2015年11月

2015年11月29日

151130 自治会の議論


私の住む住宅地は湖畔に面した風光明媚で静かな場所だが、唯一の問題は豪雨になると湖水が堤防を越えて住宅地に流れ込む可能性があることだ。既30年前からこの問題は議論されて、湖の周囲20キロの殆どは高さ4mの堤防が構築されて周回マラソンやバードウオッチング、サイクリング等の素敵な遊歩道になっており都会住民が休日に散策しながら憩う場所になっているが、我が住宅地沿岸の1キロだけはまだ築堤されず取り残されていた。有志の方々の努力もあり6年前に住宅沿岸の築堤工事が始まったが、軟弱地盤で工事は遅れに遅れて、まだ2〜3割程度しか進捗しておらず、完工時期の見えない工事が延々と続いている。先日その地元住民に対する説明会が県土木部と市の共催で開催された。                    

築堤工事に手間取っている大きな理由は、湖底の地盤が軟弱な為だが、それとは別の問題があった。ひとつは築堤土砂の搬入方法であり、特に重量ダンプが住宅街の中を通過することを住民が嫌った為、わざわざダンプで遠く離れた場所まで運んで土砂を一旦降ろして、そこで湖上のボートに土砂を積み替えて 再び船で運び戻して、築堤場所にクレーンで陸揚げして、更に小型ダンプに積み替えて築堤場所に運ぶという、会計検査院が知ると激怒しそうな手間と費用がかかる非効率的な方法で土砂を運んでいることだ。しかし一応 堤防の基礎地盤も出来上がったので、今後は予算節減と工事進捗の為、ダンプが住宅街を通過して直接 築堤場所に土砂を搬入したいとの県の要望が説明された。

しかしダンプが通過する住宅街沿の人々は振動と騒音を嫌って賛成しなかった。県は通過道路の地盤を基礎から再度固めて揺れを低減し、更に時速5キロの超ノロノロ運転でダンプを通過させるからと住民に説得したが、誰も賛成の声は発しない。道路沿から離れた住民達も、県提案の必要性は理解しても、顔見知り住民の反感を買ってまで、受け入れるべきだとは誰も発言しない。仮に県の提案が拒否されると、再び3〜4倍もの
予算と時間を費やす極めて非効率的なボート輸送に戻ることになる。自分の懐は痛まなくても浪費する予算は県の負担であり、結局は国民負担になるのは明らかだが、道路沿い住民達からは迷惑発言ばかり続いて、受け入れる雰囲気にならなかった。                                                       

黙って聞いていた私は遂に声を上げた。確かに道路沿いの方々には少々迷惑だろうが、予算と時間を激減できるトラック直接搬入が合理的なのは誰にも明らかな筈だ。自分の懐は痛まなくても結局は国民の負担に跳ね返るのだから、少々の不便は我慢しても非効率な湖上搬送は中止して、直接ダンプで搬入する方法に切り替えるべきだと主張した。そして会場は沈黙に包まれた。しかし誰も私の意見に反対意見は出さず、結局は県提案のダンプ直接搬入を容認する方向に変わり、道路沿い住民との詳細な打ち合せが別途行なわれることになった。                                                                                                                                
 
もう一つは、高さ4mの眺望が効く築堤が出来上がると、堤防上を散策する人々が20m〜30mほど離れて建つ住宅を覗き見するとの意見であった。堤防沿いの住民から、覗き見を避ける為、遊歩道を湖水側の低地に移動させて、その低い道を通過させるよう県に要請していたのだ。見晴しの良い堤防上を散歩すると、住宅も通行人の目に触れる可能性は確かにあるが、それを防ぐ為、堤防上を通過禁止として、眺望が効かない湖面側の低い遊歩道に散策者を追い込むとは、余りにも勝手過ぎると、私は再び挙手した。

折角 湖面の絶景を楽しみに来訪するハイカー達は、視界の効かない低い遊歩道に追い込まれては散策気分も消し飛んでしまう。山村と違って町の住宅街はどこも覗き見される可能性は常にあり、窓をカーテンで遮れば済むことだ。折角小高い堤防上をウオーキングしながら水鳥を眺たり、サイクリングを楽しむ人達を、眺望の効かない低い遊歩道に追い込むのは勝手過ぎる。また湖面には背丈3m以上のアシが群生して低い遊歩道を包み込むので 防犯上の問題もあり、女性や子供達には危険な散策道になってしまう。やはり常識的に遊歩道は堤防頂上に設けて、眺望やバードウオッチングを楽しむハイカーの期待に沿うべきだと。顔見知りの住民達は 多分気分を害したと思うが、ここで引き下がっては我が町内会の汚名にもなってしまうと私は力説した。その結果 自治会が遊歩道設計に口を挟んだことは取り消し、県土木部の設計に一任することで決着した。

何処も同じことだろうが、自治会とは誠に勝手で我儘な意見のオンパレードだ。勝手過ぎると思っても、無関係な住民は顔見知り仲間に嫌われたくない為、反論せず沈黙を続けると、その勝手極まりない発言が自治会の統一意見になってしまう。政治の世界でも全く同様で、例えば沖縄基地問題も、辺野古近郊の住民は過半数が新空港建設に賛成だそうだが、声を上げると村八分になるので黙して語らない。慰安婦問題も日本政府が積極的に反論しなかった為、世界各地に慰安婦像が建設さ始めて、インチキ物語が歴史的事実に化けつつあるのだ。韓国ソウル世宗大の朴裕河教授が、慰安婦は強制ではなかったと主張した処、忽ち韓国世論の猛反発にあい、国益を損なったと告訴され裁判事件に発展している。誠に不条理ばかりの社会であるが、それを修正するのが政治の役目である。ペーパーテスト秀才ばかりの外務省官僚が保身のため積極的に反論しなかったことが、慰安婦問題をここまで拡大させたのだ。学歴は2流でも、世界に向かって正論を堂々と発言できる能弁で元気な若者達を起用して外務省官僚を大幅に革新すべきだと思う。





mh3944 at 09:54|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 政治 

2015年11月22日

151122 ベンチャーの挫折


午前の仕事を終えて昼食に出掛けようとした時、突然友人が来訪した。新聞折り込みのローカル情報誌を発行している親友だ。 久し振りですね!お元気ですか?と声をかけると,まあ 何とか!とは言うが顔は笑っていない。何かあった? と私は訝ると、仕事を止めることにした! 情報誌の発行を止めます!という。最近音沙汰が途絶えて苦戦かな? とは想像していたが、廃業するとは流石に驚いた。 え!止めるの? 事務所を閉じるの?と聞くと、はい、ローカル誌をやめます! ネットに押されて印刷ものは広告が減る一方で、赤字が月40万円にもなります! 万策尽きたのでこの辺で止めて考え直そうかと!もしダメなら引退して田舎に引っ込むことも考えています!という。すでに65才前後だとは思うが、今後生活できる年金があるのだろうか?とも思った。                                                                                               
タウン誌とかミニコミ情報誌は記事が少なく広告ばかりで読むところが少ない、と家内も先日言っていた。広告は結構取れているのでは?と聞くと、空欄にできないので無理して広告を載せるが極端に値切られて採算が取れない、という。このローカル情報誌は30年前にある人が始めたものだが、先行きに不安を感じたらしく 2年前に友人が譲り受けたばかりだ。 張り切った彼はクーポン券発行など拡大路線を目指したが、やはりネット化の流れには抗しえなかったらしい。 確かに近年盛んに叫ばれるベンチャーとか起業とかは 生き残りが非常に困難で、その90%は2〜3年で廃業に追い込まれるという。余程のユニークな特徴でも無ければ、厳しい社会では生き延びられないのだ。                                             
                                                                 

実は私も自分の凡才を顧みず、17年前に定年を迎えた時 精密機械のメンテナンス代行業を始めた。親兄弟は反対し、当初の2年間は破産寸前の綱渡りだったが、何とか生き延びて既に17年が経過した。生き延びた理由は、私が有能だったからではない。誰も言い出さない超困難なテーマ→ 他社の精密機械のメンテナンスを代行します!との無謀なスローガンを掲げたからだ。精密機器の修理はメーカー自身でも熟練を要する難しい仕事で、まして知識経験に乏しい外部の業者が、専門メーカーの精密機器を修理することなど殆ど不可能で、常識ある起業家なら決して言い出さない無鉄砲なテーマであった。                                 
                                                                  
案の定 売り込み訪問したユーザーからは嘲笑され続けた。走り回ってやっと受注出来た最初の仕事は新鋭機器の修理ではなく、使い古した米国製血液検査装置のオーバーホールで、それは病原菌やエイズ,HBウイルス等でひどく汚れ誰も手を付けない危険な大型精密機器だった。まず2台ほど受け取って人里離れた静岡の倉庫に持ち込み、マスクと手袋で身を固めた3人が必死で格闘し、1ケ月かけてやっと新品に近い装置に修復して120万円を受け取った。その仕事は1年で終了した。                                                                                                                                      
次に某大手半導体メーカーから、排ガス処理装置の清掃業務を受注した。太い筒状反応塔から微粉末鉄粉を掻き出す煙突掃除夫のような3K仕事で、報酬は良かったが回数が少なく月3〜4日だった。いろいろ苦戦苦闘を重ねる内に少しづつ名前を知られ始め、段々と割の良い仕事を選択できるようになり、4年後には米国S社の半導体製造機器の輸入検査と修理代行を全面的に担当することになり、やっと一息つき、経営が安定した。現在は某大手メーカーの検体選別搬送ラインのロボット群の保守管理を24hrs, 3交代で担当しているが、メンテ業務は全て地味な下積み業務で、現代風の若者には見向きもされない3K仕事ばかりだ。しかし世の中には故障しない機械は無く、確実に大きなマーケットは存在しており、今でも年100件前後の相談や依頼が舞い込むが、我が零細企業には余裕が無く、深々と頭を下げて全てお断りしている次第。


政府も 地方創生、ベンチャー奨励、起業推進、と繰り返し言い続けているが、その裏付けとなる具体的な政策は何も無い。地方自治体の役人達も全く無能で意欲ない連中ばかりだ。 2年前に、JR駅前に市役所が所有する高層ビルの最上階の15坪が空室になった。最高のロケーションで眺望絶好な空室を有効に使うべく、市は家賃25万円を負担する条件で市民に用途を公募した。家賃だけは何とか回収しようというケチな魂胆だが、誰も応募しなかったので、私が、家賃は市負担で20余名の有志起業家が集まり、各々がITベンチャーを目指す基地にする計画を立案して、具体的なテーマも列記して市に提案書を出した。しかし市は、仕事探しで苦闘する起業家達への機会供与などは問題外、テーマも難しくて理解できない、家賃を負担しない、等の理由で却下されてしまった。

その後1年以上が経過しても、依然駅前の空室は利用者が見つからず、そのままで放置され続けており、閑な高齢者が新聞を持ちんで読み耽り、受験生達が自習する雑談場所に解放されている。万策尽きた市役所は最近、結婚相談所とか称して毎月特定の曜日に市職員を待機させているが、閑古鳥状態で時折老婆が相談に来訪する程度だ。若者が結婚しないのは相手が居ないからではなく、定職がなく収入がないからであり、若者に仕事する機会を提供することが先決であるにも拘わらず、チエのない市幹部の石頭はその辺の事情が理解できず、デリケートな結婚仲介などをしようとする短絡思想にはただ呆れている。
                                                                                                                              
結局、政府や地方自治体のお役人達は、口では地方創生とか、ベンチャー推進などを大声に叫ぶが、起業が何たるかを殆ど理解できていないのだ。彼等は与えられたテーマを美しいスローガンで装飾して予算を獲得し、年度末に適当な報告書を提出するだけに終わっている。時流のスローガンで予算を獲得して、内容の空虚な成果報告書を作成するだけの知恵しか持っていないお役人達の再教育が先決である。




mh3944 at 08:12|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2015年11月17日

151117 巨人の新監督

巨人の原辰徳監督(57)が退任して、大きく若返り高橋由伸(40)に変わった。 原監督は東海大相模時代に甲子園出場3回、東海大の首都リーグ時代は最高殊勲選手を3回受賞しドラフト1位で巨人に入団し、打率3割,.ホ-ムラン30本, 100打点を記録した超エリートだが、10年間の監督生活は流石に長過ぎてマンネリに陥り、近頃は思うような成果を出せなくなった。企業の社長も同様で、どんなに人格者でも長年業務すると誰でも惰性気分になり 内心では辞めたいと思い始める。
                                 
新任の高橋由伸も天才的で、彼が打つホームランは流れるように滑らかなフォームで素晴らしい。また守備も人並み以上、足も結構よく走り、野球人としてバランスが取れている。 彼は桐朋高校時代から注目されてプロに誘われたが断って慶応大に進み、ドラフト1位指名で巨人に入り、直ちにレギュラーの座を確保して活躍、新人王こそ僅差で中日の川上憲伸に譲ったが、実力は広く認められており、人柄も優しくチーム内の信頼が大きい。 

しかし監督は求められるのは人格高邁なエリートキャリアだけではない。監督は優しさだけでは勝手気ままな荒武揃いの選手達を自在にコントロールする事はできない。リーダーには的確な判断力と同時に、冷酷な決断が必要であり、この冷酷さこそが最近の巨人軍には最も欠けている。この修復は優しい高橋には重過ぎると私は思う。例えばやる気もなく打率2割強、ホームラン15本、超鈍足の 阿部慎之助(36)を、原監督は年間通して主力打者として使い続けたが、衰えた今の阿部レベルでは他チームは絶対に主力打者には起用され得ず、精々下位打者かピンチヒッター扱いだが、優柔不断な原監督は決断しきれなかった。例えば昨年最下位だったヤクルトは主力選手を全面的に若手選手に切り替えて見事に優勝した。リーダーの優しさが効果的なのはごく小さなグループであり 数十人を超える猛者集団を統括して、作戦を指揮する監督には温情は全く不要で、冷酷な決断力だけが求められるのだ。  

実は私も決断力には自信なく、60名を超える合弁会社の社長として苦労の連続だった。誠心誠意働く若手社員は優しさに応えて存分に活躍したが、中途採用した猛者連中には通じなかった。彼等は会社の業績を挙げるよりも、自分の住み心地良い地位を築くことが目的であり、社員をオルグして自分の仲間を作り、自己の立場を強化して社内に強い地盤を築くことが目的だった。彼等は計画に失敗すると義理も未練も無く次の会社に移っていった。悪智慧のない若手スカウト組は、医薬営業が時間的に余裕あることを悪用して適当に仕事をさぼる連中が多かった。更に仲間外れを恐れて私に問題をアドバイスする幹部が不在だったことも痛かった。私が強い自己主張は極力控えていたことを今頃になって深く反省している次第。

エリート集団の巨人軍には自意識過剰な選手が多く、一般のサラリーマンが一生かけて稼ぐ数千万円〜数億円を1年で稼ぐ高給者ばかりであり、殆どみるべき成果がない阿部も年俸5億円という超高給を受けていたのだ。食うことに心配ないためか、長いシーズン中には緊張感を失う選手が多く、億円単位の年俸を受けながら殆ど出場しない選手が内海,杉内ほか何人もいる。今の巨人軍には徹底的に選手を鍛える鬼将軍的なリーダーが不可欠であり、高橋にはその冷徹さが欠けている。

私の狭い情報内で言えば、巨人軍の次期監督の適任者としては、例えばDeNA監督を辞任した中畑清(61)もいる。中畑は駒沢大学から3位指名で巨人に入団、2軍の苦しい下積みを3年間体験して自己を鍛え上げて、遂に巨人軍の中心選手になって大活躍した。あの寄せ集め軍団の横浜DeNAの監督に就任して無気力なD eNAを活力あるチームに変身させ前半戦では首位を独走することもあったが、後半には力尽きて再び下位に陥落した。しかし彼のFighting-Spirit溢れる言動は今の巨人軍に最も欠けているものであり、新監督をやらせてみたかった。                                                
                                                                  
また新しく阪神の監督に就任した金本知憲(47)も適任者だと思う。金本もエリートコースとは無縁で、広島広陵→東北福祉大からやっと4位指名で広島に滑り込み、当初の3年間は殆ど1軍には呼ばれず、2軍で猛練習を積んで実力をつけて頭角を現し、遂に2004年に打点王、2005年に最優秀選手、ベストナイン7回、オールスター出場11回。通算安打数歴代7位、通算本塁打数歴代10位という素晴らしい実力選手に成長した。鬼将軍の金本が巨人監督になれば、エリート気分に浸って練習しない若手選手達の根性を叩き直して、戦闘集団に変身させるだろうと私は思う。 我々スポーツファンは必死に鍛錬して死にもの狂いにプレイする選手達にお金を支払うのだから。 


mh3944 at 09:14|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 雑感 

2015年11月13日

151113 異常過ぎる翁長知事

辛勝ではあったも沖縄県知事になった翁長氏の最近の言動が益々気違いじみてきた。危険な普天間空港は緊急に撤去せよ! しかし代替の辺野古新空港は絶対認めない!と叫び続けている。長年に渡って議論し尽くされ代替空港は辺野古以外にあり得ないのは誰も認める事実だが、翁長氏は絶対に潰すと意気込んでいる。

尖閣に上陸して列島奪取を目論む中国に対抗するには距離的に沖縄以外にないのは素人でも明らかだが翁長氏は中国には何の脅威も感じないそうだ。何という鈍感さ!何という阿呆さ! 彼の言動は日本の政治家としては最低であり、逆に中国の代理人と考えると全ての発言と行動が理解できる。反対派の地元名護市の稲峰市長も僅差で市長に当選したが、残りの半数近い地元住民は新基地建設を容認しており、決して大多数の民意が基地建設に反対ではないのだ。

読売新聞10/29に、沖縄県が昨年11〜12月に中学生以上の沖縄県民を対象に実施した「県民の意識調査」が次のように解説されている。

在日米軍に対する印象は (悪い+どちらかと言えば悪い)=合計46%
在日米軍の印象は (良い+どちらかと言えば良い=合計33%、 と在日米軍の印象は良くない。

しかし奇妙なことに、日米安全保障条約が日本の平和に役立っている=59%、 であり 役に立っていない=23%を2倍以も上回り 沖縄住民は日米の軍事提携には大多数が賛成である。

更に 日米関係が重要=79%、日中関係が重要=64%、と沖縄県民は中国より日米関係を重視している。 更に 中国に対する印象は、良くない=92%, 尖閣に対する中国海軍の侵入は不安=60% と圧倒的に反中国が多数だ。   

実は、アンケートは住民意思を正確に反映されるようでも、実はかなり回答を誘導できることが専門家には良く知られている。 例えば内閣支持率の如きごく簡単なアンケートでも、設問の微妙な操作によって結果が異なり、「朝日vs産経」には 常に5%以上の大差がある。 翁長知事も反米回答を増やそうと県民アンケートを色々と工夫したであろうが、沖縄県民の大多数を反米回答に導くとことは出来なかった。

反米回答を増やそうとする工夫は色々あり、例えばアンケートの対象を中学1年生以上としたのもその典型例である。 自己判断力が未成熟で、中学高校の先生達の扇動に影響され易い中学生をアンケートに加えて、反米回答の増加を狙った操作である。 もし公正を期すなら選挙権を持つ20才以上 or 少なくとも18才以上を対象とすべきであるが、若い中学生達をアンケートに加えて過激な回答を増やそうと努力したが、翁長知事の企みは無為に終わった。

翁長知事は、中国戦艦が繰り返し日本領海の尖閣に侵入を繰り返して日本国民の不安にさせているのに、何が心配なのか理解できないと公言し、米ソ冷戦時代に比べて脅威が増したとは全く思わないとも言う。これほど鈍感で阿呆な知事は 珍しい。もし阿呆ではなければ、翁長氏は或いは中国に洗脳された売国奴かも知れず、沖縄県民でさえ嫌がる中国にすり寄っているのだ。 翁長知事は公式の場では 日本人としての誇りを口にするがそれは口先だけであり、内心は県民を煽り立てて沖縄ナショナリズムを盛り上げ、沖縄独立を視野にいれて扇動し続けているのである。 
  
今年4月14日、日本国際貿易促進団に一員として翁長氏が訪中した際、中国No.2の李克強首相とも個別に面談して、沖縄は古くから中国との長い交流の歴史があり、今後も交流を促進しよう、と話し合った。中国の首相が日本の地方知事と単独に会う事自体も異例であるが、中国は翁長氏を利用して、沖縄を日本から離反させ、独立運動を積極的に盛り上げようと狙っているのだ。翁長知事は米国にも渡って沖縄基地反対を訴えたが軽くあしらわれてしまった。

外交問題は、最も過酷で重大な国家間の権益に関する激しい交渉の積み重ねであり、辺境の一知事が口を挟むのは 百害あって1利ナシにも拘わらず、翁長知事は自分の立場を忘れて、米国高官や中国首相に直接、基地反対を訴える典型的な大バカ者といえよう。



mh3944 at 09:04|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 政治 

2015年11月01日

151101 不良マンション

横浜市都築区で8年前に三井不動産が販売した700戸の大型高級マンションの基礎工事が不良と分かり騒ぎになっている。基礎工事を請け負った旭建材は、大手の旭化成の子会社で, 不完全な 杭打ち工事で,マンションが2cmほど傾いたという。そのお蔭で同業他社の基礎工事まで疑問の目で見られ始め, 全国的な大騒ぎに発展している。お隣り中国韓国は日本は大騒ぎが好きな国民だな!と思っているかも知れない。 

旭建材の杭打ち施工者が何故不良な工事をしたか不明だが、お蔭で高級マンションが一転して問題マンションになった。信用失墜した三井不動産と旭化成は全4棟を立て直しますと弁明しているが、大会社の信用を武器に営業してきたブランドに傷がついた痛手は非常に大きい。 

旭建材は全国で3,000件以上の基礎工事を実施しているそうで、同社の営業力には驚くが、同じ責任者が担当した建物は全国に41件あり、今回の不正が横浜のマンションに限定か、或いは他にも拡大するか調査が始まった。旭化成は、本業のケミカルズを抜いて、住宅産業が稼ぎ頭であり、本事件は同社の基盤を揺るがす重大事件とあって、社長が早々に記者会見して涙を流しながら不良工事を詫びた。 事件を起こした担当者は旭化成の子会社の旭建材の契約社員だそうだが、複雑な杭打ち工事は、元請が完全には管理はできず、結局担当者の責任感に頼る以外にない。私は大企業に共通する子会社の人事管理に、本事件の原因が関係しているのではないかと思っている。

一般に大会社は、事業分割や、意欲旺盛な若手社員が親会社から離れて子会社を作るるケースが多い。 親会社は危険な新事業を別会社で実施した方が安心であり、将来は親会社の年配社員の受け皿にも使える。 子会社側は、給料だけ高給で専門知識のない年配管理職を次々と送り込まれて プロパーの子会社社員がやる気を失い意気消沈してしまう重大な経営問題となっている。

大企業の人事には問題点が多く、特に出る杭は打たれる!の通り、組織を逸脱する元気社員は排除され易い。中小企業なら誰が実力者で誰が真の貢献者かは簡単明瞭だが、大企業では、無能な中堅社員が弁舌巧みに立ち回り、事業が成功すると大勢の仲間がすり寄ってくるが、失敗すると殆どの仲間は去って孤立してしまうのが常である。更に悪質な上司は部下の功績を横取りして当人を抹殺することもあり、危険を承知で働いた貢献者よりも、無能で口達者な茶坊主社員が重宝されて出世し、実力社員が嫌気をさして飛び出し子会社を作ることも多い。 

私もDIC企画部長の時、脳腫瘍を発病して入院手術して無事に退院したが、束縛ばかりの本社業務に飽きて、入退院を機に新会社を企画して、自分の意志で子会社を設立して飛び出した。 対象業務は、親会社には無縁なバイオ診断薬の輸入販売と開発であり、全く未経験な業界で、失敗すると全責任を自分が負うことを覚悟していた。逆に親会社からの干渉は全く無く、親会社のバイオ技術者のサポートも受けて、自由に経営できた結果、社員60名の中堅企業にまで成長させて定年退職した。この出来事は私のサラリーマン人生を充実の日々に変えて今も心の財産になっている。私の同僚S君も親会社の歯車的な業務に飽きて飛び出し、子会社フイットネスクラブを興して成功している。

有名な話だが、ノーベル賞を受けた日亜化学の中村修二氏は、社内の人間関係に配慮せずに、難関の青色LED開発に猛進した為、周囲との関係が益々悪化して、彼の業績は故意に低評価され続けた。 怒りを爆破させた中村氏は遂に退職して米国に飛び出した。中村氏の独断的な振舞も原因ではあろうが、目立ち過ぎる人物は往々にして叩かれるのが組織社会の常であり、不満を貯めた有能社員は独立して起業するか、学会発表を繰り返して業界の名前を売ってスピンアウトする機会を狙う。大会社の組織では、年月と共に経営が硬直して自己組織の存続が最大の命題となり、実力社員は半殺しにされて生かされないケースが非常に多いのは、日本や欧米に共通する常識である。
    
人事の要諦は 社員に実力を十分発揮させて、その結果を正当に評価することだが、正当な評価は大変に難しく 評価する権力者の感情に左右され易い。また組織として行われた業務は 誰が最大の貢献度か判定が難しく、従って権力者の主観が大きく影響する。特に大企業では企業への貢献よりも、権力者個人にプラスかマイナスかによって評価が左右され易く、学閥や派閥も大きく影響する。そして 年月の経過と共に大企業は段々と活力を失ってゆく。その結果、企業の業績に確実に悪影響を及ぼし、企業の寿命は30年と言われる所以でもあり、それは事実である。

その点、単純で明快なのは同族会社である。同族会社では、最高の権力者は常に社長であり、学閥や派閥の影響も少なく、意思決定が明確なので、成果はそのまま認められ、若手社員が安心して業務に専念できることは案外知られていない大きな利点である。同族会社の欠点は社長が戦略を間違えても周囲はなかなか正せないことである。

韓国は殆どの大企業が同族会社であり、日本を目標に即断即決で追撃して、サムソン、現代、SK,LG,ロッテなど5大財閥を築き上げたが、目標とした日本企業が消えて指標が無くなった途端、進む方向が見えなくなり、今度は中国企業に追い上げられ苦境に陥っている。 逆に日本の三菱、住友、三井、東芝 松下 日立、シャープなど民主的な大企業は、逆に意思決定に時間を要し決断が遅れて、韓国企業に先行された。 米国も同様で世界最大であったGMさえ、日本車の小型車ブームに乗り遅れて世界No.1の地位から陥落してしまった。 米国でベンチャーが盛んな理由は、硬直して身動きできなくなってしまう大組織の宿命とは無関係に柔軟に即断即決できるからである。 



 


mh3944 at 07:35|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 雑感