2013年09月

2013年09月26日

130926 マーケッティング

                                       
8/20の産経新聞,人気商品開発ヒストリーに、爆発的に伸びている日本コカコーラの{太陽のマテ茶}の開発経緯が書かれていた。日本の茶系飲料は、キリン午後の紅茶、伊藤園お〜いお茶、が切り開いた清涼飲料系の新市場で、彼らはトップシェアーを維持しており、日本コカコーラはその打破を狙ってマ−ケティング戦略を立てた。着眼はブラジル人が肉食を好む割には肥満が少ない点に注目して、彼らが日常好んで飲むマテ茶に注目した。マテ茶はブラジル原産で、ビタミンや植物繊維は多いが、渋みと薬臭があり、ブラジル人は砂糖を加えて薬臭を消して飲むという。日本コカコーラはその特有の薬臭を取り除く処理方法を開発して{飲むサラダ} と銘打って売り出し、ヒット商品に仕上げたという。 

新製品開発は、結果が成功すれば美しく語られるが失敗すると悲惨である。 マーケティングは米国流の思想で、会社活動を方向づける基本方針であり、米国ではマーケティング本部長は社長に次ぐ実力者である。私が日米合弁会社の社長として12年勤めた時、米国会長からマーケティングを叩き込まれたが、技術屋頭の私には営業部長の補佐役的な感覚からなかなか抜け切れなかった。毎年1回開催する全世界50国の関係会社社長の合同会議Summer-Meetingはマーケティング本部長が主導した。洗脳され続けた私もやっとマーケッティングの意味とその信頼性が分かり始めた。  

マーケティングの頂点の自動車業界では、将来の自動車は燃料電池が主流になるという米国Big-3のマーケティング戦略は見事に外れて、その実現はかなり先になると判明し、逆に燃料電池よりハイブリッド時代が先に到来すると見た日本自動車メーカーのマーケティング戦略が正しかったのは良く知られている。   

マーケティング戦略を誤ると、企業を危機的な状況に陥れるのはハイブリッド出遅れで苦境に陥ったBig-3の倒産や低迷からも自明の通りである。 Big-3の燃料電池戦略は理想ではあるが、高圧水素タンクの材質問題、インフラ整備、高価な白金触媒等が大きなカベとなってその実現は10〜20年遅れる見通しである。 ハイブリッド開発を優先していた日産技術陣は、欧米思想に洗脳されたゴーン社長が開発中止の命令に大混乱になったが、結局社長命令に従いハイブリッドを中断して、電気自動車に切り替えた結果, 大失敗に終わった。マーケティングは一旦間違うと会社に深い傷を残すことになる。
  
別の例では小売業界の変遷がある。デパートは長年日本小売業界のリーダーで、国内の小売業界の指導的立場に君臨し、慶応閥エリートが独占してきたが、ルソン戦線から生還した中内功氏の主婦の店ダイエーを先頭に、ジャスコ、イトーヨカドー等のスーパーが安売りを武器に台頭し、デパートをリーダーの地位から駆逐してしまった。 しかしそのスーパーも、値段は少々高くても利便性を売り物にするコンビニに押されている。品数が少なく値段も高いコンビニを私は好きではないが、彼らはデパートに比べて1/100以下サイズの小規模店の柔軟性を生かし、24時間営業など臨機応変に変化を続けているのは驚くばかり、最近は更に商圏を狭めて生き延びようとしている。  
   
他にも同様な例があり、日本産業界をリードしてきた弱電業界は、韓国製テレビを価格は安いが品質も悪いと見下している間に、韓国サムスンは品質を向上して、日本の弱電企業に壊滅的打撃を与えた。しかしそのサムスンでさえ、次の戦略が描けず、このまま市場が飽和すると行き詰まると噂され始めている。固定電話→携帯電話→スマートフォン, iPadなどの情報産業は更に猛烈な技術進歩と変態を繰り返して、若者の生活習慣まで変えており、凡庸な私の頭ではんかなか追いつけない。  

化学が専門の私は昔に学んだ化学反応の電子論的説明がある。即ちAとBを反応させてCが生成した経緯は美しく説明できる。しかし電子論の欠陥は、DとEを反応させて何が生成するかはなかなか予言できない不器用な学問である。 米国マーケティングも電子論とよく似ており、過去の出来事は明快に説明できても、将来の動向を予想することは余り得意ではなく 的中することもあるが、大外れすることもある学問だと思った。    
  


mh3944 at 08:02|PermalinkComments(0)TrackBack(0) ビジネス 

2013年09月19日

130919 東京オリンピック-2

今回のオリンピック招致は、名古屋招致の失敗、大坂も不成功、前回の東京招致の失敗の後を受けて、再々々チャレンジであった。 聞く処によると、2024年に釜山誘致を狙う韓国は東京誘致に反対だったが、釜山計画は完全に潰れた。日本に至近距離の北朝鮮は、スポーツ立国を目論む金正恩が、アジア代表戦で多くの出場枠を獲得して大量の選手団を東京に送り込む為、アフリカの友好国4−5ケ国に日本支持を働きかけ工作したが、東京圧勝に終わり、北朝鮮効果が目立なくなったと残念がっているという。同じく2024年のパリ100年祭とオリンピックの同時開催を計画するフランスは日本決定を大喜び、大波乱のなかに2020年誘致騒動の決着した。

オリンピック招致の最大の効果は経済振興である。数ケ月前に東京都がその経済波及効果を7年間で3兆円と発表し、即座に桁違いだと私は失笑した。今回大和証券が150兆円の経済効果と発表してやっと納得できた。道路や橋、空港などのインフラ投資の拡大もあるが、国際化する観光業が牽引役になり、更にムード面で日本経済を盛り上げる効果は数値での表現を超える力がある。衣食足りた社会では景気は気分に負う部分が極めて大きく、15年以上不況続きで国民に染みついた沈滞気分が一掃される効果は絶大である。  
  
アルゼンチンIOC総会の最終プレゼンテーションをみて東京招致の決定過程が分かった。日本のプレゼンゼンターのスピーチは実に素晴らしく、その結果、誘致決定を勝ちとったのを改めて理解できた。最初に国内スポーツ8団体の名誉会長を務める高円宮妃久子さんが、日本を代表して東北大震災への国際的なサポートに謝意を述べ、皇室はスポーツを全面的に応援しています、と短い挨拶をプリンセスらしい端正な英語と仏語で話された。  
続いてトップバッターに立ったパラリンピック陸上代表で東北出身の佐藤真海選手が、片足切断の身障者の自分はスポーツに救われたとのスピーチを情感込めて話した、これは効いた。多くのIOC委員の気持ち東京に引き寄せたという。  

アジアとヨーロッパを結ぶ架け橋というイスタンブールに対して、東京招致運動は、何故東京なの?との大義名分に誰も明快に答えられず、招致委員を苦しめ続けたが、佐藤真海が、東京開催は大震災に苦しむ東日本の被災者を勇気づけ、自然の猛威に苦しむ世界の被災者をも元気づけると、始めて真正面から答えた。どこの国も自国誘致が本心で、大義名分は単なる理屈付けかも知れないが、やはり何かを決定する場合、錦の御旗が必要なのだ。  
               
続いてフェンシング金メダリストの大田選手も自信満々だった。そして滝川クリステルはHospitalityの邦訳おもてなし、をフランス語と英語でジェスチャー交えて説明したのも見栄えがあった。彼女は日仏のハーフだが、度胸と愛嬌満点のスピーチだ。猪瀬都知事は不格好でお世辞にもスマートとは言えなかったが、意欲と元気さは伝わった。

竹田恒和理事長は唯一の日本人IOC委員だが、その場慣れしたスピーチは立派だった。しかし記者団から都心と海上部の交通の利便性を聞かれて的外れな回答をしたが、直ぐに猪瀬都知事がフォローして、都内は延べ数千キロに達する交通網が隅々まで完備されていると説明して難を逃れた。豊洲近くの潮見に10余年住んでいた私は、都心との至近距離にも拘わらず不便な交通網を知っており、この質問には肝を冷やした。
            
最後に立った安倍首相は、汚染水は0.3平方キロの狭い湾内に閉じ込められて、東京に流通する食料品はWHO基準の1/100以下の放射能であり、政府が責任をもって対応すると明確な英語で説明したので、この意地悪な質問もシャットアウトできた。

日本招致委メンバーに共通して言えるのは、各人共に流暢な英語で自信をもった説明だ。私も安倍首相程度の英語は話せるが、招致決定の最終場面の極めて重要なプレゼンテーションをこなせる度胸と自信は無いと思う。しかし各招致委員は恐れる素ぶりも見せず澱まずにスピーチしたのはご立派だった。私は外国語上手よりも中身が重要だとの思いが強いが、このグローバル化時代には、コミュニケーションの中身と同様に、見掛けも極めて大きな意味をもつことを改めて思い知らされた。

百戦錬磨のIOC委員へのロビー活動は、従来から日本が最も不得意としてきたが、竹田恒和理事長と高円宮妃久子さんが担当し、殆どのIOC委員に根回しを続けたという。特に高円宮妃久子さんは短いブエノスアイレス滞在中に、100名近い殆どのIOC委員に挨拶され、更に重要委員30名とは個室で懇親を深夜まで重ねられ、勝負は深夜を過ぎてからですよ、と日本役員を叱咤激励する場面もあったと聞く。ヨーロッパ社交界に地の利をもつスペインは、フェリベ皇太子がロビー活動に自信を持ち、マドリード派IOC委員の名前まで流して圧勝をPRしたが、逆に反感を買って最悪の一次敗退になった。社交とロビー活動は人間社会で重要な潤滑油だが、同時に恐ろしい大逆転の魔物でもある。    
 
兎に角、これから7年間、日本はオリンピックを成功させる為に、政府も東京都のその準備に全力投入を迫られることになり、日本経済を大いに盛り上げると思う。更に選手達は世界に名を馳せる絶好のチャンスであり、メダルを目指して死にもの狂いの鍛錬が始まるだろうが、スポーツに人生を賭けた者には避けられない宿命であり、千載一遇のチャンスと考えて頑張って欲しい。





mh3944 at 07:28|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 雑感 

2013年09月13日

130913 郵便局ATM

典型的な零細企業だから、私は社長業から小使役まで何でもこなす。面倒だが誰もやってくれないから自分がやる以外にないが、恥もかくのでボケ防止には結構役立っている。便利なパソコンとATMを使えば、業務連絡、財務、収支計算、集金、支払い、振込みなど殆どの業務は極めて効率的に遂行できる。有能で働き者のPCこそ、若者から職場を奪い、正社員の枠を激減させた犯人だと思う。しかし先日そのATMで私はまた恥をかいた。

妻の大学同窓会費の1,000円の振込みを頼まれて、記入済みの同窓会用紙を郵便局の窓口に提出すると、入口のATMの方が安くできますよと親切に教えられた。銀行ATMには慣れているので、経験がない郵便局ATMでも何とかなるだろうと軽く考えていたのが間違いだった。同窓会用紙には金額と振込先番号は記載されていたが、振込先銀行名が無く、口座〇〇〇,振込番号△△△△△△と書かれているだけで、少し変な予感もあった。

郵便局ATMのモニターには、引出し、払込み、送金、各種届出、通帳記入、年金保険など、銀行ATMと似たような表示だ。払込みを押すと、払込み銀行名を指定するよう表示が出たが、手元の同窓会用紙には払込銀行名の記載がなかった。色々考えたが分からないので、窓口に行って聞くと、先ずは機械左上の挿入口に振込用紙を差し込むよう教えられた。なるほど、初めに振込用紙を機械に挿入しなければならないのかと理解し、用紙を左上の払込書挿入口に入れるとモニターが作動して、口座番号を押すよう指示が出た、用紙記載の番号△△ △△ △ を入力したが受け付けない。さあ困った、後ろには次の人が並び始めた。私は次の人に順番を譲って、窓口に走り、口座番号を受け付けないのですが?と伝えた。すると局員は〇〇〇-△△△△△△と全部を押すよう説明された。それはそうだと思い、順番の後ろに並び直して、再びATM操作となった。

振込み金額1,000円を押すと振込料金80円の表示が出て、ATMのお札投入口が開いた。私は1,000円札を入れたが、傍の硬貨投入口が開かない。さあどうしよう、何故開かないか、お札投入口に硬貨も入れると、機械の中に落ち込んでATMは故障しそうだ。硬貨投入口をなんとか開けたいが、金属製の蓋が硬く閉まって開く気配がない。
   
後ろに人の列が増えた気配がする。さあどうしよう、冷たい視線を背中に浴びながら私は焦った。80円の入金は要求しているが、硬貨投入口が開かないのだ。如何にも官庁らしい。すると多分離れて私を見ていたらしい郵便局員が近寄ってきた。{硬貨口}開かないのです、と私は訴えた。するとモニター画面の{硬貨}を押すと開きます、という。確かにそうだった。モニターの{硬貨}に触れると、あれほど頑なに拒否していた硬貨口がパッと開いた。100円を投入すると直ぐに釣銭20円が音を立て落ちてきた。 機械オンチの年寄り姿を見る後ろの冷たい視線が痛かった。ATMをいくら独占しても平気なおばさん程、当方の心臓は強くはない。  
          
銀行ATMでは{お札口}と{硬貨口}は同時に開くが、郵便局ATMは{お札口}はすぐ開いても、{硬貨口}は開かず、モニター上の{硬貨}にタッチするというひと手間を加えないと進まない仕組みになっているのだ。私はATMに慣れていると自信をもっていたが、郵便局ATMで2回も3回も立ち往生して自信は大崩れ、大ボリュームで指示を繰り返すアナウンスにも恥かしかった。 同じATMで何故こんなに単純操作に違いがあるのか、と機械オンチを反省する前にATMプログラムの違いを恨んだ。 同じく郵貯銀行の、店名ゼロイチハチ、店番018、と呼ぶのも何だか奇異に感じる。国営の郵便局だから市中銀行の方が変えるべきだというかも知れないが、お高く留まっていると取り残されてしまうだろう。

その点パソコンはかなり良くできている。アプローチが少々違っても殆ど目的地に導いてくれる。富士登山を、吉田口、御殿場口、須走口、富士宮口のどこから入っても途中で合流して頂上に誘導する。しかしATMは、決められた手順を1ケ所でも違えるとテコでも動かず、催促のアナウンスを繰り返し、遂には初めに戻って操作し直して下さい、と恥ずかしいアナウンスを大声で指示する。銀行と郵便局のどちらがより合理的なのかは分からないが、一般銀行のATMはどれも似ているのに、郵貯ATMだけは少々不親切で勝手なプログラムだと思えた。
 
民営化問題の荒波に襲われ続けて、郵便局は確かに変わりサービスも向上したが、まだまだ昔の国家公務員の影響が残っている。民営化して一般銀行と競合することを何故恐れるのか知らないが、郵政族議員が票を守るための懸命な反対運動で、なんとか半官半民に留まっている。しかしそんな他力本願では遠くない将来、再び完全民営化の圧力がやってくるだろう。それは今回のTPP加入か、或いは次の不平等是正問題かも知れないが、民間に出来る仕事を半官半民で続ける意味がなく、近い将来再び変革が起こりそうな予感がする。 郵便局員は不安定な民間銀行を嫌って、より身分が安定な公務員の身分を享受して、非高率な経営を続けていると、経営が危なくなるのは目に見えている。覚悟を決めて100%完全民営化し、競争社会で生き残る以外に安定した道は無いのだ。これは郵貯ATMで恥かいた恨みではなく、感じたことを正直に申し上げているのだが。
  








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2013年09月09日

130909 東京オリンピック

2020年の東京オリンピックが決まった。低迷する社会に希望の灯が見え 国民にも再び自信を与える。4年前に失敗した誘致運動の継続を決めた石原前都知事も大喜びだ。中国政府は尖閣奪取作戦に大きな障害が立ちはだかったと苦虫を噛み潰している。インド調査機関のマハパトラ所長が、日本の自信回復は大歓迎で、傍若無人な中国を牽制することになると期待していると読売新聞にあるが、多分これは世界の多数の国が思っていることだろう。 一方韓国は複雑な気分だが新聞論調には 強い日本が夢に弾む、と一応前向きな反応を示しているという。 

下馬評では、英語に次ぐ第二の国際語スペインが、中南米20ケ国を核に50票を獲得して一回で決着をつけると豪語し、そのIOC委員の氏名まで裏リークしていたが早々に脱落したのは大きな驚きだった。フェリベ皇太子は投票を約束した51ケ国のうち実際に投票したのは20ケ国だったと嘆いているそうだ。投票権をもつ103名のIOC委員は欧州44、北中南米18、アジア23、アフリカ12、オセアニア6の構成だが、すべて百戦錬磨の強者ばかり、実業家や、王族、元メダリスト等、世界社交界の巧者揃いで、次期開催地の選挙はいつも大きな波乱があるという。

大体、日本は欧米に対し大きな時差があり、競技時刻と欧米テレビのゴールデンタイムに大きなタイムラグがあり、誘致は常にハンデキャップがあって、不利な条件で競合せざるを得ない宿命だった。

3週間前に英国の賭けブックメーカーが東京1.62倍、マドリード4.0倍、イスタンブール4.0倍と、東京本命説を流したのは驚きだった。別の情報では、次の2024年のパリ100年祭にオリンプック同時開催を狙うフランスは、お隣りマドリードを嫌っているらしいという状況もあるが、今回は仮に東京が1位を獲得したら, マドリードとイスタンブールが2位3位連合を組んで、逆転勝利を狙うとの密約説も流れ、状況は混沌としていた。しかし結果はダブルスコアの60:36で東京が圧勝した。これ程の大差ではマドリードもイスタンブールも脱帽せざるを得ないだろう。

前回の誘致運動はロビー活動を軽視した失敗だという。最新技術のPRに拘り,IOC委員への直接の働きかけを疎かにした結果、技術展示会を求めているのではないと委員達を憤慨させたことも反省材料になった。また政治には関与しないと頑固に拒否する宮内庁を押し切って、高円宮妃久子さんが最終プレゼンテーションの口火を切り、東京誘致には触れず、大震災復興支援のお礼と、日本皇室はスポーツを全面的に応援しています、と4分間の簡潔なスピーチを英仏の2ケ国語で流暢に話され、IOC委員を感銘させたという。もし皇太子妃雅子さんが、ご自慢の英語でスピーチされたら、今回のヒロインになって、国内外の不人気も霧散しただろうが、残念ながらその侠気心は見られなかった。 

福島の汚染水問題が突如浮上し、何の用意もなかった日本陣営を慌てさせた。何回も繰り返す執拗な質問は唐突で違和感があり、悪意の某国が裏で記者を動かしていると想像されたが、安倍首相が、東京から250キロ離れた福島の汚染水は0.3平方キロの狭い湾内に閉じ込められ、東京に流通する飲食料品の放射能は全て国際基準WHOの1/100以下で完全にコントロールされている、とジェスチャーを交えた英語で断言したのは流石で、執拗な妨害質問を黙らせてしまった。市民を代表する正義の使者の仮面を被る傍若無人なマスコミ記者連中も、裏では汚い社会と深く結びついている姿がみえた。  
 
東京開催の意義は何か?と繰り替えし質問されたが、日本陣営は遂に的確な回答が出来なかった。私なら、巨大な自然災害に苦しむ東北日本の住民に勇気を与えると同時に、同じように自然災害に苦しむ世界の同胞にも元気を与えたい、と答えただろうが、誰にもそのような智慧はなかった。しかし猪瀬都知事のイスラム蔑視発言が取り上げられなかったのは本当に幸いであった。  
           
東京オリンピック誘致が決まったことで日本は再び自信と勇気を持った。7年という具体的なスパンで結果を出すことが求められ、正体が見えないアベノミクスに具体化な目標が設定されたことで、日本経済は大いに活気付くだろう。そして消費税問題も予定通りに進むことになると思う。
          
オリンピック選手村が建設される東京湾臨海部に私は12年間住んでいた。確かに都心からは3−4キロで指呼の近さだが、運河で仕切られた交通路は不便極まりなく、強風や大雨になる度に直ぐに交通が遮断されて、陸の孤島になった。ここに選手村など関連諸施設が整備されると、利便性は格段に向上して、本当の都心に衣替えする筈だ。

この機会を利用して、私は30年以内に70%の確率で襲来が予想される関東大震災への対策も是非具体化すべきだと思う。広大な東京圏を全面的に耐震,耐火構造に改造することは至難だが、木造住宅密集地の火災対策と延焼防止の道路拡張策は不可欠である。古い住宅街を耐火構造に改造するかは難問だが、少なくとも幅広い道路で延焼を遮断することは必要であり、避難道路を確保する意味もあって、早急に実現すべきだ。

また臨海部の無数の石油タンク群は、一旦着火するともはや消火が不可能で、石油が燃え尽きる迄2週間は燃え続けることは2年前の千葉市五井の丸善石油コンビナート火災で実証された。東京湾周辺に広がる多数の石油タンク群が着火すると、東京圏を全滅させる危険性があり、倒壊防止と着火防止の対策が必須である。

兎に角、2020年の東京オリンピック誘致成功は山中教授のノーベル賞以上に大きな国家的な朗報であり、この機会を利用して、オリンピック改造と同時に、自然災害に弱い東京の安全性を高める絶好の機会にするべきである。年配の私も現役を続けてその実現に僅かでも貢献したいと思っている次第。 




mh3944 at 15:25|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 政治 

2013年09月04日

130904 深刻な少子化問題

 
歴代の内閣は、必ず少子化対策大臣を任命するが何をやったか全く分からない。多分、何も期待されていないので大臣の椅子に座って喜んでいるのだろう。しかし日本の人口減少は深刻な問題で、青壮年人口が激減して、権利ばかり主張する老人が溢れる社会になりつつあるのだ。

欧米の合計特殊出生率は米国2.1、フランス2.0、イギリス1.9、スエーデン1.9、デンマーク1.9、カナダ1.7と問題ないが、日本1.4、ドイツ1.4, イタリア1.4、韓国1.4と際立って低い。一人っ子政策で人口抑制中の中国でも1.6と日本より高いが、今後は2人目も認める方針と言う。日本がこのまま経過すると50年後は、気力体力は無いが口先だけ達者な老人ばかり増えて3流国に転落するのは必至である。西欧の国々は国力の源泉は人口にあり、と人口維持に懸命であり、日本も本気で対策を講じる必要がある。

少子化の最大の原因は若者が結婚しないからである。結婚しない理由は給料が少ないからである。給料が少なくては男性も恥ずかしくてプロポーズできず、結婚しても生活が苦しく子育もできないと女性は受け入れない。しかし働きの悪い若者に高い給料は出せず対策は簡単ではない。  
 
8/26の読売新聞によると、国立社会保障人口問題研究所の調査(2010)で、男性も女性も9割が結婚を切望しているが、男性の6割、女性5割は異性の友人がいないと分かった。 従って理想の相手をみつけるのが困難だという。しかし誰も理想の結婚相手を見つけることは容易ではない。理想の相手が簡単に見つかる訳はなく、結婚して初めてパートナーとの相性が分かるのだ。お互いに色々な欠点を持ちながらも我慢して共同生活するのであり、完璧な相手探しに熱中していると自分が年取って失格者になってしまう。

恋は盲目で惚れた相手とは結婚してみる以外に対策はないのではないか。もし耐え難い不都合が判明すれば別れざるを得ない。昔と比べて近年、日本の結婚事情は劇的に変化し、私の近所でも凡そ半数はバツイチの夫婦だ。私の若い時代は、離婚した女性は殆ど外出も控えて自宅に籠っていたが、近年離婚のハードルは極めて低くなり、誰も知らない間に離婚して、誰も気付かない間に再婚する時代になった。
  
年収問題も重要だ。300万円を切ると結婚が極めて困難になると厚労省白書はいう。しかし企業環境は厳しく簡単には昇給できない。となると二人で稼ぐ以外にないことになる。二人で稼げば大半の夫婦は生活できる。その意味で、寿退職が日本では少なくなったのは喜ばしいことだ。

次に子供が生まれた時の問題だ。口煩い老人対策に追われて、政府の保育支援が後回しで極めて貧弱であり、この点も出生率を下げた理由である。保育所の重要性は叫び続けられているが、園児が減り経営難の幼稚園でさえ、長時間勤務の幼児保育を敬遠する。その結果、幼児の保育は若い女性の負担となり、ノイローゼになる悲惨な事件が後を絶たない。最近やっと横浜市が待機保育児ゼロを達成したと新聞テレビが報道しているが、これは政府が如何に怠慢であったかの裏返しであり、やっと政府も腰を上げ始めた。

西欧では、将来の国を背負う子供達は国の財産であり保育費用は殆ど政府が負担すると聞く。保育所の費用分担まで渋る日本とは別世界の観がある。子育ては最高の楽しみでもあるが同時に大きな負担でもある。子供の保育を政府が保障すれば、出生率は1.6とか1.7辺りまで上がり、当面の危機は薄らぐ筈だ。 

更に、出産で一時的に休職した女性の復職問題がある。女性が出産で1〜2年休職した後の復職は、職場状況も変化して女性には気が重い筈だ。復職者を温かく受け入れるよう企業に義務付け、政府は協力して女性の心理的負担を軽減する諸策を講じるべきだ。

職場環境を改善することも必要である。女性の職場では陰湿な仲間外しが行われ易い。私の経験でも、厚生省薬事申請担当の有能な女性が出産から復職してひどい仲間外しに遭った。女性仲間が殆ど口を利かないという。何故こんな冷たい仕打ちに遭うのか訳が分からないと、泣いて彼女は私に訴えてきた。女性の意地悪は巧妙で私にも察知できなかったが、調べてみると、独身の古参女性が仲間をオルグして復職者を仲間外していた。それは微妙かつ狡猾で、私が女ボスに説教しても問題を潜在化させる心配があった。私は復職者に、結婚できない女ボスが家庭持ちの幸せな貴方を恨んでいるだけだから気にしないように!と話す以外になかった。本当に簡単なアドバイスだったが、当人には効果抜群の特効薬になったのだ。彼女は急に変身して元気を取り戻し、張り切って働くようになったのには今度は私が驚いた。人は気持ちの持ち方次第で大きく変わる。 
  
大企業病から抜けられない若者にも責任がある。産業能率大の小野田哲弥氏によると、ネット社会の影響で学生は大企業を著しく優先し、社員5,000名以上の大企業には志願者が殺到するが、社員300名以下の中小企業は募集の3割しか採れないという。如何にも勿体ない話だ。

何とか大企業の滑り込んでもそこは天国ではなく、直ぐに厳しい現実に直面し、幻滅を感じた若者は退職を考えるという。統計デ-タでは新入社員の3割が3年以内に退職する。社員300名の中小企業にも優良な企業は結構多いのだ。仕事は厳しいが幅広い業務を体験でき、本気の若者には生き甲斐ある職場だ。企業や政府はもっと中小企業の良さを積極的にPRすべきだ。不都合でもあれば、経験を積んで転職してもいい。人の通わぬ裏道にも華がある、と諺にも言う。政府も来年度から労働市場の流動性を高めるようだ。

兎に角、手数ばかりかかる子供でも、将来は我々に代わって日本を背負う立場になるのだから、大事に育てる必要がある。




mh3944 at 08:58|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 政治