いま、手元に『日本の天文台』という本があります。
昭和46年に誠文堂新光社から発行されました。
書名の通り、日本各地にある天文台を、国立、公立、私立問わず取材して、写真を主体にまとめた本で、取材は藤井 旭さん、全134か所の天文台が紹介されています。
藤井さんは、全国にある天文台の総数は、アマチュアの個人天文台を含めれば400程度はあるだろうと書いており、昭和46年時点でも、我が国には相当数の天文台(観測所)が存在したことがわかります。
広瀬秀雄先生が、「日本の天文台小史」と題して、我が国の天文台黎明期から現在に至るまでの略史を書かれており、また村山定男先生が「天文台あれこれ」と題して、系統だってはいないものの、やはり我が国の天文台の歴史や将来展望について書かれています。
表紙は、岡山天体物理観測所の188cm望遠鏡を納めたドーム、ページを開いてみると、東京天文台(当時)から始まって、研究機関から公立天文台、学校天文台、私立天文台までこと細かに取材し、モノクロながら写真でそれぞれの施設の概要がわかるように編集されています。
藤井さんは、自分の知っている施設と知人からの情報をもとに、当初は60か所程度を取材する予定だったそうですが、次第に数が増え、最終的には当初の倍以上の天文台を訪問されたとのことで、そのバイタリティに驚かされます。
選考の基準はまちまちで、研究機関や大型施設と、個人天文台が同じページに掲載されていたりしますが、そもそも「天文台」というモノが何であるかということが曖昧ですので、これは仕方のないことだと思います。
大型の天体望遠鏡を備えた公立天文台が全国に林立する現代ですが、この本に掲載されている天文台を見ると、研究機関はともかく、公立施設でも15cm~25cm屈折望遠鏡か、40cm以下の反射望遠鏡を備えた天文台がほとんどです。
設備も、コンピューターやCCDカメラが普及している現代とは異なり、手動導入、銀塩のアストロカメラを長焦点屈折望遠鏡に同架した懐かしいものが多く、時代を感じさせます。
それにしても、小さな個人天文台をも含めているとはいえ、昭和40年代にこれほど多くの天文台が我が国に存在したことは驚くべきことでした。
この本を購入した当時、何度も何度もページをめくり、銀色に輝くドームと、スマートな望遠鏡に憧れたことを思い出します。
現在、全国のプラネタリウムを紹介した書籍は何冊か出版されていますが、考えてみれば公開天文台についてまとめた本は、私の知る限り出版されていないようです。
全国を取材するのは大変だろうと思いますが、日本公開天文台協会なり出版社なりで、この本の現代版を出版していただければ、星空に親しみたい一般の方に大いに参考になるでしょうし、公開天文台を訪れる方が増加し、天文普及にもつながるかと思います。
ぜひ現代版『日本の天文台』を出版したいものです。
私も及ばずながら、実現に向けて少し動いてみようかと思っています。
この本、現在ではあまり残っておらず、入手するのは困難かもしれませんが、ぜひ一度、手に取ってご覧になることをお勧めします。
当時の状況は勉強になると思いますし、巻末にある広瀬、村山、藤井さんの文章も、天文ファンであれば一般知識として頭に入れておきたいものです。
図書館よりも、歴史の古い公開天文施設の書庫に行った方が閲覧できる機会が多そうです。
岐阜県内では恐らく、岐阜天文台の書庫で見つけることができると思います。
それにしても、銀色に輝くドームは、いつの時代でも天文ファンの憧れですね。
昭和46年に誠文堂新光社から発行されました。
書名の通り、日本各地にある天文台を、国立、公立、私立問わず取材して、写真を主体にまとめた本で、取材は藤井 旭さん、全134か所の天文台が紹介されています。
藤井さんは、全国にある天文台の総数は、アマチュアの個人天文台を含めれば400程度はあるだろうと書いており、昭和46年時点でも、我が国には相当数の天文台(観測所)が存在したことがわかります。
広瀬秀雄先生が、「日本の天文台小史」と題して、我が国の天文台黎明期から現在に至るまでの略史を書かれており、また村山定男先生が「天文台あれこれ」と題して、系統だってはいないものの、やはり我が国の天文台の歴史や将来展望について書かれています。
表紙は、岡山天体物理観測所の188cm望遠鏡を納めたドーム、ページを開いてみると、東京天文台(当時)から始まって、研究機関から公立天文台、学校天文台、私立天文台までこと細かに取材し、モノクロながら写真でそれぞれの施設の概要がわかるように編集されています。
藤井さんは、自分の知っている施設と知人からの情報をもとに、当初は60か所程度を取材する予定だったそうですが、次第に数が増え、最終的には当初の倍以上の天文台を訪問されたとのことで、そのバイタリティに驚かされます。
選考の基準はまちまちで、研究機関や大型施設と、個人天文台が同じページに掲載されていたりしますが、そもそも「天文台」というモノが何であるかということが曖昧ですので、これは仕方のないことだと思います。
大型の天体望遠鏡を備えた公立天文台が全国に林立する現代ですが、この本に掲載されている天文台を見ると、研究機関はともかく、公立施設でも15cm~25cm屈折望遠鏡か、40cm以下の反射望遠鏡を備えた天文台がほとんどです。
設備も、コンピューターやCCDカメラが普及している現代とは異なり、手動導入、銀塩のアストロカメラを長焦点屈折望遠鏡に同架した懐かしいものが多く、時代を感じさせます。
それにしても、小さな個人天文台をも含めているとはいえ、昭和40年代にこれほど多くの天文台が我が国に存在したことは驚くべきことでした。
この本を購入した当時、何度も何度もページをめくり、銀色に輝くドームと、スマートな望遠鏡に憧れたことを思い出します。
現在、全国のプラネタリウムを紹介した書籍は何冊か出版されていますが、考えてみれば公開天文台についてまとめた本は、私の知る限り出版されていないようです。
全国を取材するのは大変だろうと思いますが、日本公開天文台協会なり出版社なりで、この本の現代版を出版していただければ、星空に親しみたい一般の方に大いに参考になるでしょうし、公開天文台を訪れる方が増加し、天文普及にもつながるかと思います。
ぜひ現代版『日本の天文台』を出版したいものです。
私も及ばずながら、実現に向けて少し動いてみようかと思っています。
この本、現在ではあまり残っておらず、入手するのは困難かもしれませんが、ぜひ一度、手に取ってご覧になることをお勧めします。
当時の状況は勉強になると思いますし、巻末にある広瀬、村山、藤井さんの文章も、天文ファンであれば一般知識として頭に入れておきたいものです。
図書館よりも、歴史の古い公開天文施設の書庫に行った方が閲覧できる機会が多そうです。
岐阜県内では恐らく、岐阜天文台の書庫で見つけることができると思います。
それにしても、銀色に輝くドームは、いつの時代でも天文ファンの憧れですね。