2010年05月

2010年05月28日

100528, 効かない育毛剤

女性は年をとると顔のしわが気になるが、男性は頭髪が薄くなる不安がある。男は外観ではなく内容で勝負、と思っていた私も数年前から頭が薄くなり始め、段々と心配になり始めた。

先般日本皮膚学科学会が、市販の育毛治療薬の効果の有無につき、学会として正式な見解を公表した。同学会もメーカーから商売妨害を訴えられないように慎重な発表で、具体的な商品名ではなく、化学名で説明する配慮もしていたが、兎に角一度厚生省が認可した医薬品についてその多くが殆ど効果ナシと公表したのは画期的なことだ。化学名は一般庶民にはなじみが薄く、商品名と結びつかないので余り理解されなかったと思うが、先日の日経新聞に具体的な商品名でかなり詳しく記事が出ていたので、その要点をここに引用した。

先ず、多数市販されている育毛剤の中で、その効果が期待できるには、大正製薬のリアップと、万有製薬の飲み薬プロペシアの2商品だけだそうで、大きな驚きだ。リアップは最初は薄い1%濃度で発売したが、効用にクレイムが出たので、濃度を欧米と同じ5%に高めたらしい。更に値段も結構高く長期間使い続けないと効果が分からないというから、総費用は結構高額になってしまう。

更に使用しても若者のようにふさふさと頭髪が再生する訳ではなく、頭の地肌がなんとか隠れる程度になるだけだというから、大きな期待はできない。行き付けの都内の理容店も、笑いながら育毛剤が効いたという話は殆ど聞かないといっているから、目に見える効果は殆ど無いらしいが、禿げ症の男性には進行を止めるだけでも大金をかける価値があるのだろう。

実は私も、頭が薄くなり始めた数年前から、第一三共のカロヤンを使っていた。これを選んだ理由は著名なメーカー品であり、昔から売られている伝統ブランドであり、値段も高くなかったから。しかし皮膚学会からはカロヤンは殆ど効果なしと宣言されてしまった。メーカーはコメントを差し控えるという意見だから、多分効果がないことを知りながら販売していたのだろう。嫌なことだ。

医薬品の厚生省認可を得る時には、膨大な臨床試験の結果が必要だが実際は治験費用を弾めば、ドクターの判定も甘くなるのを私は実体験として経験している。よく知られているが、昭和30年後半から長い間、クレハ化学がカワラタケから抽出した副作用のない抗ガン剤としてクレスチンを販売し、巨額の利益を同社にもたらした事件?があった。

当初よりクレスチンの効能には疑問符がついていたが、当時ガンは不治の病で効果的な治療薬が無かったので、患者は亡くなるまでワラをも掴む思いでクレスチンを使い続けた。しかし効果ナシの噂がだんだん広まり、厚生省も重い腰を持ち上げて再検討を開始した結果、効果ナシを再確認して医薬承認を取り消した、その結果クレスチンの売上は激減しクレハ化学は経営が傾いてしまった。しかしクレハ化学と担当ドクターは長い間このニセ治療薬で大儲けしたと言われている。同じく結核菌から作成したという免疫治療薬丸山ワクチンもその抗がん効果が長い間激論になったが、終に認められなかった例もある。

再び育毛剤だが、資生堂のアデノゲンも効果の十分な根拠がないと認定された。資生堂だから育毛効果より美容効果を狙ったのだろうから、まあ仕方ないのかもしれないが、うまく騙し続けたものだ。化研生薬のセファラチン塗り医薬も効果の根拠が薄いという。メーカーは余り名前を知られていないが真面目そうな社名なので、或いは効果があるのかもしれないと思っていたが残念だ。

育毛剤とは違って、最近テレビで盛んに広告している植毛による頭髪再生もあるが、化学繊維を植える方法は百害あて一利なという判定だ。これはもう詐欺に近いといえよう。それに比較すると、本物の人毛を植える自毛植は 十分な技術をもつ医師が実施する場合に限り、ある程度の効果はあるそうだが、何しろ毛を一本づつ植えるのだから、日数と大金がかかり、そして多分痛いのではないだろうか。まあ誰も年をとると頭の毛が薄くなるのは自然の成り行きと諦めるのが我々庶民にはベストな判断だろう。


mh3944 at 09:52|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 雑感 

2010年05月25日

100525, お人好し日本人

私は朝が早く夕方も早い。午後4時半には退社し、武蔵野線で帰る。夕方5時頃に電車が舞浜に到着すると、フィリピン人らしい女性群がガヤガヤと乗り込んでくる。多分ディズニーランドでのアルバイト帰りだろうか。話し言葉は分からないは、私が少し席を空けると直ぐに座るが、お礼の一言も言わない。普通の日本人なら一寸会釈するか、小声で済みませんとかぐらいは言うが、彼女たち一言も礼を言わないで堂々と割り込んでくる。悪意はないようだが日本人の感覚と大いに違うのに驚く。日本人の場合、席を詰めて空けても座らない客がいると、返って当方がバツの悪い思いをするがその心配はないから安心はある。

電車で携帯に熱中している大股の日本人男がいても彼女達は平気で割り込んでくるから愉快だ。遠慮なく大きなお尻を押し込んでくるので、睨みつけながらその男は席を詰める。日本人女性なら、席が狭ければ割り込んでくるのは精々年配のおばさんぐらいで、若い娘は絶対に座らない。従って相手が若い場合、当方も席をあけるべきか、素知らぬ顔を通すべきか迷うことさえある。

フィリピン女性の多くは西船橋駅で下車すると、電車はガラッと空く。多分総武線沿線の安い宿に共同で居住しているのだろうか。仮にアルバイト代の月収が15万円としても、生活費を必死に節約して10万円以内に収め、毎月5万円ぐらいを貯めるそうだから、年間で60万円になり、フィリピンの貨幣価値に換算すると、3−4倍の価値になり、我々の感覚で言えば年間200万円前後を母国で待つ家族に送るということらしい。小さな遠慮なんかしておれない訳だ。

同じ話はインネシアから看護師の資格取得を目的に来日している女性達でも聞いた。彼女達は3年以内に資格を取得できなければ帰国させられるが、仮に追い帰されてもその間に食うや食わずで貯金して現地通貨で400-500万円相当を持ち帰れるので、我慢できるのだそうだ。何とも立派な心構えだ。

フリピンは良く知られているように出稼ぎ大国で、働き盛りの若者の多くは外国に出稼ぎに出て母国に送金する。送金総額は年間2兆円を超え、同国GDPの1割を超えて外貨獲得の筆頭だという。従って逆に国内の産業の担い手が不足して何年経過しても国内産業が育たない悪循環に陥っているという。しかしその国民性は柔軟な性格で知られているので、諸外国でも受け入れ易いらしい。逆に自尊心や宗教心が強すぎると、日常生活で問題を起こし易いので、なかなか受け入れられない。

ある欧米の世論調査で、一番好感をもてる国民は日本人だと報じられているが、その理由は何だろうかと考えた。日本人はキリストやイスラム教のような強固な宗教心がなく、中華思想のような猛烈な自尊心もないので強い自己主張もなく、幸いお金持ちだから、歓迎されるのではないだろうかと思うと、日本もフィリピンに近い扱いに思えて複雑な気分になる。

先日アメリカのクリントン国務長官が同盟国の日本にはほんの4時間滞在して形式的な首脳会議をこなすと直ぐに、お隣の中国に渡り一週間近く滞在している。確かに宇宙人的な鳩山内閣と会議しても、何ら具体的な結論が期待できる訳でもなく、内心では無視したいのだが、ジャパンパッシング(日本素通り)とだけは言われないように短時間でだけ立ち寄った。それより自尊心が強く最近特に力をつけて、何かにつけて米国にタテつく中国には十分注意を払う必要があり、長期間滞在して国家首脳や経済界、更には上海国債博覧会へと、精力的に歩き回っているが、その方が余程得策と思ったのだろう。何とも情けない気持ちだ。 鳩山さん 何とかして下さい!




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2010年05月19日

100519, 頑張れ鳩山さん

1)1) 今週から公益法人の事業仕訳が始まる。国内に公益法人が約7000社あり、その内今回は国家公務員350名が天下っている70法人が主な仕訳対象で、年間800億円の補助金が彼らの人件費に浪費されているという。更にこれら公益法人は、政府から独占的な権利を与えられ、検定試験や、資格認定試験、更には関連業務で高額な暴利をむさぼり、自民党政権では絶対に手がつけられなかった分野だ、永年に渡って日本の官僚機構が社会構造の隅済みまで張り巡らせた病根で、その結果一般国民の意気喪失を招いている寄生虫どもの駆除だ。殆どの国民は快哉を叫んでおり、この点は鳩山内閣を高く評価できる大きな業績になりそうだ。

2) しかしその他の点で鳩山内閣を評価できるものは皆無のあり様だ。国民の支持率は既に20%すれすれに落ち、来月には前代未聞の10%台になるだろう。あの恥ずかしい宇野内閣ですら退陣した時はまだ20%台だったから、10%台なんてもう考えられない異常事態だ.支持率低下の最大の理由は勿論、ウソツキ鳩山首相と、大ドロボウ小沢幹事長だ。
即ち、10年以上に渡って毎月1,500万円の贈与を母親から受けていたのを全く知らなかったなんて言う鳩山首相を誰も信じる国民はいない。複雑な偽装工作を重ねて否定し続ける小沢幹事長が、西山建設からの4億円受け取ったのは間違いなく事実だと誰ひとり疑う者は居ないのに、ご本人だけはヤミ献金は無かったと言い続けている。全く子供じみた阿呆らしい両首脳だ

3)また、勉強不足のまま国民に約束した普天間を、海外移転か最低でも沖縄県外移転する約束は、もう収拾がつかなくなり、結局は元の黙阿弥で、普天間の最初維持に戻ってしまうだろう。自分で火を付けて消火に大騒ぎする典型的なマッチポンプだ。諸外国の首脳は自国の不況脱出のため、原発や新幹線の売り込み、資源確保等に懸命なのに、日本の鳩山首相だけは重要な施策まではとても頭が回らず、沖縄の始末に翻弄されて身動きがとれない状態だ。何とも情けない大国日本の首相だ。

4)同じく 鳩山首相が全くいい加減に国連総会で約束したCO2を25%削減する計画も、日本国民に大きな負担をかける結果が予想されている。このバカげた数値を発表して1年近く過ぎたが、世界No.1のCO2大量排出国の米国ですらやっと17.5%を目標に議論し始めており、同じく巨大排出国中国に至ってはいまだに目標数値を設定することすら逃げ回っているのに、とぼけた鳩山首相は国内で全く議論しないまま、少し英語が話せるからと国連総会で堂々と約束してしまった。世界は瞬間的にはアッと驚いたが、内心では嘲笑している。全く幼稚で恥ずかしい限りの首相の言動だ。

5) 郵政の国有事業への逆戻り
あれほど全国民が熱狂的に歓迎して受け入れた郵政民営化計画は、半ば進み始めた段階で再び亀井大臣と原口総務大臣がストップをかけ、国営化計画を止めて、20万人の郵政職員を再び国家公務員に戻す計画が進み始めた。これには大半の国民が心から怒っており、次の総選挙では民主党は確実に大敗するだろう。

6) 中国重視政策も極めて大きな誤りだ、民主党政権発足後直後、あの田舎者の小沢幹事長は140名もの国会議員を引き連れて中国の胡錦渚主席に朝貢訪問した。幹事長一人ならまだしも、前代未聞の大多数の国会議員を引き連れて訪問し、胡錦渚主席とひとりづつ記念写真を撮ったバカ騒ぎは世界に放映されてしまった。これで日本を代表する国会議員の幼稚さが全世界に知られてしまった。何とも悲惨極まりない行動だ。これを見た米国は、日本が永年の同盟相手を米国から中国の乗り替える兆候だと感じて、対日政策を冷淡化させた。鳩山首相の米国離れを感じ取った中国海軍は早速、沖縄列島近海の制海権を狙う行動を開始している。10年前に米国軍追い出したフィリピンは、途端に自国が実質占拠の南沙諸島を中国に乗っ取られてしまった現実があるのだ。日本は先ず尖閣諸島がすぐに奪取されるだろう。日本が中国に対抗出来る軍事力を独力で構築するにはどれほど巨額の資金が必要か知っているのだろうか。現在はGDP比1%(2.5兆円)だが、一般には5%が標準で、10兆円以上の巨額な予算が新たに必要なことを、鳩山首相は真剣に考えているのか疑わしい次第だ。

7) 先月のオバマ大統領が世界の殆どの主要国を集めて、核セキュリティ会議を開催した。これから核戦争は怒らないだろうが、核テロの可能性が高く核被ばくは悲惨な結果が予想されるので何とか予防しようと言う目的だ。世界で唯一核の被爆国日本は、本来なら中心的な招待国として核の恐ろしさを世界の首脳に訴える最大のチャンスであったにも拘わらず、鳩山首相は冷遇され、米国と会議する機会すら与えられず、150ケ国首脳の集合写真の右上片隅に小さく並んだだけで帰国した。内心私は本当に屈辱の想いであり、バカ首相振りに悲しくなった次第。


8) 消費税議論の凍結問題も重大である。今年の税収は37兆円に対して、44兆円もの国債を発行し、赤字国債増加を更に7兆円も拡大させてしまった。今日本国民は850兆円の未償還国債をもち、一人当たり1000万円近い借金を抱えているのだ。この唯一の解決は消費税アップ以外に対策が無いにも拘わらず、4年間は消費税議論は凍結という鳩山内閣の方針は継続のままだ。世界の殆どの諸国の消費税は20%−25%の高税率なのに日本だけが5%のままであり、税負担する国民ですら、既に過半数が消費税アップの必要性を認知しているが、小沢幹事長がストップをかけている。

日本の消費税対象GDPを250兆円とすると、もし10%にすれば25兆円の税収が得られ、20%にすれば50兆円もの巨額の税収が期待できるのに、その議論すらしないということだ。何とも唐変木でガチガチの頭脳だ。小沢幹事長は既に自分の政治生命の残り少なさを直感して、面倒な議論を避けているのだろうが、一度借金するとその返済は数倍の苦労となり、子供や孫達世代が被る大きな悲惨を何故考えないのだろうか?

9) バラマキ児童手当
 民主党のマニフェストに15歳までの子供たちに一人当たり年間30万円の児童手当を出す計画があり、予算裏付けの目途がないまま既に初年度の半額の支給計画が進んでいる。全額支給で年間5兆円、半額でも2.3兆円の巨額な予算が財源なしに実施され始めている。しかもこのバラマキ支出の多くは経済効果が少ないタンス預金に回るとも予想されている。問題はこのような現金支給制度は、一旦始まると既得権となって、次に中止することが極めて困難なのを民主党は理解しているのだろうか?
不況で働きに出ざるを得ない母親達を助ける、幼稚園と保育所制度の充実の方がよほど緊急に求められているのを理解しないまま、7月に予定されている参議院選挙目当ての現金バラマキ政策を急いでいるのだ。これも低脳民主党内閣の代表的な愚策だ。

10) 更に調子に乗って鳩山さんが発表した東アジア経済共同体構想も、10年前の日本なら、或いは具体化できたかもしれないが、中国が国力を充実し自信を持ち始めた今日では、メンツを重んじる彼らは絶対に日本構想を実現させる気がないのを分からないのだろうか。現に中国首脳は米国に対して鳩山構想の米国抜きが絶対に阻止すると約束したそうだ。何とも国際的な感覚に欠ける民主党内閣の哀れな政策だ。

いずれにせよ、民主党は選挙で大敗するはほぼ確実な見通しだが、衆議院選挙と違って半数改選の参議院では大敗しても政権への打撃は大きくないそうだ。全て自業自得なので何とも救いようがないが、いま進行中の事業仕訳が済むまでは何とか民主党内閣が生きながらえて、自民党政権に出来なかった寄生虫駆除だけは、やり遂げてほしいものだ。ガンバレ鳩山首相 ガンバレ小沢幹事長
 




mh3944 at 08:36|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 政治 

2010年05月14日

100514, 農業の今昔


私は山口県のかなり田舎の農村の生まれだ。 それでも生家は山村の中心部にあったので、内心ひそかに嬉しかった。終戦前は、我が家の水田の半分は隣町の広中さんとかいう大地主から小作借り受けして、毎年秋には年貢納めをしていたものだ。米を積んで年貢収めに訪問した記憶があるが、兎に角立派な門構えの大屋敷だった。詳しくは知らないが多分収穫の大半は地主に収めていたのではないだろうか。

しかし終戦になってGHQが革命的な農地改革を実施して、小作農にタダ同然の格安な値段で耕作地を買い取らせ、近代日本で特記される大改革で、我が家もその恩恵を受けた部類だ。その結果1町近い中堅の自作農になった。それぞれの水田には呼称がついており、一番大きいのは農地改革で広中さんから安く買い受けた4段の、向うの田だ。次が柳原で1段5畝、西屋の下は1段3畝、6畝がロクセ、有隣の下が1段、あと名前を忘れた小さな田が2枚だ。

向うの田は、我が家でも自慢の四角な美田で、縦70m 横60m程度あったが、中学のころ、親からその草取りを命じられて毎年苦しんだ覚えもある。今日と違って昔の草取りは、初回は2輪の草取り機械を押して行き帰りするものだ、何しろ縦の長さが70mもありその2列の稲列に機械を入れてガラガラ押しながら行き、先端に着くと今度は次の2列に機械を入れて押して帰るのだ、ガラガラ、ガラガラと片道5分程度かかったと思うが1往復で4列1m幅進むのに10分かかる、1時間に6回往復しても、約6m朝から夕方まで殆ど休まず働いて計算上は50mほどがやっと終わる計算だ、疲れて昼メシ休み後は眠りこけ、夕方は疲れ果てて終わるのは遅くなる。泥まみれになってやっと作業を終えると、そのまま隣の田布施川に 飛び込んで泳ぎながら泥を落とす。 

本当に重労働で退屈極まりない作業だった。これを繰り返すと普通は人間修業になる筈だが、私には全く効果なく、逆に大人になっても農家だけは絶対に継ぐまいと心に深く刻みこんだ。この機械除草を2−3回繰り返して夏過ぎになると、今度は、手作業で草を掻き取る最後の重労働が待っている。稲の葉っぱで顔が傷つき、もう疲労困憊する苦難の労働だった。おまけに知らない間に吸血虫のヒルが脚に大きな血球の塊となって吸いついている。このヒルは痛みは余り感じないが、本当に恐ろしかった。

ある時、余りの酷暑に耐えかねて何列かを抜かして草取り機械を押して仕事を早く済ませた。いわゆる手抜き作業だ、作業直後は水が濁っているので草取りしてもしなくても殆ど分からない、作業は予定より早く済ませて田布施側で泳ぎを楽しんでから帰宅する。この辺は、社会保険庁が支払いは30年後だからと適当な手続きしかしなかったのと同一レベルだ。しかし翌日、親が見回りに行くと、水がきれいに澄んで手抜きした列は一目瞭然にばれて、大目玉をくらった苦い思い出が何回もあった。

又盛夏には水回りも結構手間がかかる。狭く流れる水路に仕切り板を入れて水を我が田んぼに導入する作業を終えて帰宅し翌日出かけてみると、仕切り板は引き抜かれて、我が田んぼの水はすべて、隣の田に流れ込んでいる。間違いなく私が見回りを終えて帰ったのを見計らって、隣りのオヤジが我が家の水路の仕切り板を引きぬいたのだ。そうはさせじと、翌日は、稲の中に身を隠して隣りのオヤジが水の切り替えを終えて帰ったのを見計らって、再び水路の仕切り板を我が家向きに切り替えてから帰宅する。しかし道なかで隣りのオヤジに出会っても何もなかったかのように知らん顔して挨拶をかわす。そんなことも繰り返しながら毎年夏を乗り切るのだった。

兎に角、向うの田は4段もある我が家の自慢の美田であった。しかし2-3年前から長兄が体力を落として他人様に耕作を依頼することになったと聞き、残念に思っていた。依頼先は耕作と植え付け、収穫をし収穫は一人占めだが、日常の水回りはこちらが続けるにだそうで何とも不平等契約だ。

ごく最近の話だが、あの自慢の大きな美田に、再度の区画整理の計画があり、更に大きく拡張すると言う話を聞いた。なるほど米国などの超大型トラクター耕作や、飛行機による農薬散布などに少しでも近づくには仕方ないことかと思うが、何んとも機械化省力化の進歩には驚く次第である。

兎に角、60年前の我々の時代に比べると、今日の農業は大いに機械化が進んで、田植えも機械、草取りも農薬を1回か2回撒だけだそうだから、私の子供時代とは違って格段に自動化が進み、省力化されている。今なら私は、自分がトラクターで耕しても全く苦にならないと思う。逆にサラリーマン引退後の余生を楽しく送るには農業は格好の仕事ではないかと、私は勝手に思っている。ただ収入金額が少ないのは何とか工夫が必要だろう。


mh3944 at 11:12|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 雑感 

2010年05月07日

100507, 連休は庭の手入れ

今年の連休は本当に天気が良かった。どこに出かけても混雑なので、自宅で家庭サービスに時間を費やし、妻と一緒に庭の雑草の手入れをした。約30坪で普通の庭の広さだが結構手間もかかる。特に気候が暖かくなると名もない雑草が一面に芽吹き蔓延してくる。名もない草なんてないと妻は言うが、優雅さと文学的な教養に欠ける私には殆どが教えてもらって初めて知る名前ばかりだ、しかしなかなか優雅で立派な名前をもっている雑草もある。

まずは、浪の華という小さな紫色の花が咲く雑草、波の花かも知れないがこれが庭中に蔓延って始末が悪い。水も肥料もやらず乾燥した場所でも、うす紫の小さな花をつけて頑張っている。簡単に抜けるが、小さな芽がどこかに残っており再びのびてくる。これと似た花で、十二単(ひとえ)という素敵な名前の雑草がある。こちらは浪の華ほどの生命力はないが、これも結構増える。

同じくヒメジオンという花がある。背丈も50センチ程度までのびて菊に似た小さな可愛い白い花を咲かせるが、どこにでも生えているので雑草扱いだ。人間でも同様だが大切にされる為にはやはり希少価値も必要らしい。

我が家にはドクダミ草とシダも蔓延る。前者は昔、漢方薬として煎じ薬に使われたが、近年は全く無視されている。シダは大古の昔からの生き残り植物だ。両者とも長い歴史を生き抜いて来ただけに、生命力が旺盛で、抜いて抜いても根が残ってしまうが、根気よく取り除く。

ケシの花も沢山咲いている。市販の豪華なポピーはF1雑種だが、我が家に蔓延っているのはその種が飛んで生えた子孫でその原種のケシだ。ケシの種は目に見えない極めて小さな粒だが発芽率が非常によい、F1は不稔なのでその子孫は先祖返りして見栄えのしない原種の小さな花のケシとなり,華美さは全くない。ケシの種は顕微鏡的に小さく、簡単に風に飛ばされて四方八方に散るので隣近所の庭や公園、道路のコンクリートの隙間にまで生えている。これは簡単に引き抜けるが、数が多いので、全滅させるのはなかなか厄介だ。

確かモミジ葉フーロー?という花だと妻が自信なさそうにいう花もある。漢字はわからないが繁殖力がものすごく、我が家の庭全体の至る所に散らばって咲いている、細身の茎に小さな赤紫色の花をつけるが、中には真っ白い突然変異種もある。抜いても抜いても生えてくるから余り好きではない。やはり花には可憐さも大切だ。

紫ランもひと固まりに生えている。これはれっきとしたランで、美しい赤紫の花をさかせている。人間でいえば高級人種とも言えそうで少し尊敬の念をもって丁寧に手入れする。近くにスズランもある。ランより地位は少し劣るが可憐さがある、花屋で買ってきて植えたものだ。当初は丁寧に水やりもしていたが、年数が経つともう勝手に雑草社会に仲間入りしてしまった。繁殖力には劣り人間の手助けで何とか生きながらえている。

これから小さな白い花をつけそうなスズランに似た花で、ホタル袋という白い花がある。同じく小さな提灯を逆さにしたような花だ。これも繁殖力が旺盛とは言えないので、大事に見守って残す。

いま我が家の四方八方にはシャガの花が咲き誇っている。最初は植えたものだと思う、青紫色の素敵な花で20センチ程度の長さの茎のから順番に咲く。自由放任の我が家では雑草に近い扱いだが、なかの黄色めしべが目立って遠目でみると素敵な花だ。但し根が浅いので丁寧に扱わないとすぐに抜けてしまう。

富貴草という立派な名前の花もあり、葉っぱは大柄だが、花は地味な白色で目立たない。おばあちゃんが大事にしていたが生きている間はなかなか咲かなかった、しかし今年はなんだか咲きそうな気配だ。

草抜きをしていると、時々小さなトカゲが顔を出す、長さ10センチ足らずでまだ子供だが目つきも結構可愛い。しかし姿は昔の恐竜のミニチャー版そのもので、こちらをじっと見ている。手を差し出すとサッと逃げて隠れる。草陰の昆虫の世界では、多分食うか食われるかの厳しい恐竜時代がいまも続いているのだろう。

我が家の南側はまだ家が建っていない70余坪が空地のままだ。既に40年近く空き地なので、お蔭さまで我が家には日当たりも良く、確か三井物産勤務とか言う女性地主には感謝しているが、一面に背丈の高い雑草が生えて育ち我が家も少し困っている。 若かった時は私が馬力に任せて全面の草刈りをしたが、体力が衰えた近年は知恵を使って対応し始めた。即ち2-3年前から我が家の境界面に除草剤を撒き始めた。一般に除草剤は典型的な環境破壊の悪者で特に農産物に使う製品は厳しく制限されている。私はホームセンターで見つけたグリホサートというリン酸系アンモニウム塩で、散布すると残留せずに天然物に分解変化すると記載があり、農場以外の宅地とか駐車場、道路傍などに使えとラベルに書いてある。

隣り近所に遠慮もあり、立ち枯れでは目立つので撒き方を少々工夫する。先ず前日昼間に背丈の伸びた草を刈ってなぎ倒しておき、翌朝朝早く起き出して除草剤をさっと散布する。なぎ倒した草は段々枯れて枯れ葉色に変色し、残った茎は除草剤を吸収して根まで枯れるから殆ど全滅できる。しかし昨年の散布では、僅かだが除草剤に耐えて生き残った雑草があった。これは耐性をつけた雑草らしく、ことしも生き残るだろう。人間社会で言えば院内感染対策で問題の抗生物質耐性菌MRSAと同じ原理だろうか。そういえばアメリカで農薬で枯れないスーパー雑草が問題になり、アフリカではエイズに感染しても全く発病しない人達がいると先日テレビで言っていた。身近な雑草の世界でも耐性化現象が起き始めているらしい。




mh3944 at 10:34|PermalinkComments(0)TrackBack(0)