2010年01月

2010年01月27日

100127, 検察の本当の狙い

民主党の小沢幹事長が世田谷に買った土地代4億円の出所の説明が三転四転している。最初は後援会の寄付金で買ったといい、次は銀行からの融資、そして最後は金庫に蓄えておいた個人資金で買ったと説明を変えた。説明がころころ変わるのはこの4億円の出所が説明できない裏金なのだろう。由緒を辿れば結局は国民の税金に行きつく4億円だが、それを正直に言えば直ぐに逮捕されるので、30数年前に親から相続して金庫に入れておいた個人資産だと言い換えた。4億もの札束が入る金庫といえば、超大型サイズとなり、しかも50キロにも達するので普通の床なら抜けてしまうが、とにかく金庫にいれていたと言い張っている。巨額のお金を何故銀行に預けないでタンス預金していたのか、全く浮世離れした話だが、銀行に預けていたというと出入金の記録を調べられるから、敢えてタンス預金というのだろう。何ともあきれてものが言えない。

しかし小沢幹事長には140人もの強力な応援団がついている。単なる応援団ではなく全員が国会議員様だ。多くは知識も経験も少ないミーチャン、ハーチャンだが、一応選挙で選ばれた代表者という立場だ。小沢さんを支持するために選ばれた議員ではないだろうが、結果としては国民に選抜されてバッチを付けた大勢の議員団がこの小沢さんを支えている。小沢問題が議論される国会中継をテレビで見ると、傍聴席にはこれら若い国会議員連中が、ヤジを飛ばして議事妨害をはかっている。これが昨年我々が選んだ国会議員なのだと思うと何だか悲しくもなる。

これを思いながら、私はヒットラーを思いだした。あの悪辣非道なドイツのヒットラーも最初は本当に小さな泡沫政党、ドイツ労働者党のメンバーであった。人数はたった50人にも足りずサークル活動のような団体であったらしいが、それを足場に上手く立ち回り、終には世界中を不幸のドン底に落とし入れ、世界で2000万人を死亡させた第二次世界大戦の首謀者になったのだ。しかも彼の支持者はあの聡明さを売り物にするゲルマン民族の中枢ドイツ国民なのだ。その事実を言うと今でもドイツ国民は苦渋することだろう。

しかしこんな民主党の低レベル国会議員を選んだのはやはり我々だ。万年与党に立場にあぐらをかく自民党や、天下りに専念する官僚たちに怒った国民が、仕方なしに選んだ民主党なのだ。民主党に心酔して選んだのではないが、結果的には小沢一郎に盲従する多数の子分を国会に送り込んだことになった。全く恐ろしい話だ。

しかし田中角栄時代とは少し違うらしい。田中角栄にも熱烈な応援団がいた。金丸さん、二階堂さん、竹下さん以下錚々たるメンバーだ。しかも田中角栄の子分は一種の宗教的でさえあり、角栄の心意気に惚れた熱烈な田中信奉者だった。田中さんが逮捕され有罪になっても角栄信奉熱は冷めなかった。しかし小沢さんの場合はどうか。一応熱心な小沢信者には違いないが、心からの信奉者ではないらしい。田中時代は角栄親分がかき集めた活動費で育てられた議員連中だが、今は国から高額の政党助成金が政党の人数に応じて支出され、幹事長は単にそれを分配する立場だ。民主党は年間173億円にも達する巨額の資金が振り込まれる、小沢幹事長はそれを配分する責任者だが、ひとたび幹事長に反抗すると徹底的に干されるという。

今回国会議員になった新人の面々はその意味での幹事長派閥であり、仮に小沢さんが幹事長を辞めてしまうと、多くは霧散してしまう可能性が大きいという。この点は小沢さんも十分承知しており、仮に事件がどう展開しても幹事長職の椅子だけは絶対に手離したくなく、非常に苦しい立場だ。

しかし、殆ど誰も語らないが、私は今回の検察の真の狙いは4億円とは別にあると思う。実は本件以外に小沢さんは巨額の公金を私物化しているのだ。4-5年前に、小沢さんが、新生党や自由党の党首としてその設立と解散を繰り返した際、未使用の政党助成金22.8億円を党首として受けとり、政党解散の時、小沢個人の口座に移したという。その悪質なやり方に検察は怒っているのだと私は思う。
政党助成法には、未使用分は政府に返却する義務の項目が抜けており、従って当時の代表責任者であった小沢党首は法律には触れないまま、超巨額の公金を手中にした、しかも直接小沢一郎個人の銀行口座に入れたのでは余りにも露骨過ぎるので、小沢さんの後援組織、陸山会の名義で都内の多数のマンションや土地の買収に使ったのだ。法と正義を守る検察の立場として、仮にこの22.8億円の取得が違法でないとしも、国民が苦しみながら納めた巨額の税金を、個人的にマンションや土地の購入に充てるのは、余りに正義に反する行為ではないかと検察は激昂している筈だ。その意味で検察は今回の4億円事件の究明に本気で取り組んでいると私は思う。検察ガンバレ!


mh3944 at 09:48|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 政治