2009年12月
2009年12月25日
091225,中国の低コストに感謝
私は毎週土曜日曜は手賀沼湖畔を自転車で周回している。一周約20Kmだから結構な距離だ。以前は普通の自転車だったが、一度スリップ転倒してケガをしたので、5年前にタイヤ径が大きくてより安全なマウンテンバイクを購入した。3段クッションで21段変速のなかなか高性能車だ。イトーヨーカドー店の自転車売場で2万円少々と安く購入できたから、ケチな私でも満足している、5年で既に10,000Km近く走った計算になるが、一度パンクしただけで、総じて快調に走る。
しかし流石、最近潤滑の具合がやや悪くなり、走行中に少し軋み始めた。早速グリース注入をしてもらうべく、久し振りに町中の自転車屋に行ってみると、その店は既に廃業して跡形もなかった。スーパーで普通の自転車を1万円以下で買える時代に、2万円とか3万円の自転車は売れず、終に家屋敷を売り払って廃業したようだ。
仕方なく、イトーヨーカドーの自転車売場に行ってグリース注入を頼んだが、新車販売が主で、スポーツ車の修理などはやらないという。 しかし近くにスポーツ自転車専門店があるからと教えてくれた。早速教えられたスポーツ自転車の専門店に行くと、15万円とか20万円の高級自転車がカベに数台かけてあり、若い1人社長のお兄さんが忙しそうに組み立てていた。早速私の自転車のグリース注入をお願いし、近くの吉野家で牛ドンを食べて来ますからと言うと、もっと長時間がかかるという。何でグリース注入にそんな長い時間が?と思いながら、見積もりは幾らぐらい?と聞くと25,000円ですと言われた。
これにはアット驚き仰天した、私は一桁小さい2,000-3,000円を予想していたので、何かの間違いかと思い、グリース注入だけですよ!とたたみかけると、分っています、前後2本のホイールと、クランク部分の3ケ所を分解してグリースを注入するので、@8,000 x 3ケ所=2.5万円になりますとのこと。予想より桁違いに高かった。私はちょっとネジを緩めてグリースを入れて欲しかったのだが、それではお金にならないらしい。私は狼狽しながらそんなに高いのなら結構です、と自転車の購入原価には触れずに、急いで退散した。しかし2万円の自転車に2.5万円の修理代を払うなんて、信じられない思いだった。
私の2万円バイクは有名なシマノ部品を使っているが、組み立ては全て中国なのだ。即ち中国の圧倒的に安い人件費が、このような低い価格の自転車を可能にしているのだ。仮に中国の安い人件費がなかったら、多分私の自転車は10万円とか15万円で、スポーツ店のカベに飾られていただろう。中国があるから、1万キロ走っても少しもへこたれない丈夫なマウンテンバイクをたった2万円で買うことができたのだ。
別の極端な例はあの100円ショップだ。日本製は1000円近いモンキーとかスパナなど数多くの雑貨がたった100円で売られているのと同じである。もし中国の安い製造コストが無かったら、多分私は15万円のマウンテンバイクを買い、友人に自転車そのものより、高価な値段を自慢気にPRしていたかも知れない。仮に中国の安い商品圧力がなかったら、多分日本は人件費高騰によるインフレ圧力で、少なくとも多くの商品の物価は2−3倍になっていただろう。
確かにインフレが企業経営には利益源になるが、我々国民の購買力をこっそり奪い去り、国の競争力を失わせてしまう、全く困った現象だ。中国民衆が汗水流しながら低賃金で働いているお蔭で、日本の怠慢な企業経営者の勝手な思惑は蹴飛ばされ、誰もが認める高い付加価値の追加なしには、勝手に値上げはできない経済構造になってしまった。
温暖化ガス排出規制などで、尊大な態度をとる中国を私は好きではないが、逆にその中国のおかげで、日本では商品が桁違いに安い値段で購入でき、我々に幸せを提供しているのだ。 その結果、昔のように国内メーカーが好き勝手にレジャー商品というだけで高額な値段をつけることが出来なくなってしまった。本当に中国の廉価な製造コストは我々日本人に多く利益と便宜を与えていると思う。この意味で、私は中国に本当に感謝しなければならないと内心思い直している。
好き嫌いに拘わらず、既成事実として、お隣り中国は世界の大国になりつつあるのだから、これからは仲良く付き合う以外に手はなさそうだ。
2009年12月22日
091222, 日本人はプレゼンテーションが苦手
今年もいよいよ年の暮れとなった。毎日は結構忙しいが、過ぎてみると1年は本当に短い。何しろ2人の孫たちが私と変らない背丈に迄伸びたのだから、私も年を重ねたものだ。
先日の世界の環境問題、温暖ガス排出規制をきめるCOP15が大もめしているのを連日テレビで報道していた。鳩山首相も英語で講演した。欧米を含む世界各国の首脳や代表者が次々と立ち上がって、自分勝手な発言ばかりしている。特に世界最大のCO2排出国中国は、如何にも正義の代表のような態度で責任回避を主張し続けているのは何とも見苦しい限りだ。時には世界の大国として発言し、時には発展途上国として勝手にふるまう。
しかし一つ気になったのは、鳩山首相は英文原稿を直立不動で朗読していたが、多くの国の諸代表は原稿は余り見ないで、会場を見渡しながらジェスチャーたっぷりに演説していた点だ。確かに従来の日本の首相は国際会議でも日本語で演説し、他の国の代表は誰も生の声を聞けなかったが、その点鳩山首相の英語演説は大きな進歩だといえよう。
しかしもう少し迫力ある話し方はできなかっただろうか? オバマ大統領なんか、自国の利益優先ばかりの内容だが、少なくとも発言態度は立派で、何だか偉いことを言っているように見えた。 フィギュアースケート流でいえば、鳩山首相は技術点は高いが、高得点を稼ぐ芸術点が低く、総合点で負けしてしまったというところか。
日本人は演説が下手なのは昔からで、テレビで国際会議をみる度に恥ずかしい思いをする。その点今回の英語演説はある程度評価できる、しかし国内の国会議員の発言の多くは原稿の棒読みが多く誠に残念だ。日本人はプレゼンテ−ションが下手だとよく言われるが、今日の様なグローバル社会においては本当に大損をしていると思う。理由は何故なのだろう。若い時の人格形成時にエリート候補生の多くは、厳しい受験戦争に曝され続けて、人格を鍛錬する余裕がなかったからだろうか?
そういう私も雄弁ではなく演説が苦手だ。しかし、原稿を読むことだけは絶対にしなかった。私は事前に自分の草稿を会場に配布して皆さんが見ている原稿を読むのがとりわけ苦手で、吃音が激しかった。従って私は演説内容を事前に文章化することはしなかった。代わりに要点を箇条書きしたメモを手に会場の皆さんを見渡しながら、組合大会などで演説した。しかも30分程度が限度で、それ以上の長時間の演説はしたことがない。長く話し続けると疲れて吃音もし始めるのだ。更に長い演説は自己満足だけで、誰も本気で聞かなくなることがより大きな理由であった。事前に私の原稿内容が皆さんの手元にないので、聴衆も聞き耳をたて聞いてくれた。演説は大筋を間違えなければ、少々話し違えても問題なく、私は安心してどもらずに演説ができた。
今日では世界中が忙しく、環境問題の考え方も基本的な意見の相違が大きく、従って細部にこだわった形式的な講演などは誰も評価してくれない。 何を言っているかが理解し易い大筋と、迫力ある演説が不可欠な時代なのだ。
その点、民主党の若手幹部には、松下政経塾出身者が多く、彼らは演説の仕方も心得ており迫力もある。少々ケチをつければ如何にも仕入れた知識と言わんばかりに、Win-Winの関係とか見せびらかすような輸入単語を多用するが、まあ演説熊度はなかなかいい。しかし松下政経塾出身者も、国内全体のリーダーの中ではまだまだ少数派だ。今の日本を動かしている東大法科卒の高級官僚たちは、先般の事業仕訳の時、懸命に弁解に努めていたが、説明の仕方が言い訳じみて何とも見苦しかった。その結果、多くの事業は廃止や事業縮小に分類されてしまったのは全く当然の結果だろう。
私も彼ら高級官僚のテレビ姿を目にして、そのみすぼらしさに驚いた次第だ。 もし彼らに巨額な国家予算を左右する使命感があったら、あのような惨めな結果にはならなかったと思う。これが今まで日本をリードしてきたエリート層だと思うと悲しくなるが、国際会議での彼らの演説下手も納得できた次第である。
先日の世界の環境問題、温暖ガス排出規制をきめるCOP15が大もめしているのを連日テレビで報道していた。鳩山首相も英語で講演した。欧米を含む世界各国の首脳や代表者が次々と立ち上がって、自分勝手な発言ばかりしている。特に世界最大のCO2排出国中国は、如何にも正義の代表のような態度で責任回避を主張し続けているのは何とも見苦しい限りだ。時には世界の大国として発言し、時には発展途上国として勝手にふるまう。
しかし一つ気になったのは、鳩山首相は英文原稿を直立不動で朗読していたが、多くの国の諸代表は原稿は余り見ないで、会場を見渡しながらジェスチャーたっぷりに演説していた点だ。確かに従来の日本の首相は国際会議でも日本語で演説し、他の国の代表は誰も生の声を聞けなかったが、その点鳩山首相の英語演説は大きな進歩だといえよう。
しかしもう少し迫力ある話し方はできなかっただろうか? オバマ大統領なんか、自国の利益優先ばかりの内容だが、少なくとも発言態度は立派で、何だか偉いことを言っているように見えた。 フィギュアースケート流でいえば、鳩山首相は技術点は高いが、高得点を稼ぐ芸術点が低く、総合点で負けしてしまったというところか。
日本人は演説が下手なのは昔からで、テレビで国際会議をみる度に恥ずかしい思いをする。その点今回の英語演説はある程度評価できる、しかし国内の国会議員の発言の多くは原稿の棒読みが多く誠に残念だ。日本人はプレゼンテ−ションが下手だとよく言われるが、今日の様なグローバル社会においては本当に大損をしていると思う。理由は何故なのだろう。若い時の人格形成時にエリート候補生の多くは、厳しい受験戦争に曝され続けて、人格を鍛錬する余裕がなかったからだろうか?
そういう私も雄弁ではなく演説が苦手だ。しかし、原稿を読むことだけは絶対にしなかった。私は事前に自分の草稿を会場に配布して皆さんが見ている原稿を読むのがとりわけ苦手で、吃音が激しかった。従って私は演説内容を事前に文章化することはしなかった。代わりに要点を箇条書きしたメモを手に会場の皆さんを見渡しながら、組合大会などで演説した。しかも30分程度が限度で、それ以上の長時間の演説はしたことがない。長く話し続けると疲れて吃音もし始めるのだ。更に長い演説は自己満足だけで、誰も本気で聞かなくなることがより大きな理由であった。事前に私の原稿内容が皆さんの手元にないので、聴衆も聞き耳をたて聞いてくれた。演説は大筋を間違えなければ、少々話し違えても問題なく、私は安心してどもらずに演説ができた。
今日では世界中が忙しく、環境問題の考え方も基本的な意見の相違が大きく、従って細部にこだわった形式的な講演などは誰も評価してくれない。 何を言っているかが理解し易い大筋と、迫力ある演説が不可欠な時代なのだ。
その点、民主党の若手幹部には、松下政経塾出身者が多く、彼らは演説の仕方も心得ており迫力もある。少々ケチをつければ如何にも仕入れた知識と言わんばかりに、Win-Winの関係とか見せびらかすような輸入単語を多用するが、まあ演説熊度はなかなかいい。しかし松下政経塾出身者も、国内全体のリーダーの中ではまだまだ少数派だ。今の日本を動かしている東大法科卒の高級官僚たちは、先般の事業仕訳の時、懸命に弁解に努めていたが、説明の仕方が言い訳じみて何とも見苦しかった。その結果、多くの事業は廃止や事業縮小に分類されてしまったのは全く当然の結果だろう。
私も彼ら高級官僚のテレビ姿を目にして、そのみすぼらしさに驚いた次第だ。 もし彼らに巨額な国家予算を左右する使命感があったら、あのような惨めな結果にはならなかったと思う。これが今まで日本をリードしてきたエリート層だと思うと悲しくなるが、国際会議での彼らの演説下手も納得できた次第である。
2009年12月18日
091218 やはりお役所仕事
当社は精密機械のメンテナンスの専門会社である。近年の機械は故障も少なく、従って仕事の頻度も毎日ではない、更に最近の機械装置は電気、メカ、パソコンなど各種技術の総合装置で、メンテ担当者にも広範な知識と経験が求められる。そのまて、メンテ業務に最適な人材は豊富で広範な経験をもち、かつ生活も安定しているシルバー技術者がベストである。当社も現在62才-74才迄のシルバー技術者9人と契約しており、中には英会話万能な高齢の技術者もいる。
これら多様な人材を広い範囲で見つけ出し開拓するには、やはりハローワークの力を借りるのが一番だ、何しろハローワークに求人を載せると、直ぐに反応があらわれ、多数の問い合わせが来る。ハローワークの威力の大きさを思い知らされる。しかしなかなか納得出来ないこともある
先般、ある有名な米国系機械メーカーB社から、注射液高速充填ラインがメンテ要員を探しているこを知り、早速ハローワークにその分野の実務経験者の求人票を提出した、しかし窓口担当者は、B社と当社との業務契約書を先に見せろという。当社は適当な人材が見つかればB社と契約できるから、人材を見つけた段階で契約書をお見せしますと答えたが、全く受け付けない。
取りつく島もなく、たまたま親しかったB社の人事部長に相談したが、やはり当社の技術レベルも分からない段階で契約はできないという。困った私は、では依頼の手紙をもらえないかと話して、やっと簡単な依頼メモを受け取った。その下の空きに、当社は本件業務はお受けします、とか仰々しく書き添えて捺印しハローワークに提出した。暫く読んでいた窓口担当者は、これは契約書ではないと言う、当り前だ、当社も全く無意味な私信だと思うが、これ以上の書類は得られず、平身低頭してお願いし、やっと求人票を受け付けてもらった。まったく主客転倒で、ナンセンスなやりとりで数日間を浪費させられた。
再び先日、今度は別の大手電気メーカーの熱交換器のメンテナンス人材の募集で問題が起きた。この大手電気メーカーの北陸工場に設置予定の熱交換器のメンテを当社が受注したいと計画し、経済的なコストで提案すべく、地元の北陸地方に住むシルバー技術者を採用しようとハローワーク窓口に相談したが、再び契約書を先に見せろとの返事であった。今回の相手は超大手メーカーであり、当方の業務遂行能力も分からない段階で、メンテ契約を結んでくれる訳がないのだ。
かくして、当社はハローワークの強力な人材募集網は使えず、知人友人のつてをたよりに、遠隔地での人探しを開始したが全く目途はたっていない。 またハローワークも同じことで、押し寄せる求職者を前に求人が少ないと嘆いているだけだ。中高年者の求人求職は微妙なマッチングが不可欠で、画一的に扱うことは難しく、求人側も求職側も、むなしい努力を強いられ、ハローワークのお役所仕事に困惑している次第。
私は疑問に思うのは、何故ハローワークは求人表を受け付けるのに、契約済みの書類まで要求するのかということだ。ハローワークが求職者の就職から離職まで全責任をもつのであれば少しは理解できるが、基本的は単なる紹介業だけだ、
豊富な人材をもつ大手の人事派遣会社などが画一的な人材を提供するのなら、事前の契約書も可能であろうが、無数に存在する特殊業務への潜在的な特殊求人では、事前の契約書など不可能なのだ。特殊業務の発注受注はそんなに簡単には契約せず、相手先の能力を慎重に確認してやっと契約調印の話となるのだ。
仮に事前の契約書を見せれば、ハローワークは必ず適当な人材を提供してくれるのであれば、話は簡単だが、そんな約束をハローワークはする筈がない。かくして、膨大に存在する潜在的な求人と、同じく膨大な潜在的求職者との出会の機会をハローワークは全く演出できず、その組織だけが空回りしている。
既に議論になっているハローワークの民間開放が実現すれば、このように
非効率で不自由、規則一辺倒の役所は一掃されるであろうが、それを恐れてハローワークは独占権を手離そうとしない。かくして効率アップには無関心でばかげたお役所仕事が日本の労働人口の流動化の大きな邪魔となっているのである。全く困ったものだ。ハローワークの業務仕訳けを是非やって欲しいと思う。
これら多様な人材を広い範囲で見つけ出し開拓するには、やはりハローワークの力を借りるのが一番だ、何しろハローワークに求人を載せると、直ぐに反応があらわれ、多数の問い合わせが来る。ハローワークの威力の大きさを思い知らされる。しかしなかなか納得出来ないこともある
先般、ある有名な米国系機械メーカーB社から、注射液高速充填ラインがメンテ要員を探しているこを知り、早速ハローワークにその分野の実務経験者の求人票を提出した、しかし窓口担当者は、B社と当社との業務契約書を先に見せろという。当社は適当な人材が見つかればB社と契約できるから、人材を見つけた段階で契約書をお見せしますと答えたが、全く受け付けない。
取りつく島もなく、たまたま親しかったB社の人事部長に相談したが、やはり当社の技術レベルも分からない段階で契約はできないという。困った私は、では依頼の手紙をもらえないかと話して、やっと簡単な依頼メモを受け取った。その下の空きに、当社は本件業務はお受けします、とか仰々しく書き添えて捺印しハローワークに提出した。暫く読んでいた窓口担当者は、これは契約書ではないと言う、当り前だ、当社も全く無意味な私信だと思うが、これ以上の書類は得られず、平身低頭してお願いし、やっと求人票を受け付けてもらった。まったく主客転倒で、ナンセンスなやりとりで数日間を浪費させられた。
再び先日、今度は別の大手電気メーカーの熱交換器のメンテナンス人材の募集で問題が起きた。この大手電気メーカーの北陸工場に設置予定の熱交換器のメンテを当社が受注したいと計画し、経済的なコストで提案すべく、地元の北陸地方に住むシルバー技術者を採用しようとハローワーク窓口に相談したが、再び契約書を先に見せろとの返事であった。今回の相手は超大手メーカーであり、当方の業務遂行能力も分からない段階で、メンテ契約を結んでくれる訳がないのだ。
かくして、当社はハローワークの強力な人材募集網は使えず、知人友人のつてをたよりに、遠隔地での人探しを開始したが全く目途はたっていない。 またハローワークも同じことで、押し寄せる求職者を前に求人が少ないと嘆いているだけだ。中高年者の求人求職は微妙なマッチングが不可欠で、画一的に扱うことは難しく、求人側も求職側も、むなしい努力を強いられ、ハローワークのお役所仕事に困惑している次第。
私は疑問に思うのは、何故ハローワークは求人表を受け付けるのに、契約済みの書類まで要求するのかということだ。ハローワークが求職者の就職から離職まで全責任をもつのであれば少しは理解できるが、基本的は単なる紹介業だけだ、
豊富な人材をもつ大手の人事派遣会社などが画一的な人材を提供するのなら、事前の契約書も可能であろうが、無数に存在する特殊業務への潜在的な特殊求人では、事前の契約書など不可能なのだ。特殊業務の発注受注はそんなに簡単には契約せず、相手先の能力を慎重に確認してやっと契約調印の話となるのだ。
仮に事前の契約書を見せれば、ハローワークは必ず適当な人材を提供してくれるのであれば、話は簡単だが、そんな約束をハローワークはする筈がない。かくして、膨大に存在する潜在的な求人と、同じく膨大な潜在的求職者との出会の機会をハローワークは全く演出できず、その組織だけが空回りしている。
既に議論になっているハローワークの民間開放が実現すれば、このように
非効率で不自由、規則一辺倒の役所は一掃されるであろうが、それを恐れてハローワークは独占権を手離そうとしない。かくして効率アップには無関心でばかげたお役所仕事が日本の労働人口の流動化の大きな邪魔となっているのである。全く困ったものだ。ハローワークの業務仕訳けを是非やって欲しいと思う。
2009年12月10日
091210, だらしない民主党
鳩山首相の支持率が下がっている、発足時は80%近かったが,3ケ月で59%に落ち込んだそうだ。先般の事業仕訳で天下り官僚という寄生虫を叩き出した大掃除が好評を呼び、なんとか支持率の急落は防いでいる。いろいろ異論もあるが、あの事業仕訳は自民党には出来なかった、新しく政権が交代した最大の功績といえよう。もしあれが無かったら、鳩山内閣の支持率は急落していただろう。以下、私の独断と偏見で民主党の諸政策に意見をいう。
マニフェスト原理主義
大体、民主党のマニフェストは思いつきを寄せ集めもので全くナンセンスだ。鳩山首相は国民との契約だから絶対に守るとか言っているが、勝手な思い込みだ。12/7の読売新聞によると、マニフェストの内容は必ず守るべきと思っている国民はたった18%だそうだ。残り80%は(必ずしも守る必要はない)という意見だという。勝手なマニフェストを掲げて民主党は自縄自縛に陥っている。自分の首を締める以外の何物でもないマニフェスト原理主義から早く脱却すべきだ。
沖縄基地問題
沖縄基地問題のもたつきはひどい。自民党が決めたキャンプシュワブ以外に、候補地はあり得ないのに、如何にも関係者に気をもたすような発言が続き、沖縄県民や米国をたぶらかしている。折角落ち着いていた沖縄問題も、新しい可能性がありそうな鳩山首相の発言で、再び反対派が活発に動き始め終始がつかなくなった。大体、沖縄には産業が少なく就職口もないから、米軍基地を撤去したら、県民は何で生活するつもりなのだろう。観光業だけでは生きられない。まさか政府から補助金をもらって県民を養うなんて、勝手なことを考えているのではないだろうが。鳩山首相は、米国と対等な立場で交渉したいと書生のような発言をしているが、日米は決して対等ではない。毎月外国で数十人の軍隊が殺されている米国と比較して、もし日本の自衛隊員が数人でも殺されたら、もう大騒ぎで鳩山内閣は倒れてしまうだろう。米国は日本を守っているが、日本は米国を守る力は全くなく、日米は決して対等ではあり得ないのだ。
ガソリン暫定税率
ガソリンの暫定税率廃止も不可能だ。総額2.5兆円にも達する暫定税という貴重な財源を捨てる訳にはいかない筈だ。仮の廃止した場合、代わりの財源をどこに見つけるか? あの事業仕訳でもたった1.7兆円しか捻り出せなかった。この不況時、これだけ大きな収入源は他には絶対に見当たらない。環境税という別の名目にすり替えて、同率のガソリン税金をとる意見もあるようだが、それこそ看板の掛け替えだと、世論の猛反発を食うだろう。それより既に国民が慣れているガソリン暫定税率を続けるほうが、よほど常識的だ。
高速道路料金
高速料金の全廃も無茶だ、6000億円の財源も重要だが、何より特急列車に乗って特急料金をタダにするようなものだから、全くスジが通らない。国民も過半数が反対している。更に高速道路を無料にして、結果的にガソリン浪費を奨励するなんて時代錯誤も甚だしい。外国のFree-Wayをまねたらしいが、外国は既に一歩進んでおり、従来無料であったドイツアウトバーンもトラックが有料に変わった。更に米国でも無料のFree-Waysを有料にする議論が進んでいるという。民主党にできることは、精々従来の休日1000円程度でお茶をにごすぐらいだろう。
八ツ場ダム
この八ツ場ダムの中断もばかげたマニフェストの典型例だ、既に3500億円投下して工事はかなり進捗し、残りは本堤ダム1500億円で完成するのに、何故ここで中断して、逆に同額近い賠償金を埼玉千葉東京神奈川の各県に支払うような馬鹿げたことをするのか。関東地区の全ての都道府県は、このダムは治水利水の点からも絶対に建設を続行すべきだと主張している。 前原大臣は早急に方針を転換して、勉強不足でしたと詫び、撤回するほうは余程高い評価をうけるだろう。
郵政問題
日本郵政グループの株式売却の凍結もおかしい。担当の亀井金融大臣の従来からの主張だが、郵政民営化は過去に国民の圧倒的な大多数が賛成した案件だ。余り調子に乗って、郵政改革を次々ひっくり返す法案を出し続けると、国民の我慢も限界に達して爆発することを覚悟しておくべきだろう。
アフガン給油問題
アフガン給油中断も大問題だ。インド洋上で連合軍の艦隊に燃料を供給する業務は、全く安全で条件に恵まれた国際貢献なのに、何故中止するのか理解できない。理由は自民党政権時代に民主党が参議院の多数の力で、否決して自民党を困らせたからであろうが、子供のようなバカげた話だ。代替案として、アフガン陸上に部隊を送って何らかの貢献をするのだそうだが、冗談もいい加減にすべきだ あれほど危険な国に平和部隊を送っても、直ぐに戦闘や誘拐にまきこまれるだろう。2年前にアフガン給油に反対したので、その御旗を降ろせないのだろうが、バカげたことだ。君子は豹変するで結構、早く方針転換したほうが絶対にいい。色々考えたが方針を変更して、給油は続けますという方が、余程世界から受け入れられるだろう。
CO2排気ガス削減
そもそも2ケ月前の国連総会でCO2を1990年比25%減少させると大見えを切ったことがやり過ぎだった。鳩山首相は世界の政治舞台に初登場の手土産にしようと思ったのだろうが、犠牲大き過ぎる、世界で最も積極的なEUですら、CO2削減は20%だ。EUは色々恵まれているが、決して25%とは言わない。米国もごく最近数値目標を決めたが、それは1990年に換算するとたった4%の減少でしかないのだ。日本の25%は主要な排出国の意欲的な合意を前提とすると仮定しているが、曲がりなりにもその合意が出来たら、今度は日本国民が大変な重荷を背負わされることになるのだ。
農家の個別所得補償
これは小沢幹事長の農民へのお土産だろうが、全くおかしい。こんな小手先の政策ばかり続けるから、日本の農家は益々収支改善への意欲を失い弱体化するのだ。はやく農業の企業化をみとめるべきだ。血の出るような企業努力をすれば、日本の農業も再生の方法がいろいろ試行されるだろう。更に派遣切りにあって職を失った多数の中高年労働者の大きな受け皿にもなる。
消費税問題。
民主党は4年間は消費税を上げる議論はしないと言う。その結果、来年の予算編成の財源をどうするか、全く目途が立っていない。大体予算レベルが90兆円以上に対して税収はたった36兆円しかないらしい。差し引き54兆円が不足で、たまたま今回は埋蔵金10兆円を考慮できるが、残り44兆円は結局国債という借金に頼るほかないという。年収360万円のサラリーマンが、900万円の生活レベルを続ければどうなるか、誰が見ても破産に行きつく。早急に消費税Upの議論をすべきで国民の総意も同じだ。
高福祉が国家政策のEU諸国は、ほぼ20%から25%の消費税だ。仮に日本が現在の5%を→10%に上げれば、250兆円x 5%=12.5兆円の新財源が確保でき、5%→15%にすれば250兆円 x 10%=25兆円という莫大な新財源が得られる。国民に新しく税金を課すことは誰も嫌だが、もう避けられない現実だ。 その点自民党は消費税Upの議論を進めるという。立派なことではないか。
マニフェスト原理主義
大体、民主党のマニフェストは思いつきを寄せ集めもので全くナンセンスだ。鳩山首相は国民との契約だから絶対に守るとか言っているが、勝手な思い込みだ。12/7の読売新聞によると、マニフェストの内容は必ず守るべきと思っている国民はたった18%だそうだ。残り80%は(必ずしも守る必要はない)という意見だという。勝手なマニフェストを掲げて民主党は自縄自縛に陥っている。自分の首を締める以外の何物でもないマニフェスト原理主義から早く脱却すべきだ。
沖縄基地問題
沖縄基地問題のもたつきはひどい。自民党が決めたキャンプシュワブ以外に、候補地はあり得ないのに、如何にも関係者に気をもたすような発言が続き、沖縄県民や米国をたぶらかしている。折角落ち着いていた沖縄問題も、新しい可能性がありそうな鳩山首相の発言で、再び反対派が活発に動き始め終始がつかなくなった。大体、沖縄には産業が少なく就職口もないから、米軍基地を撤去したら、県民は何で生活するつもりなのだろう。観光業だけでは生きられない。まさか政府から補助金をもらって県民を養うなんて、勝手なことを考えているのではないだろうが。鳩山首相は、米国と対等な立場で交渉したいと書生のような発言をしているが、日米は決して対等ではない。毎月外国で数十人の軍隊が殺されている米国と比較して、もし日本の自衛隊員が数人でも殺されたら、もう大騒ぎで鳩山内閣は倒れてしまうだろう。米国は日本を守っているが、日本は米国を守る力は全くなく、日米は決して対等ではあり得ないのだ。
ガソリン暫定税率
ガソリンの暫定税率廃止も不可能だ。総額2.5兆円にも達する暫定税という貴重な財源を捨てる訳にはいかない筈だ。仮の廃止した場合、代わりの財源をどこに見つけるか? あの事業仕訳でもたった1.7兆円しか捻り出せなかった。この不況時、これだけ大きな収入源は他には絶対に見当たらない。環境税という別の名目にすり替えて、同率のガソリン税金をとる意見もあるようだが、それこそ看板の掛け替えだと、世論の猛反発を食うだろう。それより既に国民が慣れているガソリン暫定税率を続けるほうが、よほど常識的だ。
高速道路料金
高速料金の全廃も無茶だ、6000億円の財源も重要だが、何より特急列車に乗って特急料金をタダにするようなものだから、全くスジが通らない。国民も過半数が反対している。更に高速道路を無料にして、結果的にガソリン浪費を奨励するなんて時代錯誤も甚だしい。外国のFree-Wayをまねたらしいが、外国は既に一歩進んでおり、従来無料であったドイツアウトバーンもトラックが有料に変わった。更に米国でも無料のFree-Waysを有料にする議論が進んでいるという。民主党にできることは、精々従来の休日1000円程度でお茶をにごすぐらいだろう。
八ツ場ダム
この八ツ場ダムの中断もばかげたマニフェストの典型例だ、既に3500億円投下して工事はかなり進捗し、残りは本堤ダム1500億円で完成するのに、何故ここで中断して、逆に同額近い賠償金を埼玉千葉東京神奈川の各県に支払うような馬鹿げたことをするのか。関東地区の全ての都道府県は、このダムは治水利水の点からも絶対に建設を続行すべきだと主張している。 前原大臣は早急に方針を転換して、勉強不足でしたと詫び、撤回するほうは余程高い評価をうけるだろう。
郵政問題
日本郵政グループの株式売却の凍結もおかしい。担当の亀井金融大臣の従来からの主張だが、郵政民営化は過去に国民の圧倒的な大多数が賛成した案件だ。余り調子に乗って、郵政改革を次々ひっくり返す法案を出し続けると、国民の我慢も限界に達して爆発することを覚悟しておくべきだろう。
アフガン給油問題
アフガン給油中断も大問題だ。インド洋上で連合軍の艦隊に燃料を供給する業務は、全く安全で条件に恵まれた国際貢献なのに、何故中止するのか理解できない。理由は自民党政権時代に民主党が参議院の多数の力で、否決して自民党を困らせたからであろうが、子供のようなバカげた話だ。代替案として、アフガン陸上に部隊を送って何らかの貢献をするのだそうだが、冗談もいい加減にすべきだ あれほど危険な国に平和部隊を送っても、直ぐに戦闘や誘拐にまきこまれるだろう。2年前にアフガン給油に反対したので、その御旗を降ろせないのだろうが、バカげたことだ。君子は豹変するで結構、早く方針転換したほうが絶対にいい。色々考えたが方針を変更して、給油は続けますという方が、余程世界から受け入れられるだろう。
CO2排気ガス削減
そもそも2ケ月前の国連総会でCO2を1990年比25%減少させると大見えを切ったことがやり過ぎだった。鳩山首相は世界の政治舞台に初登場の手土産にしようと思ったのだろうが、犠牲大き過ぎる、世界で最も積極的なEUですら、CO2削減は20%だ。EUは色々恵まれているが、決して25%とは言わない。米国もごく最近数値目標を決めたが、それは1990年に換算するとたった4%の減少でしかないのだ。日本の25%は主要な排出国の意欲的な合意を前提とすると仮定しているが、曲がりなりにもその合意が出来たら、今度は日本国民が大変な重荷を背負わされることになるのだ。
農家の個別所得補償
これは小沢幹事長の農民へのお土産だろうが、全くおかしい。こんな小手先の政策ばかり続けるから、日本の農家は益々収支改善への意欲を失い弱体化するのだ。はやく農業の企業化をみとめるべきだ。血の出るような企業努力をすれば、日本の農業も再生の方法がいろいろ試行されるだろう。更に派遣切りにあって職を失った多数の中高年労働者の大きな受け皿にもなる。
消費税問題。
民主党は4年間は消費税を上げる議論はしないと言う。その結果、来年の予算編成の財源をどうするか、全く目途が立っていない。大体予算レベルが90兆円以上に対して税収はたった36兆円しかないらしい。差し引き54兆円が不足で、たまたま今回は埋蔵金10兆円を考慮できるが、残り44兆円は結局国債という借金に頼るほかないという。年収360万円のサラリーマンが、900万円の生活レベルを続ければどうなるか、誰が見ても破産に行きつく。早急に消費税Upの議論をすべきで国民の総意も同じだ。
高福祉が国家政策のEU諸国は、ほぼ20%から25%の消費税だ。仮に日本が現在の5%を→10%に上げれば、250兆円x 5%=12.5兆円の新財源が確保でき、5%→15%にすれば250兆円 x 10%=25兆円という莫大な新財源が得られる。国民に新しく税金を課すことは誰も嫌だが、もう避けられない現実だ。 その点自民党は消費税Upの議論を進めるという。立派なことではないか。
2009年12月02日
091202, 学生の就職難
底知れぬ不景気の影響で、高校生、大学生が就職難に苦しんでいる、ひとり30社から50社に履歴書を出すそうだが、私の学生時代には想像できない厳しさだ。それでも決まらない学生が多いらしく対象とする企業のレベルを段々と下げて履歴書を出すのだそうだ。朗報を心待ちしている親を安心させるためにも、もうどこでもいいから決めたいというのが彼らの心境だろう。
いま苦闘している学生諸君が3年前に大学に入学するときの就職状況は、今とは全く逆で、引く手数多、天国と地獄のような差で、いまテレビに映る学生たちの悲壮な顔をみると本当に同情する。
しかし、先日某社の集団面接で会社側から、学生時代で一番自慢できることは何ですか?と聞かれたある学生が、4年間誠心誠意を尽くしてアルバイトをやったことです!と答えていたのには呆れてしまった。本人は誠心誠意に力点を置いたらしいが、対象は勉学でなくアルバイトだったのだ。どうして学業やボランティアー活動で自慢できることはなかったのだろうか?
私は最初に国立大学の工学部を卒業して就職し、引き続き関西の国立大学の経済学部(夜間)に学士入学した。会社の上司からは余計な勉強は無用だと猛烈な嫌がらせを受け続けたが、何とか3年間頑張り通して、無事経済学士号も取得した。しかしその時感じたのは、工学部などの理科系に比較して、経済学部などの文科系は、比較にならないほど授業の密度が薄く、内容も平易で、時間的な余裕もあり、簡単に卒業できることだった。これでも果たして大学卒と言えるのだろうかとまで思った次第。
上述の学生が、4年間誠心誠意アルバイトをやりました、という意味も確かに本音だろうと思う。言葉を換えると、文科系学部は勉強らしい勉強を殆どしなくても卒業できるということだ。果たしてその程度の学業の学生を企業は採用するのだろうか? いやこの厳しい時代には採用する筈はないと思う。殆ど何もできない新卒学生でも雇用すると企業には年間500万円以上の高額の経費がかかる。 私ならとても役立たずの学生を雇用する気にはなれない。
確かに大学生の就職内定率は平均してまだ70%にも届かないらしいが、それは文科系の話であって、理科系は求人倍率が2倍近くあり、企業さえ選ばなければ、全く問題なく正社員として全員就職できる状況だという。平均の就職率を下げているのは、勉強らしい勉強をしないまま4年間をバイトや遊んで過ごした名前だけの学士様なのだ。
3年前に彼らには理科系か文科系かの選択を迫られた時があった筈だ。しかし当時は大学生が売り手市場であった為、多くの学生が受験科目の安易な文科系に進んだのだろう。従っていま就職に困っている学生は自業自得とも言えるのではないだろうか。自分が楽な受験時代を過ごした結果、当然の結末として、今日の就職難に遭遇しているのであり、同情する余地は少ない。何とか混雑に紛れ込んで就職したいと願っている人には、企業は決してそんなに甘くはない。
私が就職活動をしたとき思ったのは、私の実力をどこかの企業に十分理解して欲しいと願ったことだった。いま考えれば少々気恥かしい思いもするが、私を雇用した企業は、大きな得をする筈だと本気で思っていた。いま就職活動中の文科系学生は、このような発言ができるだろうか? 私を雇用するとお宅の会社は得をしますよ!と言える学生はなかなか居ないだろう。40年前の私の面接時、会社首脳が、ほう!君は智恵ではなく体力で勝負するか?と全くトンチンカンに解釈されて寂しい思いをしたのも事実だが。
もっと役立つ学識を身につけなければ,経営環境がこんなに厳しい時代に会社が採用する訳がない。並みの文科系の知識なら、少し気のきく理科系学生なら常識として身につけている程度なのだから。
もし何らか別の理由で、文科系学部に進学した生徒でも、閑な学生時代に何か1つぐらいは絶対に自信があるものを身につけておくべきだと思う、例えば英会話や中国語が抜群にできるとか、他にもいろいろあるだろう。それを怠って卒業間際になって、やれ宅建取引主任とか、社会保険労務士、医療事務取扱者…などなど安易で無用な資格を身につけても、殆どの企業はそんな資格は評価せず求めてもいない。近い将来企業の発展に本当に役立つ素質をもつ学生とか学識の人物を求めているのだから。
いま苦闘している学生諸君が3年前に大学に入学するときの就職状況は、今とは全く逆で、引く手数多、天国と地獄のような差で、いまテレビに映る学生たちの悲壮な顔をみると本当に同情する。
しかし、先日某社の集団面接で会社側から、学生時代で一番自慢できることは何ですか?と聞かれたある学生が、4年間誠心誠意を尽くしてアルバイトをやったことです!と答えていたのには呆れてしまった。本人は誠心誠意に力点を置いたらしいが、対象は勉学でなくアルバイトだったのだ。どうして学業やボランティアー活動で自慢できることはなかったのだろうか?
私は最初に国立大学の工学部を卒業して就職し、引き続き関西の国立大学の経済学部(夜間)に学士入学した。会社の上司からは余計な勉強は無用だと猛烈な嫌がらせを受け続けたが、何とか3年間頑張り通して、無事経済学士号も取得した。しかしその時感じたのは、工学部などの理科系に比較して、経済学部などの文科系は、比較にならないほど授業の密度が薄く、内容も平易で、時間的な余裕もあり、簡単に卒業できることだった。これでも果たして大学卒と言えるのだろうかとまで思った次第。
上述の学生が、4年間誠心誠意アルバイトをやりました、という意味も確かに本音だろうと思う。言葉を換えると、文科系学部は勉強らしい勉強を殆どしなくても卒業できるということだ。果たしてその程度の学業の学生を企業は採用するのだろうか? いやこの厳しい時代には採用する筈はないと思う。殆ど何もできない新卒学生でも雇用すると企業には年間500万円以上の高額の経費がかかる。 私ならとても役立たずの学生を雇用する気にはなれない。
確かに大学生の就職内定率は平均してまだ70%にも届かないらしいが、それは文科系の話であって、理科系は求人倍率が2倍近くあり、企業さえ選ばなければ、全く問題なく正社員として全員就職できる状況だという。平均の就職率を下げているのは、勉強らしい勉強をしないまま4年間をバイトや遊んで過ごした名前だけの学士様なのだ。
3年前に彼らには理科系か文科系かの選択を迫られた時があった筈だ。しかし当時は大学生が売り手市場であった為、多くの学生が受験科目の安易な文科系に進んだのだろう。従っていま就職に困っている学生は自業自得とも言えるのではないだろうか。自分が楽な受験時代を過ごした結果、当然の結末として、今日の就職難に遭遇しているのであり、同情する余地は少ない。何とか混雑に紛れ込んで就職したいと願っている人には、企業は決してそんなに甘くはない。
私が就職活動をしたとき思ったのは、私の実力をどこかの企業に十分理解して欲しいと願ったことだった。いま考えれば少々気恥かしい思いもするが、私を雇用した企業は、大きな得をする筈だと本気で思っていた。いま就職活動中の文科系学生は、このような発言ができるだろうか? 私を雇用するとお宅の会社は得をしますよ!と言える学生はなかなか居ないだろう。40年前の私の面接時、会社首脳が、ほう!君は智恵ではなく体力で勝負するか?と全くトンチンカンに解釈されて寂しい思いをしたのも事実だが。
もっと役立つ学識を身につけなければ,経営環境がこんなに厳しい時代に会社が採用する訳がない。並みの文科系の知識なら、少し気のきく理科系学生なら常識として身につけている程度なのだから。
もし何らか別の理由で、文科系学部に進学した生徒でも、閑な学生時代に何か1つぐらいは絶対に自信があるものを身につけておくべきだと思う、例えば英会話や中国語が抜群にできるとか、他にもいろいろあるだろう。それを怠って卒業間際になって、やれ宅建取引主任とか、社会保険労務士、医療事務取扱者…などなど安易で無用な資格を身につけても、殆どの企業はそんな資格は評価せず求めてもいない。近い将来企業の発展に本当に役立つ素質をもつ学生とか学識の人物を求めているのだから。