2012年12月

2012年12月27日

121227 領土紛争の決着点

韓国の新大統領は接戦の末、朴槿恵と決まった。 中国は既に習近平総書記に決定済みだ。米国はオバマ大統領、ロシアは昨年プーチン大統領、日本も安倍首相に決まり、周辺諸国の全ての国の首脳陣が決定した。これからは再び外交の季節になる。気心通じた米国との国交は復活するだろうが、問題は中国、韓国、及びロシアだ。日本はこの3国と領土問題を抱えているが、国民感情もあって、お互いに簡単には妥協できず、外交が停滞を続けている。そこで私は敢えて領土問題の妥協案を提案する。

まずは韓国、親日派とはいえ槿恵大統領は国を代表する立場であり、対日外交に彼女の心情が入り込む余地は殆どない。日本に対して劣等感に苛まされる韓国国民は竹島の不法占拠で快哉を叫び、軍隊を常駐し続けている現状を考えると、誰が大統領になっても簡単に和解することは困難であり、無理すると深刻化して、両国の本格的な紛争になり、喜ぶのは中国だけとなる。

私の妥協案とは、日本は正当な竹島領土権を主張しつつも、当面は韓国の実効支配を認め、決着を急がないことだ。そして相手が乗っても乗らなくても、国際司法裁判所に申告して、その判断を待つことにする。日本は竹島周辺の漁業権交渉に重点を移すべきだと思う。竹島は利用価値の少ない孤島で、両国のメンツが問題なのだ。漁業権については韓国と交渉する余地はあると思う。いくら親日派大統領でも安易に妥協すると直ちに弾劾裁判に発展して、大統領を辞任に追い込まれることが韓国は現実にあり得るのだ。

韓国側にも日本と仲良くしなければならない理由がある。急激に影響力を強める隣の中国を目にして、米国は近い将来韓国を見捨てるかも知れないと言う不安が常に韓国にある。それは北朝鮮に屈服することも意味し、韓国民にはとうてい受け入れられない。既に在韓米軍は38度線前線から撤退して韓国南部とグアムに移動を終え、米韓連合軍の指揮権も韓国軍に引き渡す計画だが、米国が離反するのを恐れる韓国は3年先に延期するよう申し入れている。韓国は米国から見放されることを非常に警戒しており、日本との不仲は米国の離反を促進する心配もあるのだ。李明博前大統領も人気回復を狙って竹島訪問をやってみたが、国益は皆無で、後悔しているに違いないのだ。
                      
中国との尖閣列島は絶対に譲れない。中国は貧富の格差が特に激しく、13億国民の間に政府不信の感情が煮えたぎっており、いつか暴発する可能性を常に秘めている。例えば中国温家宝前首相の一族は米国に約27億ドル(約2200億円)の資産を蓄え、新しく選任された習近平総書記も300億円以上を米国に蓄えているといわれる。貧富の格差を示すジニ係数も、中国は世界最悪で、アフリカ未開諸国と同じ0.6以上と言う極めて危険なレベルにあり、その腐敗の悪臭を感じている中国人民は、いつ爆発するかも知れないのだ。従って中国政府は国民の目を常に外部に向けさせる必要に迫られている。政府にはこの巨大な不満圧力の吐口が不可欠で、その格好の対象が日本なのだ。日本軍の残虐行為を材料にしていたが既に使い古した。これから新しい材料として、日本が尖閣諸島の不法占拠という新鮮な口実を、国民の不満の吐口に仕立て上げたいのだ。

中国内の大暴動で日本は既に大損害を受けた。日本が尖閣で妥協すると次は沖縄列島が対象になるのは明らかだ。古代には沖縄は中国領土であったと既に主張し始めており、国民の不満の吐口の貴重な材料として使い続ける意思は明白だ。中国の内政に利用され続ける日本は、尖閣で絶対に譲歩すべきでない。我が国は尖閣の守りを強めて政府要員が度々同島に訪問し実効支配を強めるべきだ。

更に日本は軍事力、特に海軍力の増強を図るべきだ。自衛隊を国防軍と名前を変えるなど下手な細工はナンセンス、実質的に強い海軍を作るべきだ。それには高性能潜水艦艦隊と、陸対艦ミサイルと、空対艦ミサイルを増強して、いざ鎌倉時には絶対に負けない軍事力を持つことだ。中国は益々海軍力を増強しており、近い将来には尖閣周辺に日本艦船が近づけなくなってしまう恐れがある。そして石垣島とか与那国島などの先島諸島も次ぎ次ぎと奪われてしまうだろう。米国は自国民の血を流してまで日本を守る意思はなく、後方のグアム島に移動することは目に見えている。いずれにせよ将来、日本の周辺には 中国の航空母艦が動き回る事態になるのは明らかだから、非常時には徹底的に反撃して相手に恐怖心を与える強力な海軍力を整備しておくことが不可欠なのだ。

ロシアとの北方4島問題については、プーチン大統領は日本からのシグナルを待っている。北方4島には、既に15,000人のロシア人が住んでいる現実があるが、ロシアは歴史的にも人種的にも明らかにヨーロッパ国家でありアジアではない。モスクワ政府も1万Kmも離れたちっぽけな北方4島の面倒をみるのは、面倒で仕方ない筈だ。ロシア政府は北方4島をお金を使わないで活性化させたいと望んでいるのだ。それには日本が格好のパートナーなのだ。

しかし領土には国民感情があるから、下手な譲歩は国民のメンツを傷つけて益々解決が困難になってしまう。従って、先ずは、ロシアが既に譲歩した歯舞色丹の小さな島々を日本に返却し、国後択捉の大きな2島はロシアの実効支配を認める、そして50年か100年後に原地住民の選挙によってその帰属を決めることにするのだ。北方4島にはビザ無し交流を進め、その経済的な開発に日本は全力を注ぐ。50年後に現地住民がロシア帰属を望めばそれに従う以外にない。嫌がる現住民をシベリアに移送することは絶対に不可能だ。現地住民もロシア本土から厄介者扱いされるよりも、隣接する日本に帰属したいと希望することだってあり得るだろう。 こうして北方4島は、当面の暫定的な2島返還、本格的な決着は将来の住民に任せ、日本とロシアは当面の親交を深めるべきだ。日本の不器用な外交を喜んでいる中国も、日ロが仲良くすれば焦り始めるだろう。ロシアも膨張し続ける中国を内心非常に恐れており、日本との友好的な関係構築を切に望んでいるのだ。これほど条件が揃っているのに動き出さない日本の外務省は本当にバカ者の集団だといえよう。  

東アジアにおける最大の問題は、日本の軍備力が弱過ぎて中国に対抗できないことだ。もし日本が強い軍事力を保持すれば、これほど中国を横暴にさせる事態には至らなかった筈だ。日本に強い軍備力があれば東アジアは平和を保てるが、軍備不均衡が生じると、中国は威嚇を増長させて、遂には本当の戦争になってしまうだろう。先ずは尖閣の守備態勢を固めた上で中国とも最大限に仲良くするべきだ。  




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2012年12月18日

121218 残酷な衆院選挙

衆院総選挙が行われた。予想以上の自民党の圧勝、民主党の惨敗に終わった。民主党のマニフェストが殆ど実行不能で政治が混乱を続け、外交面でも米国との不仲になり、狙った親中国政策は、逆に先方に拒否されて、尖閣強奪の恐喝作戦まで始まり、政治の混乱が続いたから、誰も民主党の敗北は予想していた。行政のムダを洗い直して17.5兆円を叩き出すという大黒柱の仕分けも1.7兆円に終わったことも、民主党のインチキさを如実に示し、投票直前には、北朝鮮ロケット、中国の尖閣上空に侵入という逆援軍もあって、自民党を圧勝させた。
まず感心するのは事前予想と結果はかなりの精度で一致したことだ。
  改選前→  読売予想   →  結果         評 価   
民主党 230   → 75 →  57        3年間お騒がせでした。  
自民党 118  → 286 → 294        領土防衛と経済活性を 
未来党 62   →  13 →  9       さようなら,小沢さん    
公明党 21   →  29 → 31     維新がライバルですよ   
維新の党 11   →  48 → 54       自民と協力して憲法改正を 
みんなの党 8   →  13 → 18        よく頑張りました。  
共産党    9   →   9 →  8      万年野党が適役ですね  
社民党    5   →  2 →  2        南無阿弥陀仏     
大地党   3   →   1 →  1       ロシアと和解を!は正論       
国民新党 2   →   0 →  1       ナ シ

2週間前に田原総一郎の予想は、これほどの自民圧勝ではなかったが、中国の恐喝もあり、領土防衛を掲げる自民党と維新には大きな応援となった。改めて中国には感謝しておきたい。

民主党の敗因は、鳩山元首相のオトボケで始まり、管前首相の独りよがり政治、小澤元代表の反乱と脱走が目立つ。消費増税でも原発問題でも、更にTPPでも民主党は纏まらず迷走を続けて、円高不況も重なって景気低迷が続き、国民の信頼を失った。藤村官房長官以下現役閣僚が8名も落選し、田中真紀子大臣は、野田首相の自爆テロ解散と責めているが、責められるべきはご自分だろう。

日本未来の党の惨敗も納得できる。生活党の小沢代表以下43名が合流して、清潔さが売りもの嘉田滋賀県知事を看板に未来の党は62名の大勢力に膨れ上がったが、殆ど落選し当選したのは9名のみだ。小沢一郎は、選挙に勝つことが唯一の政治信条だが、それにしても、自説の増税案を撤回して消費増税反対を叫び、実現不可能を承知で原発ゼロを叫ぶ極端さには呆れた。選挙民もそこまでバカではなく、殆どの小沢チルドレンが討死した。30年間の日本政界をかき回した小沢一郎も遂に終焉を迎えた、長い間ご苦労様でした。これからは亀井静香とお二人でごゆっくり。    

代わって登場した維新の党は11名から54名に大躍進を果たした。日数不足もあって、組織不整備のまま戦い、太陽の党(石原慎太郎)とのすり合わせも不十分だったが、多くの主張は納得でき、大躍進が予想されていた。願わくは石原慎太郎に気力が残っている間に、橋下副代表は組織拡大を急いでほしいものだ。みんなの党も主張は真面目で8名から18名に倍増した。新聞情報では、みんなの党と維新を合計した比例得票数は29% で、自民党の28%より多かったという。凄いものだ。渡辺代表が細部に拘らず維新と協力していたら、自民党に迫る勢力になったと思うと誠に残念だ。

5名の社民党は2名となり、戦後日本をリードし続けてきた社会党は遂にご臨終だ。威勢のよい辻元清美議員や、阿部知子議員にも逃げられて、福島党首は反対派が居なくなったが党員も居なくなり、政党としての地位も失って誰も見向かれなくなった。百年1日のスローガンを叫び続けたのでは避けられない結末だ。 ひとりになった大地の党の鈴木宗男がロシアを独占しようとしたのは頂けないが、プーチンと話し合えという彼の意見は正論だと思う。公明党は余り変動しない宗教政党で、自民党との立候補者の調整で21名から31名に増えた。余り好きではないが、主張には結構真面目で納得できるものも多い。
      
民主党は230名から57名へと壊滅状態だが、この3年間の無茶苦茶な政治を考えれば致し方ない。
責任政党にも拘わらず、管前首相が可能性ゼロの反原発を説くのは異常だ。多分原発事故時のご自分の乱心を隠す陽動行為だろうが、理系首相だから、再生可能エネルギーはまだ実態のない願望であるぐらいは十分分かっている筈だ。現実を認識できない宇宙人の鳩山元首相も理系で、同じ理系の私は、理系は常識を欠ぎ政治に不向きだ、と宣伝する結果のようで如何にも残念だ。

自民党は大躍進したが、過去3年間の野党暮らしは無駄でなかった。野党の惨めさが骨身の応え、旧来の官僚任せの政治から脱皮して責任ある真面目な政党に変身するだろう。その意味からは、自民党に野党暮らしの苦労を強いた民主党にも功績があったといえる。民主党は再び野党暮らしに戻るが、ミーチャン、ハーチャンが去り、野田首相や岡田さん以下の真面目な議員に純化されたので悪いことではない。正論を吐き続ければ、再び政権の座も巡ってくるだろう。  

小沢ガールズは殆どが落選した。妖艶を誇った田中美絵子は江東区で地元の柿沢未途に敗れ、野田首相の刺客を請け負った三宅雪子も返り討ちに遭った。東京17区で平沢勝栄と対抗した早川久美子も惨敗、東京12区で公明党元代表の太田昭宏と戦った青木愛は次点でやっと比例に救われた。姫が虎(片山虎之助)を撃って有名になった姫井由美子も千葉8区で敗れた。肝炎訴訟の福田衣理子も落選し、地元の長崎からも追い出されて今後の生き方に迷うことだろう。

小沢さんは、昔の新生党→新進党→自由党の変革時に獲得した15億円の巨額な政治資金を今回の衆院選挙に使わず全てご自分の懐に入れ、自分を支え続けた小沢ガールズを資金援助せず、彼女達は借金地獄に追い込まれてしまった。サルは木から落ちてもサルだが、政治家は落選すると誰も顧みないただの人。威勢を誇ったセンセイ達も、落選して一介の市井人となると, 借金だけ残って誰も助けなくなる。政治家とは本当に過酷な職業だ。





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2012年12月13日

121213 尖閣の実効支配を

先日(10/30)の新聞に小さな記事が出ていた。米上院本会議が、中国が領有権を主張する沖縄県尖閣諸島は日本の施政権下にあることを認め、日米安保条約第5条に基づく責任を再確認する」との宣言を、全会一致で可決した。常に不仲で争いを続けている民主,共和党の両党が久しぶりに全会一致したそうだ。この記事を読んで妻も晴れ晴れとして嬉しそうだった。尖閣問題は我々国民の隅々まで大きなプレッシャーとなっているのだ。
私もこれで尖閣紛争は一応の結論は出て、戦争の危険が当面は遠のくだろうと確信した。

民社党も自民党も、今回の如き、国民を戦争の淵に追い込む領土紛争は絶対に避けるべきだ。このような事態になったのは、やはり長年の政府の不作為が原因だ。日本領土でありながらも、石原都知事が買い取りを発表するまでは、政府は知らん顔で、灯台も作らず、避難港も設けず、知らぬ存ぜぬの不作為で、尖閣列島は放置され通してきた結果だ。 役人達は、自分の任期内にこの問題で中国とトラブルを起こすのは避けたいと、無責任に徹してきた結果なのだ。韓国との竹島問題もその良い実例だ。 

その間に中国や韓国は着々と地歩を固めて、日本領土の乗っ取り策を進めてきた。それに反発した石原都知事が、埼玉の地主から買い取りを発表して国際的な反響を呼び一挙に大事件に発展した。もし不作為を続けていたら、何年か後には 尖閣列島は、中国の航空母艦に囲まれて近づくこともできない事態になっていただろう。今の時点で日米が断固たる決意を示せば、まだ海軍力が不十分な中国は当面攻略を控えざるを得なくなったのだ。 
 
日本政府は如何にも無責任だった。早急に米国頼りから脱して、自国領土は自力で守る意識を確認し、防衛能力を高める必要がある。今回の衆院選挙でも多くの政党が国土防衛を叫び出したのは、本当に嬉しいことだ。 尖閣騒動で日本の平和惚けを目覚ましてくれた中国にはお礼を申し上げたいぐらいだ。

原発や軍備充実に関して、日本政府と国民は余にも無責任だ。政府は適当な発言ばかり繰り返している。確かに原発ゼロは言葉はきれいだが、では代替電源は何?との聞くと誰も答えない。答えられないのだ。先日テレビで未来の党の嘉田代表が、日本海にはメタンハイドレートの埋蔵量が山ほどありますとか、信頼性ゼロのインチキ情報を大発見の如く言いふらし、女子供の票をかき集めようとしていた。これが日本の指導者か?と思うと泣きたくなる。

脱原発を叫んで世界の先頭を走りだした西欧でも代替再生エネルギーは殆ど育っていない。例えば、北海油田が枯渇し始めたイギリスは、20年振りに新しく12基の原発を設置する計画を発表したが、原発技術が空洞化して困り切っている。脱原発で先頭を走るイツは、原発に相当する大規模な太陽光パネル発電の設備を作ったが、コストは原発の10倍、発電実績は1/10 で、総合的なコストパーフォマンスは原発の1/100になり、頭をかかえているという。アメリカやスペインも同様で、如何に再生可能エネルギーの実現が困難かに苦悩している事実を日本人は知っているのだろうか。再生可能電力の余にもコスト高にドイツの国内企業は海外脱出を早めているという。我々も他人事ではない、無責任な脱原発運動に嫌気をさして、貴重な現役技術者は中国韓国へとスカウトされ、唯一の売り物の高度の技術者さえも失おうとしているのだ。誰が責任をとるのか? 

自衛隊についても同様だ。社民党共産党などの平和惚け連中は、現在の平和憲法が戦後日本を守ってきたと熱く説く。しかし現実は全く逆で、無防備の尖閣諸島は中国にから恐喝奪取の寸前に陥っているが、彼らは話し合いで解決すべきだと説く。中国との話し合いで解決するのなら、すぐお隣りだから、日帰りでも訪問して、中国首脳と話し合いを始めるべきだと思うが、その見通しも勇気もないのだ。政府が無責任な態度を続けている為、自衛隊員も本来の崇高な使命を忘れ、国土を守る意識が薄れて、単なる国家公務員としての就職先になり下がってしまっている状態だ。

中国はGDPの10%以上を軍備増強に使っているが、日本はGDP 1%以内に縛られ、しかも毎年減額を続けていた。このまま推移すると、10年後には、中国は手のつけられない乱暴者になり、第一列島線に位置する尖閣や南西諸島、沖縄列島は、周囲を中国海軍に取り囲まれて補給線を途絶され、全て中国の手に落ちてしまうのは確実なのだ。 更に第二列島線に位置する伊豆諸島、小笠原諸島、更に太平洋ど真中の沖の鳥島、南鳥島にも中国が手を伸ばそうとしているのだ。沖ノ鳥島を「ただの岩礁」として日本の排他的経済水域を否定し、周辺海域の調査を続ける中国の行動がその明白な証拠だ。中国は広大な西太平洋は全て自国の領海だと世界に公言しているのだ。

勿論米国も静観する筈はないが、米国本土から遠く離れ、地球の反対側の西太平洋諸島まで、米国民が血を流して守るべきかという議論は必ず起きるだろう。従来から四方海に囲まれた日本は陸上戦争には遭遇せず安心していたが、時代は変わり、今度は資源に富む海洋の争奪戦が始まっているのだ。

日本は早急に海軍力の増強をはかるべきだ。私は素人だが、攻撃に比べて防御はコスト安で済むという。日本は早急にミサイル防衛網と潜水艦隊を増強して守りを固めるべきだ。敵が察知できない最高の静寂性をもち、かつ通信受信能力に優れた高性能潜水艦を何隻か配備すれば、如何に中国の大艦隊でも下手に動けなくなるのだ。その上で、中国や韓国と積極的に友好親善を進めるべきだ。体力に劣る個体が生き残るためには、自己の体力を増強するか、強力な個体の傘下に下る以外に、生き延びる道が無いのは、生物学の鉄則だから。




mh3944 at 08:10|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 政治 

2012年12月10日

121210 私のパワハラ回顧

企業環境が厳しい今日、強烈なパワハラも横行しているだろう。やり手上司が部下を叱責し、過大な予算や責任を押し付けたり、3K仕事を押し付けて退職に追い込んだり、あの手この手のパワハラが横行する。逆に若い上司を年輩の部下が苛めたり、パソコン苦手の上司に意地悪する若者等の逆ハラスメントもあり、温厚な上司を元気な部下が叱咤する等、いろいろと複雑怪奇な筈だ。女性間の嫌がらせでは仲間外れにして退職に追い込むケースが多いという。  

私もサラリーマン時代に色々なパワハラに遭遇した。最初は夜間大学問題だった。豪快さが売り物で毎夜マージャンに耽る上司のK課長に反発した私は、一心発起して神戸大学の経済学部夜間に通学し始めたのが発端だ。マージャンと競馬が自慢のK上司に相談すれば必ず拒否されて身動きできなくなるので、私はK氏に断らずに通学し始めた。業務を離れた個人の自由時間まで束縛されたくない気持ちもあった。  
            
当時の研究部門は毎日2時間の残業が定例で、私は残業を済ませて夜遅く六甲中腹の大学にオートバイで駆けつけた。そして充実した1年間が過ぎ、学年末の試験時期を迎えた時、事件は起きた。夕方5時半に始まる期末試験に間に合うべく、残業せずに毎日定時4時半に退社する私の行動を不審に思ったK氏は、退社を急ぐ私を通用門で待ち受けて押し留めた。1分1秒を急ぐ私は、骨身を削った1年間の受講が無駄になると、声を上げて泣き出し、明日説明するからとK氏の腕を振り解いて、試験場に急いだ。 

翌朝待ち受けるK氏に私は全てを自白した。 K氏はまず私の無断通学を罵倒したが、相談しても可能性はゼロでそれは承知の上だった。更に、技術屋に経済学は不要、直ちに退学しろ、辞めないと通学不可能な石川県美川工場に転勤させると脅された。私と同じ工学部卒のK氏は自分が知らない経済学を部下が学ぶのが気に食わなかったのだ。如何とも仕方なく私は大学をやめた。しかし退学ではなく休学届けを出して様子をみることにした。休学期限の2年が過ぎた時、運よくK氏が東京に転勤となり、私は再び夜間大学に復学した。しかしこの事件を契機に私はK氏に心を開くことはなくなった。

そして3年経過し、私は晴れて経済学士の資格も取得した。勿論給料が上がる訳ではなかったが、大坂梅田の旭屋書店で、専門の理工系だけではなく、経済関係のブースも回り、著者名が分かる気持ちが何となく誇らしく思えた。

時を同じくして、会社の将来戦略に関する懸賞論文の大募集があった。私は理系文系の2刀使いをPRするチャンスだと思い、半年の間、日曜休日を返上して実証データに裏打ちされた大論文を創り上げた。論文は東京本社に直送する条件で、新しい上司のH部長に断らず直送した。事前に見せても良かったが、いちゃもんをつけて提出できなくなることを恐れた。そして私は見事一等賞と賞金2万円を獲得した。パソコンのない時代、切り貼りした汚い原稿の清書を代行してくれた妻に、私は賞金2万円を渡して労をねぎらった、H氏は私が2万円を仲間との祝杯に飲み食いしなかったと皮肉ったが、私にはそんな義理は無いと無視した。
                      
それから更に1年が経過し、本社社長の指示で、私は尼崎から東京本社企画部に栄転することになった。これにはH上司が怒った。事務系や営業系と異なり、技術屋は各々得意とする専門分野があり、従って技術系の人事異動は、実質的には本社ではなく各部門の技術部長が起案するのが常であったが、私の栄転は社長命令で本社人事部の起案だったのだ。流石H氏も社長命令には正面きっては逆らえず黙殺したが、私の転勤費用の捺印を拒否して妨害した。貧乏な私は、転勤費用無しでは家族で上京する新幹線の切符も買えず本当に困惑してしまった。 転勤期限が直前に迫り、万策尽きた私は、労務課長O氏に事情を説明して転勤費用の仮払いを受けて、何とかH氏から逃れて東京本社に赴任した。この陰湿な意地悪に私は心底から怒りを覚えた。そして私はH氏と終生仲直りすることはなかった。

逆のケースもあった。私が日本DPC社長を務めた12年間に部下との間で色々な事件があった。得意先接待と偽って営業部員が仲間同士でゴルフに興じていた事件には激しく叱責し、主導者を解雇した。別のケースは、本社事務所を東京日本橋から千葉の海浜幕張に移す事務所移転問題だった。

バブル最盛期で、東京日本橋は裏通り50坪の小さな事務所も毎年家賃が上昇し、遂に年3千万円を超える事態になった。流石に頭に来た私は、当時売り出し中の、千葉幕張の高層WBGビル32Fの面積100坪、家賃は1/3の年間1000万円で眺望素晴らしい階に移転する計画を進めた。処が何人かの社員は、華の東京日本橋から千葉に移るのを嫌った。確かに新興ニュータウンとは言え千葉は田舎落ちの感があり、東京から30分要する幕張には通勤困難になる女性3名の転属は認めたが、多くの社員は東京より通勤も楽になり、内心では喜んでいる筈だった。しかし誰も声を上げて私の移転計画に賛成する義侠心を示してくれなかったのは、悔しく残念であった。

反対運動に囲まれた私は団体交渉に追われたが、遂に1年後に移転を強行した。しかしこの団体交渉の過程で、反対運動の中心人物のT君がインチキ連判状を偽造したのは流石に許せず、社員の面前で激しく罵倒した。今日では東京→千葉への事務所移転など、反対する理由にもならないだろうが、バブル崩壊寸前の当時は、人材は売り手市場で、勤務条件の些細な変更でも大事件に発展する雰囲気があった。

また営業部員が集団で脱走する事件は苦しかった。医薬営業は特殊な業務で転職の激しい業界だったが、我社も10余名の営業マンを人材会社経由で大金を費やして徐々にスカウトしながら築き上げた営業部隊だったが、その営業部の部長Y君が貴重な営業員の大半を纏めて他社に脱走したのだ。これは私には大きな打撃であり、その修復には3年間を要した。他のスカウト社員も動揺し始め、私は組織の崩壊は内部から始まることを実感した苦悩の年月であった。
           
営業部隊を一気に入手した相手企業は、新規参入の仏Viomeriex社だった。私はスカウト組には気をつかい,
高額の報奨金も度々与えて、十分配慮したつもりだったが、彼らは生え抜き組に対して差別感を抱き続けていたようだ。V社からかなり高額な移籍金を受け取っていたとも聞いた。しかし移転後に同社に残ったのはごく少数で、リーダーY君以下の大半は、居心地が悪く、再び追い出されたと聞く。私の誠意を受け入れず、大金を費やして組織した営業部員を一気に奪取したY君への恨みはなかなか消えない。
                                
同じく、経理のU課長との諍いもあった。我が社は年商20億円程度の小規模で、経理部門に会計担当の女性2名を配置したが、高卒の部長S君は、実務に全く無能で愛想だけの管理職であった為、工場から経理堪能な高卒U君をスカウトした。私は不要な人事で消極的だったが最終的には受け入れた。私はプログラミングとメカの熟練技術者を懸命に求めており、経理担当は簡単に採用できると思っていたが、その思いが高卒で叩き上げのU君には極めて深刻に受け止められていたのだ。後日酒の席でU君が爆発し私と大ケンカになった。私には大した打撃はなかったが、高卒U君のコンプレックスを著しく傷つけていたらしく、終生U君は私には打ち解けず、遂に彼は転勤した。

女性には陰湿な例が多い。私が中途採用した薬事申請業務のベテランK女史を、古株の独身女性Sさんがシカトし始めたのだ。両名とも有能だが、家庭持ちK女史は、年増独身のSさんと疎遠なのは雰囲気で知っていたが、ある時そのK女史が泣きながら私に訴えてきた。何故同僚から無視され続けるのか理由が分からないと。私は彼女に、円満な家庭と子供を持つ貴方を、結婚できないSさんが妬んでいるだけで心配無用だと説明した。翌日からK女史は晴れ晴れした顔付きで再び仕事をし始めた。女性間のイジメは微妙な原因で直ぐに深刻な事態に発展することを知らされた事件だった。

パワハラは自分の立場で全く評価が違ってくるが、理不尽な言動や劣等感に触れる言葉は生涯忘れない深い傷を相手に与えることを肝に銘じておくべきだ。またパワハラに遭った時は、面従腹背に徹することも逃げ道のひとつだと思う。また場合によっては、下手に反撃せずに徹底的に無視し続けると、返って相手を不安にして心理的な打撃を与えるので、効果的な反撃策だと私は思っている。


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2012年12月03日

121203 浅田真央の心理

先日(11/24)のNHK杯フィギュアースケートでの浅田真央は人間の微妙な心理状態を反映して、大変興味深かった。昨年の不調から見事に復活した真央ちゃんは不得意のSPでダントツの最高得点を叩き出し、翌日の得意なフリーでは更に素晴らしい演技で優勝するだろうと殆どの観客やテレビ視聴者は期待した。私もその一人だったが、見事に裏切られフリーで大失敗を犯してしまったのだ。

最初の3回転が2回転になった時は、まだまだ大丈夫だと思ったが、続く3回転が2回転になり、2回転がシングルとなり、計7回のジャンプの5回まで全て失敗したのだ。これには本当に皆あ然としてしまった。あんなにフリーが得意な真央ちゃんが、何故次々とジャンプを失敗するのか、私も不思議で堪らなかった。

しかし翌日の新聞に、無念に沈みこんだ真央ちゃんが、微妙な心理状態を語っていた。前夜SPで67.95と女子の世界最高を出したので、得意なフリーは落ち着いて冷静にやろう、という気持ちが強過ぎ、勢いや強さを出せなかった、と述べていた。得意な筈のジャンプの殆どを失敗した当人の心理を明かす重要な証言だ。一般の監督は、本番では余り緊張するな、落ち着いてやろう、練習結果をそのまま出せば良い、とアドバイスするだろう。そして当人も緊張しないように平静を努める筈だ。百戦錬磨の真央ちゃんも、そんな気持ちでリンクを舞った。そして大失敗した。

逆にSPを失敗して58.60と5位に沈んだ鈴木明子は落ち着く余裕など全くなかった。フリーで最高点を稼がないと来月のグランプリ-ファイナルには絶対に手が届かない立場だったから、もう捨て身で頑張る以外に活路がなかった。その結果は見事な出来栄えで0.05点差まで浅田真央を追い詰め、あわや逆転優勝する処だった。何とも恐ろしいことだ。

従来からSPを苦手とする浅田真央は、得意なフリーで逆転優勝するのが常だったから、真央ちゃんはフリーが得意だとの定評があった。しかしそれは間違いだったのだ。SPで失敗を繰り返す真央ちゃんは、捨て身の頑張りでフリーを滑り挽回する以外に勝つ道は無かったのだ。決してフリーが得意なのではなかったのだ。

私のような凡人が言える立場ではないが、野球でもマラソンでも、練習を積み重ねて本番では、緊張を取り除き落ち着いてプレイすればベストの結果を生むというのが定説だが、本当は真反対で、練習を重ねた後、その緊張を持続して本番に進む必要があるということなのだ。 

ゴルフでも毎週の韓国女子の大活躍には嫌になってしまう程だ。日本選手と韓国選手がリーダーを争うと、最終日には殆ど日本選手が負けるので頭にきてしまう。今年度の女子ゴルフツアー35戦で、大軍団の日本女子が15勝に対し、少数精鋭の韓国勢は16勝を稼ぎ、賞金ランキングも1億円以上は、全美貞が賞金女王、2位がイボミ、3位にやっと有村智慧、そして4位はアンソンジュと韓国勢のオンパレードだ。

確かに韓国女子は猛練習を積み、家運を賭けて転戦し、常に親が同行しているというが、日本女子だって怠けている筈はないだろう。日本選手は如何にリーダーを守るかに神経を使うが、韓国選手は如何にスコアを伸ばすかと攻撃的な心理状態を持ち続けてプレイするので、最後には韓国勢が勝利するのだと私は思うが、如何だろうか?

テレビ業界のことも考えた。私はシャープが大好きだ。大昔の佐々木社長時代から、電卓にしろ、ラジカセにしろ、どこかセンスある商品をシャープは次々と上市してきた。事業規模に差はあるが、松下やソニーのよう立派な本社ビルは作らず、昔からの4階建の古い本社で頑張りながら、液晶テレビでは世界に亀山モデルと知られたアクオス工場を作り上げ、シャープは液晶TVを制覇すると世界は予想した。しかし見事に裏切られた。シャープだけでなく、ソニー、パナソニックも含めて日本勢は全て韓国サムスンの前に敗れ去ったのだ。理由は何だろうか? それは多分フィギュアーの浅田真央や、ゴルフの韓国女子と同じく、常に攻撃的な志向を維持し続け、守勢に回る日本企業が敗れたのだと私は思う。 

従来から日本企業の目標は常に欧米メーカーだった。米国に勝って抜き去ることを最高の企業目標に頑張った。そして見事に世界一になった。しかしお隣り韓国のサムスンが日本メーカーを目標に猛スピードで追い上げていることには余り注意を払わなかった。確かに韓国製品はコスト安だが品質が劣ると安心し見下していた。日本勢は品質でも数量でも世界市場を制して、どこか気分的に安堵していたのだと思う。

逆にサムスンは鈴木明子と同じ心境で、日本メーカーを打ち負かさないと生き残れないという絶対絶命の境地で必死に頑張った。そして気が付いた時には、サムスンは品質面でも日本に対抗する高品質なTVを作りあげ、価格では日本メーカーが及びもつかない安価な大量生産体制を築いていたのだった。勿論、シャープやソニー、松下も怠け心は無かっただろう。シャープも懸命に頑張り、大坂堺に世界最大の液晶パネル工場を建設し、パナソニックは尼崎の臨海部に新鋭工場を建設して世界をリードしようと努めた。しかし世界最高を達成してハングリーさを失い、どこかに心の余裕と油断があったのだ。社内の会議でも結論を出すのが遅れ始めたのだ。

私の体験からも、社内戦略会議で技術屋が如何に声を大に叫んでも、経理担当役員から理論整然と慎重論を説かれると、結論はそちらに傾く。サムソンは社長の1言で戦略を即決するのに比べ、日本では大企業になるほど管理部門の役員が発言権を強め、会議を重ねて結論が遅れる。そして結局、優位を失ってしまったのだ。 問題は、誰が正しく誰が間違っていたかは、3年-5年の月日が経過しないと判明しないことだ。

平穏時には、社員を守り、会社の安泰と存続を願うが如き慎重派の意見が常に会議をリードし、会社を危険に曝す危険な技術系役員の意見は抑えられてしまうのが常だ、そして年月か経過し敗退が決まった時には、慎重論を説いた役員達は既に退職して会社を去り、余生をゆっくり楽しんでいるのだ。

先日もHIS澤田秀雄社長が産経新聞に書いていた。新規事業の7−8割は必ず失敗する、今日は大変革の時代でありスピードが非常に速い。その変化を敏感にとらえて自らチェンジしていかないと大会社でも直ちに消えてしまうと。社員に安泰だという気分が出てきたら、大会社でも5年で消え去る時代なのだと。

サラリーマン時代の私も悔しい思いを何回も繰り替えした。そして積極的な私の意見は抑えられた。過去の自分の失敗事例もあり、意地悪くその古傷を繰り返し指摘されると、強硬な意見を続ける勇気も萎えてしまった。余程の緊急事態でない限り、従業員の安泰を雄弁に唱える経理担当同僚に抑え込まれた。そして遂に私は親会社から離脱を決意し、米国との合弁会社へ去った。そこでは思い残すことにない程働き、楽しい15年間を過ごした。しかしそこにも時代の大波はやってきた。アナログからデジタルへ移行するのと同様に、放射性手動検査(RI)から非放射性自動検査(non-RI)へと時代的な大転換の荒波が現れ、再び激動の大波に襲われたのだった。

真央ちゃんの美しい舞いを見ながらも、勝敗を左右する人の厳しい心理状態に思いを馳せたNHK杯スケートであった。





mh3944 at 07:39|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 雑感