2014年12月
2014年12月26日
141226 麻生さんの発言
年末に歳暮手配で久し振りにデパートに出掛けた。忙しそうに行き交う人々をかき分けてやっと歳暮売場に着くと50~60台のパソコンが並び、お客と店員とが忙しく打ち合している。私の担当の女性店員も直ぐにPCに入力し始めたが、何故かPCが動かなくなった。慌てた女性は一寸お待ち下さい! と急いで男性店員を呼んだ。専門家らしい男性が色々操作したが修復しない。もう少しお待ち下さい、と緊張した女性が私に気配りする。男性はPC箱を開いてみたが直らず、遂に隣りのPCに移って操作を再開した。見守っていた担当の女性は当方に気遣いながらやっと発送手配を終え、手間取って済みませんでした、と深々と頭を下げて謝る。わずか10分程度だが店員が入れ替わり立ち代わり、お客の気分を害さないよう気配りしながら緊張の業務だ。これがお客様は神様です、の日本式対応の神髄なのだと感心しながら私は眺めていた。何故PCが故障したか分からない、最近のPCは性能も良く滅多に故障しない筈で、多分古いPCをかき集めて作業していたのだろう。それにしても若い女性店員は緊張と困惑で何度も何度も私に謝り続けるのが可哀そうに覚えた。
衆院選挙の運動中に麻生副首相が、人口減少は女性が子供を産まないからだと発言して、民主党と社民党が噛みついた。麻生さんは、時間がなく言葉を端折ったので変な発言になったと釈明したが、忙しい業務に追い捲られる女性達は毎日が緊張の連続で、子供を産むか産まないか考える余裕などないだろう。
麻生さんが言った若い女性が子供を産まなくなったのは事実だと私は思う。しかし女性の立場から言えば、こんな緊張の毎日ではゆっくり子育てなど出来る筈がないと反論するだろう。殆どの若い女性は子供が欲しい筈だが、10分間お客を待たせただけで何回も謝り続ける厳しさは、その日を生き抜くのに精一杯で、精々子供もひとりが限界で、政府の求める2人などとても余裕はないだろう。日本式の過剰な顧客対応は若い女性に大きな無理を強いていると思う。
確かに子育ては本当に苦労の連続だ。妊娠すると五体満足な赤ちゃんが生まれるだろうか、誕生すると連日の夜泣きに悩まされ、歩き始めると今度は事故に遭わないかと心配し、便利な保育園を尋ねて走り回り、小学校へ入ると仲間から苛められないか悩み、中学生になると反抗期に入り、塾通いや級友の進学先も気懸り、何とか受験戦争を通過して大学に入ると、重い教育費がのしかかり、運よく正社員になると、次はどんな彼氏や彼女をつれてくるかも心配だ。相談する人も無い孤独な都会での子育ては、悩みが消えず、女性には人生最大の仕事だ。やっと子供達が結婚して独立し、静かな日々に戻り、色あせた写真をみながら苦労ばかりの日々を顧みるのは主人が退職した後かもしれない。しかし悩み苦しんだ年月であっても、子育ての想い出は本当に人生最高の宝であることがしみじみと分かる。
あるテレビ番組で、南九州の徳之島辺りで子供が5人とか7人の子沢山の農漁村を放映していた。教育など殆ど無関心で、ニワトリの放し飼い同様に、保育園も小中学校も選択の余地は無く地元校に通い、来る日も来る日も子供達は勝手に遊び回る。子供達が誰の家に入り込んで遊んでいるか母親たちは殆ど心配しない。夕方になると必ず戻ってくるから。6人兄弟姉妹の私も幼少時代の田舎生活を思い出した。この南九州の孤島の合計特殊出生率は2.8とか、都会の子育てとは全く別世界だ。田舎には繁華街こそ無いが、家賃はタダ同然に安く家計を圧迫しない。 長時間の通勤地獄とも無縁だ。全員が同じ幼稚園、小学校、中学校、そして少し離れた高校に進学する。島の女性達は大都会の喧騒とは無縁で、刺激は少なくても不幸感は無く田舎生活に浸り切っている。
都会で生活する女性には南九州の島暮らしは単調過ぎるかも知れないが、本当は子供を欲しがっていると思う。しかし無事に育て上げるには余りにも不安や心配ごとが多過ぎる。誰も助けてくれない孤独な都会での子育ては自分の生活も破滅に追い込まれる不安が常に付きまとう。
国が行うべき子育支援は政府も分かり切っている筈だ。若い女性が不安に思っている諸問題を責任もって対応することだ。即ち、乳児相談、保育所の整備、学校教育の費用負担、若者の就業支援など、子供は育ってゆく過程の多種多様な必要に応じた支援を提供し、若い女性達の不安を解消させることだ。今の政治は高齢者福祉に偏り過ぎていると思う。口達者な高齢者は限りない福祉を求め、老人票を狙う政治家は老人サービスを過剰に提供する。零細企業を自営する私の周辺にも、イソップ物語のキリギリス同様に連日遊び呆けて暮らす年寄ばかり溢れている。日本を背負うのは高齢者ではなく現役とその子供達なのだ。いま子育てサポートを怠ると50年先の日本は、本当に年寄りばかりの夢の無い2流国になってしまうだろう。来年こそ本気で少子化対策を充実して欲しい。
2014年12月21日
141221 大韓航空事件
12/5米国JFK空港発の大韓航空086便のFirst-Classに搭乗した同社の趙顕娥副社長が,機内でMacadamia-nutsの出し方が悪いと激怒してChief-Serverを同機から下した事件で、韓国内が大荒れになっている。単純な事件だが問題は韓国社会に内在する格差拡大と大企業の横暴に社会が怒りを爆発させたようだ。
韓国の産業は極めて寡占で、弱電は三星 自動車は現代 造船は大宇、鉄鋼はポスコ、と世界に聳える超大手が各業界に1社づつ残りは中小企業で、日本のように大手多数が競い合う状態とは全く異なっている。その結果、仮に電機業界に就職を希望する者は三星サムソンに失敗するともう後が無いという。
朴大統領の反日外交には辟易している私だが、実は大韓航空の大フアンで、十数年の長い間KALを愛用し続けた。特に成田―ロス間の往復は必ずKALを使った。既に20年以上昔で今日は違っているかも知れないが、日本の旅行代理店は当時KALに殆ど無関心だった。ロス行きは必ずJALかANAを勧める。KALの値段が格安と知った私は窓口にKALを申し込むと、顔見知りの女性は、大丈夫ですか? キムチの臭いがしませんか?と首を傾げた。まさかそんなことは無いでしょう!と 私は不安ながらもKALを選んだ。
当時JAL, ANAのロス往復運賃はEconomy 20万円, Business 40万円, First 80万円だが、KALは凡そ半額のEconomy 12万円 Business 20万円 First 45万円と極めて安く、私はJAL-Economyと同額で乗れるKAL-Businessを選んだ。すし詰めのEconomyと比べ大変余裕があるBusiness席は 長旅の疲れが全く違うから。
KALに初めて搭乗した時は不安も少しあったが、乗ってビックリ内部は立派でKAL-Businessは素晴らしく快適だった。強いて問題を挙げればロス空港に早朝に着き、まだ係員が居ない入国審査で1時間程度待たされることだった。客室乗務員も全員若い美人女性ばかりで、毛むじゃら男もいる欧米航空機とは違い、声をかければ写真撮影にも入ってくれる親切さだった。即席ラーメンや即席焼きソバも出してくれたのには本当に驚いた。今日の両社の運賃がどの程度の差か知らないが、当時KALは格別に安かった。
米系企業を退職後 私はHawaiiに数回家族旅行したが、KALの成田発Honolulu行きは無く、羽田発Honolulu行きも無く, 全て Seoul経由Honolulu行きだったが、これは運輸省がJAL ANAを保護する為、KALの日本発Honolulu行きを許可せず 国民に、高いJAL, ANAを強制している訳だ。もしKALを許可すると大半の顧客をKALに奪われるのは間違いない。100円ショップと同じことで99%の商品は安価な中国製、例えば工具類も品質の差はあるものの、日本製が500円〜800円のペンチが中国製は100円、クツ紐も日本製250円〜300円が100円で買える。
政治手腕が未熟な中国習主席や韓国朴大統領は、何とか国民の不満を抑えようと過激な反日運動を煽り立て国民をアジテートし、内在する不満を日本に向けようと懸命で、不幸にも両国民は互いに嫌悪感を抱き険悪な状態になってしまったが、中韓両国の指導者が早く目覚めてお互いに国民同士が偏見を捨てて、相手の長所を認め合い交流を深める日が早く来ることを願っている次第。
2014年12月15日
141215 ダンスが踊れない
先日12/10に ストックホルムでノーベル賞受賞式が行われた。赤崎勇名城大学終身教授、天野浩名大教授、中村修二カリフォルニアサンタバーバラ大教授の3氏が物理学賞を受けた。毎年のノーベル賞受賞は本当に名誉なことで、中国や韓国はグーの音も出ないだろう。日亜化学時代の中村さんの苦労話を聞く迄もなく、企業の研究者は学会発表を制限され、孤独で苦しい開発競争に追いまくられて定年を迎えるか、開き直って出世を諦め徹底的に遵法勤務に徹することになる。STAP細胞の理研の小保方春子さんも厳しい研究ノルマで成果を急ぎ深みに嵌ったのだろう。しかし技術や研究の偽りは必ず露呈するから、最後に頼るべき判断基準はある。
授与式の晩さん会でも英語が話せる三氏は、相手が国王でも王妃様でも大きな問題はなかっただろうが、技術に無関係な日常会話はなかなか難しく、私も何回も困った覚えがある。食事の後はダンスパーティーとなり更に困惑した。踊れない天野さんは会場の片隅でじっと見守っていたと笑いながら話していた。テレビで見ると初心者レベルのワルツだが、ご自分がパーティーの主役なのだから、内心では笑い事ではなかっただろう。私も屈辱の思い出が何回もあった。
米国合弁会社の社長時代、私は何回も何回も渡米して打ち合せや販売方針を協議した。特にサマーセミナーとなると、夏休みを兼ねた家族同伴の休暇旅行となり世界中から数百人もの多数の外国人家族もセミナーに加わる。個人参加は日本と韓国だけだ。連日午前は会議が開催されるが、午後は待っている子供や家族が主役のショッピングや観光になり、夜は食事会とダンスパーティーがお決まりだった。 欧米企業の会長や幹部は家族や恋人を同伴し, なかには毎年違う彼女を同伴する強者もいた。中近東は召使まで同伴する大家族旅行でその豪勢さにはいつも目を見張る。観光やショピングの家族達も、宴会やパーティーとなると見違えるほど着飾って大はしゃぎ。事前に配布されるドレスコードに従ってフォーマル、セミフォーマルに着替え、男性も服装を整えて参加する。 米国西海岸のパーティーは少し逸脱しても許されるが 間違っても襟のない服装は禁物で会場に入れない。
まず手前の部屋で、若干の前菜と飲み物をとりながら暫く雑談しながら主催者を待つ。ホストが来場すると、係員の案内に従って我々も宴会場に入り、自分の名札の席に着く。次々と出てくる豪華な食事を味わいながら雑談に時を過ごすが、仕事については不自由なく話せても、雑談となると当惑気味で、食事を味わう余裕もないことも多い。 訳も分からないまま、相づちを打ち笑うこともある。1時間半程度の食事を終えると いよいよ本番のダンスパーティーが始まる。
女性連中はこれが目的なのだ。仕事の時は静かに話す彼女達も、この時ばかりは豹変して別人のように踊り狂う。踊れない私は暫く席に座ったまま見ているが、盛況になるとテーブルは空になって誰も居なくなるので、ひとり着席してはおられない。トイレに行く振りをして席を離れるが、落ち着ける場所もなく、時々場所を変えては会場を見守る。時折顔見知りの女性からダンスに誘われるが断るのが本当に辛い。宿泊するホテルの会場なら、適当な頃合いに自室に戻るが、ビバリーヒルズの著名なダンスホールなどに出掛けると、もう3時間以上も苦痛の時間が続く。日本のように中締めとかは無く、ホストが静かに退席するとやっとパーティーは終わりとなり我々も帰宅できる。ダンスを踊れないのも日本と韓国だけで、欧米やラテン諸国はもちろんシンガポールやマレーシア、香港等の中国人達も結構上手に踊るのには驚かされる。日本は本当にアジアのリーダーなのだろうかといつも思った。
そして合弁会社を定年退職した後、零細な自営業を始めた私は、この屈辱を何とかは晴らそうとダンスを習い始めた。鈍い運動神経にムチ打って練習を始めたが年寄りが娘か孫のような若い女性にダンスを習うのは屈辱の至りで、何回習っても直ぐに忘れる自分は人生の落伍者ではないかと思う。受験時代と同じ気分で必死の練習を続けて2〜3年後にはやっとなんとか踊れるようになった。 そして10余年が経過し、今ではワルツ、タンゴ、ルンバ、ジルバ、チャチャチャ、マンボなどなど、殆ど踊れる。決して上手とは言えないが、人前でこれらを踊れるようになったのは、何だか生れ変わった気分でもある。 今頃思い返すと、ロスやビバリーヒルズで踊っていたのは、簡単なジルバとかマンボ、チャチャチャなどのラテンが殆どで、ワルツ、タンゴ、ルンバのような本格的なダンスは余り踊っていなかったのだろうとも思うが、当時の私は全てが悪夢のなかだった。
グローバル時代の今日、若い方はジルバ、ルンバ、チャチャなどの簡単なラテンは何とか踊れるようになっておくことをお勧めする。1~2年練習すればなんとか踊れるようになり、時折忘れない程度に練習しておけばいざと言うときに必ず役立つから。
授与式の晩さん会でも英語が話せる三氏は、相手が国王でも王妃様でも大きな問題はなかっただろうが、技術に無関係な日常会話はなかなか難しく、私も何回も困った覚えがある。食事の後はダンスパーティーとなり更に困惑した。踊れない天野さんは会場の片隅でじっと見守っていたと笑いながら話していた。テレビで見ると初心者レベルのワルツだが、ご自分がパーティーの主役なのだから、内心では笑い事ではなかっただろう。私も屈辱の思い出が何回もあった。
米国合弁会社の社長時代、私は何回も何回も渡米して打ち合せや販売方針を協議した。特にサマーセミナーとなると、夏休みを兼ねた家族同伴の休暇旅行となり世界中から数百人もの多数の外国人家族もセミナーに加わる。個人参加は日本と韓国だけだ。連日午前は会議が開催されるが、午後は待っている子供や家族が主役のショッピングや観光になり、夜は食事会とダンスパーティーがお決まりだった。 欧米企業の会長や幹部は家族や恋人を同伴し, なかには毎年違う彼女を同伴する強者もいた。中近東は召使まで同伴する大家族旅行でその豪勢さにはいつも目を見張る。観光やショピングの家族達も、宴会やパーティーとなると見違えるほど着飾って大はしゃぎ。事前に配布されるドレスコードに従ってフォーマル、セミフォーマルに着替え、男性も服装を整えて参加する。 米国西海岸のパーティーは少し逸脱しても許されるが 間違っても襟のない服装は禁物で会場に入れない。
まず手前の部屋で、若干の前菜と飲み物をとりながら暫く雑談しながら主催者を待つ。ホストが来場すると、係員の案内に従って我々も宴会場に入り、自分の名札の席に着く。次々と出てくる豪華な食事を味わいながら雑談に時を過ごすが、仕事については不自由なく話せても、雑談となると当惑気味で、食事を味わう余裕もないことも多い。 訳も分からないまま、相づちを打ち笑うこともある。1時間半程度の食事を終えると いよいよ本番のダンスパーティーが始まる。
女性連中はこれが目的なのだ。仕事の時は静かに話す彼女達も、この時ばかりは豹変して別人のように踊り狂う。踊れない私は暫く席に座ったまま見ているが、盛況になるとテーブルは空になって誰も居なくなるので、ひとり着席してはおられない。トイレに行く振りをして席を離れるが、落ち着ける場所もなく、時々場所を変えては会場を見守る。時折顔見知りの女性からダンスに誘われるが断るのが本当に辛い。宿泊するホテルの会場なら、適当な頃合いに自室に戻るが、ビバリーヒルズの著名なダンスホールなどに出掛けると、もう3時間以上も苦痛の時間が続く。日本のように中締めとかは無く、ホストが静かに退席するとやっとパーティーは終わりとなり我々も帰宅できる。ダンスを踊れないのも日本と韓国だけで、欧米やラテン諸国はもちろんシンガポールやマレーシア、香港等の中国人達も結構上手に踊るのには驚かされる。日本は本当にアジアのリーダーなのだろうかといつも思った。
そして合弁会社を定年退職した後、零細な自営業を始めた私は、この屈辱を何とかは晴らそうとダンスを習い始めた。鈍い運動神経にムチ打って練習を始めたが年寄りが娘か孫のような若い女性にダンスを習うのは屈辱の至りで、何回習っても直ぐに忘れる自分は人生の落伍者ではないかと思う。受験時代と同じ気分で必死の練習を続けて2〜3年後にはやっとなんとか踊れるようになった。 そして10余年が経過し、今ではワルツ、タンゴ、ルンバ、ジルバ、チャチャチャ、マンボなどなど、殆ど踊れる。決して上手とは言えないが、人前でこれらを踊れるようになったのは、何だか生れ変わった気分でもある。 今頃思い返すと、ロスやビバリーヒルズで踊っていたのは、簡単なジルバとかマンボ、チャチャチャなどのラテンが殆どで、ワルツ、タンゴ、ルンバのような本格的なダンスは余り踊っていなかったのだろうとも思うが、当時の私は全てが悪夢のなかだった。
グローバル時代の今日、若い方はジルバ、ルンバ、チャチャなどの簡単なラテンは何とか踊れるようになっておくことをお勧めする。1~2年練習すればなんとか踊れるようになり、時折忘れない程度に練習しておけばいざと言うときに必ず役立つから。
2014年12月09日
141210 苦悩するトヨタ
トヨタが世界に先駆けて、次世代のクルマ、水素電池自動車HCVを先日発表した。Hybridで世界を制覇したトヨタ自動車も、まだ姿が見えない次世代自動車に怯えている。Hybridの次はどんなクルマになるのか? 次世代は電気自動車EV or 水素電池自動車HCVのどちらかだと言われるが、もし戦略を間違えると世界のトヨタも倒産することになる。
Hybridエンジンで世界をリードするトヨタも当初は大いに苦戦した。GM, Ford、VWなど欧米メジャーは、Hybridはごく短命なエンジンだと軽視し、次世代の本命は燃料電池自動車HCVだと判断したが、本命のHCVはなかなか実現せず、その間にHybridが急伸して燃費競争を大きくリードした。西洋かぶれの日産ゴーン会長もHybrid開発を中断して大打撃を蒙った。 しかしHybrid車が最終到着点ではないことは誰も認識しており、エコカーの終着点が 水素電池自動車 HCV or 電気自動車EVのいずれかだと言われている。電気自動車EVは構造が簡単で価格も安いが、充電時間が長く走行距離が200km以下と短かい。逆に水素電池車HCVは充填時間が短く、走行距離も700kmと十分だが、構造が複雑で特に水素充填スタンドは石油スタンドの2〜4倍(2〜4億円)と高い。
今回のトヨタHCVは、充填3分間、700km走行と優秀だが, 販売価格500万円(補助金200万円を加える正味売価700万円)と高く、来年は官公庁を中心に限定発売すると言う。ホンダも1年遅れて再来年にHCVを発売予定という。HCVが高額な理由は複雑な構造と、プラチナ触媒を使う為だが、両社はHCVに企業の将来を賭ける。米国トーマツコンサルタントは、HCVの米国市場を10年後に5万台、15年30万台程度だと見込む。
対する電気自動車EVはモーターで動くエンジンンで構造がシンプル、多くの新興国が全力で開発中、特に中国は国をあげてEVを後押して日米欧メジャー駆逐を狙う。欠点は重たい電池と長い充電時間だ。もし新興国の低価格EVが主流になると世界の自動車メジャーは企業壊滅の危機となる。
日米欧のメジャーは、多数の従業員と膨大な設備を守る為、町工場で作れる簡単なEVを根絶して、複雑なHCVをクルマの主流にする戦略で、各社は運命共同体を認識している。トヨタはBMWと組み, ホンダはGM、日産は米フォード+Daimlerと共同して、HCVの軌道乗せを急ぎ、EVの立ち上がりを阻止しようとする。
世界中のベンチャー企業は、シンプルなEVに自信満々で、HCVに未来が無いと断言するが、5~6時間かかる充電時間、200kmの短い走行距離、重たいリチュムイオン電池に難題をかかえている。 Hybridに乗り遅れた日産は試験的にEV車リーフを287万円で発売したが、もしEVが主流になれば日産自体も大リストラに直面する運命だ。世界のメジャーは、自社の生き残りを賭けた厳しく激しい戦いに突入している。私の無責任な予想は EVは安い価格を活かして近距離用の軽自動車を置き換え、HCVは普通車以上の中型大型車に活路を見出すだろうと思う。
歴史をみても、産業界は諸行無常で栄枯盛衰を繰り返してきた。石炭化学を駆逐して登場した石油化学は暫く時代を謳歌したが、今は産油国に移転。ブラウン管TVから液晶に代わり世界をリードした日本企業はサムスンに駆逐され、そのサムスンは中国企業の価格攻勢で崖っ淵に追い詰められている。 盤石と思われた東京電力も原発事故で巨額な負債を背負って2流会社に転落、小売業界の王様だった百貨店もスーパー、コンビニに主役を譲り斜陽企業になった。如何に超一流企業でも簡単に三流会社に転落する時代だから、これからトヨタに入社する若者も、時代の激変を十分覚悟すべきだろう。
Hybridエンジンで世界をリードするトヨタも当初は大いに苦戦した。GM, Ford、VWなど欧米メジャーは、Hybridはごく短命なエンジンだと軽視し、次世代の本命は燃料電池自動車HCVだと判断したが、本命のHCVはなかなか実現せず、その間にHybridが急伸して燃費競争を大きくリードした。西洋かぶれの日産ゴーン会長もHybrid開発を中断して大打撃を蒙った。 しかしHybrid車が最終到着点ではないことは誰も認識しており、エコカーの終着点が 水素電池自動車 HCV or 電気自動車EVのいずれかだと言われている。電気自動車EVは構造が簡単で価格も安いが、充電時間が長く走行距離が200km以下と短かい。逆に水素電池車HCVは充填時間が短く、走行距離も700kmと十分だが、構造が複雑で特に水素充填スタンドは石油スタンドの2〜4倍(2〜4億円)と高い。
今回のトヨタHCVは、充填3分間、700km走行と優秀だが, 販売価格500万円(補助金200万円を加える正味売価700万円)と高く、来年は官公庁を中心に限定発売すると言う。ホンダも1年遅れて再来年にHCVを発売予定という。HCVが高額な理由は複雑な構造と、プラチナ触媒を使う為だが、両社はHCVに企業の将来を賭ける。米国トーマツコンサルタントは、HCVの米国市場を10年後に5万台、15年30万台程度だと見込む。
対する電気自動車EVはモーターで動くエンジンンで構造がシンプル、多くの新興国が全力で開発中、特に中国は国をあげてEVを後押して日米欧メジャー駆逐を狙う。欠点は重たい電池と長い充電時間だ。もし新興国の低価格EVが主流になると世界の自動車メジャーは企業壊滅の危機となる。
日米欧のメジャーは、多数の従業員と膨大な設備を守る為、町工場で作れる簡単なEVを根絶して、複雑なHCVをクルマの主流にする戦略で、各社は運命共同体を認識している。トヨタはBMWと組み, ホンダはGM、日産は米フォード+Daimlerと共同して、HCVの軌道乗せを急ぎ、EVの立ち上がりを阻止しようとする。
世界中のベンチャー企業は、シンプルなEVに自信満々で、HCVに未来が無いと断言するが、5~6時間かかる充電時間、200kmの短い走行距離、重たいリチュムイオン電池に難題をかかえている。 Hybridに乗り遅れた日産は試験的にEV車リーフを287万円で発売したが、もしEVが主流になれば日産自体も大リストラに直面する運命だ。世界のメジャーは、自社の生き残りを賭けた厳しく激しい戦いに突入している。私の無責任な予想は EVは安い価格を活かして近距離用の軽自動車を置き換え、HCVは普通車以上の中型大型車に活路を見出すだろうと思う。
歴史をみても、産業界は諸行無常で栄枯盛衰を繰り返してきた。石炭化学を駆逐して登場した石油化学は暫く時代を謳歌したが、今は産油国に移転。ブラウン管TVから液晶に代わり世界をリードした日本企業はサムスンに駆逐され、そのサムスンは中国企業の価格攻勢で崖っ淵に追い詰められている。 盤石と思われた東京電力も原発事故で巨額な負債を背負って2流会社に転落、小売業界の王様だった百貨店もスーパー、コンビニに主役を譲り斜陽企業になった。如何に超一流企業でも簡単に三流会社に転落する時代だから、これからトヨタに入社する若者も、時代の激変を十分覚悟すべきだろう。
2014年12月04日
141205 外交の裏事情
11/10に北京で開催されたAPECで習主席と安倍首の初顔合せが世界の注目を浴びた。世界の第2第3の経済力をもつ日中両国の首脳がこの激変の2年間に全く会っていなかった。加えて尖閣列島や周辺空域では、中国の海軍空軍が危険な挑発を繰り返し、世界で最も火を噴く危険性がある関係とも見られている。会談が途絶えている両国首脳も状況は会わざるを得なくなっていた。
儀礼上は主催者の習主席が待ち構え、訪問する安倍首相が歩み寄るのがルールだが、習主席は出なかった。安倍首相が入室して国旗の無い壁前に案内され、習主席がゆっくりと歩み寄った。安倍首相は笑顔を浮かべて中国語で話しかけたが、習主席は応答せず伏し目で言葉も殆ど交わさないまま最低限の儀礼を済ませた。APEC会場へ案内する筈の主席は動かず、安倍首相は少し戸惑ったが、案内係に促されてやっと会場に向かう姿を各国首脳は見守っていた。
世界各国から代表が集まる大規模な会議に私も何回か出席したが初日の出会いは高揚感もあって意味が深く、会議前の短い雑談の雰囲気が議事を左右することもあり、お互いに最大限の注意を払って丁重に挨拶を交わす。しかし習主席の無礼な対応をテレビで見た日本国民は私も含めて、その非礼さに怒りを覚えた。殆どの評論家連中も中国側の不遜な応対を指摘し、招待してこの扱いは何だ!と憤慨していた。韓国メディアだけは、日本が冷遇されたと快哉を叫んで大喜びだ。
しかし出席した世界の首脳達の見方は全く違っていたのには驚いた。世界のリーダー達は、習主席の頑な態度を冷笑したという。習主席はまるで市場にひかれて行く牛のようだったと言う。中国が日本に歩み寄ったと自国民に受け取られないように、あそこまで頑な振る舞いを演出しなければならない習主席を、世界のリーダー達は憐れみで見ていたのだ。
確かに 中国側が執拗に要求し続けた尖閣問題の存在と靖国不参拝の確約を、日本側が拒み続けて、事前に妥協がないまま会議を迎えることになった。中国側が恐れたのは もし習主席が尖閣靖国に拘ると、安倍首相は会議をドタキャンして中国側のメンツが丸潰れになることだったという。会議前に発表された声明は、日本と中国は異なる見解を有しているという簡単な内容になった。中国側は、日本の要求は呑むが、外交的に勝利したとは絶対に発表しないよう日本に求めてきたという。 テレビに見る行動と裏事情は全く違っていたのだ。外交には必ず裏の裏があり、我々素人には読み切れないことを痛感した。
近年の乱暴極まりない中国軍の行動に大きな不安と怒りを感じているのは日本だけでは無かった。5月末にシンガポールで開催されたアジア安全保障会議(シャングリラ会議)で、海洋における紛争は武力や威喝ではなく法に基づいて平和的に解決すべきだと基調演説した安倍首相は、参加した各国の政府軍事関係者500人から盛大な拍手を受け、日中問題で世界の見方が完全に逆転して日本有利になったと安倍首相は実感したと言う。異常なのは中国側だと世界が認識し始めたのだ。
今回の前提条件ナシの日中首脳会談の実現で、最も焦ったのは韓国だという。慰安婦問題への謝罪を求め続ける朴大統領は想定外の展開に困惑した。慰安婦問題の火着け役の朝日新聞が過去の数十件の記事は誤報であったと公式に謝罪し社長が辞任した。その結果、日本政府が韓国に謝意を表明する可能性は完全に消し飛んだ。非難合戦の舞台の米国でも米国政府は誤報を認めているという。朝日の誤報を元に軍事的性的奴隷があったと日本非難の声明を出した国連人権委員会のクマラスワミ委員長は戸惑っている。国連の潘基文事務総長は黙して何も語らない。2年後に引退予定の朴大統領の後釜として韓国大統領の座を狙う潘基文は、下手に動くと韓国国民から総反発を食らって、人生仕上げの名誉ある椅子に座れなくなってしまうことを恐れている。
首相就任以来の2年間、安倍首相は、世界中を駆け巡り、50ケ国以上を訪問して中国の狼藉振りと、韓国のインチキ宣伝を訴え続けた。そしてやっと多くの国は何が事実かを理解し始めた。外交の表と真反対の裏事情を見せつけたAPECであった。
儀礼上は主催者の習主席が待ち構え、訪問する安倍首相が歩み寄るのがルールだが、習主席は出なかった。安倍首相が入室して国旗の無い壁前に案内され、習主席がゆっくりと歩み寄った。安倍首相は笑顔を浮かべて中国語で話しかけたが、習主席は応答せず伏し目で言葉も殆ど交わさないまま最低限の儀礼を済ませた。APEC会場へ案内する筈の主席は動かず、安倍首相は少し戸惑ったが、案内係に促されてやっと会場に向かう姿を各国首脳は見守っていた。
世界各国から代表が集まる大規模な会議に私も何回か出席したが初日の出会いは高揚感もあって意味が深く、会議前の短い雑談の雰囲気が議事を左右することもあり、お互いに最大限の注意を払って丁重に挨拶を交わす。しかし習主席の無礼な対応をテレビで見た日本国民は私も含めて、その非礼さに怒りを覚えた。殆どの評論家連中も中国側の不遜な応対を指摘し、招待してこの扱いは何だ!と憤慨していた。韓国メディアだけは、日本が冷遇されたと快哉を叫んで大喜びだ。
しかし出席した世界の首脳達の見方は全く違っていたのには驚いた。世界のリーダー達は、習主席の頑な態度を冷笑したという。習主席はまるで市場にひかれて行く牛のようだったと言う。中国が日本に歩み寄ったと自国民に受け取られないように、あそこまで頑な振る舞いを演出しなければならない習主席を、世界のリーダー達は憐れみで見ていたのだ。
確かに 中国側が執拗に要求し続けた尖閣問題の存在と靖国不参拝の確約を、日本側が拒み続けて、事前に妥協がないまま会議を迎えることになった。中国側が恐れたのは もし習主席が尖閣靖国に拘ると、安倍首相は会議をドタキャンして中国側のメンツが丸潰れになることだったという。会議前に発表された声明は、日本と中国は異なる見解を有しているという簡単な内容になった。中国側は、日本の要求は呑むが、外交的に勝利したとは絶対に発表しないよう日本に求めてきたという。 テレビに見る行動と裏事情は全く違っていたのだ。外交には必ず裏の裏があり、我々素人には読み切れないことを痛感した。
近年の乱暴極まりない中国軍の行動に大きな不安と怒りを感じているのは日本だけでは無かった。5月末にシンガポールで開催されたアジア安全保障会議(シャングリラ会議)で、海洋における紛争は武力や威喝ではなく法に基づいて平和的に解決すべきだと基調演説した安倍首相は、参加した各国の政府軍事関係者500人から盛大な拍手を受け、日中問題で世界の見方が完全に逆転して日本有利になったと安倍首相は実感したと言う。異常なのは中国側だと世界が認識し始めたのだ。
今回の前提条件ナシの日中首脳会談の実現で、最も焦ったのは韓国だという。慰安婦問題への謝罪を求め続ける朴大統領は想定外の展開に困惑した。慰安婦問題の火着け役の朝日新聞が過去の数十件の記事は誤報であったと公式に謝罪し社長が辞任した。その結果、日本政府が韓国に謝意を表明する可能性は完全に消し飛んだ。非難合戦の舞台の米国でも米国政府は誤報を認めているという。朝日の誤報を元に軍事的性的奴隷があったと日本非難の声明を出した国連人権委員会のクマラスワミ委員長は戸惑っている。国連の潘基文事務総長は黙して何も語らない。2年後に引退予定の朴大統領の後釜として韓国大統領の座を狙う潘基文は、下手に動くと韓国国民から総反発を食らって、人生仕上げの名誉ある椅子に座れなくなってしまうことを恐れている。
首相就任以来の2年間、安倍首相は、世界中を駆け巡り、50ケ国以上を訪問して中国の狼藉振りと、韓国のインチキ宣伝を訴え続けた。そしてやっと多くの国は何が事実かを理解し始めた。外交の表と真反対の裏事情を見せつけたAPECであった。
2014年12月01日
141201 男女平等とは?
もう直ぐに喜寿を迎える私は頭脳も劣化して理解不能な出来事が最近多くなった。例えばトルコのエルドアン大統領の発言が、フェミニストから何故非難されるのか、私は理解に苦しんでいる。 新聞情報によると、エルドアン大統領が、男女平等論者は自然の法則に反しており、女性がツルハシを持って仕事は出来ない、法律的には男女平等でも、女性には母親としての重要な役割がある、と言ったら、女性の権利支援団体から猛反撃を受けたという。女性権利支援団体は真の男女平等とは、同じ権利、同じステータス、同じ機会を得ることであり、エルドアン氏は女性を母親としてしか見ていないと非難しているそうだ。 私にはどうしても納得できない。
私も男女平等論者だが、法律的には平等でも、肉体的、精神的に男女が全く同じ扱いには出来ないのは自然であり、社会に於ける役割も違う点があって当然だと信じている。エルドアン氏も、オリンピック競技も男女混合で競わせるべきと迄は言っていない訳であり、男性には不適な母親としての役割が女性にはあると主張するのはごく当り前だと思うのだ。
比較が良くないkも知れないが、自然の摂理に従って生きるアフリカの猛獣の世界でも、外敵から母子を守るオスと 食糧調達や子育てに専念するメスの役割が分かれている場合が圧倒的に多い。安倍内閣が女性活用のシンボルとして5名の女性大臣を起用したが、女性大臣が本当に実績を挙げあげられるか甚だ疑わしいと私は思っている。例えばスタ―気取りに緊張した小淵優子大臣の赤白ワイン贈呈問題などは公職選挙法を全く理解していない子供レベルの違反で、何故彼女が未来の総裁候補なのか私には分からない。多分そこまでは配慮が足りず、全て取巻き連中がやったのだろうが、取巻き連中を監督し指示するのはボスの責任だと思うが、それも出来ていないのだ。年増の小島みどり大臣のウチワ論争も然りだ。スーパーやデパートで無料配布されるウチワが、民主党が言いがかりをつける有価物品では決してなく、私なら裁判に持ち込んでも徹底的に活動報告書だと争うが、あっさり辞任を受け入れてしまった。
別の例では、歴代の少子化担当大臣、川上陽子、中山恭子、小淵優子、福島瑞穂、岡崎トミ子、村田蓮舫、小宮山洋子、森雅子、有村治子など、キラ星の如く著名な女性が並んでいるが、果たして彼女達が任期中にどんな少子化対策を実行したのか。確かに少子化問題は難問だが、ひとつでも公言できる事例があれば教えて欲しいものだ。難問を口実に重要な大臣の役職を引き受けて、立派な椅子に座って印鑑を押すだけでは何をかいわんやである。これでは省庁のお役人が軽視するのは道理で、結局何もしないで任期を終えるのだ。
勿論 男勝りの女性も居るが、平均的に言えばやはり、女性と男性は精神的肉体的に明かな差異があり、同じ権利、同じステータス、同じ機会を与えても、その結果には大差がある。 女性の行動が母性に重点を置くのは自然であり、男性が子育てを苦手とするのも自然だと思う。それを無理に全て男女平等に扱えと叫ぶのは異常を通り越して滑稽にすら見える。
イスラム教世界でもトルコは宗教と世俗と切り離している良識の国だと私は思う。エルドアン大統領は安易な発言撤回や妥協はせず、本当の男女平等は何かを主張し続けて欲しいと願っている次第。