2015年07月
2015年07月25日
150525核で恫喝するプ-チン
恐ろしいニュースだった。ウクライナ危機が少し落ち着いた今年3/15にロシアのプーチン大統領が、核兵器を使う準備をしていたと発言した件だ。これには世界が驚いた。私も呆気にとられた。本件に関して北海道大学 木村汎教授の興味深い解説を下記に紹介する。
プーチン大統領は再び6/16に ロシアは年内に新しくICBM 40基を配備すると発表した、プーチン大統領がこのような過激発言を繰り返す理由は何故か? それはロシアの必死の生き残り戦略だと木村教授は説明する。ロシアは人口減少が止まらず、経済は低迷、ソフトパ-ワーも弱体で、殆どの面で国力が確実に衰退しつつある。唯一の頼みの天然ガスも米国シェールガスに圧迫されて価格が下落し続け、頼れるのは軍事力だけだという。GDPに占める軍事比も 米国(3.5%) 中国(2.1%)を上回り、ロシアは4.5%にも達している。
しかしそれだけ軍事費を使っても米国には敵わないのだ。7年前のロシア・グルジアの5日間戦争の時、米国兵器で固めたグルジア軍に対し、ロシア軍は兵器と組織力で著しく見劣りすることを天下の白日に曝したという。欧米の経済制裁で困窮化しつつあるロシアの最大の友好国であったウクライナのヤヌコビッチ大統領が一瞬の内に失脚させられ、欧米はロシアを丸裸にして徹底的に弱体化することを狙っていると恐怖感を覚えているという。自己保身の目的もありプーチンはクリミア半島を奪回し、更にウクライナ東部を強奪して、ロシア国民のナショナリズムを高揚させ、3年先の大統領再選も確実にしようと目論んでいる。
現在のロシアは欧米から経済制裁を受けて、ルーブル安、インフレ進行、原油安のダブルショックで国内は危機的状態にあり、プーチン大統領は追い詰められている。欧米諸国が色々な手段でロシアの現体制を崩壊させようと企んでいるとプーチンは真剣に疑っている。ユーラシア大陸の大半を支配したソビエト連邦は段々と剥ぎ取られて、遂にロシアに押し込まれた。もうこれ以上の我慢はしないとプーチンは決断したのだ。この状況下で最後の手段としてプーチンは核の優位性を誇示することにより、ロシア国民に愛国心を高揚させ、自国を維持しようと思っているという。世界から追い詰められている今日、彼が頼れるのは核兵器しか無いと、木村汎教授は説明する。
これを読んで私は、正しく中国の習近平主席がやっている戦略と同じだと思った。汚職撲滅をスローガンに国内の敵対勢力を一掃し、対外的には中国の国際的な地位の向上を要求し、反日宣伝を叫んで軍事力を強化、南シナ海の公海ど真ん中を埋め立てて軍事基地を築き、中日中間線には石油採掘を名目にレーダー基地を張り巡らせて防衛網を構築し、尖閣周辺の日本の南西諸島の攻略態勢を整備している。ロシアと中国は、実質的には独裁政権であり、その本質は北朝鮮の金正恩第1書記に近い政治形態であり、自己保全に執心して核兵器の整備には全力を注いでいる。核兵器は単なる恐喝だけではなく、自国が危なくなると本気で使う危険性もある魅力的な兵器で、ロシア、中国、北朝鮮などの指導者がその誘惑に取りつかれているのだ。
米国の次期統合参謀本部長に指名されたダンフォード海兵隊司令官も先日の公聴会で、米国にとって最大の脅威はロシアであり、次はアジア太平洋地域でプレゼンス拡大を狙う中国、更にそれに続く国々として北朝鮮、イスラム国などを挙げた。野党議員は、平和ボケした日本国民に集団的自衛権は危険で、平和憲法だけが日本を守るという幼稚な幻想を持たせて騒ぎ続けるが、日本が本当に危険な状態にあることを認識すべきだ。
2015年07月19日
150719 OLの勇敢な挑戦
夏本番の猛暑なので 最近の日曜はテレビを見て過ごすことが多い。評論家連中がギャラ稼ぎに偉そうに話すのは聞き飽きるが、フジTVのザ-ノンフィクションはいつも面白い。先週(7/12)は26才の若いOLが大阪で便利屋を立ち上げる苦闘を追った物語だった。そんな途方もない仕事は止めて早く結婚して欲しいと両親は哀願するが、東京の小さな便利屋社員の瑠璃さんは、誠実さと馬力を買われて大阪に営業所を設けることを決心した。
一般に新事業は、新技術を使った製品などを上市する場合が多いが殆ど失敗する。今日の社会はあらゆる製品が満ち溢れており、市場ニーズとは無関係に上市される製品が簡単に売れる訳がない。しかし真反対の便利屋商売は、ニーズは社会に存在しており、それを実行できるかどうかである、問題は殆どが3K仕事で、時には夜逃げ手伝など危険な仕事を頼まれることもある。
事前準備もなく、大阪に赴任した瑠璃さんは、まずチラシを団地マンションの郵便受けにばら撒き始めた。当たるも八卦, 外れるも八卦のマーケッテング等は信用せず、論より実行だからご立派だ。仕事が動き始める迄はネットカフェに寝泊まりしながら、ポストにチラシを放り込む毎日を続けたが、なかなか反応は無い。1週間ほど経過したある日 やっと町外れの居酒屋から夕方の多忙な2時間だけ手伝って欲しいと注文が来た。早速自分が出掛けたが、テンプラの大盛りをひっくり返して大目玉を食らい、旅費ももらえないまま追い帰された。更にスカウトした新人も突然連絡が途絶えて出社しなくなり、泣きッつらにハチの状況が続いた。半月が経過したある日、古びた食堂を買い取った大家さんが新しく開店する為、焦げと汚れがこびり付いた古い調理室をクリーニングしてピカピカに仕上げる仕事の依頼が入った。2人で5時間ほど油まみれになって清掃する悪戦苦闘の作業だったが何とか仕上げることができた。そして更に後日やっと街外れに狭い事務所の開設に迄こぎつけたが、まだ始まったばかりで今後の展開は予断を許さない。今どきの若い女性には考えられない波乱万丈の豪快な起業人生が続く。
実は私もベンチャー立上げ時、四面楚歌の死ぬ思いを経験した苦闘の2年間があった。私は日米合弁会社(50名)の社長を60才で定年退職したが、社長時代に自社の臨床検査機器のメンテナンスに苦労したので、そのメンテを代行する会社を自己出資で設立した。自社の検査機だから勝手は分かっていると思っていたが、私の後任に着任した新社長から発注を断られてしまったのだ。
想定外の事態を大いに悔んだが全て後の祭り。兎に角、対象を他社の検査機に方向転換して、各地の展示会に顔を出して御社機器の修理やメンテナンスをやらせて欲しいとチラシをばら撒いたが、当方に人材や技術がある訳もなく当然断られ、嘲笑され、罵倒され続けた。他に打つ手は無く、必死になって私は大量のチラシとDMを発送し続けた。何だか大阪便利屋の瑠璃さんと同じストーリだ。そして遂に関東の某臨床検査センターから大型血球カウンター(米国製)20台の修理再生業務を受注した。@60万円x20台=1200万円の大型契約だった。
嬉しさの余り私は頭を深く垂れて神様に感謝したが、最初の一台を受け取った時、機器内部には飛び散った患者の血液が黒くこびり付き、気絶しそうに汚れた恐ろしい状態だった。私の事務所での清掃は危険過ぎると判断し、静岡県清水市の提携先の倉庫に持ち込んで、防具で身を固めた作業員2人が、懸命にクリーニングを開始、500本のテフロンチューブと部品を取り換える迄に予定の3倍の1ケ月を要して大赤字になった時は、泣きたい心境だった。しかし2台目からは手慣れて一週間で完了するほど効率的に作業が進み始め、やっと軌道にのった。ここまでは瑠璃さんの体験と殆ど同じだった。しかし当社が中古機を再生していると知った米国機器メーカーは 新品機器を大幅に値下げして妨害し始め、中古機器の再生事業は長くは続かなかった。
次の仕事は、相模原市の某半導体製造工場の排煙脱硫装置の清掃だった。製造工程から排出する危険なフッ化水素を微鉄粉に吸着させて除去する排煙脱硫装置の内部清掃で、同じく防具に身を固めて暗い排煙装置内に入り、鉄粉を掻き出す3K、4Kの仕事だった。金額はOKだったが、毎月の仕事が3日間だけと極端に少なく、とても社員を養うことは出来なかった。折角の仕事だがこれでは継続出来ませんと、契約解消を申し出る機会を狙っていたが、当方の真面目な仕事振りを認めた先方から、新しく数百台に上る小型半導体製造装置の検査と整備を本格的な発注を受けて、やっとメンテ仕事が継続することになった。そして当該半導体製造機器の検査とメンテは10年間続き、当社の業績に大きく寄与したが、名古屋で国産化が始まり修理代行業は終了した。
ベンチャー起業論から言えば、私の計画は全く無茶苦茶で、前述の便利屋瑠璃さんの大阪進出と同じ無謀極まりない起業だったが、私は貴重な経験を積んだお蔭で、その後20年近い今日までなんとか零細企業の経営を続けている。精密機器の修理要請は相変わらず続いているが、残念なことに近年私の気力が下降気味で殆ど断り続けている。
ベンチャーを志向する若者達に伝えたいことは、技術志向の起業は殆どが失敗すること、更にマーケット志向のベンチャー起業でも、必ず想定外の事態に遭遇するから、2の手3の手を考えておく必要があることだ。幸い現代は極めて便利なIT時代に変わった。ITは事前投資が僅かで済み、Pre-Marketingも可能、更に撤退も難しくなく、優れたアイデアさえあれば、事業が軌道に乗る可能性も大きいが、成否の分かれ目は着眼点の良否と事業化のタイミングであろう。
浅薄でも恰好よい仕事が好まれる今日、何でも引き受けます!と大胆な便利屋開業に邁進する瑠璃さんの事業が軌道に乗るよう、このような勇敢な女性諸姉のベンチャーが報われるよう祈っている次第。
wo
一般に新事業は、新技術を使った製品などを上市する場合が多いが殆ど失敗する。今日の社会はあらゆる製品が満ち溢れており、市場ニーズとは無関係に上市される製品が簡単に売れる訳がない。しかし真反対の便利屋商売は、ニーズは社会に存在しており、それを実行できるかどうかである、問題は殆どが3K仕事で、時には夜逃げ手伝など危険な仕事を頼まれることもある。
事前準備もなく、大阪に赴任した瑠璃さんは、まずチラシを団地マンションの郵便受けにばら撒き始めた。当たるも八卦, 外れるも八卦のマーケッテング等は信用せず、論より実行だからご立派だ。仕事が動き始める迄はネットカフェに寝泊まりしながら、ポストにチラシを放り込む毎日を続けたが、なかなか反応は無い。1週間ほど経過したある日 やっと町外れの居酒屋から夕方の多忙な2時間だけ手伝って欲しいと注文が来た。早速自分が出掛けたが、テンプラの大盛りをひっくり返して大目玉を食らい、旅費ももらえないまま追い帰された。更にスカウトした新人も突然連絡が途絶えて出社しなくなり、泣きッつらにハチの状況が続いた。半月が経過したある日、古びた食堂を買い取った大家さんが新しく開店する為、焦げと汚れがこびり付いた古い調理室をクリーニングしてピカピカに仕上げる仕事の依頼が入った。2人で5時間ほど油まみれになって清掃する悪戦苦闘の作業だったが何とか仕上げることができた。そして更に後日やっと街外れに狭い事務所の開設に迄こぎつけたが、まだ始まったばかりで今後の展開は予断を許さない。今どきの若い女性には考えられない波乱万丈の豪快な起業人生が続く。
実は私もベンチャー立上げ時、四面楚歌の死ぬ思いを経験した苦闘の2年間があった。私は日米合弁会社(50名)の社長を60才で定年退職したが、社長時代に自社の臨床検査機器のメンテナンスに苦労したので、そのメンテを代行する会社を自己出資で設立した。自社の検査機だから勝手は分かっていると思っていたが、私の後任に着任した新社長から発注を断られてしまったのだ。
想定外の事態を大いに悔んだが全て後の祭り。兎に角、対象を他社の検査機に方向転換して、各地の展示会に顔を出して御社機器の修理やメンテナンスをやらせて欲しいとチラシをばら撒いたが、当方に人材や技術がある訳もなく当然断られ、嘲笑され、罵倒され続けた。他に打つ手は無く、必死になって私は大量のチラシとDMを発送し続けた。何だか大阪便利屋の瑠璃さんと同じストーリだ。そして遂に関東の某臨床検査センターから大型血球カウンター(米国製)20台の修理再生業務を受注した。@60万円x20台=1200万円の大型契約だった。
嬉しさの余り私は頭を深く垂れて神様に感謝したが、最初の一台を受け取った時、機器内部には飛び散った患者の血液が黒くこびり付き、気絶しそうに汚れた恐ろしい状態だった。私の事務所での清掃は危険過ぎると判断し、静岡県清水市の提携先の倉庫に持ち込んで、防具で身を固めた作業員2人が、懸命にクリーニングを開始、500本のテフロンチューブと部品を取り換える迄に予定の3倍の1ケ月を要して大赤字になった時は、泣きたい心境だった。しかし2台目からは手慣れて一週間で完了するほど効率的に作業が進み始め、やっと軌道にのった。ここまでは瑠璃さんの体験と殆ど同じだった。しかし当社が中古機を再生していると知った米国機器メーカーは 新品機器を大幅に値下げして妨害し始め、中古機器の再生事業は長くは続かなかった。
次の仕事は、相模原市の某半導体製造工場の排煙脱硫装置の清掃だった。製造工程から排出する危険なフッ化水素を微鉄粉に吸着させて除去する排煙脱硫装置の内部清掃で、同じく防具に身を固めて暗い排煙装置内に入り、鉄粉を掻き出す3K、4Kの仕事だった。金額はOKだったが、毎月の仕事が3日間だけと極端に少なく、とても社員を養うことは出来なかった。折角の仕事だがこれでは継続出来ませんと、契約解消を申し出る機会を狙っていたが、当方の真面目な仕事振りを認めた先方から、新しく数百台に上る小型半導体製造装置の検査と整備を本格的な発注を受けて、やっとメンテ仕事が継続することになった。そして当該半導体製造機器の検査とメンテは10年間続き、当社の業績に大きく寄与したが、名古屋で国産化が始まり修理代行業は終了した。
ベンチャー起業論から言えば、私の計画は全く無茶苦茶で、前述の便利屋瑠璃さんの大阪進出と同じ無謀極まりない起業だったが、私は貴重な経験を積んだお蔭で、その後20年近い今日までなんとか零細企業の経営を続けている。精密機器の修理要請は相変わらず続いているが、残念なことに近年私の気力が下降気味で殆ど断り続けている。
ベンチャーを志向する若者達に伝えたいことは、技術志向の起業は殆どが失敗すること、更にマーケット志向のベンチャー起業でも、必ず想定外の事態に遭遇するから、2の手3の手を考えておく必要があることだ。幸い現代は極めて便利なIT時代に変わった。ITは事前投資が僅かで済み、Pre-Marketingも可能、更に撤退も難しくなく、優れたアイデアさえあれば、事業が軌道に乗る可能性も大きいが、成否の分かれ目は着眼点の良否と事業化のタイミングであろう。
浅薄でも恰好よい仕事が好まれる今日、何でも引き受けます!と大胆な便利屋開業に邁進する瑠璃さんの事業が軌道に乗るよう、このような勇敢な女性諸姉のベンチャーが報われるよう祈っている次第。
wo
2015年07月12日
150712 ギリシャ問題
いまヨーロッパではギリシャ問題で大きく揺れている。最大の債権国ドイツのメルケル首相はウクライナ問題、アフリカからのボート難民、ギリシャ財政など深刻な問題ばかりで心休まる暇もない。
直接は関係ない我々もギリシャの勝手さには少々呆れる。人口1000万人の内、国家公務員が20%(日本は3%) 、定年退職するとほぼ100%近い年金がつき(日本は50%程度?)、中高年者は早く退職して気楽な年金生活に入りたいと希望しているという。更にヨーロッパ文明の発祥国としての自負もあり、これが刻苦勉励のドイツ人気質を痛く刺激する。 既にギリシャは外国から43兆円の債務があり、更に7兆2000億円の融資をEUに求めている。日本も20倍以上の1000兆円を超える巨大債務国だが、債権者も同じ日本国民で、オレオレ詐欺に騙される高齢者達も主要な出資者だ。
実はEU側は厳しい立場にある。仮に怠け者ギリシャを見限ると、黒海からの出口を塞がれているロシアが地中海に軍事基地を獲得しようと待ち構えている。更にロシアがダメなら資金潤沢な中国も地中海に軍事基地を探しており、仮に10兆円程度なら簡単に提供するだろう。 国際政治とは本当に恐ろしいものだ。優雅な西欧文明の発祥の地としてのプライドをもつギリシャ人も、残忍なスラブ人や計算高い中国人の軍門には下りたくないだろうが、追い詰められると背に腹は代えらず決断するかも知れない。
ギリシャがEUに占めるGDPは2%余りと極端に小さく、EUが彼等の債務を引き受けることは難しくないが、その次はアイルランドや、巨大債務国ポルトガル、スペイン、イタリアなどが控えており、彼らは、ギリシャの決着を黙って見守っているから、ドイツも安易な妥協はできない。
日本と同様にドイツ人も、真面目に働くが愛想は悪い。製造業を嫌がり呑気な観光業で稼ぐギリシャ人の引退生活の費用負担なんてまっぴらだと思うのは当然だろう。更にドイツが最も嫌う第二次大戦の戦時補償をギリシャは平然と口にする。韓国が日本に求め続ける慰安婦補償や賠償責任と同様、もういい加減にしろと頭に来ている筈だ。
固苦しいドイツ人とは違って、ギリシャ、イタリア、ポルトガルなどラテン民族は美人が多く、愛想も良く、私も何人か親しい友人がいる。20年前の夏、私はイタリアで仮装パーティーに招待された。ウイリアムテルに仮装した私は、舞台に上がって即興でベサメムーチョを唄い大喝采を浴びたた記憶がある。中世のヨーロッパでは仮装パーティが栄えたそうだが、風紀を乱すからとマリアテレジアが禁止令を出した理由も分かるほど放漫で解放的なパーティーだった。彼等は正直に納税する義務感が薄く、経済の半分は地下取引の脱税らしい。その点ではヤミ経済が盛んな中国にも似ているとことがある。
今回の騒動でギリシャは観光客が激減し始めたと聞くが、それは彼等には重大なことだ。汗を流して仕事しなくてもアクロポリスやパルテノン神殿を見学する外国人が押しかけるから、わざわざ大気汚染とか騒音と汚水を生じる化学工業や機械工業などには気が向かない。仮に年間1,000万人が@30万円持ち込むとすると、30兆円という莫大な外貨が転がりこんでくる訳だ。面倒なITとか環境汚染の産業などをやる気になる筈がない。
年1億人がシャンゼリゼに押し掛けるフランスも同様で、彼等が世界を制覇するのはファッション産業だけだ。一人平均@30万円を落とすとすると年300兆円という莫大な外貨収入になる、観光業は麻薬的な禁断の職業とも言えて、一度うま味を知るともう止められない。資源に乏しい日本は寝る時間も惜しんで働き続けて、やっと年500兆円を稼ぎ、ドイツは年300兆円を稼いでいるのだ。
日本人が憧れる観光地ハワイも、常夏の国でその美しさには定評があり、私は何回も訪問した。安倍首相も日本の観光立国を促しているが、ハワイに生まれの若者達は刺激の少ない観光業は生涯を賭けるに値しないと米国本土に旅立ってゆくという。
実はわが国にも似た兆候が見られる。例えば箱根大涌谷の蒸気噴出が少し激しくなり観光客が減ると、旅館や土産店は直ぐに騒ぎ立て、休業補償!とか 特別融資を!を叫ぶ。ギリシャ人と全く同じ怠け者感覚だ。一般社会では休業や倒産に追い込まれることは日常茶飯事だが、貴重な遺跡の国ギリシャや、自然を恩恵を享受している箱根の観光業者は直ぐ救済を求める。魅力的な観光業にも大きな落とし穴がある。
直接は関係ない我々もギリシャの勝手さには少々呆れる。人口1000万人の内、国家公務員が20%(日本は3%) 、定年退職するとほぼ100%近い年金がつき(日本は50%程度?)、中高年者は早く退職して気楽な年金生活に入りたいと希望しているという。更にヨーロッパ文明の発祥国としての自負もあり、これが刻苦勉励のドイツ人気質を痛く刺激する。 既にギリシャは外国から43兆円の債務があり、更に7兆2000億円の融資をEUに求めている。日本も20倍以上の1000兆円を超える巨大債務国だが、債権者も同じ日本国民で、オレオレ詐欺に騙される高齢者達も主要な出資者だ。
実はEU側は厳しい立場にある。仮に怠け者ギリシャを見限ると、黒海からの出口を塞がれているロシアが地中海に軍事基地を獲得しようと待ち構えている。更にロシアがダメなら資金潤沢な中国も地中海に軍事基地を探しており、仮に10兆円程度なら簡単に提供するだろう。 国際政治とは本当に恐ろしいものだ。優雅な西欧文明の発祥の地としてのプライドをもつギリシャ人も、残忍なスラブ人や計算高い中国人の軍門には下りたくないだろうが、追い詰められると背に腹は代えらず決断するかも知れない。
ギリシャがEUに占めるGDPは2%余りと極端に小さく、EUが彼等の債務を引き受けることは難しくないが、その次はアイルランドや、巨大債務国ポルトガル、スペイン、イタリアなどが控えており、彼らは、ギリシャの決着を黙って見守っているから、ドイツも安易な妥協はできない。
日本と同様にドイツ人も、真面目に働くが愛想は悪い。製造業を嫌がり呑気な観光業で稼ぐギリシャ人の引退生活の費用負担なんてまっぴらだと思うのは当然だろう。更にドイツが最も嫌う第二次大戦の戦時補償をギリシャは平然と口にする。韓国が日本に求め続ける慰安婦補償や賠償責任と同様、もういい加減にしろと頭に来ている筈だ。
固苦しいドイツ人とは違って、ギリシャ、イタリア、ポルトガルなどラテン民族は美人が多く、愛想も良く、私も何人か親しい友人がいる。20年前の夏、私はイタリアで仮装パーティーに招待された。ウイリアムテルに仮装した私は、舞台に上がって即興でベサメムーチョを唄い大喝采を浴びたた記憶がある。中世のヨーロッパでは仮装パーティが栄えたそうだが、風紀を乱すからとマリアテレジアが禁止令を出した理由も分かるほど放漫で解放的なパーティーだった。彼等は正直に納税する義務感が薄く、経済の半分は地下取引の脱税らしい。その点ではヤミ経済が盛んな中国にも似ているとことがある。
今回の騒動でギリシャは観光客が激減し始めたと聞くが、それは彼等には重大なことだ。汗を流して仕事しなくてもアクロポリスやパルテノン神殿を見学する外国人が押しかけるから、わざわざ大気汚染とか騒音と汚水を生じる化学工業や機械工業などには気が向かない。仮に年間1,000万人が@30万円持ち込むとすると、30兆円という莫大な外貨が転がりこんでくる訳だ。面倒なITとか環境汚染の産業などをやる気になる筈がない。
年1億人がシャンゼリゼに押し掛けるフランスも同様で、彼等が世界を制覇するのはファッション産業だけだ。一人平均@30万円を落とすとすると年300兆円という莫大な外貨収入になる、観光業は麻薬的な禁断の職業とも言えて、一度うま味を知るともう止められない。資源に乏しい日本は寝る時間も惜しんで働き続けて、やっと年500兆円を稼ぎ、ドイツは年300兆円を稼いでいるのだ。
日本人が憧れる観光地ハワイも、常夏の国でその美しさには定評があり、私は何回も訪問した。安倍首相も日本の観光立国を促しているが、ハワイに生まれの若者達は刺激の少ない観光業は生涯を賭けるに値しないと米国本土に旅立ってゆくという。
実はわが国にも似た兆候が見られる。例えば箱根大涌谷の蒸気噴出が少し激しくなり観光客が減ると、旅館や土産店は直ぐに騒ぎ立て、休業補償!とか 特別融資を!を叫ぶ。ギリシャ人と全く同じ怠け者感覚だ。一般社会では休業や倒産に追い込まれることは日常茶飯事だが、貴重な遺跡の国ギリシャや、自然を恩恵を享受している箱根の観光業者は直ぐ救済を求める。魅力的な観光業にも大きな落とし穴がある。
2015年07月07日
150707 女子W杯サッカー
女子サッカーが面白かった。高給のプロ野球選手がメタボな姿で走るのは見たくないが、薄給のサッカー女子は一生懸命だ。明らかに外国勢より体格が劣るなでしこ選手が縦横に走り回って最後には勝ってしまう姿には思わず感動してしまう。男性サッカーも面白いが余り勝てないので関心が薄いのは仕方ない。
まず6/28(日)、相手のオーストラリアはアジアの強豪で、平均身長も7cm高く、日本は苦戦する予想されていた。しかし相手は守備に徹してカウンターを狙う戦略をとった。それを知ってなでしこは積極的に攻勢に出て押しまくり、圧倒的にボールを支配した。しかしサッカーは1点を争うゲームで、調子に乗り過ぎて攻めるとカウンタ−を食らう危険が常につきまとう。0:0のまま後半に入りオーストラリア側には明らかに疲れが見え始めた。午後2時スタートで気温30℃、とくに人工芝の照り返しで守備一辺倒の相手は神経を消耗しているのがテレビでも分かった。年配の澤に代わり若い宇津木がボランチに入り活躍したがなかなか得点できない。
後半大野に代わって出場した岩淵は若手ホープで天才的ドルブラーだが、国際大会では殆ど実績がなかった。しかし試合終了直前のゴール前の混戦で、転がってきたボールを蹴り込んで決勝点となった。なでしこは遂に米、独、英と並んで世界の四強に名乗り出た。従来からアシストに徹していていたサイドバック鮫島もスイス戦での貴重な1点を蹴り込んで自信をもち、自からも積極的にシュートに参加し始めた。スポーツに限らず実社会での成功体験は自信になり次の成功に拍車がかかる。なでしこ選手達の連携プレイも見事で、特に宮間、大野、岩淵、有吉、坂口、大儀見は日テレベレーザ出身、瞬時の意思疎通は相手を大いに苦しめた。
7/1(水)の準決勝は、4年前のW杯ドイツ大会で日本が唯一敗れたイングランドが相手だった。これも大きな身長差と体力差があり、相手は自信満々で内容的には始終押され気味だった。双方がPKで1点づつ獲得した。日本チームは小さなパスを繋いで相手ゴールに迫り、敵はロングボールでカウンターの応酬で、押されっ放しの苦しい時間帯が続いたが、大野に代わって岩淵が入った途端、流れが変わった。サッカーは個人技でもあることが良く分かった。後半ロスタイム終了直前に川澄が大儀見に蹴ったクロスボールに英バセット選手が触れてオウンゴールとなった。イングランドは茫然自失でミスしたバセットは泣きじゃくって暫く立てなかった。勝敗の世界では名誉と悲劇は紙一重で、成功すれば英雄に、失敗すれば地獄となる。20年前、オウンゴールで破れた南米コロンビア選手が帰国後、熱狂的フアンに射殺された例もある。
7/5(日)の米国との最終戦は2:5の悲惨な結果に終わった。前回の世界戦で喫した屈辱の敗北を雪辱しようと米国には執念があった。逆になでしこは決戦進出の過信と油断があり、開始早々に大量点を奪われて日本は大混乱に陥った。時間よ止まってくれ!と私は祈った。第二次大戦の沖縄玉砕時の日本兵の心境もかくありなんと思ったほど哀れで情けない心境だった。平均10cm近い体格差もあるが、米国は練習内容を秘密にし、逆になでしこはマスコミに練習を公開する驕りがあった。開始3分の米国コーナーキックは、高いボールを警戒した日本選手の裏をかき、米国が強烈なゴロを斜めに打ち込んで、ボールめがけて突進したロイドが蹴り込んだ。米国が隠していた秘密兵器の一撃がなでしこを直撃した。佐々木監督となでしこ選手は大混乱に陥り、守りを固めるよう指示する監督の声は選手には全く届かなかった。
屈辱の極みはゴールの守りを忘れて飛び出したゴールキーパー海堀の上空に打たれたロングシュートがキーパーを超えて得点され、5万人のファンの嘲笑と喝采を浴びたことだ。海堀は泣いたが、控えの山根、福元の心境は如何だっただろうか。 結局日本は前半16分間に決定的な4点を取られ、なでしこの戦意は完全に打ち砕かれた。なでしこには大きな油断と驕りがあったのは明らかだ。当初からファイナルを狙うと公言した日本女子が優勝戦にまで勝ち残ったのは本当に素晴らしく称賛に値する事は事実だ。しかし勝負は最後には必ず勝者と敗者に分かれる。 仮に破れても立派だと私は思っていたが、油断と驕りが露呈して恥ずかしい大敗に終わってしまった。接戦を演じて仮に破れても堂々と胸を張って帰国できる内容が欲しかった。
まず6/28(日)、相手のオーストラリアはアジアの強豪で、平均身長も7cm高く、日本は苦戦する予想されていた。しかし相手は守備に徹してカウンターを狙う戦略をとった。それを知ってなでしこは積極的に攻勢に出て押しまくり、圧倒的にボールを支配した。しかしサッカーは1点を争うゲームで、調子に乗り過ぎて攻めるとカウンタ−を食らう危険が常につきまとう。0:0のまま後半に入りオーストラリア側には明らかに疲れが見え始めた。午後2時スタートで気温30℃、とくに人工芝の照り返しで守備一辺倒の相手は神経を消耗しているのがテレビでも分かった。年配の澤に代わり若い宇津木がボランチに入り活躍したがなかなか得点できない。
後半大野に代わって出場した岩淵は若手ホープで天才的ドルブラーだが、国際大会では殆ど実績がなかった。しかし試合終了直前のゴール前の混戦で、転がってきたボールを蹴り込んで決勝点となった。なでしこは遂に米、独、英と並んで世界の四強に名乗り出た。従来からアシストに徹していていたサイドバック鮫島もスイス戦での貴重な1点を蹴り込んで自信をもち、自からも積極的にシュートに参加し始めた。スポーツに限らず実社会での成功体験は自信になり次の成功に拍車がかかる。なでしこ選手達の連携プレイも見事で、特に宮間、大野、岩淵、有吉、坂口、大儀見は日テレベレーザ出身、瞬時の意思疎通は相手を大いに苦しめた。
7/1(水)の準決勝は、4年前のW杯ドイツ大会で日本が唯一敗れたイングランドが相手だった。これも大きな身長差と体力差があり、相手は自信満々で内容的には始終押され気味だった。双方がPKで1点づつ獲得した。日本チームは小さなパスを繋いで相手ゴールに迫り、敵はロングボールでカウンターの応酬で、押されっ放しの苦しい時間帯が続いたが、大野に代わって岩淵が入った途端、流れが変わった。サッカーは個人技でもあることが良く分かった。後半ロスタイム終了直前に川澄が大儀見に蹴ったクロスボールに英バセット選手が触れてオウンゴールとなった。イングランドは茫然自失でミスしたバセットは泣きじゃくって暫く立てなかった。勝敗の世界では名誉と悲劇は紙一重で、成功すれば英雄に、失敗すれば地獄となる。20年前、オウンゴールで破れた南米コロンビア選手が帰国後、熱狂的フアンに射殺された例もある。
7/5(日)の米国との最終戦は2:5の悲惨な結果に終わった。前回の世界戦で喫した屈辱の敗北を雪辱しようと米国には執念があった。逆になでしこは決戦進出の過信と油断があり、開始早々に大量点を奪われて日本は大混乱に陥った。時間よ止まってくれ!と私は祈った。第二次大戦の沖縄玉砕時の日本兵の心境もかくありなんと思ったほど哀れで情けない心境だった。平均10cm近い体格差もあるが、米国は練習内容を秘密にし、逆になでしこはマスコミに練習を公開する驕りがあった。開始3分の米国コーナーキックは、高いボールを警戒した日本選手の裏をかき、米国が強烈なゴロを斜めに打ち込んで、ボールめがけて突進したロイドが蹴り込んだ。米国が隠していた秘密兵器の一撃がなでしこを直撃した。佐々木監督となでしこ選手は大混乱に陥り、守りを固めるよう指示する監督の声は選手には全く届かなかった。
屈辱の極みはゴールの守りを忘れて飛び出したゴールキーパー海堀の上空に打たれたロングシュートがキーパーを超えて得点され、5万人のファンの嘲笑と喝采を浴びたことだ。海堀は泣いたが、控えの山根、福元の心境は如何だっただろうか。 結局日本は前半16分間に決定的な4点を取られ、なでしこの戦意は完全に打ち砕かれた。なでしこには大きな油断と驕りがあったのは明らかだ。当初からファイナルを狙うと公言した日本女子が優勝戦にまで勝ち残ったのは本当に素晴らしく称賛に値する事は事実だ。しかし勝負は最後には必ず勝者と敗者に分かれる。 仮に破れても立派だと私は思っていたが、油断と驕りが露呈して恥ずかしい大敗に終わってしまった。接戦を演じて仮に破れても堂々と胸を張って帰国できる内容が欲しかった。
2015年07月03日
150703 集団的自衛権2
相変わらず集団的自衛権反対で、野党が大騒ぎを続けている。政府を牽制するのが仕事とは言え、徴兵制度復活とか 戦争する法案とか、無茶苦茶な言葉を乱発して、田舎のガキ大将レベルの論戦を吹きかけっている。世界でも極端に軍事力放棄をうたった平和憲法を守ることが、国民の生命を守るより重要だという趣旨になるが、果たしてそれが国会議員の発言と言えるのだろうか?
今回の騒ぎで、私は昔の社会党を思い出した。戦前の韓国済州島で旧日本軍が若い韓国女性を強制的に駆りだして慰安婦として戦地に送り出したという吉田清治のインチキ小説を、如何にも事実かのように朝日新聞が取り上げて連載し、更にそれを当時の社会党ホープの若手議員 福島瑞恵が国会で追及し始めた事件だ。日本の国会で慰安婦問題が議論されていること初めて知った韓国では、マスコミが大々的に取り上げて韓国民に火が着き、遂に国際的な事件にまで展開してしまった。 成り行きを見守っていた朝日新聞は、インチキ話が余りにも世界に大展開して、このまま放置する訳にも行かなくなり、遂に既報の20余件の朝日記事を全て取り消して社長が辞任した。しかし一度燃え上がった韓国民は簡単には収まらず、日韓の最大の懸案になって日韓を冷え切った関係に落し続けている。
ここまで問題を大きくした責任は社民党福島瑞穂元党首だが、功なり名遂げたご本人は全く知らぬ存ぜぬの態度だ。彼女の国籍にはいろいろ噂もあるが、もし日本人だというなら、責任を感じて韓国に出張して、ことの経緯を説明し、慰安婦強制は事実ではなかったと釈明すべきだろう。 国会での発言は責任を問われないことを盾に彼女は全く無責任に沈黙し続けているだけだ。
福島瑞穂を見習い、民主党の辻本清美も歴史教科書問題で自らを派手に売り出し、同じ手法で集団的自衛権反対を叫び続けている。国会での彼女の発言を聞くと、我が国民を守る意思は毛頭なく、下品な言葉の連発で 安倍首相と防衛大臣を罵倒しているだけだ。 幼稚で露骨過ぎる発言に、心ある民主党議員は眉をひそめていると思うが、政府寄りと非難されるのを恐れてか、黙って見守るばかりだ。もし維新の橋下元党首なら、辻本議員を叱責するだろうが、そのように勇気ある幹部は民主党には誰もいない。ある野党議員は、自衛権が拡大解釈されると自衛隊に必ず戦死者が出ると脅かしている。 何だか、自衛隊は絶対クビにならず、一生安泰な生活を送れる職場かのように誤解しているらしい。どんな仕事でも業務遂行上、犠牲者が出ることはあり得るのだ。 警察官だって毎年ある程度の犠牲者は出ており、民間企業にも労働災害はある。 更に殆ど武力を持たない為、自国の庭先にまで侵入されて埋め立てされているフィリピンやベトナムの哀れな姿を知らないのか? 平和憲法を順守して自衛権を行使しないことが、結果的に膨大な犠牲者を生む危険性を何故考えないのか?
集団的自衛権の狙いは ホルムズ海峡でも北朝鮮でもなく、仮想敵国は中国である。野党は想定される戦争の具体的な事例の説明を求め続けるが、安倍首相はホルムズ海峡の機雷封鎖と北朝鮮のロケットしか語らない。中国は本土から遠く離れた南シナ海ど真中に4ケ所の軍事基地を構築しているが、その次は尖閣周辺の日本の南西列島に大きな風穴を開けて潜水艦が自由航行できる自国領海を求めるのは確実で、周辺の日本領海は連日中国戦艦に侵入され続けているのだ。
戦力的に中国はまだ米国に劣るが、10年後には米国と肩を並べる軍事大国に成長し、20年後には米国を抜いて世界最強の軍事国家になると予想されている。 その時に日本は如何に自国領土を守るか、少子化問題と並んでいまわが国が直面する最大の懸念事項であり、国会議員は真剣に考えるべき責任がある。
国連憲章第51条には、各国は固有の権利として個別的自衛権と集団的自衛権を持つとはっきり明記されている。終戦直後、米国の素人法律家の数人が集まって一週間余りで書き上げた現行平和国憲法は完全に時代遅れとなっている。 国会議員は如何に国民の命を守るか、もっと本気に考えるべきだ。いま個別自衛権だけで自国を守れる国は世界になく、ロシアと中国は協力して相互防衛に当たり、米国は西欧や日本と協力してやっと自己防衛ができるのだ。米国は日本を守るけど日本は米国を助けない勝手などあり得ず、平和憲法の解釈は時代の変化に応じて変わって当然なのだ。石頭の法学者達は如何に国民を守るかには全く関心無く、時代錯誤の平和憲法を中学生読本と同じ解釈で忠実に守るかしか考えていないのだ。
確かに平和憲法を文字通りに解釈すれば、集団的自衛権は認めていないといえるだろうが、憲法を字句通りに守るより、国民の命を守ることが憲法の趣旨であることは当然である。国民の生命や財産が危険に曝される可能性がある時には、憲法も相応に解釈されて然るべきだと私は思う。 そのことを堂々と発言する法学者が日本にはごく少ないことは本当に悲しい。誰が非難しようと、憲法の根本的な役目は国民の命と生活を守ることなのだ。
今回の騒ぎで、私は昔の社会党を思い出した。戦前の韓国済州島で旧日本軍が若い韓国女性を強制的に駆りだして慰安婦として戦地に送り出したという吉田清治のインチキ小説を、如何にも事実かのように朝日新聞が取り上げて連載し、更にそれを当時の社会党ホープの若手議員 福島瑞恵が国会で追及し始めた事件だ。日本の国会で慰安婦問題が議論されていること初めて知った韓国では、マスコミが大々的に取り上げて韓国民に火が着き、遂に国際的な事件にまで展開してしまった。 成り行きを見守っていた朝日新聞は、インチキ話が余りにも世界に大展開して、このまま放置する訳にも行かなくなり、遂に既報の20余件の朝日記事を全て取り消して社長が辞任した。しかし一度燃え上がった韓国民は簡単には収まらず、日韓の最大の懸案になって日韓を冷え切った関係に落し続けている。
ここまで問題を大きくした責任は社民党福島瑞穂元党首だが、功なり名遂げたご本人は全く知らぬ存ぜぬの態度だ。彼女の国籍にはいろいろ噂もあるが、もし日本人だというなら、責任を感じて韓国に出張して、ことの経緯を説明し、慰安婦強制は事実ではなかったと釈明すべきだろう。 国会での発言は責任を問われないことを盾に彼女は全く無責任に沈黙し続けているだけだ。
福島瑞穂を見習い、民主党の辻本清美も歴史教科書問題で自らを派手に売り出し、同じ手法で集団的自衛権反対を叫び続けている。国会での彼女の発言を聞くと、我が国民を守る意思は毛頭なく、下品な言葉の連発で 安倍首相と防衛大臣を罵倒しているだけだ。 幼稚で露骨過ぎる発言に、心ある民主党議員は眉をひそめていると思うが、政府寄りと非難されるのを恐れてか、黙って見守るばかりだ。もし維新の橋下元党首なら、辻本議員を叱責するだろうが、そのように勇気ある幹部は民主党には誰もいない。ある野党議員は、自衛権が拡大解釈されると自衛隊に必ず戦死者が出ると脅かしている。 何だか、自衛隊は絶対クビにならず、一生安泰な生活を送れる職場かのように誤解しているらしい。どんな仕事でも業務遂行上、犠牲者が出ることはあり得るのだ。 警察官だって毎年ある程度の犠牲者は出ており、民間企業にも労働災害はある。 更に殆ど武力を持たない為、自国の庭先にまで侵入されて埋め立てされているフィリピンやベトナムの哀れな姿を知らないのか? 平和憲法を順守して自衛権を行使しないことが、結果的に膨大な犠牲者を生む危険性を何故考えないのか?
集団的自衛権の狙いは ホルムズ海峡でも北朝鮮でもなく、仮想敵国は中国である。野党は想定される戦争の具体的な事例の説明を求め続けるが、安倍首相はホルムズ海峡の機雷封鎖と北朝鮮のロケットしか語らない。中国は本土から遠く離れた南シナ海ど真中に4ケ所の軍事基地を構築しているが、その次は尖閣周辺の日本の南西列島に大きな風穴を開けて潜水艦が自由航行できる自国領海を求めるのは確実で、周辺の日本領海は連日中国戦艦に侵入され続けているのだ。
戦力的に中国はまだ米国に劣るが、10年後には米国と肩を並べる軍事大国に成長し、20年後には米国を抜いて世界最強の軍事国家になると予想されている。 その時に日本は如何に自国領土を守るか、少子化問題と並んでいまわが国が直面する最大の懸念事項であり、国会議員は真剣に考えるべき責任がある。
国連憲章第51条には、各国は固有の権利として個別的自衛権と集団的自衛権を持つとはっきり明記されている。終戦直後、米国の素人法律家の数人が集まって一週間余りで書き上げた現行平和国憲法は完全に時代遅れとなっている。 国会議員は如何に国民の命を守るか、もっと本気に考えるべきだ。いま個別自衛権だけで自国を守れる国は世界になく、ロシアと中国は協力して相互防衛に当たり、米国は西欧や日本と協力してやっと自己防衛ができるのだ。米国は日本を守るけど日本は米国を助けない勝手などあり得ず、平和憲法の解釈は時代の変化に応じて変わって当然なのだ。石頭の法学者達は如何に国民を守るかには全く関心無く、時代錯誤の平和憲法を中学生読本と同じ解釈で忠実に守るかしか考えていないのだ。
確かに平和憲法を文字通りに解釈すれば、集団的自衛権は認めていないといえるだろうが、憲法を字句通りに守るより、国民の命を守ることが憲法の趣旨であることは当然である。国民の生命や財産が危険に曝される可能性がある時には、憲法も相応に解釈されて然るべきだと私は思う。 そのことを堂々と発言する法学者が日本にはごく少ないことは本当に悲しい。誰が非難しようと、憲法の根本的な役目は国民の命と生活を守ることなのだ。