合、温暖化ガスの増加のみを議論することがほとんどですが、今回書いた天の川銀河内での太陽の移動によるもの、そして超新星爆発によるものなど、さまざまな温暖化、寒冷化の要因があるのですね。
私たちは、地球という小さな惑星上で起こることにのみ目を向けがちですが、もっと宇宙規模による気候変動の影響を、地球は受けているのです。

地球の未来はどうなるのか

青い海が広がり、多くの生命が棲息している現在の地球。
人類の活動によって、環境汚染や生態系の破壊などが進行してはいるものの、基本的には温暖で住みやすい状態を保っているといえます。
こんな穏やかな地球ですが、数億年~数十億年のスパンで見ると、その未来はどうなっていくのでしょうか。

人類による環境破壊と地球温暖化。
これは大きな問題です。
今後、徐々に地球は生命にとって住みづらい場所となっていくことでしょう。
ただ、温暖化が今後どの程度進行し、地球環境にどのような影響をもたらすのかについては未だ研究段階であり、はっきりした方向性は見えていません。
今回は、人類による地球温暖化の影響はとりあえず無視して未来の地球を考察してみます。

地球の環境に最も大きく作用しているのは太陽の活動です。
現在、太陽は主系列星の段階にあり安定した原子核反応を続けていますが、それでも少しずつ膨張し、その光度も明るくなっています。
地球表面に届く太陽の熱量も少しずつ、そして確実に増加しつつあり、その意味では人類活動の如何に関わらず地球温暖化は進行し続けるということができるでしょう。
6億年後には、増大する太陽放射の影響で大気中の二酸化炭素量が減少し、植物が生存することができなくなります。
植物が絶滅すれば、植物を食べている動物も遠からず絶滅し、地球上に残る生命は菌類や嫌気性の生き物だけになります。
太陽の光度はますます増大し、10億年後の地球が受け取る太陽からの熱は現在よりも10%増加します。
こうなると、海が蒸発を始めます。
地球の大気は蒸発による水蒸気量の増大によって蒸し風呂のような高温多湿状態となるでしょう。
プレートテクトニクスは、地中にしみ込んだ海水が移動する大陸の潤滑剤として作用していますので、海が蒸発してしまうと、恐らくプレートテクトニクスも行われなくなるだろうと思います。
海が蒸発してしまえば、僅かに残った生命も全て死に絶えます。
20億~30億年後には地球の中心にある核が固体化し、その影響で磁気圏がなくなって、大気中の軽い元素から順に宇宙への流出が始まります。
さらに40億年後前後には、温暖化が暴走し始め、地球の表面はドロドロに溶解してしまうことでしょう。
太陽は主系列星から赤色巨星へと急速に進化し、その大きさは地球軌道程度まで膨張するものと思われます。
地球が太陽に飲み込まれて燃え尽きてしまうか、あるいはギリギリ飲み込まれないかはわかりませんが、いずれにしても地球の表面は溶解し焼けただれ、地球は最後の時を迎えることになります。

地球の遥かな未来について概観してきました。
上記は、地球が太陽の周りを周回している以上、確実に訪れる未来です。
ただ、現在の私たちが心配することはありません。
私たちが心配しなければならないのは、核戦争、巨大隕石の落下、地球温暖化による環境の激変、人類すべてに死をもたらす疫病の蔓延などです。
日本においては、富士山の噴火が直近で最も破滅的なカタストロフィとなることでしょう。
富士山噴火がどれほどの壊滅的被害をもたらすかは、以前にこのブログに書いたことがありますので、関心のある方は検索してお読みください。


太陽面で見られる現象あれこれ

昨日は、太陽フレアのリスクについて解説させていただきました。
今日も引き続いて太陽の話題です。
自宅と西美濃天文台で撮影した太陽画像を見ながら、太陽面に見られるさまざまな現象についてお話させていただきます。

20141024sun01

上の写真は、可視光(白色光)で撮影した太陽です。
ちょうど肉眼でも見える大きな黒点が出ていました。
黒点は、太陽面(光球面)でも温度が低い場所です。
といっても4000度ほどの高温で、6000度ほどもある光球面に比べて相対的に温度が低いために暗く見えるにすぎません。
黒点は、太陽表面の磁場が特に強い場所にできます。
強い磁力線によってプラズマガスの対流が妨げられるために温度が下がると考えられています。
個々の黒点をよく見ると、真っ黒な部分と少し黒味の薄い部分がありますが、それぞれ暗部、半暗部と呼ばれています。
また黒点は、数個が群れているように近接していることが多く、黒点群と呼んでいます。

20160504sun拡大01

上は、水素の光(Hα線)で撮影した太陽面です。
可視光ではのっぺりしているように見える太陽面ですが、こうして水素の光で見ると、複雑な構造をしていることがおわかりいただけると思います。

白っぽく見えるところは、磁力線の活動が盛んな場所です。
こうした白っぽい場所が、昨日ご説明したフレアとして爆発現象を起こすこともあります。

太陽の縁に炎が立ち昇っているように見えるのは、プロミネンス(紅炎)と呼ばれる現象です。
強烈な磁力線に沿って、最も内側の太陽大気である彩層の一部がコロナ内部へ吹き出しています。
プロミネンスのうち、最も大きなものは地球20個ほどの大きさがあります。

太陽面に、黒くうねうねと延びているスジは、ダークフィラメント(暗条)といいます。
これは、光球面に見えているプロミネンスです。
プロミネンスの物質が光球からの光を吸収してしまうために、暗いスジとして見えています。

太陽は活動の極小期を過ぎ、極大期へと向かっています。
これから先、黒点数は次第に増加し、プロミネンスの数も増えていきます。
フレアが起こる回数も増えることでしょう。
携帯電話やGPSの障害が発生する可能性もあります。
最も身近な恒星である太陽。
その表面ではさまざまな活動が起こっており、人類の営みに影響を与えるものも少なくないのですね。






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