2006年07月
2006年07月13日
破壊された家庭
私は、精密機器のアフターサービスを業務としている。機械が複雑になる程、アフターサービスや緊急の故障修理が必要となり、その修理や点検が重要になってくる。
この仕事は緩急の波が大きく、急がしい時はメチャ忙しいが、ひまな時には全く仕事がなく、効率が非常に悪く、生活がかかっている壮青年技術者はなかなか使えない。従って私は、年金で収入が安定している定年退職者を主な要員として、彼らの貴重な経験や技術を生かしながらアフタ-サ-ビスを行なっている。その関係で私は定年退職者諸兄の家庭や奥さんと、電話を通して、いろいろなやりとりや連絡があり、先方の家庭のおよその情況が推察できる。
結論から言えば、定年退職者の多くの家庭は破壊に近い状態にあるらしいということである。
即ち、妻は、夫が何をしているか殆ど知らず(無関心な場合や、知らされていない場合もある)、各々勝手に趣味や、サークル活動に耽ったり、極端な場合には、別居状態に近い家庭も少なくない。また金銭勘定が別になっているケースも結構多そうである。
即ち、夫は60才になって会社を退職すると、もうすることがなくなり、また妻は子供達が独立すると人生の目標を失って、茫然自失となるらしい。 あの若い時の夫婦一体感は、殆どの場合消え失せている。
一般に動物は生殖活動時期が終わると寿命も終わる場合が多い。例えば河川を遡上するサケは産卵を終えると、オスメスに関係なく全て死んでしまう。
人間も人生50年と言っていた時代は問題がなかったが、近年の医学の発達で、その後の余生が大きく伸びたため、家庭内の不調和が顕在化したと思われる。
勿論退職後もお互いに親密な関係を維持している家庭もあるが数は少なく、半数以上の家庭は静かだが冷たくて、破壊に近い状態にありそうな感触である。 家庭では各々別のテレビを見て、寝室も別となる。 現役時代に大出世して威張っていても、退職すれば一人ぼっちとなり、妻の冷たい仕打ちに打ちひしがれて悲嘆にくれた毎日を過ごしているのが現状のようである。 来年からは夫婦間で年金を分割できる法律が施行されるので、その時機到来を待っている老妻達が多いと新聞は報じている。
私自身の場合を言えば、幸い仕事が続いていることもあり、帰宅すると昼間の出来事をいろいろ話し、夕食をとりながら居間の大型テレビを一緒に見るのが習慣だが、さすが夜遅くまで陳腐なドラマに付き合う気はなく、妻より先に寝てしまう。
しかし、家庭内別居状態で長い余生を全うするには、折角の人生を退屈と苦痛のうちに終えることになり、如何にも残念である。 なんとか解決策はないものだろうか?
例えば、ボランティアーとして、児童の安全のための活動をするとか、人生の目標が分からず悩んでいる若者達に先輩として相談相手となり、仕事とは何かを話してやるとか、或いは核家族で子供の育て方が分からずに苦しんでいる若妻に、老妻が自分の経験した子育てのコツを教えてやれないものだろうか? それには仕掛けが必要であり、政府がその音頭とりをすべきである。
勿論、趣味も大切なことであり、私自身も休日は家族サービスのほかに、ヨットやダンスをやり大きな気晴らしになっているが、人生の最終コーナーをもっと有意義に過ごす舞台装置の設営に、政府がもう少し力をいれて側面援助してほしいものである。
この仕事は緩急の波が大きく、急がしい時はメチャ忙しいが、ひまな時には全く仕事がなく、効率が非常に悪く、生活がかかっている壮青年技術者はなかなか使えない。従って私は、年金で収入が安定している定年退職者を主な要員として、彼らの貴重な経験や技術を生かしながらアフタ-サ-ビスを行なっている。その関係で私は定年退職者諸兄の家庭や奥さんと、電話を通して、いろいろなやりとりや連絡があり、先方の家庭のおよその情況が推察できる。
結論から言えば、定年退職者の多くの家庭は破壊に近い状態にあるらしいということである。
即ち、妻は、夫が何をしているか殆ど知らず(無関心な場合や、知らされていない場合もある)、各々勝手に趣味や、サークル活動に耽ったり、極端な場合には、別居状態に近い家庭も少なくない。また金銭勘定が別になっているケースも結構多そうである。
即ち、夫は60才になって会社を退職すると、もうすることがなくなり、また妻は子供達が独立すると人生の目標を失って、茫然自失となるらしい。 あの若い時の夫婦一体感は、殆どの場合消え失せている。
一般に動物は生殖活動時期が終わると寿命も終わる場合が多い。例えば河川を遡上するサケは産卵を終えると、オスメスに関係なく全て死んでしまう。
人間も人生50年と言っていた時代は問題がなかったが、近年の医学の発達で、その後の余生が大きく伸びたため、家庭内の不調和が顕在化したと思われる。
勿論退職後もお互いに親密な関係を維持している家庭もあるが数は少なく、半数以上の家庭は静かだが冷たくて、破壊に近い状態にありそうな感触である。 家庭では各々別のテレビを見て、寝室も別となる。 現役時代に大出世して威張っていても、退職すれば一人ぼっちとなり、妻の冷たい仕打ちに打ちひしがれて悲嘆にくれた毎日を過ごしているのが現状のようである。 来年からは夫婦間で年金を分割できる法律が施行されるので、その時機到来を待っている老妻達が多いと新聞は報じている。
私自身の場合を言えば、幸い仕事が続いていることもあり、帰宅すると昼間の出来事をいろいろ話し、夕食をとりながら居間の大型テレビを一緒に見るのが習慣だが、さすが夜遅くまで陳腐なドラマに付き合う気はなく、妻より先に寝てしまう。
しかし、家庭内別居状態で長い余生を全うするには、折角の人生を退屈と苦痛のうちに終えることになり、如何にも残念である。 なんとか解決策はないものだろうか?
例えば、ボランティアーとして、児童の安全のための活動をするとか、人生の目標が分からず悩んでいる若者達に先輩として相談相手となり、仕事とは何かを話してやるとか、或いは核家族で子供の育て方が分からずに苦しんでいる若妻に、老妻が自分の経験した子育てのコツを教えてやれないものだろうか? それには仕掛けが必要であり、政府がその音頭とりをすべきである。
勿論、趣味も大切なことであり、私自身も休日は家族サービスのほかに、ヨットやダンスをやり大きな気晴らしになっているが、人生の最終コーナーをもっと有意義に過ごす舞台装置の設営に、政府がもう少し力をいれて側面援助してほしいものである。